勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    テイカカズラ
       

    韓国は、11月から日本と張り合って「ウィズコロナ」へ踏み切ったが大混乱に陥っている。政府は、11月29日に特別防疫対策を発表し、「すべての感染者は自宅に留まり、必要な場合にのみ入院治療を受けるようにする」というお粗末な事態だ。

     

    自宅療養を原則とし、住居環境が感染患者に不適であることや、小児・障害者・70歳以上などケアが必要な場合にのみ入院治療するというもの。これが、最近まで「K防疫モデル」と自慢していた韓国の実情である。12月3日の新規感染者は5000人近かった。重症者数は3日連続で700人を超え、またもや過去最多となっている。こういう医療崩壊は、すでに11月初旬に予知されていたのである。

     


    英国オックスフォード大学が発表した、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)厳格度指数によれば、韓国の防疫強度が主要20カ国・地域(G20)で最下位水準という研究結果が発表されていた。
    厳格度指数は、各国の新型コロナ対応水準を分析したもの。集会人員や大衆利用施設営業など9つの分野の防疫措置を評価している。点数が高いほど防疫度が高いということを意味する。

    韓国は、100点満点中39.35点だ(11月8日集計)。低評価の理由は、11月1日から首都圏10人、非首都圏12人まで私的な集まりを許容している。レストランやカフェは24時間営業することができる。遊興施設は夜12時まで運営する代わりに防疫パス(接種証明・陰性確認制)を適用中という規制緩和を行なった。こういう「ウィズコロナ」が、すべて裏目に出たのである。

     

    『朝鮮日報』(12月3日付)は、「未曾有の『複合ショック』、韓国のウィズコロナはグロッキー状態」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「一日新規感染者が連日5000人を上回り、重症者も過去最多の733人(12月2日午前0時時点)まで達するや、医療現場から相次いで悲鳴が上がっている。中央事故収拾本部によると、1日午後5時時点のソウル市内の病床使用率は90.1%、仁川市は88.6%、京畿道は85.5%だった。首都圏に近い忠清道の病床も既に満床だ。最も重症の患者が入院している「ビッグ5」病院(5大病院)でも、残っているのは9床(使用率94.6%)だけだ。病床待機患者は915人、このうち四日間以上待っている患者は377人(41.2%)に達する」

     

    ソウル市内の5大病院は、重症患者用のベッドがあと9床(使用率94.6%)しかないのだ。病床待機患者は、915人もいる。まさに、医療崩壊が起こっている。

     


    (2)「それにもかかわらず、当局が12月中旬までに追加確保することにしている1300床のうち、重症者用は50床、準重症者用は190床だけだ。ソウル市も同日、「新型コロナ緊急対策」を発表し、重症者用病床を52床用意するという。それでも、年内に確保できる重症者用病床は約100床にしかならない。しかも今は「二重の危機」に見舞われている。現在の感染者のほとんどはデルタ変異株の感染者だが、これより感染力が強いオミクロン変異株の感染者が国内で既に6人確認されている。デルタ株とオミクロン株の「複合ショック」が迫っている状況なのだ」

     

    当局が12月中旬までに追加確保する重症者用は50床だけしかない。一方には900人を超す待機患者がいるのだ。

     

    (3)「防疫当局は来週から4週間、私的な集まりの制限人数を首都圏6人、非首都圏8人に減らし、飲食店などにも防疫パスを拡大適用する案を協議したという医療現場のあちこちからも「『ウィズコロナ(段階的な日常生活の回復)』措置はしばらく中断してほしい」という悲鳴と訴えが相次いでいる。大韓重症者医学会も「新型コロナの重症者用病床を増やすには、新型コロナでない患者の病床の縮小が避けられない状況だ」と明らかにした。医療現場は今、袋小路に入ってしまっているということだ」

     

    医療崩壊を防ぐには、「ウィズコロナ」を中断するしかない。文政権は、大統領選の思惑で中断できないのだ。医療より政治思惑の先行である。

     


