勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    韓国は現在、4月15日の総選挙運動真っ最中である。与党「共に民主党」は、最大野党の統合未来党(保守系)を「親日」として批判を加えている。韓国政府は、この日本に対して日韓通貨スワップ協定を結びたがっているというから驚くのだ。公然と日本を批判しながら、通貨スワップ協定は結びたいという手前勝手な言い分だ。全く、外交センスに欠ける話である。

     

    『朝鮮日報』(4月2日付)は、「もう一つの安全弁『韓日通貨スワップ』再開は霧散」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「3月締結された600億ドル規模の韓米通貨スワップに続き、新型コロナウイルス感染拡大による経済危機の「もう一つの安全弁」として認識されている「韓日通貨スワップ」の再開が、困難な見通しだ。韓国の慰安婦合意破棄と徴用工判決、そして日本の輸出報復など、韓日関係が悪化しているからだ。政府と韓国銀行(中央銀行)は「韓米通貨スワップでは、流動性危機が完全に解決されたと考えるのは困難」だとして、韓日通貨スワップ協定の締結を推進する意思を示してきたが、日本に公式な提案をしてはいないことが分かった

     

    韓国政府は、通貨危機に備えて日韓通貨スワップ協定を必要としているが、日本政府に申入れていないという。別の報道では、打診したものの日本政府が無反応というものだった。これまで韓国は、4000億ドル以上の外貨準備高があるので日韓通貨スワップ協定を必要としないという態度であった。それが今、「ウォン安」第一波に襲われて弱気となり、日韓通貨スワップ協定が必要という態度に変わったのだろう。

     


    (2)「青瓦台(韓国大統領府)の幹部関係者は2日、「日本の中央銀行(日銀)は、他の先進諸国とは異なり中央政府と政界から独立的ではない」として「安倍政権の影響力に苦しめられる日本銀行のせいで、韓日通貨スワップは困難だろう」と話した。日本の安倍晋三首相は徴用工判決以降、韓国に対し半導体素材の輸出制限、新型コロナウイルス感染拡大の局面で一方的な入国制限など、韓国に対し報復性の措置を取ってきた」

     

    ここでは、日本銀行を悪者にしている。日銀が、政府から独立しておらず、安倍政権の言いなりになっているというのだ。韓国特有の「誰かを悪者にする」という言い訳スタイルを見せている。通貨スワップ協定は中央銀行マターだが、外交関係とも絡んでいる。日本は、米ドルと異なり基軸通貨でない。韓国の金融情勢安定にまで責任を持つ必要性がないのだ。その点で、韓国は日本に対して甘えている。お願いをするのであれば、普段から気遣いして「反日」を止めるべきなのだ。

     

    (3)「この幹部関係者は、「日本はこれ以上韓国を協力国とは見なさないようだ」として「特に経済面ではライバル国として見るという認識が強い」と話した。日本が、新型コロナウイルスによる世界的な経済危機の局面でも、韓国を協力対象とは見なさないという意味だ」

     

    日本は、激しい反日運動をする韓国に対して、なぜ通貨スワップ協定で利益供与する必要があるのか。根本的な問題は、ここにある。韓国は、日韓通貨スワップ協定で「円」を使いドル調達して利益を受けられる。日本には、「ウォン」でドルを調達する必要性がないのだ。韓国は、こういう関係を考えるべきである。日韓通貨スワップ協定は、韓国固有の権利でない。韓国は、ここまで日本を怒らせたことについて反省すべきなのだ。日本と徹底的に対立する意思ならば、日韓通貨スワップ協定など持ち出すべきでない。二者択一である。

     

    (4)「丁世均(チョン・セギュン)首相は先月27日「日本との通貨スワップも行われるのが正しい」と述べ、李柱烈(イ・ジュヨル)韓国銀行総裁も「日本との通貨スワップには意味があるだけに、中央銀行間の協力を高める努力を続けるだろう」と述べていた。しかし、政府は日本政府が強硬な立場を取っていることから公式的な韓日通貨スワップの再開提案もしないことが分かった。2001年に20億ドル規模で始まった韓日通貨スワップは、08年の金融危機の際、300億ドルに拡大されたが、12年に当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が独島を訪問して以降、契約は延長されずに終了した」

