勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    菅義偉官房長官は、5月9~12日まで渡米する。拉致問題解決のために米当局者との協議やシンポジウムへ出席するのが目的とされている。しかし、内閣官房長官という内閣の要が、日本を留守にすること自体、大きな課題解決という事態が発生している証拠であろう。私は、菅官房長官渡米目的は、北朝鮮要人との接触が目的とみる。5月3日からこの説に立っている。その後、韓国の『中央日報』が同じ視点で報道を始めた。

     

    『中央日報』(5月4日付け)は、「尋常でない日朝接触、韓国政府は機敏な対処を」と題する社説を掲載した。

     

    (1)「 日朝関係が急速に動いている。安倍晋三首相は5月2日のインタビューで「条件を付けずに金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会って虚心坦懐に話し合ってみたい」と述べた。これに関連し、9~12日に訪米予定の菅義偉官房長官はニューヨークで北朝鮮側と高官級接触をしたいと平壌(ピョンヤン)に伝えたという」

    菅長官の渡米日程が決まってから、北朝鮮へ接触意思を提示した訳ではあるまい。逆である。日朝間の連絡ができたから渡米すると考えるのが順当だ。北朝鮮との意思疎通ができたと見るべきだろう。

     

    (2)「安倍首相が金委員長に会おうとするのは、日本人拉致問題の解決のためだ。米国と共に『最大限の対北朝鮮圧力』に集中してきた立場で突然、北朝鮮と対話をするのは容易でなかった。 その安倍首相が電撃的に日朝首脳会談の意思を明らかにしたのは、米国から確実な『OKサイン』を受けた結果と解釈される。安倍首相は先月26日にワシントンでトランプ大統領と4時間以上の首脳会談をした結果、『拉致問題解決のための日朝首脳会談に米国は全面的に協力する』という共同声明を引き出した。2分間の単独会談で共同声明なく終わった4・11韓米首脳会談とは対照的だ」。

     

    北朝鮮は、米国務長官との対話を拒否している。代わりの人物を出せと言っているほど。菅長官が別件(拉致問題)ではあるが、窓口の代役になる可能性はあろう。北朝鮮では、飢饉発生で緊急食糧輸入問題が持ち上がっている。日本が、妙な巡り合わせで代役になる可能性を否定できないのだ。金正恩氏は、先の訪ロでプーチン氏に安倍首相の人柄を聞き出しているはずだ。日本も事前にロシアへ連絡済みであろう。外交は、人間同士の濃密な関係がカギを握っている。

     

    (3)「こうした中、日本は11年間にわたり国連に提出してきた北朝鮮人権決議案を初めて保留し、外交青書から「対北朝鮮圧力を最大限まで高めていく」という表現も削除した。ハノイ米朝首脳会談の決裂以降、対米交渉が壁にぶつかった北朝鮮としては、このように日本と接触して突破口を開くのが有利だと判断する可能性がある。金正恩委員長が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の代わりにトランプ大統領と親しい安倍首相を通じて念願の制裁緩和説得を要請すれば、日本が韓国の代わりに新しい『仲裁者』となる可能性もある」

    日本は、北朝鮮との交渉を控えて「微妙な問題」はぼやかしている。相手の感情を逆なでしない配慮だ。北朝鮮が、日米関係の濃密さを理解すれば、韓国に代わって日本を米朝の「仲裁者」にするかもしれないと記事は指摘している。同時に、北朝鮮は日朝の戦後処理問題も話し合える機会ができる。こういう、希望的な観測が出てくる背景は十分ある。

     

    (4) 「韓国政府は、北東アジア情勢の新たな変数に浮上した日朝接触の動きから感じるものがなければいけない。日本が北朝鮮との対話の機会をつかむことになったのは、米国との連携を最優先にして外交の出発点としたからだ。韓国政府は、『ビッグディール』への言及を避けて『制裁緩和』ばかり叫んできた。このため日本が、米国の信頼を受けて北朝鮮に対話を提案し、融和策も駆使する基盤を得ることになった。北朝鮮としても、米国と話が通じない韓国よりも、トランプ大統領の支援を受けた日本の方に視線が向かうだろう。韓日関係が良ければ、このように日本が韓国を避けて北朝鮮と接触することはなかったはずだ」