    (4)「政府は最近、首都圏の病院に対して「保有病床の1~1.5%を新型コロナ患者用病床にせよ」という行政命令を繰り返し出している。しかし、新型コロナの重症者用病床はすぐに設置できるわけではない。首都圏のある大型病院の関係者は「新型コロナ患者を治療するための陰圧室を作るには設備工事が必要で、新型コロナ患者が移動する時にほかの患者と遭遇しないように移動の動線まで考慮して新たな空間を確保しなければならないため、通常は数週間かかる」「さらに、新型コロナ患者のケアをするための医療従事者を追加しなければならないが、今いるほかの重症者をケアしている医療従事者を、新型コロナ患者だけ見ろと言うこともできず、懸念している」と話した」

     

    政府の無策と政治的な思惑が絡んで、韓国の医療は危機的状況に追い込まれている。病床を増やせば、医療スタッフを増加させなければならない。そのスタッフが枯渇している。専門医が足りない事態に追い込まれている。

     

    (5)病床不足よりも急を要するのは医療従事者不足だ。政府はこのほど、首都圏の医療従事者不足を穴埋めするために公衆保健医師(農村などの公衆保健業務に携わる医師)たちを急きょ駆り出した。首都圏でない地域の公衆保健医師47人を首都圏の病床に投入したのだ。ところが、新型コロナ治療に必要な内科専門医は1人もいなかった上、皮膚科医・眼科医など重症者の治療の助けとはなりにくい分野の専門医が多数含まれていたという」

     

    首都圏で医師不足に直面し、地方の医師47人を公募したが、必要な専門医は一人もいなかったという。皮膚科や眼科の医師までかき集められている。これで、急増する重症患者へ満足な治療ができるとは思えない。これが、文政権の実態である。

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    中国は、不動産バブルが支えてきた経済である。本欄では、この点を一貫して指摘してきた。バブルで土地が値上りしない限り、中国経済は円滑に回らない仕組みになっている。

     

    かつては、アヘンが中国社会を蝕んだが、現在は不動産バブルがその役割をしている。バブルが、中国経済を正常化不能なまでに冒しているのだ。現に、地方政府は住宅価格の値下がりを禁じる布令を出し始めている。地価値下がりが、土地売却収入減となり、地方政府に欠陥財政をもたらすリスクが高まってきたのだ。いずれ、財政機能は相当に制約されるであろう。

     


    『日本経済新聞 電子版』(12月3日付)は、「中国、大都市も不動産値下げ制限 地方財政悪化に危機感」と題する記事を掲載した。

     

    中国で住宅価格の下落が広がり、大都市でも不動産市場の救済に乗り出す動きが出てきた。新築物件の値下げ幅を制限したり、不動産融資の規制を緩めたりする。マンションなどの価格が下がると、地方政府に入る用地の売却収入が減りかねないためだ。人口流出などで景気回復が遅れ気味の中小都市だけでなく、大都市も警戒感を強めている。

     

    (1)「四川省の省都、成都市は11月23日、「不動産会社と(投機を除く)住宅購入者の相応の資金需要は(満たされるよう)保障する」。不動産金融の規制緩和を発表した。開発資金の融資や住宅ローンの上限を緩め、速やかに融資を実行する。重点企業には融資期間の延長や金利負担の軽減も認める。中央政府が直轄する天津市は11月、不動産会社を集めた会議で、値下げ幅を制限するよう指示した。同市政府の関係者によると、新築物件を当局に事前に届け出た価格より15%超値引きすることを禁じる。大規模なセールを行う際も担当部局への報告を義務付けた

     


    地方政府は、住宅価格の値下がりに敏感である。土地売却収入が将来、減少する兆候であるからだ。住宅の大規模セールを行なう際には事前報告=チェックする意向を見せている。財政状態が悪化しているだけに、何とかそれを食止めたいはずである。

     

    (2)「中国メディアによると、江蘇省の省都、南京市も値引き販売をした開発業者に市場をかき乱す行為をやめるよう命じた。今年夏以降、すでに20以上の都市が値下げ制限に踏み切った。値下げ制限はこれまで、大都市に比べて経済成長の速度が鈍く、マンションの在庫が高止まりしやすい中小都市が軸だった。政府の住宅ローン規制などをうけ、住宅価格が下落する都市はこの夏、一気に増えた。中国国家統計局がまとめた主要70都市の新築マンション価格をみると、5月に前月より下がったのは5地域だけだったが、10月には52地域と10倍以上になった。2015年2月以来の多さだ」

