勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。


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    韓国文大統領が自惚れて、日本へ「二度は負けない」と勝負を挑んできた。「日本の急所を叩く」と韓国与党は粋がっていたほど。だが、15の産業分野で韓国が優位なのは、半導体とスマホだけと判明。その半導体とスマホは、日本の素材や部品がなければ製品化できない状況だ。結局、韓国は日本に「オール負け」である。私は一貫して、韓国が日本の「技術属国」であると指摘している。図らずも、それが明白になってきた。

     

    『サーチナ』(8月19日付)は、「日本はやっぱり強かった、日韓の半導体以外の産業を比較してみたら」と題する記事を掲載した。

     

    日韓の貿易における対立では主に「半導体」が焦点となっている。半導体製品では韓国が高い競争力を持つものの、その材料は日本に大きく依存していることが明らかになった。では、その他の分野で日本と韓国を比べるとどうなのだろうか。韓国メディア『亜洲経済』の中国語版は16日、日韓の産業のうち、15分野について比較した調査結果を紹介する記事を掲載した。

    この調査は、15の産業に関して、日韓それぞれの上位3位までの企業について調べ、実力を比較するというものだ。15の産業全体の韓国企業の売上総額は8587億ドルで、日本の49%と「半分にも満たない」と紹介。2015年の調査では50%だったことから、この数年で日本との差がより広がったと伝えている。

    (1)「分野ごとに見るとどうなのだろうか。記事によると、調査対象となった15分野のうち「13の分野で日本が韓国をリード」していたと紹介。特に銀行、流通、飲食、保険、自動車部品、通信、自動車、製薬の8分野では日本の半分にも満たないとした。中でも製薬と自動車、自動車部品に関しては格差が非常に大きいと伝えている」

     

    日本の明治維新と韓国の建国では、77年もの開きがある。戦前の日本は、「世界五大国」に数えられていた。その日本と新興国の韓国が競争すれば、日本が圧倒的に優勢であることは分りきったこと。その日本に対して韓国は、「二度は負けない」と大きな啖呵を切ったものである。

     

    (2)「韓国が日本に勝ったのは「半導体」と「スマートフォン」の2分野のみで、韓国の販売額は、半導体が日本の7.7倍、スマホは14.4倍で、2014年と比べて差がさらに拡大しているという。また、ネットと家電分野では2014年までは韓国が上回っていたが、今回は日本に逆転されたことも伝えた」

    毎度言われるように、韓国はノーベル科学賞で受賞者ゼロである。基礎科学分野で、日本が完全リードである。韓国が、こういう現実を認識すれば、いま少し謙虚に振る舞うだろうが、実態は逆である。威張り散らして歩いている。どこかが、狂っていると言うしかない。

     

    日韓の差は、どこから生まれたのか。中韓の科挙(高級官僚)試験では、技術系は受験資格さえ与えられなかった。こういう風土で科学精神が育つはずもない。自業自得である。

     


    (3)「記事は結論として、日本経済は「安倍総理が政権を握るようになってから上向きになった」という専門家の意見を紹介。企業の販売額も大幅に上がっているという。一方、韓国の産業の問題点も浮き彫りになり、「どの分野でも1位の企業に力が集中して2位以降は順位が下がれば下がるほど販売額の減少が目立つ」ことに弱点があるのではないかと指摘した」

     

    韓国産業におけるトップ企業が、一段と力(マーケットシェア)をつけているのは、市場構造の歪みで公正な競争が行われていない証拠だ。独占禁止法が厳格に運用されていない結果と見られる。今でも「財閥」の存在を許すという、前近代的な経済構造である。経営と出資の未分離という点で、日本より100年は遅れている。


    (4)「こうしてみると、韓国は半導体とスマホの2分野のみ日本に勝っていて、その半導体の原料の輸出管理が強化されたため、今回のような強烈な反応を引き起こしたと言える。韓国が真の実力をつけるには、日本のように多様な分野で多くの企業が力を発揮できる環境が必要なのではないだろうか

     

    下線をつけた部分こそ、公正な競争条件をつくるという意味だ。韓国は、それができないところに限界がある。


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    中国経済が、危険水域へ足を踏み入れていることは明らかである。インフラ投資や減税を行っても、実態経済に影響しなくなってきた。日本経済が、バブル崩壊後に辿った道を、中国がいま経験させられているに過ぎない。バブル崩壊後とは、経済がフリーズすることだ。

     