     

    下線の部分は、日本の基本的な立場であろう。日本は、韓国を支援する理由がない。これが、本当のところだろう。

     

    (5)「青瓦台と政府は、日本の「政治的態度」を問題視しているが、政府・与党も総選挙を前に反日ムードを助長している。与党「共に民主党」は候補者たちに配布した「総選挙戦略・候補マニュアル」で「未来統合党は日本の安倍政権を擁護し、日本には一言の批判も言えない。わが国民は今回の選挙を『韓日戦』と呼ぶ」として反日マーケティングを隠していない」

     

    韓国与党は、今回の総選挙について「日韓戦」と宣伝している。こういう話を聞けば聞くほど、日韓通貨スワップ協定は雲散霧消した話だ。悪口を言っている相手から援助して貰いたい。そういう話は、世間で通用しないのだ。

     

    (6)「このような政治的ムードのせいで、政府も韓日通貨スワップ協定締結を積極的に推進する意思がないと分析される。与党支持層からも、丁首相の韓日スワップ必要性発言をめぐり「とんでもないことを言っている」との批判が上がった。しかし、専門家たちは「潜在的な外為市場の不安を払拭するためには、米国だけでなくさまざまな国との通貨スワップを締結した方がよい」と指摘してきた」

     

    日韓関係は、日韓通貨スワップ協定を話し合えるようなムードにない。韓国は、諦めるべきだ。自ら蒔いた種である。

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    ソウルの東大門といえば、南大門と並ぶ有名ショッピング街である。東京で言えば、さしずめ銀座であろう。その東大門ショッピングセンターでは、店舗が撤退してガラ空きという。賃料ゼロでも入店者がいない事態に、改めて消費不況のすさまじさが伝わってくる。銀座では、想像もできない現象が起こっているのだ。

     

    ショッピングセンターに陰りがさしたのは、2018年以降である。文政権が、最低賃金の大幅引上げを行い、自営業などは人件費急増に耐えられず廃業し始めたからだ。こうした流れが、すでに2年も続いている上に、今回のコロナ禍がダメ押しとなった。「空店舗」問題は、早急な回復が難しいであろう。

     

    『韓国経済新聞』(4月2日付)は、「賃貸料0ウォンでも店は入らず、東大門が泣いている」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「『なんとか持ちこたえてきたが、本当にみんな出て行っている。幽霊商店街になっている』。3月30日午後、ソウル東大門(トンデムン)複合ショッピングセンター「グッドモーニングシティ」3階の男性服売り場。明かりがついた店舗よりも空いているスペースが多かった。まだ、女性服を販売する1-3階はましな方だ。残りの階数はがら空きで、店舗が残っていても休業状態だった。3階の隅にある洋服直し場の周辺さえも空き店舗のため暗かった。洋服直し担当者は「もともと景気が良くなかったが、コロナのために外国人も全く来なくなった。本当に飢えて死んでいくようだ」と訴えた。衣類売り場の不況のため業種を変更してフロア全体をバーチャルリアリティ(VR)テーマパークに改装した4階もまっ暗だった」

    複合ショッピングセンターが、「明かりがついた店舗よりも空いているスペースが多かった」とは、尋常ならざる事態である。こういう壊滅的な現象が起こっていても、総選挙では「テーマ」にならないらしい。与野党は、互いに相手を非難しあっているだけだ。与党は、最大野党の統合党(保守派が結集)を「親日」と呼び、野党は与党を「親中朝」と蔑むだけである。この泥仕合では、経済対策がテーマにならないのだ。

     