    北朝鮮は、米国と最も深いコミットをしている日本が、米国とギクシャクしている韓国より米国を動かす力があると判断すれば、日朝交渉を足場にして米朝協議に乗り出す。そういう可能性が出てきたとこのパラグラフは指摘している。

     

    従来は、米韓朝であった組み合わせが今後、日米朝になりかねない事態になると、韓国のメンツは丸潰れになる。流動的である。まだ、決定的なことを言える段階でないが、ある種の形が固まりそうな気配はしている。


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    文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、識者との懇談会で出された批判を聞き流している。政策に反映させる気持ちがゼロにもかかわらず、聞くようなポーズだけ取る。この元「社会派弁護士」は、なかなかの演技者である。

     

    視点を変えれば、政策転換の機会を逃したことに対して、「不作為の作為」ということは問えないだろうか。現在の文政権の指示している「積弊捜査」では、こういう視点のものが含まれているだろう。文政権が重大は事実誤認によって、国民生活を破壊している罪は、決して看過すべきものでない。

     

    『朝鮮日報』(5月4日付け)は、「有識者懇出席者、『文大統領は政策・路線変える考えなさそう』」と題する記事を掲載した。

     

    文在寅大統領は各界有識者の「苦言」に耳を傾ける場を設けたものの、積弊清算関連捜査や経済政策といった基本路線は「変更不可」の方針を明らかにした。

     

    (1)「5月2日の社会有識者懇談会と、4月3日の経済有識者懇談会に出席した人々は『大統領が耳を傾けるという姿勢は良かったが、政策や路線を変更する考えはなさそうだった』と語った。経済有識者懇談会で、チョン・ユンチョル元監査院長らは『非正規職の正規職化・最低賃金引き上げ・労働時間の短縮で、労働市場における硬直性が強まった』と政府の主要経済政策を批判した」

     

    現在の経済混乱の理由について、下線のような指摘がされている。それでも、その原因を改めようとしないで、事態の悪化を招いている。一体、文大統領の権限はどうなっているのか。全権を動かす力が与えられているにもかかわらず欠陥を是正しない。不思議な大統領である。これは、政策変更を阻む勢力が政権内部に存在していることを証明している。

     

    それが、「86世代」という労組と市民団体に結びついている特殊集団である。これら2団体は、文政権樹立に当たり大きな力を発揮した。これらの支持母体の利益には手を付けないという「密約」でも結んでいるのであろう。利益供与に当る。この不可解な部分は、次期政権が保守系であれば、ぜがひでも究明したいところだ。

     

    (2)「文大統領はその1カ月後に行われた社会有識者懇談会で、最低賃金引き上げなどについて、『それら全体が一つの巨大な確執であって、これを解決するには社会的な合意が活性化される必要がある』と述べた。つまり、政策そのものの間違いは認めず、確執の調整に焦点を合わせて説明したものだ」

     

    最賃引上が、大きな社会的な確執を生んだとは、どういうことか。最賃の大幅引き上げが、小規模企業の従業員の雇用を奪い、大企業労組の従業員に利益なったことを明確に認識している。それでも改善策を取らなかった。これは、立派な「犯罪構成要因」でないのか。是非とも、司法の場で裁かねばならない。文氏を法廷に引き出さなければダメだ。

     


    (3)「文大統領は積弊清算関連捜査についても、『妥協は容易でない』と言った。文大統領は懇談会があるたびに『良い示唆を与えてくださった』と言ってきたが、所得主導成長・人事・脱原発政策などは今も従来の基本路線を維持している」

     

