勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。


    日産の前会長、ゴーン氏をめぐる報道は毎日、途切れることはない。その中で、ビッグ・ニュースが飛び出してきた。ゴーン氏は11月の役員会で西川社長解任案を提出すべく準備していた。危機一髪、西川社長は首を切られるところだった。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(12月10日付)は、「ゴーン前会長、逮捕前に西川社長解任を計画か、11月の取締役会で」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が先月逮捕される前に、西川広人社長兼最高経営者(CEO)の解任を計画していたことが、事情に詳しい関係者の話で分かった。西川氏はこれまで、日産はゴーン前会長による同社資産の不正使用疑惑などを数カ月前から調査し、情報を東京地検に提供していたと述べている」

     

    ドラマのような展開である。ゴーン氏の来日は、日産取締役会で西川社長を解任する目的であった。その話が事前に西川氏へ伝わって、ゴーン氏の羽田での逮捕に結びついた。「西川解任」の根回しが進んでいたのだ。

     

    (2)「前会長は同じ時期、米国市場での販売減速や日本での相次ぐ品質検査不正問題を巡り、西川氏の手腕に不満を募らせていたと事情に詳しい関係者らは明かす。ゴーン前会長は数カ月前から日産経営陣を刷新する意向を示し、西川氏を退任させる計画を一部の役員に伝えていたと関係者らは述べている。関係者の1人によれば、前会長は11月下旬の取締役会で西川氏の解任を諮りたいと話していた。だが取締役会は1122日、ゴーン前会長の不正疑惑に関する社内調査の結果を受け、前会長を解任した」

     

    ここに登場する「関係者」は、日本人であろうか。外国人であれば、日本人への根回しは難しいであろう。想像力をたくましくすると、対象者は絞られる。

     


     

    メルマガ10号 「混迷する韓国経済、青年の5人に1人が失業へ。文在寅大統領がハマった罠とは?」が、『マネーボイス』で紹介

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    北京は、冬の「名物」である大気汚染が始った。昨冬は、厳しい規制強化で大気汚染源の企業は、軒並み大幅な減産を強いられ、青空を取り戻した。今年は、米中貿易戦争で経済が傾いていることから、規制緩和して「大気汚染してよろしい」ということらしい。こういう「ご都合主義」が企業に対して、環境規制の認識を弱めている。

     

    『ブルームバーグ』(12月9日付)は、「北京の大気汚染、山火事並み、冬季迎え深刻化、高層ビルも見えず」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「暖房で石炭や灯油の使用が増える冬季を迎え、中国・北京市の大気汚染が深刻化している。11月にはスモッグで高層ビルが見えなくなり、山火事並みの汚染度を記録した。中国政府が石炭と灯油の使用削減による大気汚染削減キャンペーンを実施したことで市内の大気汚染は10年ほど前に比較すれば著しく改善している。それ以前は、人間の肺の奥深くに留まる微小粒子状物質「PM2.5」の非常に高い測定値が観測されていた」

     

    (2)「市内では毎年11月から3月にかけては暖房が必要になり、エネルギー需要がピークを迎える。中国政府は現在、こうした冬季の大気質改善に力を入れている。しかし、11月14日の北京の大気汚染は過去1年半で最も悪い値を測定した。北京の米国大使館が発表したデータによると、同日正午の中国の首都北京でPM2.5の測定値は288に達した。この値は世界保健機関(WHO)が健康の適切な保護を図るために維持されることが望ましいとする水準の11倍だ」

     

    (3)「この測定値は山火事の影響を受けている米カリフォルニア州の都市で記録された測定値を上回る。米政府ウェブサイト「エアーナウ」が示した同日の北京時間午前11時時点の測定値は、ナパバレーで161、サクラメントで188、サンフランシスコで164だった。同日、北京では、多くの人が「ビルが見えなくなった」といったタグを付けて、ソーシャルメディアに写真を投稿した。こうした投稿は、冬場、空気の質が悪くなったときの慣例になっている。この日、河北省や北京の一部では視界が50メートル以下になった」

     

    昨年は、大気汚染改善に乗り出したが、手荒い「一律規制策」で8割も生産の落ちた地域があったという。統制経済のもたらす非効率である。市場機構に基づく「優勝劣敗」の経済運営であれば、こういう「一律規制」という乱暴な政策をするはずがない。中国経済は現在、大量失業の恐怖に怯えているから、大気汚染ぐらいは我慢せよということだろう。こういう政府の下で、健康被害を覚悟して生活しなければならない。お気の毒と思う。