    (2)「空き店舗が多いため賃貸料が0ウォンのところも多い。店舗(3.3~3.5平方メートル)当たり15万ウォンの管理費でも受けるためだ。一時は2億ウォン(約1730万円)を超えていた店舗売買価格(1階基準)も数千万ウォン台に落ちた。それでも買い手はない。グッドモーニングシティだけの話ではない。ミレオレなど近隣の複合ショッピングセンターはすべて似た状況だ。江辺(カンビョン)と新道林(シンドリム)にあるテクノスーパーも同じだ」

     

    店舗の賃貸も売買もストップしたままである。東大門というソウルでも、超一等地のショッピングセンターで商売を始めようという人がいないとは驚きである。それほど、消費マインドが冷え切ってしまった証である。これまで、オンライン市場の成長が、商店街の危機につながるという予測は多かった。コロナ不況が、商店街の危機を早めていると指摘されている。

    (3)「東大門複合ショッピングセンターや、テクノスーパーのように一つの業種に特化したテーマ型集合商店街は、トレンドに対応するのが難しい構造だ。大きな空間を数え切れないほど多数に区切って分譲し、店主は数百人から千人にのぼる。業種を変更するには店主の大多数の同意が必要となる。江辺テクノスーパー近隣の公認仲介業者代表は「当初から指定業種で分譲されたため、豚足店は豚足だけ、ビビンパ店はビビンパだけを売らなければいけない」とし「ほかの飲食店と重ならない業種ならよいが、それをするには同意を得なければいけないので時間がかかる」と説明した」

    店舗が、業種を決められているとは驚きである。韓国は、規制づくめといわれる。まさにこれがその典型例であろう。店舗は、危険物を扱わなければ、自由に立地できるはずである。「ほかの飲食店と重ならない業種ならよいが、それをするには同意を得なければいけないので時間がかかる」とは、競争を無視した話である。これでは、韓国の小売商は衰退して当然であろう。

     

    (4)「変化するには制度の改善が必要だ。集合ビルの所有および管理に関する法律によると、規約の設定・変更するには所有者の4分の3以上の賛成を得て、影響が及ぶ所有者の承諾を受けなければいけない。ほとんどが大多数の同意が必要な構造だ。建国大のイ・ヒョンソク不動産学科教授は「かつて商店街がうまくいくには立地条件が最も重要だったとすれば、今はマネジメントが重要な時代」とし「人々が好む用途に弾力的に変えられるよう制度的な装置が必要」と話した」。

    下線部は、日本流に言えばマンションの規約改定と同じように、4分の3以上の賛成が必要という。ビジネスのように「時が金なり」の世界では、韓国のようなのんびりした話では、間尺に合うはずがない。韓国は、想像以上に動きが遅い社会である。これが、変動する経済状況の変化に追いつけない理由であろう。衰退するべくして衰退する感じである。


    ムシトリナデシコ
       


    中国は古来、困っている相手にどっさりと贈り物をする習慣がある。その場合、相手の立場を考えて密かに行なうのでなく、これ見よがしに行なうのだ。こういう習慣は、世界でも中国人とエスキモー人だけだと言われている。それ以外の民族は、目立たない形で行なう。

     

    今回の新型コロナウイルスで欧州は、医療崩壊を起こすほどの被害が出ている。これを見た中国が、派手な「マスク外交」で中国の存在を印象づけようとしている。こういう批判があちこちから出てきた。もともと火元は、中国である。本来なら、「類焼見舞い」という意味で静かに行なうべきだというのである。

     

    『大紀元』(4月2日付)は、「欧州で顰蹙買う中国のマスク外交、専門家『宣伝活動の一環』」と題する記事を掲載した。

     

    危機的な状況の中でイメージを高めようとする中国共産党政権は、欧州イタリアから南米ペルーまで、各国に医療専門家を派遣し、マスクや人工呼吸器などの必要な物資を送っている。しかし、医療品の品質不良が相次ぎ報告され、ひんしゅくを買っている。

     