    現在、行なわれている積弊捜査を指示したのは、文大統領である。大統領が一種の「指揮権」を発動して、保守党政権関係者を獄窓に送っている。次期政権が保守党であれば、この識者懇談会で指摘されながら改めなかった点で、文大統領を告発できるはずだ。そのくらい、厳しく追及すべき事案である。

     

    (4)「こうした中、大統領府は懇談会で出た発言の一部を紹介していなかったことが分かった。浦項工科大学のソン・ホグン客員教授は、『政策は失敗に終わったようだ。続ければ致命的な打撃を政権に与える。執着し過ぎる必要はない』と話したという。ところが、大統領府は同教授が、『政策の基本路線を維持するにしても、雇用主導の成長による変化はどうか』と言ったことを中心に紹介した。大統領府側は『中核的な内容はほとんどを明らかにしている』として、発言の一部を紹介していないという疑惑を否定した」

     

    下線を引いた部分が指摘されている。ところが、大統領府は内容を改ざんしている。改ざんしたこと自体、政策の失敗を認めていることの証明である。それにも関わらず、政策を変更しなかった。「不作為の罪」である。政策の不作為が犯罪になるか。ぜひとも究明する必要がある。

     

     


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    韓国メディアでは、日本の「令和」を批判的に捉える向きもいる。それは、書き手の自由だが、批判の場合は自らの名前を名乗るべきだろう。無署名の批判記事は、夜陰に乗じて鉄砲を撃つようなものだ。

     

    『韓国経済新聞』(4月24日付け)は、「幕上がる日本の令和時代」と題する無署名のコラムを掲載した。これに対する私の反論は、4月24日のブログに、「韓国、『令和』 歴史を理解せずに日本批判 『メディアの自殺』」と題して掲載した。

     

    前記のコラムと同一筆者と思われる人物が、再び下記のような「令和」を喜ぶ日本人に痛烈な批判を浴びせるコラムを掲載した。その主旨は、日本人の低経済成長下の不安心理を新天皇誕生で癒やしている病気(症候群)と捉えている。この見当違いの批判に対して、再度の批判を加えたい。

     

    『韓国経済新聞』(5月3日付け)は、「日本『令和シンドローム』の正体」と題するコラムを掲載した。筆者名は不明のコラムだ。

     

    私の推測では、日本のある公立大学の経済学教授と見る。私が彼のコラムを批判した後、コラムの執筆を止めた人物がいる。ほとぼりが冷めたと見て、無署名で日本批判をやろうという狙いならば、フェアでない。自分の名前を堂々と書いて日本批判をするべきだ。日本では、夜陰に乗じて鉄砲を撃つ真似は恥ずかしい行為である。日本では、最も嫌われるタイプだ。

     

    (1)「 新天皇の即位式があった1日、日本全国の神社と神宮に多くの人々が集まった。東京の明治神宮や三重の伊勢神宮などには大勢の参拝客が訪れて祈願し、令和初日の朱印を求める人々の行列が10時間以上も見られたという。新天皇が即位して年号が変わったことを祝うため日本人が列を作って神社を訪れたのだ。 日本人は年号が平成から令和に変わったことにいろいろな意味づけをしながら盛り上がる姿だ。令和が持つ文字的な意味に執着して過剰解釈しようとしている。文字を通じて希望を渇望するのが年号文化の特徴だと自賛する人たちもいる」

    元号が「令和」に変わって喜ぶ姿は、元日に新年を祝う姿と同じだ。そこに、格別の意味もない。ただ、素直に新しい時代を祝うだけである。1億2000万人の国民がいるのだから、1億2000万通りの解釈があって当然。その一つ一つに反応する必要はない。

     

    (2)「神社に集まって新しい年号に歓呼することを日本人は祭りだと言っても、単なる祭りとは見なしにくい側面があまりにも多い。むしろ今の日本人の不安心理を表す行動パターンと見ることもできるというのが心理学者の分析だ。 日本メディアは平成時代を停滞の時代、不作為の時代と批判する。社会の成熟化が進まず『未完の成熟期』と評価するメディアもある。そして令和時代を新しい時代と呼ぶ。それだけ平成と令和の時代を区別して希望を吹き込もうとしている」

