勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    中国メディア『東方網』(10月1日付)は、日本の本庶佑氏が今年のノーベル生理学・医学賞を獲得したことについて「日本はすでに30人近いノーベル受賞者を生んでいる、日本は一体どんなことをしてきたのか」とする記事を掲載した。

     

    (1)「ここ数年日本ではノーベル賞受賞者が数多く出現しており、その都度ニュースになるものの、もはや超ビッグニュースとは言えない状況になっているとし、米国籍の受賞者を含むと日本はすでに30人近いノーベル受賞者を輩出しており「日本の基礎研究力の強さには敬服せざるを得ない」と伝えている」

    (2)「なかでも生理学分野について、日本は絶対的な世界トップの地位に立っているとし、「その原因を細かく分析すると、政府が科学技術の発展を非常に重視しており、1990年代より日本国内で基礎研究の重要性が深く認識されてきたことが挙げられる」と説明した」

     

    (3)「また、政府が技術振興を重視する一方で研究者に対して比較的高い自由度を与えているとも指摘。「日本では大学の教員は一定期間内に研究の成果を出さなくても職を失うことはないほか、研究過程においても政府や社会による考査や評価といった干渉を受けることが少なく、長期的に研究に専念することができるのだ」としている」

     

    中国の研究者は、一定期間内に論文を出さないと失職するようだ。これが、成果の乏しい特許申請を激増させている背景にもなっている。本庶佑教授が、「世界的な科学雑誌に掲載された論文でも10年後には消えている」と指摘している。論文の量産でなく、息の長い基礎研究が、最後に優れた成果を生む。これこそ、本庶教授の言いたい点のようである。

     

    (4)「記事は、「日本人が井戸から水が湧き出る勢いでノーベル賞を受賞しているのは、まさにこのような日本国内の体制があったからだと言える。日本の専門家は、知識の長期的な積み重ねと基礎研究の積み重ね、そして、大々的な人材育成が今日の成就を生んだのであり、決して一朝一夕に成し得るものではないと指摘している。日本の研究人材や管理機関の長期的な努力を、われわれはたくさん学ぶべきだ。決して口先だけのスローガンで終わってはいけない」と伝えた」

    日本のノーベル賞受賞が、芋づる式につながって出てくる背景には、ティームで研究する。その成果が、次代に継承されてゆく面に現れていることもあろう。中国では、過去の発明でも「一代限り」が多く、時代を超えて伝承しないようだ。だから、1000年、2000年という時間軸で見ると、同じような発明品がポツ、ポツと顔を出すものの連続性が感じられない。

     

    中国の三大発明品として、火薬・紙(印刷)・磁石(羅針盤)が上げられている。これも、中国人が発明したと言うよりも、アラブ世界との交流過程で生まれたのでないか。私はそういう感じがする。もし、中国社会に発明への才があれば、ニセ物づくりに精力を使い果たす愚を犯さないと思う。中国は論理学の祖である墨子派が、後世に滅ぼされたことによって、帰納法や演繹法が普及せず、近代科学の流れから取り残された。これが、中国人学者の自然科学のノーベル賞受賞を遠ざけている理由のように思える。

     

     

     

     


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    米中貿易戦争の影響で、今冬の大気汚染規制は計画よりも緩くなりそうである。大都市のスモッグは、人命に関わるほどの悪化状態だ。それでも、風の吹き方次第ではスモッグが噓のように晴れるという。そういう僥倖に出会えるチャンスは少ないが、少しづつ改善に向かっている。

     

    今冬は、米中貿易戦争の影響で大気汚染規制を緩めないと、景気が落ち込み新たな問題が発生する懸念が生じている。あちら立てればこちら立たず、である。

     

    『フィナンシャル・タイムズ』(10月2日付)は、「対米貿易摩擦、中国の大気汚染問題にも波及」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国政府はこの冬、大気汚染の改善を目的とする鉄鋼生産と石炭使用の大幅な制限を継続しない方針だ。米国との貿易戦争のさなか、政策当局は国内景気の押し上げを図る。国有企業が多数を占める産業が制約を受けることはまれだが、2017年には、北部の多くの都市での暖房用石炭の使用に伴う冬場の大気汚染悪化に対処する狙いで規制が導入された」

     

    石炭は豊富でも品質が劣る。中国は、こういう難点を抱えている。そこで、石炭使用を減らす規制が行なわれている。昨冬は一部で、石炭から天然ガスに転換させたが、天然ガスが不足する一方、石炭の運搬が豪雪でストップして、寒い冬を経験した家庭も多かった。きれいな空気を吸うためには、大変な努力を必要とする社会だ。

     

    (2)「規制当局は今冬、石炭使用と鉄鋼生産の大幅な制限に代えて、より緩やかな目標を打ち出そうとしている。緩和の指針案は8月に示された。大気汚染測定の基準である微小粒子状物質「PM2.5」の濃度の削減目標は、提案されていた5%でなく3%となっている。製造業購買担当者景気指数(PMI)や家計負債、固定資産投資など、このところ一連の指標が中国経済の減速を示している。これを受けて政府は国内総生産(GDP)を押し上げるために環境政策を弱めていると、アナリストらは言う」

     

