勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    テイカカズラ
     
       


    韓国政府は6月28~29日、大阪G20の日韓首脳会談実現の「エサ」をまいたが、日本政府に拒否された。日本政府が要求しているのは仲裁委員会の設置である。この問題にまともに答えず、辻褄合わせの日韓企業の共同出資による救済という的外れの提案であった。

     

    日本は、韓国大法院の判決が国際法違反であると主張している。それを知りながら日韓企業の共同救済案は飲めるはずがない。韓国は、米トランプ大統領の訪韓の際に日韓問題が出るので予防戦を張ったもの。

     

    『朝鮮日報』(6月19日付)は、「強制徴用:『韓日企業が慰謝料出資』韓国提案の意図は…責任逃れ用?」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国外交部(省に相当)は19日、韓国大法院(最高裁に相当)の強制徴用賠償判決に関連し、韓日の企業による自発的な出資金を財源として被害者に慰謝料を支払う案を日本側に提案したことを明らかにした。外交部はまた、この案を日本側が受け入れる場合、日本政府が韓国に求めている請求権協定第3条第1項に基づく二国間協議の受諾を検討する用意があるとの立場を伝えたと説明した。この提案に対する日本政府の立場は否定的だ。それでも韓国外交部の当局者は「日本がこの案を受け入れるかどうかについて具体的な期限は設けていない」と述べた」

     

    (2)「韓国外交部の高官は先週末に日本を訪れ、強制徴用賠償判決問題に加え、大阪での主要20か国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせた韓日首脳会談の開催を打診したという。外交部の当局者はこれについて「確認できない」として明言を避けた。日本側は、強制徴用賠償判決に関する仲裁委員会設置が先に行われなければ首脳会談の開催は困難との立場を貫いているという。日本の産経新聞は同日「安倍晋三首相はG20サミットでの韓日首脳会談を行わない方針を決めた」と報じた」

     

    (3)「このため、韓国政府による今回の提案をめぐり、韓日首脳会談の実現に向けたカードだという分析と、首脳会談が開催できなかった場合の責任分散用の提案だとの見方が交錯している。韓国政府が、韓日企業の出資金による慰謝料支払い案を日本が受け入れれば二国間協議に応じる用意があると表明したのは、韓日首脳会談の実現に向けた韓国政府の最後の努力と考えられるというわけだ」

    こういう提案をするなら、昨年すべきである。今頃になって出しても日本が一蹴するだけだ。事態は、法的な解釈へ移っている。

     


    (4)「日本の外務省の大菅岳史報道官は同日の記者会会見で、韓国政府の提案について「韓国の国際法違反の状態を是正することにはならず、解決策にはならない」と述べた。共同通信が報じた。大菅報道官は「韓国側にも(提案を拒否する)立場を伝えた」と述べた。大菅報道官は「日本の立場をいつ伝えたのか」との質問に対し「時期を含め、外交上の対話については詳細をお話しできない」としながらも「事前に伝えた」と述べた。大菅報道官の発言が事実なら、韓国政府は日本側の拒否の立場を知りながらも今回の提案を発表したことになる」

     

    韓国政府は、日本が拒否した提案をあたかも「検討中」と装っている。こういう動きを見ると、韓国は日韓首脳会談が不発になった時の「言い訳」を用意しているのだろう。

     

    (5)「韓国政府が、G20サミットに合わせた韓日首脳会談の実現が事実上困難になったと考え、「韓国の関係改善に向けた外交努力に日本が応じなかった」という根拠づくりを試みたとの見方も出ている。ソウル大学国際大学院のパク・チョルヒ教授は「韓国外交部が韓日関係の膠着(こうちゃく)状態を打開するために、外交部なりの対策を打ち出したのだろう」としながらも「良い試みではあるが、日本と事前に十分な協議が行われたのかどうかが鍵となる」と指摘した。パク教授は「仮に日本政府と事前に十分な話し合いができていないのであれば、日本政府側が『韓国政府は責任逃れ的な措置として突然今回の案を出してきた』という印象を受ける可能性もある」と話した」

