勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    a1180_012431_m
       

    文大統領は、G7首脳会談でゲストとして出席した。韓国では、これによって韓国の世界的地位が上がったとご機嫌である。

     

    韓国大統領府の朴国民疎通首席秘書官は14日のテレビ番組に出演し、「韓国が事実上、G8に位置付けられたとの国際的な評価が出ている」と述べた。朴氏は「今回のG7首脳会議に招待された4カ国のうち、インド、オーストラリア、南アフリカ共和国は議長国の英国と関係がある英連邦諸国のため、韓国が事実上唯一の招待国であり、2年連続でG7首脳会議に招待された」と評価した。自画自賛である。

     

    仮に韓国が、「G8」という自己評価であれば、それに伴う責任も重くなる。今回のG7は、中国けん制一色である。これを考えれば、韓国の「二股外交」ははなはだ困ったことになるのだ。韓国は、こういう認識を求められていることを知っているのだろうか。

     


    『中央日報』(6月15日付)は、「G7の中国牽制と北朝鮮圧迫、冷厳な現実だ」と題する社説を掲載した。

     

    一昨日、英国コーンウォールで閉幕したG7サミットは中国牽制と北朝鮮の非核化、新型コロナと気候などが核心キーワードだった。北朝鮮の非核化と気候問題を除けば、ほとんど中国に批判的な内容だった。

     

    (1)「中国の「一帯一路(陸海上シルクロード)」による東・南シナ海の緊張高揚に対する批判、新疆地区の人権尊重と香港自治権の許容、台湾海峡の安定、中国から始まったとみられる新型コロナの起源第2段階調査などだ。ジョー・バイデン米国大統領が提案して合意した「より良い世界の再建(B3W・Build Back Better World)」も中国牽制の目的がある。B3Wは、低開発国のためのグローバルインフラ建設の協力パートナーシップ構築だが、中国がお金で低開発国を抱き込んで固く締めつけることを防ぎたいという狙いだ。中国に対応する欧米外交の現実がそのまま反映された。先月、韓米首脳会談の結果とも似ている」

     

    今回のG7首脳会談で、中国は100%「生体解剖」された形である。あらゆる方面から中国の行動が分析されたからだ。G7では、対中国への軍事的対応は議論されなかったが、翌日開催されたNATO(北大西洋条約機構)首脳会談では、中国を「危険国家」として扱っている。韓国は、こういう国際情勢の急変を知らなければならない。

     


    (2)「G7サミットで、中国を牽制する共同声明が発表されたのは初めてだ。反中連携が国際気流として位置付けられる雰囲気だ。この会議には文在寅(ムン・ジェイン)大統領もゲストとして参加した。先進国の集まりであるG7サミットで中国を圧迫する声明が出たのは、中国の異常な動きが原因だ。欧米先進国は中国が善意による競争をしないと信じ、強圧的な膨張戦略に危機意識を感じている。公海上を強制的に占領し、周辺国に被害を与えている。また、香港と新疆などで人権を抑圧し、技術奪取によって国際金融市場までかく乱させているというのが一般的な見解だ。G7は中国のこのような行動が国際秩序の破壊につながり得るということを懸念している」

     

    下線部のようにG7が、集中的に中国問題を討議した理由は、中国の異常な海外進出行動にある。韓国は、これまでこういう中国の振る舞いを見て見ぬ振りしてきた。文大統領は、G7に出席して、国際社会の厳しい対中国観に接して、「素顔の中国」を理解できたであろう。

     


    (3)「中国の挑戦が米国などG7諸国はもちろん、大韓民国の憲法的価値とも合わない。したがって、政府は中国を相手に原則を守りながらも精巧な対策作りが必要だ。欧米先進国と中国の間で綱渡りをして解決できる問題でないという点を今回の会議に参加した文大統領も肌で感じただろうあるいは、政府が韓米首脳会談で合意した内容を曖昧に処理してもいけない。もちろん、中国が隣国であるうえに、韓国の最大貿易国という点は負担となる。それでも政府がTHAAD(高高度ミサイル防衛)報復の時のように中国の顔色を伺えば、同盟である米国と国際社会の信頼を失ってしまう恐れがあるという点を留意すべきだ」

     