    (1)「中国からの医療品の支援や販売を多くの国は当初、歓迎していた。しかし、オランダ、スペイン、トルコ、スロバキアなどが、中国から輸入した検査機器やマスクなどには欠陥があったと報告した。「最初は肯定的に見られていたが、その後、世論は批判的になった」。米国の外交政策の専門家でワシントンのシンクタンク、ハドソン研究所の上級研究員であるピーター・ラフ氏は、大紀元英字版の電子メールで語った」

     

    冒頭に指摘したように、中国の民族性から相手の立場を考えて、スマートに振る舞えないのだ。他人を招待するとき、食べきれないほどの料理を出して食べ残すと満足する民族である。合理性を考える欧州人とは肌合いが異なっている。中国人が「支援した」と自慢して歩く。欧州人は、それを我慢できないのだ。

     


    (2)「オランダは328日、中国から輸入した130万枚のマスクのうち、60万枚を欠陥があるとして回収したと発表した。スペインとトルコ保健当局は、中国の会社から購入した検査キットの精度が30%以下だとして使用しないことにした。スロバキアのメディアもまた、同国が1600万ユーロで中国企業から購入した抗体検査機器は基準を満たしていないとして、「無駄」になったと伝えている」

     

    粗製濫造の中国が、品質管理でしっかりしている欧州へ輸出したマスクや、検査キットなどが品質不良で返品されている。あり得ないことではない。品質管理という概念が希薄であるからだ。日本が当初、中国で技術指導したとき「5S」(整理・整頓・清潔・清掃・躾)を教え込むことで難儀したという。従来、そういう習慣のない民族であるからだ。この「5S」を守ることによって、歩留まりの高い製品ができるのである。中国は、未だに「5S」が不完全であるのだろう。

     

    (3)「共産党政権による「マスク外交」は、パンデミックの筋書きを変えるためのキャンペーンの一環だ。最終的な目的は、パンデミックの発生をめぐって情報を隠ぺいしてきた中国政府への非難をそらすことにある。「中国の人道的な支援は、ウイルス拡散に対する中国の対応の不手際を隠ぺいし、経済も医療もギリギリにまで追い込まれ必死になっている欧州諸国を味方につけることだ」とラフ氏は述べた。人道的支援と並行して、中共ウイルスは中国が発生源ではなく「米軍関係者が持ち込んだ説」という大規模な偽情報キャンペーンを展開している」

     

    下線のように、いかにも中国人らしいやり方である。どさんと、プレゼントを贈って味方につけようという狙いであろう。欧州人は、見識が高いから中国のそういう魂胆を見抜いているのだ。発展途上国ならば、本質的に品物が不足しがちであるから喜ぶとしても、欧州では通じない手である。

     


    (4)「米ワシントンに拠点を置くシンクタンク、ヘリテージ財団の公共外交担当上級研究員、ヘル・デール氏は、大紀元の取材に対して「彼ら(中国共産党政権)は批判をそらす傾向がある」と述べた。また、チェコに拠点を置く中国に焦点を当てたシンクタンク、シノプシス所属の分析官、プロチャズコバ氏は大紀元に対して、「中国を救世主にする大規模な宣伝活動」の存在を指摘した。「中国が私たちを『救っている』と自慢しているが、各国の医療材料の不足は当初、中国を支援したことによるものだ」。

     

    欧州は最初、中国を支援したので自国へ残すべき物まで贈ってしまった。だから、現在の医療品不足を招いた、と説明している。中国は、そういうことにお構いなく、自慢して歩いているのだ。

     

    (5)「欧州連合(EU)のジョセップ・ボレル外務・安全保障政策代表は323日発表の声明で、中国共産党の対外宣伝戦略について警告を発している。同氏は現在、(パンデミックの)筋書きをめぐる戦いの最中にあり、中国からの情報発信で、EU自体の信用を落とそうとする試みや、ヨーロッパ人全てがウイルス保持者であるかのように汚名を着せる事例が複数あるとした。「中傷者からヨーロッパを守る」と述べた」

     