    こうして、潜在的リスク通貨になった人民元は、新たな安全な場所を求めて動き出している。それが仮想通貨取引である。資本取引自由化がされていない中国では、仮想通貨によって資金を持ち出す以外に道はない。中国政府は2017年、仮想通貨取引を禁止されている。その抜け道が、店頭取引である。

     

    『ロイター』(8月18日付)は、「中国投資家、景気減速と元安で仮想通貨になだれ込む」と題する記事を掲載した。

     

    アジアやニューヨークの市場関係者によると、米中通商紛争の激化と人民元安の進行により、中国の投資家の間で暗号資産(仮想通貨)を求める動きが強まっている。中国人に人気の仮想通貨取引所で売買が増え、店頭市場を仲立ちするブローカーが取引の多さを認めているという。

     

    仮想通貨の取引量を把握するのは非常に難しく、これは中国に限ったことではない。ほとんどの仮想通貨を支えるブロックチェーン技術では、通貨のやり取りに使われるデジタルウォレットの記録をたどることが可能だが、送り手の居場所は特定できない。また中国は政府が2017年に仮想通貨取引所の運営を禁じたため、国内に仮想通貨に関するデータがほとんど存在しない。

     

    (1)「マルタを拠点とし、中国人の間でよく知られた仮想通貨取引所であるOKExの運営責任者、アンディー・チャン氏によると、米中通商紛争による中国の景気減速や人民元安を受けて、大口投資家の一角が人民元を仮想通貨に置き換えている。人民元が急落した5日に代表的仮想通貨のビットコインは7%上昇。仮想通貨市場の時価総額は9%増加し、中国の投資家が人民元を売り、仮想通貨を買っているとの憶測が広がった」

     

    人民元相場急落の8月5日、ビットコインは7%の上昇と連動した動きになっている。中国投資家が、人民元を売り仮想通貨を買っているとみられている。

     

    (2)「チャン氏は、「人民元だけでなく、中国経済全体が懸念されている。米中通商紛争のせいでインターネット関連企業の多くは採用を凍結し、事実上の人員削減を進めている」と述べた。中国は厳しい資本統制を維持しており、資金を海外に持ち出したい国民にとって選択肢はほとんどない。そのため仮想通貨が国外に資産を移す魅力的な手段になっている。実際、今年は仮想通貨市場のボラティリティが低いタイミングで、人民元安とビットコイン高に正の相関が生じている。仮想通貨取引所イートロのアナリスト、マティ・グリーンスパン氏によると、イートロでは1ドル=7元を超えるドル高局面で仮想通貨とコモディティーの取引が大幅に増加した一方、株式の取引は緩やかに減少し、為替の取引は横ばいだった」

     

    中国の富裕層は、中国経済の減速と人民元安相場に直面して、取引禁止の仮想通貨で資本逃避に動き出している。

     


    (3)「グリーンスパン氏は、「中国人民銀行(中央銀行)が人民元について決断を下した日には、暗号資産の上昇が目立った。イートロでは通貨資産全体で取引量が1週間前の2倍になった」と語る。ただ、仮想通貨を買ったのが中国人投資家かどうかは特定できないという。

    中国の投資家は国内の規制にもかかわらず、引き続き仮想通貨を活発に取引している。取引のほとんどは店頭市場や、対話アプリ「ウィーチャット」などで行われているようだ

     

    下線を引いたような方法で、富裕層は仮想通貨取引に参加している。資本取引の自由化が行われていない現状では、やむを得ないことかもしれない。

     

    (4)「香港の仮想通貨ファンド、ケネティックのマネジングパートナー、ジェアン・チュー氏によると、地元の店頭市場では米中通商紛争の影響が広がったこの3カ月間に中国の取引量が2倍以上に増えた。 市場関係者によると、米ドルに連動する仮想通貨「テザー」と人民元・香港ドルの売買でサヤを抜き、利益を上げるチャンスがあることも、個人投資家が仮想通貨を取引する要因になっている。香港の仮想資産投資会社オリチャル・パートナーズのアンソニー・ウォン氏は、「国境を越えて資本を動かそうとする人々の多くが、その手段としてテザーを使おうとしている」と述べた」

     

    「テザー」取引は、ほとんど中国人投資家が占めているといわれる。これまで、ドルとの連動性が見られることから人気を集めている。



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    これまでの日韓紛争では、最後に日本が陳謝して賠償金を払うことで終わってきました。韓国は、日本に対して「歴史問題」を持出せば、「韓国の勝利パターン」でしたから、今回の徴用工判決でも同じ手を使えば済むと見ていた節が窺えます。

     