    中国をめぐるG7との対立構造を見ると、韓国がもはや中国との間に立って「仲介」できるレベルでないことが分かるはずだ。韓国は、こういう妄想から目を覚まして、G7の側に立って、自国の安全保障政策を確立すべきである。

     

    (4)「今回のG7サミットは、韓米首脳会談から外された北朝鮮の非核化と人権問題にも言及した。北朝鮮が核・弾道ミサイルを検証可能かつ不可逆的にあきらめなければならないという立場を確認した。北朝鮮の完全な非核化を支持したものだ。韓国政府は北朝鮮に非核化をもう一度促してほしい。北朝鮮も非核化に応えるべきだ。残念なのは、韓日首脳会談が実現できなかったことだ。文大統領と菅首相の対面は1分程のあいさつで終わった。強制徴用など懸案に対して一歩も踏み出せていない。もう政府レベルで先に代案を示す時だ。それでこそ懸案を解決し、両国関係も改善することができる

     

    韓国は、日本へ甘えている。日韓併合時代を持ち出せば、日本が「怯む」と思い込んでいる。それは間違いである。日韓関係は国際法に則って解決すべきである。それにも関わらず、韓国の国立外交院長が、とんでもない発言をした。

     


    韓国国立外交院の金峻亨(キム・ジュンヒョン)院長が、主要7カ国(G7)首脳会談での韓日略式会談を日本が中止したことを批判した。日本政府は、この点を否定している。

     

    (5)「金氏は、「日本は、1965年(の条約)をそのまま受け入れろ、慰安婦合意をそのまま受け入れろ、強制徴用で後退しろというこの3種類を韓国に受入れろと要求する。これは完全に屈服を要求する極めて外交的無礼だ」と述べた。また、「我々が会って韓日関係を改善すべきだといっても日本は条件を付ける」とし「日本がずっと条件を付けるため米国がむしろ当惑する状況」と伝えた」

    金氏は、国立外交院長である。「次官待遇」だが、国際法に無知な感情論の発言である。外交は、国際法をルールとして行なわれるもの。韓国の外交政策についてビジョンを語らねばならないポストの人間が、こういう感覚でいるのは驚きである。韓国外交の死亡宣告に等しい発言だ。

     

    次の記事もご参考に。

    2021-06-01

    韓国、「自己反省」朝鮮以来、韓国に真の友好国が現れなかったのは「なぜか?」

    2021-06-11

    韓国、「ショック」日本の外交課題、日韓関係の位置下がり対中国けん制が「焦眉の急」

     

     

    a0001_000269_m
       

    G7首脳会談が終了した。日韓首脳会談は、ついに開かれなかった。文大統領は、会場で2回、自ら菅首相の側へ行き挨拶したという。涙ぐましい努力をした。文氏は、英国からオーストリアへ向かう機中、SNSで「菅首相と会談できなかったのが残念」と投稿しているほど。

     

    G7首脳会談の会場風景写真では、文大統領が英国首相の左隣に写っている。これを見た韓国では、「菅首相よりも優遇されている」と大喜びである。劣等感の裏返しであろう。日本でもかつて、中曽根康弘首相(在任期間1982~87年)がサミット(G7の前身)の記念写真で、レーガン米国大統領の横に割込み、日本人を大いに喜ばした。これは、中曽根氏の弁によれば、意識してレーガンの横に立ったという。国内対策である。

     

    あれから40年経って、韓国が大喜びしている姿を見ると、韓国が「後進国」という思いを強めるのだ。

     


    『レコードチャイナ』(6月14日付)は、「G7で“上座”に座った文大統領、韓国メディアは『韓国の地位が上昇』と評価、ネットも歓喜『菅首相より前』」と題する記事を掲載した。

     

    2021年6月14日、韓国『ニューシス』は、英国で行われた先進7カ国首脳会議(G7サミット)で「韓国の地位の変化」が確認されたと伝えた。記事は「新型コロナウイルス対応とワクチン協力において、韓国の役割に対する国際社会の期待の高さが反映された結果だ」と分析している。

     

    (1)「記事によると、文大統領は12日(現地時間)、英コーンウォールで行われたG7拡大会議第1セッションに出席した。第1セッションのテーマは「ワクチン供給・グローバル保健システム」で、文大統領は韓国が世界へのワクチン供給を拡大するために「グローバルワクチンハブ」としての役割を担えると強調した」

     