    心理学者は、それらしく時代の特徴を切って取るのが職業上の職務である。だが、根拠も示さず漠然とした分析にいかなる意味があるのか。不安心理の現れと指摘するには、その根拠を具体的に示すことだ。

     

    日本の完全失業率は、4月で2.5%。多分、世界最低であろう。働く意欲と能力のある者は、ほぼ100%就職できる「天国」である。

     

    平均寿命は、最近調査(2016年時点)でも世界一の84.2歳である。2位以下は、スイス(83.3歳)、スペイン(83.1歳)、フランス(82.9歳)などのヨーロッパ先進国を抜いている。米国経済通信社『ブルームバーグ』の「健康な国」指数では、最近時で日本が4位にランクされている。ちなみに、上位国は、スペイン、イタリア、アイスランドである。健康面で日本は、ヨーロッパ上位国の「天国」になっている。

     

    就職も保障され健康面でも世界トップ。それが、日本の現状である。この幸せを喜んでいるとみれば、新天皇誕生を祝う気持ちが、不安心理の裏返しとは曲解も曲解、最悪の見方であろう。昔流にいえば、「曲学阿世の徒」と呼ぶべきだろう。

     

    ならば聞きたい。韓国の平均寿命は延びてきたが、自殺率はOECD加盟国中で長らくワースト・ワンの最悪状態であった。最近は1位でなく2位である。若者の体感失業率は約25%。就職できるまでに平均3年もかかるのだ。こういう事態にある韓国メディアが、日本を批判するとは的外れである。そんな余裕があれば、韓国経済立て直し策を書く方がはるかに建設的であろう

     


    (3)「平成初期まで世界経済の15%を占めた日本の国内総生産(GDP)比率は現在6%ほどに落ちている。経済的な格差はもちろん、社会的な格差も深刻になった。高齢化時代に入って高齢者の人口が急速に増加し、全体の人口が減少している。いわゆる「失われた25年」の産物だ。賃金はそれほど上がらなかった。2012年に始まった安倍晋三政権が改革して革新しようとしたが、日本人の不安心理を完全に解消するのに苦労している」

    日本の総人口は、1億2300万人がピークだ。この日本のGDPが、世界の15%を占めたのは、バブル経済のなせる業。永続性があるはずもない。現在の6%がいいポジションである。高齢化は世界の潮流になった。日本は、その最初の国だから戸惑いもあったが、平均寿命の世界一が象徴するように、高齢者も働く環境ができている。

     

    韓国は出生率の急低下によって、日本以上のスピードで高齢化が進むはずだ。高齢化社会への準備がないから、自殺率がワースト・ワンになった理由であろう。韓国から見た日本は、あらゆる点で「天国」である。格差拡大問題の緊急性は、日本のことでなく韓国で現在、起っている問題だ。文大統領による間違った最低賃金の大幅引上げがもたらした悲劇である。

     

    (4)「 問題は1980年前後に皇室に親近感を感じる日本人は40%ほどだったが、現在は76%にのぼるという点だ。未来が不安な時に天皇に寄りかかる心理だ。別の見方をすれば、微弱な経済成長がもたらした日本政治システムの遺産かもしれない。経済が好況を享受できずに生じる現象の一つだ。ブレグジット(英国のEU離脱)と「トランプ現象」も不安心理の表れだった。「令和シンドローム」もこうした道を歩んでいる」


     

    象徴の天皇は、政治的な言動は禁じられている。その天皇に、日本人が寄りかかって何を求めるのか。誤解も甚だしい。新天皇への親近感が増えているのは、その庶民性=開かれた皇室への好感度の高さだ。

     