     

    主要70都市で、新築マンション価格が値下がりしたのは、10月で52地域と4分の3にもなっている。こうなると、地方政府の土地売却収入減がそれだけ拡大する。中国は今後、急速な高齢社会へ向かうだけに、財源はいくらでも必要な時期を迎える。それだけに、土地売却収入減は打撃になる。

     


    (3)「都市の規模別でみると、中小都市で先行して価格が下がり始め、大都市にも波及しつつある傾向がわかる。成都市、天津市、南京市は省都レベルの2級都市のなかでも規模が大きい「新1級都市」と呼ばれる。新1級都市の平均価格は10月、前月比0.%の下落に転じた。北京市、上海市、広東省広州市、同省深圳市の1級都市は9月に上昇が止まった。このうち広州市と深圳市はすでに値下がりしている」

     

    下線のように、広州市と深圳市がすでに値下がりしていることは、輸出(広州市)とIT企業(深圳市)の不振を先取りした現象である。注目すべきだ。

     

    (4)「マンションの値下がりは、住宅ローンの審査厳格化で購入需要が落ち込んだことだけが理由ではない。政府の規制強化で不動産会社の資金繰りが悪化したことも影を落とす。開発する会社のほか、各社から代金でなく、不動産の現物を受け取った施工業者が現金化を急ぎ、値引き販売に拍車をかけた」

     

    施工業者は、大量のマンションを現金代わりに渡されている。そこで業者は、大幅値引き(約30%)で、現金決済を条件にしている。これが、値崩れの原因の一つだ。

     


    (5)「政府は不動産バブルが金融リスクを高めていると警戒してきた。新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込んで経済の正常化を進めつつ、不動産規制を強めた。だが、中国恒大集団など不動産大手の経営が揺らぐと、金融監督当局の中国人民銀行(中央銀行)などは方針を微修正した。不動産融資の過度な絞り込みの是正を銀行に求めた」

     

    中国は、不動産金融が綱わたりである。締めすぎて不動産開発企業を苦境に追いやるのでないかと気を配っている。これが、不動産バブルの温床になっている。アヘン患者が苦しまないように、適当にアヘンを配ると同じことをやっているのだ。

     

     

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    民主主義社会では、人権尊重は基本である。だが、中国は「人権思想」そのものが存在しない。最高支配者の思いのままに罪を着せられ、社会から葬られるのだ。この中国が、世界覇権を狙っている。背筋の凍る話だ。

     

    英紙『フィナンシャル・タイムズ』(11月30日付)は、「安泰でない中国エリート、名声しのぐ共産党支配」と題する記事を掲載した。

     

    中国では富や名声、影響力があっても汚名を着せられたり行方不明になったり、もっと悪い事態に陥ったりする危険が常につきまとう。この問題は、米誌フォーブスが11年に掲載した寄稿「友人には中国の億万長者になってほしくない」も指摘している。

     


    (1)「同寄稿は、中国共産党が発行する英字紙『チャイナ・デイリー』の記事にあるデータを引用し、それまでの8年間で72人の中国の億万長者が早死にしたと記している。引用元の記事はその内訳も明らかにしており、「72人の億万長者のうち15人は殺害され、17人は自殺、7人が事故死、14人は法に従い死刑が執行され、19人が病死した」とある。以来約10年、超富裕層を取り巻く状況が改善したと思う人は、中国の実業家で今は国外で暮らすデズモンド・シャム(沈棟)氏が9月に出版した「Red Roulette(赤いルーレット)」を読むとよい」

     

    中国共産党が発行する英字紙『チャイナ・デイリー』は、2011年までの8年間に、72人の中国の億万長者が早死にしたと伝えているという。この72人の人たちの内、19人を除けば非業の死である。ゾッとする事件だ。中国社会の暗黒ぶりを示している。

     