    ところが、日本は韓国に対して「ホワイト国除外」という手を打って、徴用工問題の解決を迫ったのです。これは、韓国も想定外の事態であり、奇襲攻撃でした。この日韓紛争を眺めてきた中国メディアは、国民の率直な声を伝えています。

     

    中には、日本が「小指を動かせば韓国をねじ伏せる技術力」を世界に見せた、という指摘もありました。日本製テレビや家電製品が姿を消している現在、中国では日本の製造業が敗れたと解釈したのです。

     

    こういう記事が出るたびに、私はその間違いをブログで指摘してきました。製品の「メード・イン・ジャパン」は少なくなったが、部品など中間財で日本の技術は健在であると。専門用語を使えば、「B2C」から「B2B」に姿を変えただけでした。この方が、安定した利益が上げられるのです。

     

    韓国は、日本から不意打ちを食った恰好で大慌てです。そのため、感情的な反発が吹き出ていますが、「引かれ者の小唄」に聞えます。これまでの日韓関係は異常でした。韓国は、日本に対して節度を欠いた「暴言」を浴びせており、国会議長や大統領までが「盗人猛々しい」などと言う野卑な言葉を使うべきでありません。

     


    こういう言葉が簡単に出るほど、心底では日本を軽く見てきたのです。それは、慰安婦問題を御旗に押上げ、韓国の優位性の証拠にしてきました。それが崩れて、日本の技術力という有力手段を認識せざるを得なくなったのでしょう。その戸惑いと怒りが、韓国で爆発したのです。

     

    考えて見れば、韓国政府は慰安婦という女性たちの哀しい歴史を弄んでいると言えます。当時の制度的に認められた「管理売春」という歴史の中で、自らの経済的苦境ゆえにそういう場所を選択するしかなかった人々もいたはずです。ところが、韓国はそれをすべて否定して、「強制連行」に塗り替えてしまったのです。

     

    日本が、先に日韓慰安婦合意で10億円を提供しましたが、大半のおばあさん方は黙って受け取ってくれました。深い思いがあったと思います。ご当人たちは、承認して受領したにもかかわらず、文政権という部外者が勝手に入り込み、協定を破棄してしまったのです。おばあさん方は、英雄ではありません。韓国政府が、政治的に利用しているだけです。「人権」という名目で、日本に対抗する手段に使っていると思います。

     

    現代の人権問題である、北朝鮮の人民弾圧を見て見ぬ振りする韓国政府の罪は許されません。過去の人権問題は政治的に利用し、現在の人権問題は政治的に無視する。これほど、政治的に人権問題を扱う文政権とは何でしょうか。強い疑問を持たざるを得ません。


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    岡目八目という言葉がある。当事者同士では分らないことでも、冷静な第三者が見れば公正な判断ができるということだ。中国メディアが、日韓紛争の一部始終を見て、韓国は日本に譲歩せざるを得ない三つの条件を上げた。

     

    『サーチナ』(8月18日付)は、「日韓関係は今後回復に向かうはず、『なぜなら韓国が譲歩するため』ー中国メディア」と題する記事を掲載した。

     

    これまでにないほど悪化している日韓関係だが、中国メディアの『今日頭条』(8月15日付)は、日韓関係は今後回復に向かうと主張する記事を掲載した。3つの理由で、韓国が譲歩することになるのではないかとしている。

    記事は、すでに文政権の対日姿勢に軟化が見られていると指摘。たとえば、12日に韓国は日本をいわゆるホワイト国から外すと発表したが、その対象品目から「日本に最も脅威を与える半導体製品を取り除いた」ことや、14日の「慰安婦の日」の式典に文大統領自身が出席しなかったこと、両国の外務次官が今週にも第三国で対立解消策を協議することが決まったことを挙げた。

    (1)「なぜ韓国は、態度を軟化してきたのだろうか。記事はその理由の1つとして「韓国経済の悪化」を挙げた。米国の貿易政策のために国際市場が厳しくなっているなかで、輸出頼みの韓国は経済が明らかに落ち込んでおり、このうえ日本との貿易摩擦が続くと韓国は「持ちこたえられない」のだと論じた」

     

    韓国軟化の理由の第1は、韓国経済の悪化を上げている。米中貿易戦争で最も輸出面で影響を受けるのが韓国である。日本と泥沼の対立になったら、韓国の受ける被害はさらに大きくなる。

     

    (2)「2つ目の理由は、「対日カードがほとんどないこと」。日本はホワイト国から韓国を除外し、「輸出管理を強化」しただけだが、韓国は徴用工問題での裁判所の判決から日本製品ボイコットまでまさに「総動員」で日本に対抗している。にもかかわらず、ほとんどダメージを与えられなかった日本に対して、さらなる有効なカードはないと指摘した」