    高度経済成長時代、昭和天皇への思いも深かった。日本人にとっての天皇制は、理屈を超えた関係にある。この天皇に対して、韓国は「日王」と呼んで揶揄してきた。その感覚が、日本人をして韓国への違和感を生んでいる。韓国人の不用意な天皇批判が、日韓の感情的な違和感を生む要因である。このコラムも、「天皇制批判」が根底にあるようだ。日本人を理解しない哀れな姿に見える。


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    中国の不動産バブルは、経済活動にマイナスであることが、時間の経過とともに明らかになってきた。中国政府は、この副作用に気付かずにバブルを謳歌してきた。だが思わぬところで、中国進出の日本企業が、地価高騰=家賃高騰に音を上げて日本へのUターンを始めている。

     

    中国では、高騰した住宅価格が家計のローン負担を大きくし、これが個人消費を抑制して経済成長率を押し下げる要因になっている。こうして、債務総額の増加がGDP成長率を抑圧するという、新たな局面を迎えている。「バブル万歳」が「バブル怨念」へと変わったのだ。

     

    『サーチナ』(5月4日付け)は、「日本企業が中国の工場を閉鎖し、国内回帰を進めている理由は」と題する記事を掲載した。

     

    中国メディア『今日頭条』(4月28日付け)は、「日本企業はなぜ次から次へと中国の工場を閉鎖し、国内回帰を進めているのか」と題する記事を掲載した。

    (1)「記事は、「今でも日本の方が人件費は高いのではないか」という当然の疑問を呈している。しかし、全体的に見ればこうした日本企業の選択は「ビジネス的に理性的な決定」だという。 まず、「人件費」だが、確かに今でも中国のほうが日本よりも安いものの、以前ほどの魅力はなくなっているという。2003年までは日本の4分の1から3分の1だった人件費が、その後は上がる一方で、2014年までの11年間で2倍になったとしている」

     

    日中の人件費格差が年々、縮まっていることは確かである。中国政府は、強引に最低賃金を引き上げている。これが、所得格差を縮める要因と考えている結果だ。海外からの中国進出企業にとっては、「人件費安」というメリットが消えている。

     

    (2)「同時に、2003年以降の中国では「不動産価格」も大幅に上がっている。大都市では10倍以上に値上がりしており、給料も毎年10%ずつ上がっているそうだ。今でも製造業の人件費は日本よりも低いものの、不動産価格と人件費のバランスを考えると「全体のコストで見ればそのうち日本に追いつき追いこしてしまう」と、もはや中国に製造拠点を置く理由がなくなっていることを指摘した。

    不動産価格は、不動産バブルを反映して押上げられている。これに伴い家賃の高騰を招いている。家賃引上げに応じないと、家主が水道や電気の供給を止めるという強硬手段を取るので払わざるを得ない。こうして、日本企業は総合的に判断して、Uターンを決めている。

     


    (3)「それに加え、「日本製品の人気が相変わらず高いこと」も、国内回帰を後押ししているという。かつての爆買いは見られなくなったとはいえ、今でも訪日中国人に「日本製」は非常に人気だ。中国製の商品もイメージが向上してはいるが、やはり「中国製品はローエンド、ミドルレンジ」、「日本製品はハイエンド」というイメージは払しょくできていないとしている。記事は、「中国人の日本製品好きと中国の製造コスト上昇が、日本企業の工場を日本へ回帰させている」と分析。特に化粧品メーカーでその傾向が顕著だと論じた」

     

    日本製品が人気を得ている裏に、日本国内で生産するという条件がついている。日本人が、厳重な生産管理をして製造した「正直正銘」の「メード・イン・ジャパン」でなければ満足できない。そういう消費者心理が働いているのだ。

     

    こうした海外の消費者心理を反映して、日本企業が国内に工場を新設するケースが増えている。資生堂が国内に相次いで工場新設する背景にはこれがある。今後の訪日観光客の増加を考えると、Uターン現象は理屈に合った企業行動である。


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    北朝鮮は、国内経済対策を二の次にして核・ミサイルの開発に没頭してきた反動が食糧飢饉に現れた。本来ならば、自業自得と言うべきだが圧制下に苦しむ国民は被害者である。