    (2)「シャム氏と元妻でかつてのビジネスパートナーだったホイットニー・ドゥアン(段偉紅)氏は貧困から身を立て、不動産開発で富を築いた。2人は絶頂期には北京で英高級車ロールス・ロイスを乗り回し、プライベートジェットで世界を飛び回った。ドゥアン氏は中国政界の大物との人脈を利用して事業を成功させていったが、17年に拘束され、行方がわからなくなった。突然の失踪が珍しくないことはこの本を読めば明らかだ。シャム氏とドゥアン氏は北京にある空港の拡張工事を手がけていた。だが北京の空港運営会社の総経理でこのプロジェクトの重要人物の一人だった李培英氏が何の説明もないまま姿を消し、両氏のプロジェクトは暗礁に乗り上げた。李氏は後に収賄罪で起訴され死刑が執行された」

     

    このパラグラフに書かれている事柄は、民主社会では絶対に起こり得ない話である。それが、日常的に行なわれている無法社会である。

     


    (3)「元妻のドゥアン氏は、政界との重要なコネクションとして、習近平(シー・ジンピン)国家主席の後継候補ともいわれた孫政才・重慶市党委員会書記(当時)と関係を築いていた。しかし、孫氏は党籍を剝奪され、18年に収賄罪で無期懲役の判決を言い渡された。シャム氏は、孫氏は「実は政治的な目的で葬られた」と主張する。ドゥアン氏がその後逮捕されたのは、孫氏とのつながりを問題視された可能性がある。あるいは、温家宝前首相の夫人との親密な関係があだになったかもしれない。温氏が今春、新聞としてはあまり規模の大きくないマカオ紙に寄稿した母を悼む文章は、暗に習氏を批判したものとして中国内のインターネット上で閲覧制限を受けた」

     

    中国は純粋な市場社会ではない、コネを付けた者が勝ちとなる社会である。このコネは、賄賂で結ばれているので、公安が狙いを付けた人物は必ず拘束できる社会である。民主社会からみれば、想像もできない暗黒社会と言って間違いない。

     


    (4)「
    国際的な名声があっても、権力を自在に振るう現体制の下では、それが自分を守ることにはならない。中国のインターネット通販最大手、アリババ集団の創業者で中国で最も著名な実業家の馬雲(ジャック・マー)氏は20年10月、大胆にも中国の金融規制を批判して以降、公の場にほとんど姿を現していない。中国人として初めて国際刑事警察機構(ICPO)の総裁を務めた孟宏偉氏も18年、中国に一時帰国した際に拘束され、昨年収賄罪で懲役13年6月の判決を言い渡された。そもそも体制の恩恵を受けて富や権力を手にした億万長者や共産党幹部が、同体制により引きずり下ろされても同情する向きは少ないかもしれない」

     

    アリババのジャック・マー氏は、政府批判をしたばかりに「追放」の身になった。秋口に欧州へ現れたことが報じられた程度である。ビジネスの第一線から姿を消してしまった。

     


    (5)「中国の国家権力が、反体制派の弁護士やジャーナリスト、学者らを弾圧する際はもっと苛烈だ。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)の最近の報告書によると、当局は反体制活動家の家族にまでも、しばしば追及の手を伸ばしているという。中国の現体制では、政治と一切かかわらないようにしても安全を確保できるわけではない。ビジネスの世界は不透明でコネが不可欠なため、誰もがシャム氏の言うところの「グレーゾーン」に踏み込まざるを得ない。そして、そのことが贈収賄の容疑を招くリスクとなる。あらゆる組織は中国共産党の支配下にある。当局に拘束されれば有能な弁護士や気骨あるジャーナリストがどう頑張っても救い出すことはできない。中国の裁判の有罪率は99.%だ」

     

    中国の有罪率は99.%だという。公安の描くとおりの刑に処せられている。これで、「中国式社会主義」と嘯(うそぶ)いているから恐れ入るのだ。

     


    (6)「この体制の頂点に君臨する習主席は、毛沢東だけでなくレーニンやスターリンの思想も信奉する姿勢を示してきた。スターリンの下で秘密警察トップを務め大粛清を陣頭指揮したベリヤは、警察国家であらゆる個人に及ぶ危険性についてこう語った。『誰でもいいから連れてくれば、私がその人物の罪を必ず探し出す』」

     

    習氏は、権力を恣(ほしいまま)に使っている。この上、「歴史決議」によって、「終身国家主席」が約束されたようなものだ。習氏は、思いのままに国を操れてさぞやご満悦であろう。このことが、後になってどれだけ高いものに付くか。想像もできないのであろう。