     

    韓国メディアが、冷静に自国政府の外交的な狡さを指摘していることに感銘する。文政権の小賢しさへの反発が、こういう中立的記事を書かせていると思う。


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    16日の香港デモは、200万人が参加したと主催者が発表した。香港市民の4分の1にも当る大規模なものだった。中国派市民まで参加したというから、いかに「逃亡犯条例」改正案への危機感と反中国感情の強いかを示した。

     

    台湾は、香港からの移住者が多いことでも知られている。反中国感情の強い台湾が、香港からの移住者の受け入れ先になるのは当然であろう。台湾は、今回の香港デモへの「連帯デモ」が開催されるなど、市民の「自由を守る」意思の固さを示した。

     

    『ロイター』(6月18日付)は、「台湾は反中国の『希望の光』、香港からの移住者急増」と題する記事を掲載した。

     

    香港で暮らすユン・シウカンさん(67)にとって、元英領の当地から中国本土への犯罪容疑者引き渡しを可能にする逃亡犯条例改正案が決定打となった。ユンさんは荷物をまとめ、中国統治下にあるこの街を捨て、民主主義を誇りとする台湾で新たな生活を始めることにした。中国政府の支配が香港のあらゆる面に浸透し、市民の自由が失われつつあることに嫌気がさしたのだ。「自由と民主主義がなければ、牢獄に入れられたようなもの、強制収容所で暮らすようなものだ。自由がないなら、死んだ方がましだ」。香港で16日に起きた大規模抗議デモの参加者に台湾の旗を振りながら、彼女は言った。

     

    (1)「中国が「一国二制度」を侵害しているとして、この数年で台湾に移住した数千人の香港住人の列に、ユンさんも加わることになる。中国は、いつか台湾にも同制度を導入することを目指している。中国は、自治を守る台湾を自国の一部とみなしており、支配を回復するための武力行使を排除していない。自らへの「一国二制度」適用に圧倒的な抵抗を示している台湾は、香港支持を明確にしている。中国からの圧力がエスカレートする中でも台湾は断固とした姿勢を維持しており、中国側からの「再統合」の呼びかけに強く反発する人が多い」

     

    台湾は、中国人意識がなく自らを「台湾人」と言うほど。これだけ、「反中」感情が強いのは、民主主義の価値を認識しているからだ。韓国では、この点が曖昧にされている。「北朝鮮愛」が強く、台湾と異なる。

     

    (2)「今回の条例改正案は、香港と中国政府の関係を複雑にしてきた一連の問題の1つだ。中国本土からの移民流入と、本土からの投資が一因となった不動産の価格高騰に、香港の人々は不満をつのらせている。民主的な改革を妨害し、選挙に介入、そして中国指導者に批判的な書物を専門に扱う香港の書店主が2015年以降で5人失踪した事件を画策するなど、中国の介入は行き過ぎだと批判する声は根強い」

     

    現在の香港市民は、中国との関係が強くなった結果、マイナス点が目立ち過ぎて息苦しさを覚えている。これが、中国への不満の原点だ。その点で、台湾は中国からの影響力を排除する動きが強い。

     

    (3)「公式統計によれば、台湾居住権を得た香港とマカオの住人の数は、2018年は1267人に達し、10年前から倍以上に増加した。マカオは元ポルトガル領で、現在では香港と同じように中国支配下の特別行政区だ。こうした移住は、民主主義を訴えて香港を数カ月間マヒ状態に追い込んだ2014年の「雨傘運動」後に急増し、その勢いは衰えていない。2019年14月の台湾移住者は約400人で、前年同期比で40%増加した」

     

    (4)「一部の若者は、香港を脱出したいあまり、36歳以下の台湾男性に義務付けられている兵役に参加して居住権を得ようとしている。台湾の居住権を得るには、通常150万香港ドル(約2000万円)程度の費用がかかる。「香港にとって、民主主義の灯だ」。16日のデモに参加していた、香港立法会(議会)の議員事務所で働くチェン・チュンマンさん(32)は、「香港市民に、希望を与えてくれる」と台湾について話した。」