     


     

     

    メルマガ10号 「混迷する韓国経済、青年の5人に1人が失業へ。文在寅大統領がハマった罠とは?」が、『マネーボイス』で紹介

    まぐまぐの『マネーボイス』で抜粋が紹介されています。お読みくださるようお願い申し上げます。

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    今朝、下記の目次で発行しました。よろしくお願い申し上げます。

     

    GDPで見た内需はマイナス

    経済音痴の大統領府秘書官達

    不況がもたらす支持率の低下

    支持離れ「イ・ヨンジャ現象」

    自営業者が悲鳴上げるも見殺

    金正恩訪韓で支持率上げ狙う

     

    韓国経済は奈落の底に向かっています。唯一、それを知らないのは文政権だけという悲劇が起っています。文政権と言っても、厳密に言えば韓国大統領府です。文在寅大統領の任命した秘書官の6割は、「86世代」と言われる特殊グループ出身です。1980年代に学生運動を行い、北朝鮮の「主体思想」(チュチェ思想)に染まった人達です。

     

    文政権による北朝鮮への肩入れは、尋常ではありません。米国トランプ政権から、米韓の対北朝鮮への足並みを乱せば、核放棄が実現しないと警告を受けているほどです。文政権にとって、南北融和は千載一遇のチャンスと捉えています。文政権が変っても、その後の政権に北朝鮮との融和を継続させる。こういう狙いが明白です。文政権は、先の南北による「平壌宣言」を国会で批准させる動きを見せています。

     

    一方、この「86世代」が目指す経済政策は、「反企業主義」と「所得主導成長論」という極めて硬直的な考え方です。チュチェ思想の信奉者ですから、市場経済による競争を否定します。労働者の天国を目指し、大幅な最低賃金引き上げを実行しています。それによって、国家としての経済循環の輪が崩れようと気にしません。その部分は、財政支出を拡大して補強する考え方です。チュチェ思想によれば、労働者は国家の「主人公」という位置づけです。この結果、国家経済のバランスが崩壊する点に関する配慮はありません。

     

    文政権は、今年1月から最低賃金を16.4%引き上げました。さらに、労働時間の大幅短縮を行い週52時間(従来68時間)が上限に決めて7月から実施に移しています。もちろん、最低賃金引き上げや労働時間の短縮は、労働環境の整備であり歓迎すべきことです。問題は、肝心の企業がスムースに対応できるかいなかです。韓国では、罰則を伴い法的な強制力を持っています。企業が対応できなければ、罰則が科されます。こうなると、対応できない中小零細企業では、従業員を解雇する手しか残っていません。労働時間短縮は目下、罰則が猶予(6ヶ月)されています。その猶予も12月で切れますが、延長を議論しています。

     

    GDPで見た内需はマイナス

    文政権は、こうした最低賃金引き上げや労働時間短縮が、「労働者天国」に通じる道と信じています。現実は、全くの逆であり零細規模の労働者を「地獄」へ突き落とす結果となりました。それが失業率の上昇に現れています。この経済的な損失は、GDP統計にはっきりと表れています。

     

    韓国銀行(中央銀行)が12月4日に発表した7~9月期の実質GDP成長率は、前期比0.6%(年率換算2.42%)成長です。だが、中味を見て愕然としたのです。7~9月期の純輸出(輸出-輸入)が、1.9%ポイントも寄与したのに、内需の成長率がなんとマイナス1.3ポイントで足を引っ張っているのです。内需とは、個人消費・設備投資・公共投資などです。要約すれば次のようになります。

     

    7~9月期は、純輸出が韓国経済を押上げ、内需が逆に足を引っ張るという最悪事態に陥っているのです。その原因は、最低賃金の大幅引き上げによる失業率上昇だったのです。(つづく)

     

     

    メルマガ10号 「混迷する韓国経済、青年の5人に1人が失業へ。文在寅大統領がハマった罠とは?」が、『マネーボイス』で紹介

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    物価は景気の体温計である。物価が上がるときは需要過多。下がるときは供給過多という単純なシグナルである。もっとも、商品投機が起るケースもあるから、ケースバイケースで判定するほかない。

     

    中国経済は、不動産バブルに伴う金融過程が崩壊に向かって動き出している。信用収縮がそれである。これが、商品相場にも反映しているはずで、在庫整理で投げ売りに出ている可能性も否定できない。肝心の経済情報が、中国政府によって遮断されているので詳細を掴みぬくい。しかし、卸物価だけは隠す訳にいかず、ここから中国経済の崩れつつある姿を見るしかない。