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    中国にとって外交上の最大弱点は、新疆ウイグル族弾圧である。このほど、流出した文書によって、弾圧は習近平氏の指導のもとで強行されていることが判明した。中国は、新疆ウイグル族問題が国内問題であり、海外からの干渉を許さないとしている。だが、今回の秘密文書流出によって中国はさらに厳しい立場へ追い込まれる。

     

    東京裁判では太平洋戦争責任が追及された。これになぞらえれば、習近平氏は新疆ウイグル族弾圧で国際法廷に立たされるほどの重大犯罪である。いつか、そういう時代が来るであろう。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(12月2日付)は、「ウイグル問題の文書流出、習氏の強い関与裏付け」と題する記事を掲載した。

     

    中国による少数民族ウイグル族への人権侵害疑惑を巡り、習近平国家主席が先頭に立って弾圧を指示していたことを示す新たな証拠が浮上した。英国を拠点とする非政府組織「ウイグル・トリビューナル」が中国政府の流出文書の写しをウェブサイトに掲載した。その文書は、新疆ウイグル自治区の動向を巡り、2014~17年に習氏や共産党幹部が非公開で行った演説の内容などが含まれ、一部は最高機密扱いとなっている。ウイグルへの強制的な同化政策はこの時期に策定・導入された。

     


    (1)「それによると、習氏は少数民族に関して宗教の影響や失業問題の危険性について警告しており、新疆の支配を維持する上で、主流派である漢民族と少数民族の「人口割合」の重要性を強調している。『ウイグル・トリビューナル』はロンドンで、ウイグル族に対する人権侵害の疑いについて審問を開催している。米ミネソタ在住の中国民族政策専門家、エイドリアン・ゼンツ氏は、ウイグル・トリビューナルから文書の真偽を調べるよう依頼され、他2人の協力者とともに鑑識を行った」

     

    新疆ウイグル自治区の動向を巡り、2014~17年に習氏や共産党幹部が非公開で行った演説の内容が、「犯罪」を裏付けている。中国は、西側諸国から厳しく追及される証拠の数々が公開されてしまったのだ。ジワリジワリと、中国の首を締めることになろう。

     

    (2)「ゼンツ氏によると、今回の文書は『ニューヨーク・タイムズ』紙(NYT)が2019年に報じた流出文書では明らかにされなかった一部とみられる。NYTは十数ページの内容について報じたが、完全な文書ではなかった。同氏は、NYTの報道について習氏がウイグルの同化政策の策定に直接関与していたことを示していたが、完全な文書で真相は一段と明らかになると述べている。「残虐行為の細部に与えた習の個人的な影響力は、われわれの認識をはるかに超える」とゼンツ氏は話す」

     

    今回の公開された文書は、すでにNYTで報道された文書とダブっているという。流出文書は、これから本格的に公開されるので、中国は枕を高くして寝られない事態になろう。

     


    (3)「中国外務省は、うわさを流布しているとしてゼンツ氏と『ウイグル・トリビューナル』を批判。「反中派の道化師がいかなるパフォーマンスを繰り広げようとも、新疆はさらなる発展を遂げるばかりだ」とコメントした。『ウイグル・トリビューナル』の審問は法的な根拠を欠くとした。情報の提供元は分かっていない。NYTの広報担当は今回『ウイグル・トリビューナル』が公表した流出文書について、2019年に同紙が報道したものと同一であることを確認。ただ、NYTは『ウイグル・トリビューナル』に文書を渡していないと述べた」

     

    中国は、例によって否定し相手を陥れる発言を繰返している。虚しいばかりだ。人類への犯罪であり、決して内政問題という矮小化された扱いで済むはずがない。こういう蛮行を許してはならない。

     

    (4)「11月30日、公表された文書の大半は2014年春のものだ。ゼンツ氏はこれに添えた要旨で、共産党の新疆政策に関する国営メディアの報道やその後に公表された政府文書と照らし合わせるなどして、文書が本物であることを突き止めたと説明している。ゼンツ氏によると、『ウイグル・トリビューナル』は情報提供者を守るため原本の公表は見送り、出所が分かるような部分を削除して、文書の写しを公表した」