    (2)「記事は、この会議での文大統領の席が議長国である英国の首相の右隣だったことに注目し、「G7のメンバーでない文大統領が国際社会の視線を一身に浴びる重要な座席のひとつに座った」「韓国の地位が変化した証拠だ」と評価している。英首相の左隣には米大統領が座り、菅義偉首相は米大統領、仏大統領、カナダ首相に続いて左側4番目の席、ドイツ首相も右側3番目の席だったという。さらに、こうした「地位の変化」は集合写真の撮影でも確認できたとしている。写真は3列に並んで撮影され、文大統領は1列目で英首相と米大統領の間だった。菅首相、ドイツ首相、カナダ首相は2列目だったという」

     

    韓国は、G7が拡大されてG10になることを願っている。この拡大構想を最初に発言したのは、トランプ前米国大統領であった。メンバー拡大に反対であることがわかると、韓国は「日本が反対して潰した」と日本を恨んだものだ。こうして、韓国のG7への出席は日本と肩を並べる絶好の機会と見て期待を寄せてきた。

     


    (3)「また記事は、今回のG7サミットをきっかけに「韓国へのラブコールも殺到している」とも伝えている。文大統領は英首相をはじめ豪州首相、ドイツ首相、EU首脳常任議長らと会談してコロナ協力案などについて協議したという。韓国大統領府はSNSにG7サミットの記念写真を掲載し、「文大統領の立ち位置が韓国の現在であり、韓国の未来の大統領の位置はもっと光栄なものになると確認している」と書き込んだ。また、「今回のG7での最も大きな成果の1つが、韓国の過去が築いた『現在の達成感に対する確信』と『未来への自信に対する確信』だ」と評価したという」

     

    韓国へのラブコールとは、文大統領への会談申し込みであろう。韓国が、招待国だけに「物珍しい」側面もあるのだ。

     


    (4)「これに韓国のネットユーザーからは、「誇らしい」「国の地位が高まっていると感じる」「ついに韓国もここまで来たか」「やっぱり外交は文大統領」「菅首相より前にいる。これが国の品格の差」「米国と英国の間に挟まれているのは単なる偶然なんかじゃない。国の地位が上がった証拠だ」「韓国は経済では世界10位以内、文化産業では5位以内、軍事力では6位、民主主義はアジアトップレベル、保健医療は世界トップレベル、スポーツも10位以内に入るし、造船や半導体、バッテーリーなど未来産業分野もリードしている国だ」など喜ぶ声が続出している」

     

    下線を引いたように喜んでいる。この喜びには責任が伴うものだ。中国との関係をきっぱりと整理することである。文大統領は、G7の空気を肌で感じて、二股外交の継続が場違いであることを認識しただろうか。

    a0960_008779_m
       

    G7首脳会談が6月13日に終わった翌日、NATO(北大西洋条約機構 30ヶ国加盟)首脳会談は、中国を安保リスクに掲げた。ロシアのような敵対国の位置づけではないが、それに準ずるということである。

     

    G7では、中国へ対して温度差があると報じられている。ドイツとフランスが、対中経済関係を重視して、他の5ヶ国とニュアンスの違いがあるというもの。だが、NATO首脳会談では、中国を安保リスクと規定する予定である。中国にとっては、芳しからざるニュースである。

     

    『ロイター』(6月14日付)は、「NATO首脳会議、中国を安保リスクと初めて位置付けへ」と題する記事を掲載した。

     

    北大西洋条約機構(NATO)はバイデン米大統領が出席する14日の首脳会議で、中国を安全保障上のリスクと初めて位置付ける見通しだ。

     


    (1)「前日には主要7カ国首脳会議(G7サミット)が共同声明で、中国に対して新彊ウイグル自治区での人権尊重、香港の高度の自治を求めたほか、東・南シナ海での一方的措置に反対する姿勢を示した。台湾海峡の平和と安定についても強調し、問題の平和的解決を促した。複数の外交筋によると、NATO首脳会議の最終声明では中国を敵対国と表現しないものの、ロシアの軍事演習に参加するなど、NATOにとって「システミックな」挑戦になっているとして懸念を表明する見込み

     

    NATOは、中国がロシアへ軍事演習などで接近していることから、危険な存在と見なし始めている。そこで、中国を危険な存在としてマークすることになったもの。日本や豪州は、NATO加盟国でないものの、密接な関係を維持している。