     

    台湾の存在は、香港市民にとって希望を与えてくれる光である。台湾移住には、約2000万円の居住権を必要とするので、若者には不可能である。そこで、兵役に参加して居住権を得るという涙ぐましい努力がされている。苦しくても、「自由」を重視する人間の基本的な欲求に勝てないのだろう。

     


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    韓国経済は、あらゆる面で行き詰まってきた。他国のことながら、この国の将来に深刻な危機感を覚えざるを得ない。出生率の急低下、失業者の増加というほかに、主な雇用の受け皿になる製造業が衰退期に入っているからだ。

     

    企業発展の原動力は、先々の大黒柱になる「種」を探し出し、育成することにある。ところが、最近の調査でそれが見当たらないという。中国製造業による激しい品質改善で、現在の品目すら競争力を失いかけてきた。その上、新たな「種」が見つからないとなれば、韓国製造業は破綻するほかない。

     

    現政権は、「反企業主義」という信じがたい政府である。歳入は天から降ってくるとでも思っている幻想的思考に囚われている。企業が力を落とせば、歳入も減って赤字財政になりかねない。そういう危機感がゼロという子ども同然の政府である。

     

    『中央日報』(6月19日付)は、「韓国製造業、新たな収益源見つからない 今後がさらに心配」と題する記事を掲載した。

     

    大韓商工会議所は18日、「韓国企業の未来準備実態」アンケート調査を発表した。これによって、韓国製造業の危機的状況が浮き彫りになった。韓国製造業が、新興国の脅威、未来の収益源不在、低い新技術活用度という三重苦に苦しめられているからだ。今回の調査は韓国の製造業企業500社を対象にしたもの。

    (1) 企業の10社に4社は中国など新興国の脅威により新興国と先進国の間に挟まれたサンドイッチ現象が深まっていると答えた。新興国企業との競争力格差と関連した質問では、「同水準」が35.9%、「遅れている」が5.4%と答え、合わせて41.3%に達した。これは2010年のアンケート調査と比較して4倍に増えた数値だ。当時の調査では新興国の追撃に脅威を感じると答えた割合は全回答企業の10.4%だった。新興国よりどれだけ先行していると考えるかとの質問には、「3年以内」が31.6%で、「5年以内」の18.5%と「5年以上」の8.6%を合わせた27.1%より多かった。それだけ製造企業の危機感が大きいという傍証だ」

     

    2010年のアンケートでは、新興国の追撃を脅威とする比率は10.4%。今年の調査では41.3%と4倍にも増えている。韓国製造業の技術とコストの優位性が消えた証拠だ。この間は、日韓が揉めている時期でもある。日韓での疎通を欠いたことが、日本から技術情報が伝わらなかったことも理由であろう。ここ4代の大統領の「反日政策」がもたらした結果でもある。

     


    (2) 第4次産業革命と関連した技術活用度もやはり低調だと調査された。慶尚北道(キョンサンブクド)の自動車部品メーカーB社が代表的だ。B社代表は「第4次産業革命に関連した人工知能技術導入を検討したことはあるが、周囲で導入して効果があったという話は聞かれなかった。検証された事例がない状況でやみくもに技術から導入することが負担になるのは事実」と話した。今回の調査で第4次産業革命技術活用度を問う質問には回答企業の48%が「活用していない」と答えた。「積極的に活用中」という回答は全体の6%にすぎなかった」

     
     
    第4次産業革命の技術に乗り遅れているのは、政府が無関心という側面も大きい。文政権は、北朝鮮と反日だけが政策目標という偏った政府の下では避けられない結末であろう。

     