    下線のようにEUが、中国の言動に警告している。誇り高い欧州人が、中国から侮辱的扱いを受けることに反発している。これは、精神的な問題だけに尾を引くだろう。パンデミックが、歴史を変えるという私の視点から言えば、中国は先進国の「尾」を踏んだようだ。愚かな行為であると思う。そのリアクションが始まると見る。


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    これまで少なかった日本の新型コロナウイルス感染者は4月1日、一挙に266人へ達した。いよいよ日本も、他国並みかと緊張させられる。だが、東京都の小池知事は、元ジャーナリストらしく「情報のツボ」を心得ており、緊張感の薄い一部の都民に猛烈なジャブを加えた。感染ルートが夜の歓楽街であるとして、感染リスクの多い業種名まで上げて牽制した。その上、4月1日から都内の自治体別(区・市)に感染者累計(3月31日現在)を発表する手段に訴えた。

     

    これによると、世田谷区が44人と最多、次いで目黒区21人である。世田谷区や目黒区といえば、高級住宅地のイメージである。都知事発言によれば、夜の歓楽街経由の感染が多いという。この二つの事実をつなぐと、なんとなく「構図」が浮かび上がってくる。こうなると、身に覚えのある方々は、自然に行動にブレーキがかかるようだ。それを韓国紙が報じた。

     

    『韓国経済新聞』(4月1日付)は、「一歩遅れてコロナ恐怖に青くなった日本東京名物通りも人影見えず」と題する記事を掲載した。

     

    「『まあ、こんな時に来てくださるとは…。今日初めてのお客さんなのでここ、一番広い席に座ってください!』。東京都が平日夜間の外出自粛を要請した翌日である先月31日午後7時。東京中央区「もんじゃストリート」にある有名もんじゃ焼き専門店「つくしや」に入ると、がらんとした店を守っていた社長と従業員は明るい表情になった。もんじゃストリートは300メートル余りの路地にもんじゃ焼き(お好み焼きの一種)の店100軒余りがひしめく東京の名物だ。相対的に観光客はあまり多く来ない場所ということで、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)とは関係なく、常連客で夜遅くまでにぎわっている通りだった」

    「だが、わずか数日で客を見かけるのが難しくなった。店の半分ほどは早目にシャッターを下ろした。つくしやも2つの支店は休業し、本店の営業終了時間を午後11時30分から10時に早めた。「つくしやおかみ」と呼ばれて親しまれている女性社長は「30年以上商売をしながらこのようなケースは初めて」と言ってため息をついた」



    「銀座、新宿歌舞伎町など東京歓楽街の変化はもっと劇的だ。小池百合子都知事が先月30日の記者会見で風俗店を指して「利用を避けてほしい」と話したためだ。感染経路が不明な患者の大部分が深夜の風俗店で移されていたことが確認された。銀座でバー6店舗を運営する保志雄一社長は、3店舗を休業した。保志氏はNHKの取材に対して「知事の発言で業種を名指しされてしまい、きのうの客足はふだんの1割ほどにまで減った」と話した。銀座の風俗店女性従業員が主要客の美容室のタグチユウ社長は「今日お客さんは0人」と話した」


    「平日も外出を自粛してほしいという要請が続くと、一般飲食店などでも「売り上げゼロ」が続出している。新宿で花屋を営んでいるある自営業者は、メディアのインタビューに対して「入学式や卒業式がすべて中止となり、日に300束売れていた花束が3月には一つも売れなかった」と話した。東京で最も人気の餃子屋として、韓国人旅行客の間でも有名な「亀戸餃子」は室内営業を中断した。テークアウト式だけで店を開けた先週土曜日の販売量は6540個で、普段(1万4000個)の半分にも達しなかった」



    「3月中旬でさえも花見を楽しんでいた市民の雰囲気が急変したのは、わずか1週間の間に東京を中心に日本の感染者数が倍増したためだ。1日午前0時基準の日本の新型コロナ感染者(クルーズ船除外)は2229人で、初めて2000人台に乗った。一日で東京で78人、全国的に242人の感染が確認された。どちらも最大となる」