     

    (2)「サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は記者団に対し、「(NATO)声明ではこれまでよりも確固とした形で中国に言及するだろう」と述べた。NATOのストルテンベルグ事務総長は14日、中国の経済的、政治的、軍事的な台頭に対応しなければならないとし、首脳会議の最終声明は新たな対中戦略を強固にするものになると述べた。記者団に対し「中国はわれわれに近づいている。サイバー空間でもアフリカでも中国を目にするが、われわれ自身の不可欠なインフラにも中国は大規模に投資している」と指摘。「中国がわれわれの価値観を共有していないことをわれわれは知っている。われわれは同盟でともに対処する必要がある」と述べた。また、中国は敵国ではないとしつつ、安全保障上の挑戦になっていると付け加えた」

     

    下線のようにNATO事務総長が、首脳会議の最終声明は新たな対中戦略を強固にするものになると予告している。踏込んだ中国警戒論となろう。

     


    『ロイター』(6月14日付)は、「NATO、『野心的な』安保政策の整備着手へー米ホワイトハウス」と題する記事を掲載した。

     

    米ホワイトハウスは13日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が14日に開かれるのを前に、NATOが2030年以降の安全保障対策継続に向け首脳らが「野心的な」取り組みを始めると明らかにした。

     

    (3)「首脳会議では、加盟30カ国が「ロシアの攻撃的政策と行動、中国がわれわれの集団安全保障、繁栄、価値観にもたらす課題、テロリズム、サイバー脅威、気候変動などの国境を越えた脅威など、進化する戦略環境へのアプローチ」を取るとするNATOの新たな「戦略概念」で合意する予定。ホワイトハウスは、新戦略概念は22年の首脳会議での採択に向け準備されると指摘。さらに「加盟国の指導者は、NATOが30年以降にも市民に安全保障を提供し続けることを確実にするため、野心的な取り組みを始める」と述べた」

     

    下線部分が、具体的に何を指すのか不明である。ただ、軍事面だけの脅威でなく、「価値観にもたらす課題、テロリズム、サイバー脅威、気候変動などの国境を越えた脅威など」と広範囲に守備範囲を固めていることだ。中国の気候変動=脱炭素の動きは、極めて緩慢である。2030年まで、二酸化炭素排出量が増え続けると予告しているほど。こういう経済優先=軍事優先姿勢を阻止しなければならない。中国は、軍拡優先の経済運営を平然として続ける意思である。

     


    (4)「各国首脳らは、「重要インフラに対する破壊的なランサムウエア(身代金要求型ウイルス)攻撃を含む、一段と頻発する深刻な脅威に対する耐性」の確保に向け調整を強化するという新たな「サイバー防衛政策」も承認する方針。ホワイトハウスは、各国が次世代通信ネットワークの導入に当たり、信頼できるサービスのプロバイダーを採用する意向とも述べた

     

    下線部は、ファーウェイの「5G」導入阻止を意味している。米国は、トランプ政権時代からファーウェイ阻止を掲げている。NATO加盟国からファーウェイ製品を追放する意向であろう。

    a0960_006628_m
       

    韓国は、最初のミサイル技術を米国から導入したため、その後のミサイル開発で制限を付けられてきた。それが、5月21日の米韓首脳会談によって、韓国は自由にミサイル開発が可能になった。

     

    韓国は42年を経てミサイルの「枷(かせ)」を解かれ、完全なミサイル主権を確保できる。「最大射程800キロ制限」がなくなることで、射程2000~3000キロの中距離ミサイルはもちろん、理論上は大陸間弾道ミサイル(ICBM。射程5500キロ以上)も開発できる。これが、韓国の中国と北朝鮮への外交交渉で有利になるだろうとの見方が出てきた。そうなれば、韓国による中国への「二股外交」の必要性が減るという計算もできるのだが。

     


    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(6月14日付)は、「韓国のミサイル、中国も射程に 米国が制限解除」と題する記事を掲載した。

     

    バイデン政権は5月、これまでおよそ500マイル(約800キロメートル)としていた弾道ミサイルの射程上限を取り除き、韓国のミサイル開発に課していた最後の制限を解除した。これは重大な変更だ。韓国のミサイルはこれで、理論上は北京やモスクワを含め、あらゆる場所を射程に入れることが可能になる。

     