     

    文書を公開した『ウイグル・トリビューナル』は、情報提供者を守るべく原本の公表を見送っている。いずれ、この原本が公開されるときは、中国共産党が滅びた時であろう。

     


    (5)「習氏が14年の演説で最初に触れた発言がその後、政府の政策文書にも記され、党幹部らも度々その文言を言及しているなどとゼンツ氏は指摘する。例えば、習氏は14年5月に新疆に関する会合で行った演説で、共産党は「人民の民主的独裁という武器の使用を躊躇(ちゅうちょ)すべきではなく、(新疆の宗教的な過激派勢力に対して)破滅的な打撃を与えることに注力すべきだ」と述べている。さらにこの演説では、強制労働の疑いが持たれているウイグル族への労働プログラムの前触れともとれる発言があった。米国はこの強制労働疑惑を理由に、新疆綿を使った中国品の輸入を禁止している」

     

    下線部は、習氏の過激発言によってウイグル族100万人が強制収容されることになったことを暗示している。習近平氏は、東条英機並みの「戦犯責任」を追及されるに違いない。

     

    (6)「文書によると、習氏は「新疆の雇用問題は顕著だ。暇を持て余した大量の失業者が問題を起こす傾向がある」と指摘。その一方で、組織で働けば「民族の交流や融合につながる」と述べている。また今回明らかになった別の演説で、習氏は「人口の割合と安全性は長期的な平和と安定の重要な基礎となる」と述べている。その6年後、新疆における漢民族の割合が15%にとどまるのは「低すぎる」として警告した同地域幹部はその際、習氏のこの発言をそのまま繰り返している」

     

    このパラグラフは、新疆ウイグル族が塗炭の苦しみを舐めさせられた背景が明らかにされている。習氏の指導であったのだ。

     

    (7)「ゼンツ氏は、「習氏が発したたった一文が、政策全体に影響を与えるだけの威力を持つ」と話す。同氏によると、『ウイグル・トリビューナル』は合計300ページにわたる11文書を入手した。このうち30日に公表したのは3文書のみで、残りは今後公表される見通しだ」

     

    『ウイグル・トリビューナル』は、全体で11文書を入手した。今回は、その内の3文書だけが公開された。残りは、まだ8文書もある。中国による「人類への犯罪」に関わる証拠が、これから、次々と白日の下にさらされるのだ。これで、中国が民主主義の敵になった。

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    コロナ変異「オミクロン株」による感染拡大が、世界中へ大きな衝撃を与えている。日本では、原則として外国人の入国を認めない、と厳戒体制だ。注目の米国の空気は、かなり楽観的である。ワクチン接種してマスクを着用すれば、年末の国内旅行はOKという姿勢である。

     

    『ブルームバーグ』(12月2日付)は、「オミクロン株出現でも年末休暇プランを中止する必要ないーファウチ氏」と題する記事を掲載した。

     

    新型コロナウイルスのオミクロン変異株の出現でも、米国のワクチン接種済みの人々は年末の休暇プランを中止すべきではない。バイデン米大統領の首席医療顧問を務める米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長が12月1日、コロナに関するCNNグローバル・タウンホールでこう呼び掛けた。

     


    (1)「『あなたとあなたの家族がワクチン接種を受けているのであれば、ホリデーを楽しむべきだ』とファウチ氏は発言。『われわれの従来の提言と異なる行動は必要ない』と述べた。同氏はオミクロン株の感染が向こう数週間で増えると予測した上で、室内でマスクなしで家族が集まることを控える必要はないと述べた。今後数週間で旅行する人は入念なマスク着用など予防措置を取り、『賢明になる』よう呼び掛けた」。

     

    ファウチ氏は、米大統領首席医療顧問を務め、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長である。いわば、米国感染症研究の最高峰が、ここまで言いきっているのは、科学的根拠によるものだ。メディアには、過激情報が氾濫しているが、米国情報が最も正確のようである。私は、科学的な米国情報に基づいている。

     

    (2)「ファウチ氏は、「米当局が実施しているアフリカ南部諸国からの渡航制限は一時的なものになるとの見解を示した。米国で新型コロナウイルスのオミクロン変異株感染が初めて確認された後に語った」