    「市民の恐怖は数字でも確認できる。東京と首都圏4県が共同で週末の外出自粛を初めて要請した先月28~29日、新幹線と都心環状線である山手線利用者は昨年同期比7割減った。東京の在宅勤務率が7割まで増えながら、関東地域の衣類および雑貨店来訪客が昨年より67%減少した」

    「問題は、新型コロナを風邪モムサル(疲労などによる発熱・だるさ)程度に軽く考える若者層だ。移動通信会社NTTドコモによる調査の結果、3月末に居住地域から3キロメートル範囲を出なかった市民の比率は67~72%だった。政府の外出自粛要請だけでは限界があることを示す数値だ。このため、日本政府とメディアは「若者層も安全地帯ではない」という点を集中的に強調している」


    以上の記事によれば、都民の行動に大きな変化が生まれている。都知事発言が、コロナ感染者を減らす効果があるのかどうか。もし減らせれば、再び「小池フィーバー」になるが。



    あじさいのたまご
       

    社会主義経済に失業者はいない。こう言ったのは毛沢東である。その中国で、未曾有の就職難が起こっている。米中貿易戦争に加え、新型コロナウイルス発症で、中国経済は今年ゼロ成長になる事態を迎える。世界銀行による厳しい景気予測の結果だ。

     

    中国は、未成熟経済である。高度の産業構造へ成長していない段階で、世界経済の大転換が起ころうとしている。それは、「パンデミック」という言葉に代表される、文明の転換である。中国は、自ら蒔いた種で、自らの経済に大きな傷を受けるという皮肉な役回りになった。「正・反・合」という弁証法の結論を自ら立証する事態である。

     

    中国は、市場経済原則に大きな網をかけている結果、あらゆるところに「過剰」の二文字がつきまとっている。その過剰を整理しないままに、これから本格的な大不況に突入する。不動産バルルの崩壊は、もはや止めようもなくなっている。これによる不良債権が山積みとなって、中国の信用機構を直撃する。この危機を乗り越えられるのか。疑問なのだ。この影響は、失業率上昇となって現れる

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(4月1日付)は、「中国で今年の大卒870万人、 コロナ禍で就職難に拍車」と題する記事を掲載した。

     

    中国で職探しをする大卒者が増える中、困難な状況に一層拍車をかけているのが新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)だ。安定した雇用が経済や社会の秩序維持に欠かせないと考える共産党当局者にとって圧力がなお強まっている。

     

    (1)「今年卒業証書を受け取るとみられる900万人近い学生が――卒業生の数としては約10年ぶりの多さだ――、近年まれに見る厳しい雇用市場に参入する見通しとなっている。パンデミックの前でさえ、景気鈍化のためにホワイトカラー労働者の就職口はすでに減少していた。新型ウイルスの影響や、それを抑えるために広範囲の都市封鎖や生産停止が実施された結果、中国都市部の失業率は2月に6.2%と過去最高を記録。これまで景気の波はあってもおおむね維持されてきた公式発表で5%前後の失業率を上回った。ING銀行 の香港在勤チーフエコノミスト、アイリス・パン氏は、年内に失業率が10%まで上昇する可能性もあるが、地方政府が恐らくこれ以上悪化しないように景気刺激策を講じて介入するだろうと述べた」

     

    中国の失業率調査は、「国家秘密」扱いである。公表されている失業率は、ウソの統計である。政府は、実際の失業率統計を別途、隠している。失業率上昇が、社会不安を起こす危険性が高いからだ。李首相が、かつて実際の失業率を口にして話題になったほどである。「年内に失業率が10%まで上昇する」というのは、実際の失業率である。

     