    (1)「北朝鮮は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の下で核兵器を増強しており、中国の軍事力も拡大している。米国の観点からは、自国の兵器を移動させることで他国の反発を招くことなく、親密な同盟国がアジア地域における軍事的な抑止力を高める技術を開発すると捉えることができる。一方、韓国は長らく求めていたように、核以外の兵器について、国家主権を完全に取り戻すことになる」

     

    韓国は、42年前に米国からミサイル技術を導入したのでその後もミサイル開発で制約を受けてきた。その制約が撤廃されるのだ。米国が、ミサイル開発に制約を課したのは、当時の韓国が秘かに核開発を進めていたことが理由とされる。

     


    (2)「米政府にとっては、南シナ海や台湾を巡って中国との緊張が高まる中で、同盟国が軍事力を強化することは追い風だ。また北朝鮮との対話に参加するよう、中国に迫ることにもなる。安全保障の専門家はこう分析している。米大西洋評議会(アトランティック・カウンシル)のディレクター、オ・ミヨン氏は、「韓国はすでに北朝鮮のミサイルの脅威には直接対抗できる状態にある」と指摘する。「そのため、ミサイル指針の制限解除は地域の安全保障に影響を与えるとみられ、これは朝鮮半島にとどまらない」としている」

     

    韓国が、ミサイル開発で射程2000~3000キロの中距離ミサイルはもちろん、理論上は大陸間弾道ミサイルも開発できることになれば、米国が韓国へ中距離ミサイルを持込まずとも、韓国が自前で保持するので外交上の問題を引き起さないで済む。

     

    韓国はミサイル防衛強化で、北朝鮮や中国との間にミサイルバランスが回復するので、中朝が外交面で慎重姿勢になるという副産物を期待できる。そうなれば、韓国は中国に対して「米つきバッタ」のような醜い姿が改まるであろう。

     

    (3)「北朝鮮が2017年に相次ぎ兵器実験を強行すると、トランプ前政権は弾頭の重量制限を解除した。また米政府は昨年、軍事偵察を支援するとされる固体燃料宇宙ロケットを韓国が開発することを認めた。トランプ政権の終盤には、韓国のミサイル射程制限を完全撤廃することが協議されていた。事情に詳しい関係筋が明らかにした」

     

    トランプ政権において、韓国へのミサイル射程制限撤廃は決まっていたという。

     

    (4)「韓国軍の元幹部や安全保障の専門家らによると、韓国は兵器に関する主権を取り戻したことで、軍事衛星の改善に取り組む可能性が高い。衛星は長距離ミサイルと似た技術が必要だ。ただ、韓国の取り組みに核開発は含まれないとみられている。韓国は現在も核拡散防止条約(NPT)の署名国だ。韓国外国語大学校のメイソン・リッチー教授は、「これは中国との広範な競争、および同盟国との協力強化というバイデン政権の目標に合致する」と指摘する」

     

    韓国は今後、軍事衛星の開発が可能になる。これによって、韓国の防衛態勢が強化されるので、米国にとっても好都合な事態となろう。韓国は、中国から脅されることが減れば、二股外交の必要性も減って、より米国と共同歩調が取れる可能性が強まるからだ。

    a0960_008570_m
       

    G7首脳会談が13日閉幕したが、標的は明らかに中国に向けられた。中国の「一帯一路」構想に対抗するため、G7は「グローバルインフラパートナーシップ」を発表した。

     

    G7は、「世界のためのより良い再建(B3W)計画」と称し、開発途上国の利益になるインフラ投資計画を立ち上げる。この計画と対比して、中国の一帯一路プロジェクトは中国人労働者の強制労働で行なわれていることが調査で判明した。一帯一路は、こうして世界的な批判を免れず、一挙に苦境に立たされることになった。

     

    『大紀元』(6月14日付)は、「現代の奴隷で作られる中国『一帯一路』、労働NGO報告」と題する記事を掲載した。

     

    中国の労働環境改善に取り組む労働NGO「チャイナ・レイバー・ウォッチCLW)」は、世界各地で大型インフラプロジェクトを計画する「一帯一路」には強制労働が関わっていると指摘する報告を発表した。同NGO代表のリー・チェン氏は、中国共産党は「政治的な利益を得るため、労働者を利用している」と非難した。

     