     

    米国のアフリカ南部諸国からの渡航制限は、一時的な措置としている。正式な分析結果を待っているのであろう。ただ、これまでの証拠類で事態が「大袈裟」にならないことを認識しているものと見られる。

     


    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(12月2日付)は、「
    オミクロン株との闘い、心強い兆候あちこちに」と題する記事を掲載した。

     

    新型コロナウイルスと闘うための重要な武器が、新たな変異ウイルス「オミクロン株」にも有効であることを示す希望の光が見えてきた。世界の科学者や保健機関は、これまでに確認された少数のオミクロン感染例に関する断片的なエビデンス(証拠)をまとめ上げようとしている。

     

    (3)「南アフリカでの急速な感染拡大や、突然変異の数の多さから、オミクロン株に対する懸念が強まっている。ウイルスは突然変異によって、ヒトの細胞に侵入し、ワクチンや以前の感染で獲得した免疫反応をすり抜けられるようになる恐れがある。これまでのところ、新たなエビデンスはほとんど裏付けに乏しく、矛盾したものもあり、科学的に明確に結論付けるには全く不十分だ。それでも一部は、ワクチンが重症化を予防し、ウイルスの拡散を抑制することを示唆している」

     

    科学的な証拠は少ないが、先進国におけるオミクロン株の感染者にみる症状では、軽いことが大きな特色である。

     

    (4)「イスラエルは、オミクロン株に感染した45歳の心臓医のケースを調査した。それによると、心臓医はロンドンとイスラエルで開催された会合に出席し、帰国後数日間に100人以上と接触していた。だがこれまでのところ、この心臓医を通してオミクロン株に感染したのは1人しかいない。マスクをせずに一緒に車に乗っていた同僚の医師(70歳)だ。この2人の医師が勤務するイスラエル中部のシェバ・メディカル・センター感染症疫学部のディレクター、ギリ・レゲブ・ヨチャイ氏が明らかにした。心臓医の妻と3人の子供もウイルス検査で陰性だったという」。

     

    イスラエルでの経験は参考になりそうだ。オミクロン株に感染した45歳の心臓医は、帰国後に100人以上と接触したが、感染者は一人であるとう。マスクをせず、一緒に車に乗っていた同僚の医師(70歳)だけだという。心臓医の家族4人は感染していないのである。

     


    (5)「前記のレゲブ・ヨチャイ氏は、「この出来事は、われわれが怪物を相手にしているのではないことを確信させてくれる」と指摘。感染の拡大を予想してもおかしくないほど、心臓医は他の人々との接触が多かったと述べた。この心臓医を含め、オミクロン株への感染が確認されたイスラエル人は4人いる。イスラエル保健省によると、全員がワクチンを接種済みで、症状は軽い」

     

    イスラエル保健省によると、感染者4人全員がワクチンを接種済みで、症状は軽いという。

     

    (6)「香港大学の研究を主導したクオクユン・ユエン教授によると、6カ月以内にメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの接種を完了していた2人の患者は、症状が非常に軽かったという。また、感染が判明してから数日後には、血液中の抗体濃度が10倍になったという。ユエン氏は、「これは免疫学的記憶という点で非常に満足のいくものだ」とし、「mRNAワクチンを接種してあれば、オミクロン株ウイルスに感染した場合の免疫学的記憶と免疫反応の活性化が非常に早いようだ」と述べた。

     

    メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを6カ月以内に接種していた患者(2人)では、症状が非常に軽いという。

     

    (7)「ワクチン開発会社ビオンテックの共同創業者であるウグル・サヒン氏は11月30日、オミクロン株はワクチンへの反応で生成された抗体をすり抜ける可能性はあるものの、体内に侵入すれば免疫細胞の攻撃にさらされる公算が大きいとの見方を示した。その上で、「われわれのメッセージは、怖がることはない、計画は変わらないということだ。それは、3回目の追加接種(ブースター接種)を加速させることだ」と述べた」

     

    ファイザーと共同でワクチンを開発したビオンテック創業者は、オミクロン株に対しても有効であると述べている。3回目の追加接種(ブースター接種)で、より安全になると見ている。 

     

     

     

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