    (2)「数十万人の新大卒生が失業者集団に加わろうとする一方で、中国当局者は受け皿を見つけるのに躍起だ。軍の入隊枠を拡大し、卒業間近の学生には修士課程への進学を促すなどして雇用市場への参入を遅らせようと画策する。その懸念は政府の最高幹部にも広がっている。習近平国家主席に続くナンバー2李克強首相は今月、景気回復担当者は従来重視してきたGDP成長目標よりも雇用を優先すべきだと語った。「今年の雇用が安定すれば、経済成長率が若干高かろうと低かろうと大きな問題ではない」。李首相はこう述べた」

     

    李首相が、「GDP成長目標よりも雇用を優先すべきだ」と語ったのは、失業率が社会不安を醸成するからだ。GDP成長率目標よりも失業率重視する。これは切実な問題になっている。

     

    (3)「中国指導部は、学生主導で起きた1989年の天安門事件の背景に高いインフレ率と雇用見通しの悪化があったとみており、それ以来、若者の失業率は政治不安の潜在的な引き金になるとして監視を続けている。中国の政策を研究するカリフォルニア大学サンディエゴ校のビクター・シー准教授(政治経済学)はこう話す。北京大学教育経済研究所が2年ごとに行う調査によると、昨年は大卒者の20%近くが就職活動でうまくいかなかった。今夏卒業予定の870万人は2019年より5%多く、今年米国で見込まれる卒業生の2倍以上だ」

     

    昨年の大卒者の20%は、就職できなかったようである。今年はさらに870万人の新卒が加わる。空前の就職難時代が来る。日本のさる著名な経済評論家で元大学教授が将来、日本人が中国へ出稼ぎに行くと書いていたが、そのようなことは起こり得ない。資本主義が、社会主義の中国より劣っているという証拠はどこにもない。実態は逆である。その証拠は、これからの中国自身が見せてくれるはずだ。

     

    (4)「北京大学・光華管理学院と中国最大の求人サイトを運営する智聯招聘が325日に公表した報告書によると、中国の新規求人件数は昨年1月と2月に比べ30%以上減少したという。就職できず不満を募らせる大卒の一群が形成されるのを避けるため、教育省は中国の大学に対し、修士課程の枠を計18万9000人分増やすよう命じた。さらに同省は今月、学生らに軍への入隊を勧めた。入隊すれば授業料の減免を受ける資格が与えられるほか、国連のような国際機関で働ける可能性があるという」

     

    今年の大卒就職難を緩和させるため、大学院の修士課程の定員を18万9000人増やすという。中国は、大学の定員を就職難のバッファーに使っている。学部の定員を増やしたり、今度は大学院の修士課程の増員である。人民解放軍への入隊も薦めている。この方法は数年前も使われた。将来、公務員へ優先的に採用するという特典を与えていた。今度は、授業料の免除という。よほど、人民解放軍への人気が低いのであろう。

     

    (5)「新型コロナウイルスで最も激しい打撃を受けた湖北省は先週末、公務員の募集を20%増やし、最近大学を卒業した5万人を他の公職に追加採用する考えを示した。ただ、修士課程の枠を増やし、他の短期的な対策を講じても、製造業の職が低賃金諸国に移転するなど、中国経済を弱体化させる構造的な問題への対処にはなっていない。 交通銀行の上海在勤エコノミストはこう指摘する。「これらの大卒生は23年以内に労働市場に再び参入する。だからわれわれは問題を根本的に解決する必要がある」と同氏は言う」

     

    雇用の主体は、どこの国でも製造業である。この製造業が左前になると、雇用不安が起こる。現在の韓国が、この状態である。肝心の製造業が、「米中デカップリング」という大きな壁に突き当たろうとしている。今回の新型コロナウイルスで、中国がサプライチェーンの核であることのリスクを再認識させた。製造業の職が、低賃金諸国に移転するなど、中国経済を弱体化させる構造的問題は未解決である。

     

    こういう流れは、パンデミックのもたらす歴史的な大転換を予知させる動きである。今は、小さな流れでも、時間が経てば大きなうねりに変わる。歴史の転換点とは、こういうものなのだろう。


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