     

    国連は3日、北朝鮮の食糧事情がここ10年間で最悪の状況にあり、食糧不足を解決するには136万トンの食糧支援が必要との調査結果を発表した。

    『聯合ニュース』(5月3日付け)は、「北朝鮮の食糧生産ここ10年で最低 『緊急支援必要』=国連」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「国連食糧農業機関(FAO)と国連世界食糧計画(WFP)が発表した北朝鮮の食糧状況に関する評価報告書によると、今年(2018年11月~19年10月)の北朝鮮の食糧需要を満たすためには136万トンの穀物を輸入する必要があるという。また報告書は北朝鮮の人口の約40%に当たる1010万人が食糧不足の状態にあり、緊急の支援が必要と指摘した」

     

    北朝鮮人口の約40%が食糧不足では、大変な事態に直面している。人道上の対応として、経済制裁との関係が問われるが、これまで核開発を続けてきた北朝鮮政府の責任が第一に問われるべきである。間違っても、経済制裁緩和論へとつながることは回避すべきである。

     

    (2)「北朝鮮の食糧配給量は2018年には1人当たり1日380グラムだったが、19年は300グラムに減り、一般的に配給量が減る7~9月にはさらに減少する可能性があると分析した。北朝鮮の18年の食糧生産量は約490万トンと推計され、08年以来の低水準だった。北朝鮮の食糧不足は干ばつと高温、洪水に加え、国際社会の制裁によって燃料や肥料、機械の部品などが不足したことが原因で、今年の穀物生産量の見通しも懸念される水準と予想された。FAOとWFPは『人道的支援が実施されなければ、数百万人がさらに飢えに直面することになる』とし、国際社会による支援を要請した」

     

    北朝鮮は、食糧援助を要請しながら核開発継続は許されない。この点は、どさくさ紛れに食糧だけ受け取って、核開発を継続するという「良いところ取り」は認められないのは当然だ。食糧配給量が1日400グラム以下というのは厳しい線である。約3000グラムは必要とされるから、北朝鮮国民が、どん底生活を余儀なくされていることを窺わせている。正恩氏の体重から見ると、彼は10人分の食糧を1人で食べている感じだ。

     

    『中央日報』(5月2日付け)は、「米国の北朝鮮担当代表が8日訪韓…『北朝鮮誘引する食料支援案を議論』」と題する記事を掲載した。

     

    (3) 「米国務省のビーガン北朝鮮担当特別代表が5月8日に訪韓する。ベトナム・ハノイで開催された2回目の米朝首脳会談が決裂した後、初めての訪韓となる。 ワシントンとソウルの外交筋は5月1日、『ビーガン代表は李度勲(イ・ドフン)外交部韓半島平和交渉本部長と韓米ワーキンググループ会議をし、青瓦台(チョンワデ、大統領府)も訪問する予定』とし『膠着状態の米朝交渉に突破口を開く方法を集中的に議論することになるだろう』と伝えた」

     

    米国務省のビーガン北朝鮮担当特別代表が、訪韓することになった。米朝交渉の膠着状態の打開が目的である。

     

    (4)「ワシントン情報筋は特に『新しい北朝鮮誘引案』として韓国政府が最近構想中の対北朝鮮食料支援問題が集中的に議論されると伝えた。また『先月ワシントンを訪問した金鉉宗(キム・ヒョンジョン)青瓦台国家安保室第2次長に続いて、文在寅大統領も韓米首脳会談でトランプ大統領に対北食料支援の必要性に言及したと聞いている』とし、『ただ現在のところ米政府は原則的に反対しないが、北の態度の変化があるべきという慎重な立場』と話した」

    米国は、北朝鮮への食糧支援には前提条件を付けている。北朝鮮が米朝交渉に応じるというもの。食糧だけ受け取って、米朝交渉に応じないというのであれば、食糧支援に反対の立場だ。

     


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