     

    第2の理由は、日本への具体的対抗手段がないことである。せいぜい,不買運動で鬱憤を晴らすしかない。韓国は、総動員で対抗しているものの、その効果に限界がある。

     


    (3)「3つ目は、「外交面でもっと重要な問題に対応する必要があること」。米国は在韓米軍負担をこれまでの5倍となる50億ドルに引き上げてきたが、これは韓国にとって大きな負担となるだけでなくメンツにも関わる問題であり、対米交渉を優先させたい思惑があるのだろうと推測した」

     

    韓国が徴用工問題で、日本と話合いに応じなかったのは、北朝鮮外交に忙殺されていたからだ。今回は新たに、在韓米軍駐留費の負担問題が起こってきたので、対日問題を切り上げざるを得なくなっている。

     

    (4)「最後に記事は、日韓とも米国の重要な同盟国であり、日韓の実力差はまだ大きいため、武力衝突になることはまずあり得ないと分析。しかし、今回は日本が実力で韓国をねじ伏せたとも言え、「日韓の問題を根本的に解決することにはならない」と論じた。韓国は今回とりあえず退くことが賢明だが、韓国人の性格を考えると「後に屈辱を晴らす」可能性はあると指摘している」

     

    韓国人の性格から、この問題は尾を引く。慰安婦問題や徴用工問題と同様に、「仕返し」をするに違いない。ただし、保守党政権に代われば、事態が改善に向かうだろう。エセ進歩派の現政権の延長では、日韓関係改善は不可能にちがいない。「党是」が反日であるからだ。


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    トランプ米大統領は、米中貿易協定の合意には、香港デモの平和的な解決を前提にしていることを認めた。

     

    香港では、「逃亡犯条例」の改正案をきっかけとするデモが続いている。18日、民主派団体の呼びかけで大規模な抗議集会が開かれた。主催者によると170万人が参加した。6月中旬の200万人に次ぐ規模で、11週目となる抗議活動の勢いは衰えておらず、収束の兆しはみえない。18日のデモは、学生以外に家族連れや会社員の参加も目立った。社会の幅広い層が香港政府へ不満を抱えていることを示している。以上は、『日本経済新聞』(8月19日7付)が伝えた。

     

    『ブルームバーグ』(8月19日付)は、「トランプ氏 中国と話をするも通商協定に署名の用意できていない」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「トランプ米大統領は18日、米国は「中国と非常にうまくやっており、話をしている!」とツイートした。しかし、その後の記者団とのやり取りでは、通商協定に署名する用意はできていないと語った。トランプ大統領は記者団に対し、さまざまな通商合意がまとまれば米国は「大きな成長に向かう」と指摘。ただ、中国経済が相対的に弱いことを考慮すれば、米国より中国の方が通商合意を必要としているとの考えを示した

     

    (2)「大統領はまた、香港のデモが暴力的な結末を迎えた場合、米議員が懸念を表明していることから、米中合意はより困難になるだろうとし、対中貿易交渉と香港の問題を初めて関連付けて語った」

     

    中国経済の減速が著しいことは、7月の経済指標が事前予想を下回るほどの悪化状態を示している。既に対策は、打ち尽くしており「万事休す」の場面になっている。この窮状を救うのは、日米貿易戦争の終結しかない。本日の「メルマガ」は、中国経済の窮状をレポートした。

     

    米国が、米中合意の前提条件として香港デモの平和的解決を持出したのは、大統領選を睨んだ結果である。民主党からトランプ氏の人権意識を批判されれば、大きな汚点になる。それを回避するには、香港デモの平和的な解決とセットにしたもの。

     

    中国は、深圳で武力による鎮圧準備を始めている。米国からの「待った」がかかった以上、強行は無理になってきた。となれば、香港政庁のトップ更迭しか道はない。中国の威信に傷はつくが、中国経済を救うにはこれしか道がなくなった。


     

    (3)「このほか、米商務省が中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)に対する米製品の調達禁止措置の猶予期間を19日にも延長するとした週末のメディア報道に大統領は疑念を表明。「われわれはファーウェイと全く取引をしない可能性がある」とし、ファーウェイは「国家安全保障上の脅威」だと指摘した。その上で、「どうなるか見守るつもりだ。私はあした決断を下す」と語った」

     

    トランプ氏は、ファーウェイに対する米製品の調達禁止措置の猶予期間を延長するとの報道に疑念を表明した。

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