    (1)「中国の「一帯一路」は、巨額融資や大型インフラを関係国に行うため、中国の重要な外交政策のひとつとされる。海外の建設計画には、中国本土から多くの労働者が派遣される。CLWはこのほど、インドネシアやアルジェリア、シンガポール、ヨルダン、パキスタン、セルビアの約100人の中国人の一帯一路関係の労働者に話を聞いた。彼らは逃げ道を奪われ、過酷な労働を強いられていることが明らかになった。中国の労働者は「国内の家族を養うために、高収入の仕事を従事した。しかし、仕事の現地に着くと、中国の雇用主にパスポートを没収された。早めに帰国したければ契約違反の違約金を払えと言われた。その違約金は多くの場合、彼らの月給の何倍分に相当する」という」

     

    一帯一路は、現地の企業や現地人によって事業が遂行されるわけでない。中国企業が、中国人を雇用する形態なので、受け入れ国の建設による経済的メリットはゼロである。しかも、中国人労働者を強制労働させている現実が明らかになって、大きな問題になろう。

     


    (2)「CLWは、国際労働機関(ILO)が定められた強制労働の定義のほとんどが、彼らがインタビューした中国の労働者に当てはまることを確認した。報告書によると、ほとんどの労働者は、雇用主が一定の賃金と合法的な就労ビザによって採用された。しかし、労働者たちのパスポートは飛行機から降りた直後に没収され、中国の雇用主に多額の罰金を払わない限り、その場を離れることができない。パスポートもなく、合法的な労働許可証を得られないため、不法労働者となる。労働者たちは警備員が見張っている作業場で、劣悪な生活環境と労働環境の中に閉じ込められている。外出することは警備員の許可を必要とする。また、1日12時間、週7日という過酷な労働時間に加え、休日も手当もなく、労働者の保護や安全設備も十分ではない。多くの労働者が仕事中にケガをしても治療を受けることができず、後遺症が残ることもあった」

     

    ILOの定義する強制労働の定義が、全て当てはまるという。中国企業は、同じ中国人に対して酷いことをするものだ。利益のためには何でもする。これが、中国社会の怖さである。

     


    (3)「インドネシアにある中国系鉱山会社の労働者は、2020年11月に新型ウィルス陽性と診断された後、20日以上も誰もいない寮の部屋に隔離され、治療を受けることもなかった。その後、他の労働者が彼の死体を発見した。海外にある中国企業が管理する鉄鋼や鉱山関係の現場では、不服従、ストライキ未遂などを理由に、労働者が会社の警備員に拘束されたり、殴られたりすることが頻繁にあることがわかった。インドネシアにいる中国系鉄鋼労働者のWeChatグループでは、ある労働者が何度も叱責され、平手打ちされ、制服が鼻血だらけになった動画が投稿された」

     

    (4)「一帯一路プロジェクトの一部では、強制労働を強いられている中国人労働者をコントロールするために、脅迫がよく行われている。最もよく使われる脅迫の方法には、国外追放、帰国後の報復、高額な罰金や罰則などがある。また、労働者に雇用主を訴える権利の放棄に署名させたり、労働者の携帯電話に入っている労働権侵害の証拠を削除させたりすることもあった。報告書によると、「ヨルダンに行った労働者は砂漠で5か月ぐらい働いていた。最初の6日しか給料がもらっていない。アルジェリアで、業務委託会社の設置プロジェクトが2019年に、メンテンナンスのために2人の労働者が取り残された。雇用主から6か月分の給料で脅し、その要求を拒否することができなかった」という。さらに、労働者が苦情を申し立てる組織さえなかった。

     

    下線部のように、帰国後に労働者が雇用主を訴える権利を放棄させる署名までしている。悪質である。

     


    (5)「現地の中国大使館も救済の手を差し伸べることはないという。「何人かの労働者は、パスポートが雇用会社によって没収されたことを通報するために中国大使館に電話をかけた。大使館から、介入する権限がなく、労働者は地元の警察署に報告すべきだと言われた。これらの労働者は、職場のドアから出ることさえできず、言語の問題もあるため、地元警察への通報もためらう。合法的な就労資格を持っていないし、罰金が課される恐れもある」という」

     

    現地の大使館も企業と「グル」になっている。まさに、国家ぐるみの犯罪である。こういう悪辣な方法を使って、中国の権益拡大を進めている。

    このページのトップヘ