    (3)「大韓商工会議所のアンケート調査で回答企業3社のうち2社に当たる66.9%は未来の収益源になることができる新事業を確保できていないと答えた。このように答えた企業のうち62%は対策もまとめていない状況だと答えた。未来収益源発掘過程で企業が体験する苦悩としては、「市場形成が不透明」が41.0%で最も多く挙げられた。次いで「資金不足」が21.7%、「技術力不足」が17.3%、「規制障壁」が16.3%などの順だった。大韓商工会議所の朴容晩(パク・ヨンマン)会長は「今年国会が処理した法案126件のうち企業支援法案は9件にすぎない。企業はだれに訴えなければならないのか、本当に惨憺極まりない」と話した」

     
    今年国会が処理した法案126件のうち、企業支援法案は9件にすぎないという。文政権の投げやり的な経済政策が、こういう結果を招いた。現状のままでは、韓国製造業の明日はないと言わざるを得ない。




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    韓国人社会で見られるいざこざには、辟易させられる場面が多いようです。最近は、大統領の娘婿が、海外でコネを使って就職したのでないか、と報じられています。日本人から見れば、民間企業でしかも海外であれば「良いのでないか」と思います。国内で、公務員になった訳でないのです。

     

    もう一つの例は、観客のスポーツに見せる勝利への執着です。応援した試合が負けた場合、選手の労をねぎらうどころか、罵倒を浴びせかけます。選手は、負けたくて負けた訳ではありません。一生懸命に戦ったが及ばず敗退したはずです。一番辛い思いをしているのは、他ならない選手に違いありません。ところが、韓国のフアンは全く違う反応をして驚きました。

     


    今月16日深夜に行われたU20(20歳以下)サッカー・ワールドカップ決勝戦で、韓国はウクライナに敗れ惜しくも準優勝に終わりました。その直後、大手検索サイトのリアルタイム検索ワード1位は大会MVPを受賞した選手や監督ではなく、MFのキム・ジョンミン選手(20)だったそうです。

     

    決勝戦で調子を落としたキム・ジョンミン選手のプレーに不満を持ったネットユーザーが、歴史的優勝を逃した犯人として目を付けられたからだといわれます。その時からネットでは、FIFA(国際サッカー連盟)主催の大会で、史上初の準優勝を成し遂げた喜びではなく、「誰が敗因か」がより重要な問題となったといわれます。

     

    私は、こういうあら探しをする社会に何とも言えない寂しさを感じます。なぜ、「よく戦ってくれてありがとう」という一言が出ないでしょうか。こういう冷たい仕打ちをするのは、中韓に共通の「宗族社会」意識が残っているように思います。同じ宗族内は仲間でも、違う宗族に対しては敵対的に振る舞うことを強要されてきました。その痕跡が、今も残っているのでしょう。中国では今でも宗族間の暴力事件として、「械闘」(かいとう)が残っているそうです。数年前、この「械闘」犠牲者が出たと外電が伝えていました。

     

    韓国で、「みんなお友達」という意識が低いのは、市民社会の経験がないこと。宗族社会の殻が残っている結果が絡み合っているように思います。日本も市民社会の経験はありませんが、韓国のような寒々とした行為はやりません。

     

     


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    英国の歴史家アーノルド・トインビ-は、古い文明が新しい文明に遭遇したとき、二つのパターンの存在を指摘した。

     

    新しい文明へ敢然として挑戦する「ヘロデ派」。逆に逃げ帰って、自らの伝統的文明へ閉じ籠もる「狂信派(ゼロット派)」である。中国文明は、後者の「ゼロット派」である。中国4000年の歴史は専制政治である。民主政治という新文明を、恐ろしくて採用できないという臆病文明なのだ。

     

    中国が、米中貿易戦争とファーウェイという中国にとって永遠のエース企業が、米国から「核爆弾」を落とされて、大きな衝撃を受けておりパニック状態という。ここで、習氏が取った行動が興味深い。ゼロット派そのものだ。

     

    ロシアのプーチン氏に6月4回も会談して相談したこと。さらに、大阪G20の直前に北朝鮮を訪問する。狙いは、米中首脳会談でトランプ氏の気を引くためだ。「北朝鮮に米国の方針をよく話してきたから」と言いつつ、トランプ氏の歓心を買う戦略と見る。中国は、米国との「冷戦」をぜひとも回避したいのが本音だ。