     

    『日本経済新聞 電子版』(12月9日付)は、「中国の卸売物価、112.7%上昇」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国国家統計局が9日発表した2018年11月の卸売物価指数(PPI)は前年同月比2.%上昇した。上昇幅は前月(3.%)より0.6ポイント縮小し、16年10月以来21カ月ぶり低水準になった。前月比でも0.%下落と7カ月ぶりに下落に転じた。国際的な商品相場の下落が波及したほか、販売不振の自動車なども下落した」

     

    中国のPPIが、昨年はかなりに上昇を見た。投機資金が跋扈した結果であろう。今や、投機資金は影を潜めている。実需低下が、PPIを引下げてと見られる。

     

    (2)「PPIを業種別にみると、石油・天然ガス採掘や石油加工で上昇幅が大きく鈍った。原油の国際相場の下落を映した。自動車、製紙や非鉄金属は前年比で下落した。個人消費の低迷が物価にも及び始めた公算がある。中国のPPIは過剰生産能力が原因で12~16年まで前年比で下落しつづけた。中国政府が16年初めから、鉄鋼や石炭を中心に生産設備を強制的に廃棄したことで169月に前年比で上昇に転じ、それ以降はプラスを維持している」

     
    PPIの値下がりは、企業の売上に反映してくる。輸出需要の低下が、PPIを押し下げている面もあろう。したがって、米中貿易戦争の激化が、与えている影響は広範囲にわたっている。ファーウェイ副会長逮捕で、中国が激昂して対抗する余力はないと見るべきだろう。

     


     

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    韓国では、最低賃金の大幅引上で苦境に立たされているのがコンビニ店主である。今年からの最賃16.4%引上で、店主の所得はアルバイト以下になると抗議してきた。政府は、クレジットカードの手数料引下げなどの対策で譲歩している。

     

    だが、本質的な問題は最賃の大幅引き上げの是正にある。政府は、この点に手を付けずにコンビニの新規出店条件として、既存店から50~100メートルの距離を必要とするなど「既存店保護」に動いている。

     

    『ハンギョレ』(12月5日付)は、「コンビニ業界、50~100メートル以内に新たな出店はしない、自律規約」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「コンビニ過密化解消のために競争業者間で出店距離を地域により50~100メートルに制限するコンビニ業界の自律規約が設けられた。加盟店主たちは、自律規約の趣旨は歓迎しつつも、最低収益保証制などの追加対策が必要だと主張した。公正取引委員会は4日、コンビニ過密化の解消と経営条件の改善に焦点を合わせ、出店・運営・閉店のすべての段階で本社の自律的な遵守事項を盛り込んだ自律規約の制定案を先月30日の小会議で承認したと発表した。韓国コンビニ産業協会はこの日午前、ソウル汝矣島(ヨイド)の中小企業中央会で、キム・サンジョ公取委員長が参加した中で自律規約制定宣言式を開いた。公取委は、コンビニ業界の自律規約はフランチャイズ分野での最初の事例だと強調した」

     

    韓国の自営業者が、就業者に占める比率は21%と高い。OECDの中で5位である。これだけで、コンビニ濫立が十分想像できる。そこへ、最低賃金の大幅引上である。コンビニ共倒れの危険性は大である。公取委が、中に入って自主規制の形で新規進出に規制を掛ける苦肉の策である。

     

    (2)「自律協約の審査を要請したコンビニ産業協会には、GS25CU、セブンイレブン、ミニストップ、C-Space5社が属しており、加盟会社でないイーマート24も自律規約に参加することを決め、全国コンビニの96%に達する38千店舗が自律規約の影響を受けると見られる。コンビニ産業協会は、早ければ今月中にも自律規約の施行に入る予定なので、飽和状態のコンビニ市場に改善の動きがみられる展望だ」

     

    深夜の12時から午前6時までの営業は、コンビニ店主の自由裁量に任されるという。ともかく赤字経営では、コンビニの顧客にも不便をかける。最賃大幅引上に反対してきたコンビニ店主は、公取に介入して貰い立場の強化に努めている。

     

    メルマガ10号 「混迷する韓国経済、青年の5人に1人が失業へ。文在寅大統領がハマった罠とは?」が、『マネーボイス』で紹介

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