中国の医薬品企業、シノバック・バイオテック(科興生物技術)が開発したコロナワクチンの有効性は、50%台に過ぎないことが分かった。当初は、90%台という高いデータも出ていたが、ブラジルの最終治験でこういう低い有効性しかないことが公になったもの。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』(1月13日付)は、「中国のコロナワクチン『有効性の信頼度に疑問』数値大幅引き下げ」と題する記事を掲載した。
(1)「ブラジルの研究チームは12日、中国バイオ医薬品会社の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発する新型コロナウイルス予防ワクチンを巡り、後期臨床試験(治験)で示された有効性が50.38%だったと発表した。従来の発表からは30ポイント近く低い数値となった。シノバックのワクチンを巡っては、治験の透明性に対する懸念が強まっていた」
中国シノバック製ワクチンについては、これまで様々なデータが発表されてきた。今回のブラジルの研究チームの発表により、意外と有効性が低いワクチンであることが判明した。これでは中国も肩身が狭く、麗麗しく「ワクチン外交」を行える立場でなくなった。
(2)「サンパウロ州にあるブタンタン研究所は先週、シノバックのワクチンは後期試験で78~100%の有効性が示されたと発表していた。しかし、一部の科学者から、治験関係者に対して人々に誤解を与えるとの批判が起きていた。これを受けてブタンタン研究所は、有効性は中程度から重度の症状がある被験者に限定した数値だったと説明。今回、非常に症状の軽い被験者なども含めた全体の有効性は50.38%だったと発表した」
そう言っては失礼だが、中国の科学水準から見て、米国製ワクチンに匹敵する高品質ワクチンを開発できるはずがない。中国が、猛烈なスパイ活動していたのは、自国の技術水準が低い結果だ。それにしても、サンパウロ州ブタンタン研究所が、批判に応えて、真実のデータ(50.38%)を発表したことは勇気ある態度だ。
次の記事は、これまでシノバック製ワクチンの有効性を巡る報道が、二転三転してきた内部事情を報じている。
『大紀元』(1月14日付け)は、「中国のコロナワクチン『最新治験有効性50%』 当初の発表大幅下回るーブラジル研究チーム」と題する記事を掲載した。
ブラジルの研究チームはこのほど、同国で行われている中国シノバック・バイオテック(科興生物技術)が開発した中共ウイルス(新型コロナウイルス)ワクチンの後期臨床試験(治験)について、有効性が50.38%にとどまっていると示した。
(3)「サンパウロ州にあるブタンタン研究所は、中国側と提携し、シノバック・バイオテックが開発したワクチン、コロナバックの後期臨床試験を実施している。同研究所の担当者は7日、同ワクチンの「全体的な有効性」は78%に達したとし、重症化を防ぐことができるとの見方を示した」
この段階では、78%と報じられた。
(4)「香港英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』13日付によると、同研究所の研究チームが12日にブラジル衛生当局に提供した新たなデータでは、1万2508人のボランティアが参加した後期臨床試験で、同ワクチンの有効性は50.38%しかなかったという。先週発表した有効性と比べて、約30%大きく下落した。ブタンタン研究所の臨床研究者であるリカルド・パラシオス氏は、有効性の低下に関して、「症状の非常に軽い患者が含まれているためだ」と説明した」
1万2508人のボランティアが参加した後期臨床試験で、ワクチンの有効性は50.38%しかなかったと判明した。これが、正式の最終治験データであった。
(5)「サンパウロ州が昨年12月に治験の結果発表を延期したため、コロナバックの有効性について疑問視された。昨年11月24日、一部のメディアは、ブラジルで行われているコロナバックの第3相臨床試験で十分なデータが得られているため、同国政府は12月初めに中期分析結果を発表すると報道した。しかし、サンパウロ州知事は12月15日、第3相臨床試験の報告を同月23日に延期すると発表した。その後、シノバック・バイオテックは、「インドネシアとトルコで実施されている治験結果を分析する必要がある」として、サンパウロ州に対して、報告発表をさらに15日間遅らせるよう求めた」
ブラジル・サンパウロ州知事は、データ発表を昨年12月23日に延期すると発表したが、シノバック側がさらに15日間の延期を求めるというように、ズルズルと発表時期が遅らされてきた。その結果が、ついに1月12日にブラジル衛生当局へ提供したデータであった。発表時期をずらすことで「偽データ」の露見阻止工作をしていた事情が分かる。