     

    ここで、米国がサプライチェーンの再編成に手を付けられたら、中国にとっては「死の宣告」を受けたも同然なのだ。中国は、強いようで脆い。トランプ大統領のような「直撃弾」を投げ込むタイプには、対応マニュアルがないに違いない。つまり、中国の歴史上の人物にはいないキャラなのだろう。

     


    『大紀元』(6月18日付)は、「
    貿易摩擦にファーウェイ禁輸措置、中国当局がパニック状態」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国問題専門家は、米中貿易戦の激化と米政府の華為技術(ファーウェイ)禁輸措置によって、中国当局が混乱に陥っていると指摘した。米ITニュースサイト「ザ・ヴァージ(The Verge)」は529日、米中関係について中国問題専門家2人を取材した記事を掲載した。記事は、トランプ米政権の中国通信機器大手のファーウェイ禁輸措置は、科学技術歴史上の大事件にたとえた。米政府の制裁で、次世代通信規格(5G)通信網構築の有力なサプライヤーとされたファーウェイは現在、八方塞がりになった」

     

    ファーウェイは、中国政府の懐刀の役割を担っている。技術窃取の大役もフファーウェイが果たしている。そこへ撃ち込まれた直撃弾である。中国の衝撃が大きいのは当然である。

     

    (2)「欧州シンクタンク、欧州国際政治経済研究所(ECIPE)のディレクターを務めるホスク・リーマキヤマ氏は、中国当局が先に「貿易戦を仕掛けた」と指摘した。中国当局は国内企業保護のため、数年前から米製品の一部に対して関税を課し、米グーグルやフェイスブックなどのIT企業を中国市場から排除した。豪シンクタンク、ローウィー研究所のエリオット・ザーグマン氏は中国に10年間滞在したことがある。同氏は、中国経済は表面的には繁栄しているように見えるが、実際には脆弱だと強調した。「中国の経済成長は、生産活動ではなく、完全に投資に頼っている」ため、中国当局が成長率目標を達成するには、より多くの融資が必要だという。「ザ・ヴァージ」は、中国経済がネズミ講に近いと指摘した

     

    中国経済がネズミ講に近いという指摘は、まさに正鵠を得たものだ。具体的には、自転車シェアリング事業を指している。大衆から15~20元の申込金を受け取り、爆発的な人気を呼んだが、その内に飽きられて破綻した事業である。不動産バブルという「投機経済」もネズミ講に近いだろう。市場経済による地味ながら堅実に積み上げてきた経済成長ではない。「一か八か」というバブルに依存した不健全経済である。この点について、私も全く同感である。この程度の経済が、世界覇権挑戦と言い出したところに不遜さを感じる。

     

    (3)「リーマキヤマ氏は、米中貿易戦の激化で、米GDP成長率が3%水準から2%水準に低下し、米経済は減速すると予測されるが、その影響は限定的だとした。一方、中国GDP成長率が同じく1%下落すれば、中国経済にとっては「壊滅的な影響を受ける」とリーマキヤマ氏とザーグマン氏が口を揃えた。ザーグマン氏によれば、米中貿易摩擦などの問題で「疾風迅雷の進撃」をしてきたトランプ大統領について、中国当局は「常に不意を突かれている」「予想もつかない」ために困り果てているという。両専門家は、中国当局が完全にパニック状態に陥っていると指摘した」

     

    米国経済が、3%から2%成長に低下しても問題は起こらない。中国では同じ1%ポイントの成長率低下でも大きな打撃を受ける。理由は、中国の対GDP比の債務総額が300%前後と格段に高いことだ。それだけ「固定費」の高い経済である。換言すれば、損益分岐点の高い経済体質になっている。付加価値が消えてしまうのだ。この状況は今後、永続化するはずである。中国は、金利もまともに払えなくなる経済体質に落込んでいる。不動産バブルを利用した経済成長の結末が、こういう形で襲って来たものだ。


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