    工場の石炭使用を減らすことが、大気汚染規制では本命である。中小企業中心に強制的に廃業させる問題も起こっている。工場を閉鎖したが、賠償金は一銭も貰えないという泣き寝入りも多いという。都市周辺部の弱小企業を整理した後は、大企業の操業度を落とさせて、石炭使用料を減らす苦肉の策だ。これも、厳しくやり過ぎると生産活動が低下。GDPに響くのだ。そこで、減産を緩めて大気汚染の改善度合いを落とそうという計画である。人命よりも経済成長優先、になる。

     

    抜本的には熱源の大転換に待つほかない。

     

    『レコードチャイナ』(10月2日付)は、「アイスランドの地熱技術を北京で活用へ、数百万の中国人に新鮮な空気」と題する記事を掲載した。

     

    中国紙『環球時報』(9月29日付)によると、米CNNは9月27日、アイスランドの地熱技術が中国・北京市で活用されることになり、数百万の中国人に新鮮な空気が提供されると伝えた。

     

    (3)「記事によると、アイスランドでは発電全体の25%を占めるほど地熱発電の活用が進んでいる。中国北部一帯にも豊富な地熱資源が存在しており、環境への負荷が少ないクリーンなエネルギー資源として注目されているという。アイスランドのアークティック・グリーン・エナジー(AGE)は、中国の石油最大手、中国石油化工集団と合弁会社を設立した。毎年冬になると暖房器具の使用によって大気汚染が深刻化する北京市で、地熱エネルギーの活用を促進し、石炭への依存を軽減する試みが行われるという。プロジェクトが成功すれば、アジアの他の国々にも移転できることから、期待はいっそう高まっているという」

    地熱発電であれば、クリーンエネルギーである。こういう熱源の転換がなければ、きれいな空気は吸えない。いつ完成するのか、記事には書いてなかった。


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    米国は、着々と中国排除の貿易協定づくりに動いている。今回、改定された「NAFTA改定」(新名称はUSMCA)は、協定国が「非市場経済国」と自由貿易協定を結んだ場合、USMCAを終了する、という厳しい項目が加わった。「非市場経済国」とは、中国を指している。

     

    WTO(世界貿易機関)では、「市場経済国」と「非市場経済国」の二つの分類がある。WTO加盟国が、特定国を「非市場経済国」と認定すれば、ダンピング調査がしやすくすぐに結論が出せるメリットがある。日米欧の3極は、中国を「非市場経済国」扱いしている。USMCAでは、中国と自由貿易協定を結ぶ国が現れれば、その国は自動的にUSMCAからの脱退扱いになる。厳しい制約条項である。

     

    米国が、ここまで徹底的に中国排除に動いている理由は、中国の世界覇権狙いを粉砕することにある。自由と民主主義の擁護者を以て任じる米国の世界覇権に対して、独裁主義で人権弾圧の中国が挑戦することは許しがたい感情を持っている。第二次世界大戦が、自由と民主主義を防衛する戦いであったと同様に、中国による米国覇権挑戦を断固阻止する意思を鮮明にしている。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(10月2日付)は、「米の新貿易協定、中国けん制のひな型に」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「米国は貿易協定の改定でカナダおよびメキシコと合意したが、本当に重要なのはこれからだ。今度はこれをひな型にした協定をアジア・太平洋地域の貿易相手国と結び、中国に対抗するために規則に基づく貿易圏を新たに構築する夢を復活させるべきである。それは、日本、シンガポール、ベトナム、チリなど12カ国にまたがる環太平洋経済連携協定(TPP)の目標だった。だがドナルド・トランプ政権が発足直後に米国をTPP交渉から離脱させたため、残る11カ国は米国の求めていた幾つかの譲歩がない協定に署名した」

     

    NAFTA新協定のUSMCAは、TPPに代る貿易協定のひな形になるとしている。つまり、USMCAの形をTPPにシフト可能としているのだ。当初のTPPが米議会で批准されるかどうか疑問視されていたころと比べ、USMCA方式にすれば米議会で承認されるだろう。そう示唆をしている。

     

    日本にとっては、まず「TPP11」(米国を除く)の発効を急ぐ立場だが、USMCAという形での新協定もあり得るとしている。この場合、日本は中国との貿易協定締結は御法度になる。

     

    (2)「『米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)』は、米国がわずかな調整、そしておそらく新しい名称を要求することで、元の場所(注:TPP)に戻れることを示唆している。930日に合意に至ったUSMCAは、労働者と企業の両方に配慮する形で北米自由貿易協定(NAFTA)を変える。労働者は、一段と厳しい自動車の現地調達規則と高賃金労働者による生産割合を確保する。製薬会社は、TPPで勝ち取るはずだったものよりも優れた知的財産の保護を得る。米国の銀行や金融機関は、現地のサーバーでデータを保持しなければならない状況を免れる。これはTPPでも求めていたができなかったことだ」

     

    USMCAでは、時給16ドル以上の労働者による自動車の生産割合を少なくとも5分の2とする必要がある。これは、低賃金国での自動車生産が、米国内生産より有利になることを防ぐ狙いである。これが、TPPに適用されるとなれば、低賃金国での生産メリットが消える。TPP加盟国ではハードルが高いのだ。製薬企業の知財権の保証期間が、TPPよりも長く設定されている。データ保持問題もTPPよりも緩やかになるなど、USMCAは米国にとってメリットが大きい。こうなると、TPP11の中では、USMCAの条件について行けない国も出てくるだろう。

     

    (3)「TPP参加国は同様の協定に合意し得るか。彼らはメキシコと同様、広大な米市場へのアクセスを得るためにはそうした譲歩をする価値があると計算するかもしれない。また、中国の地域的な影響力に対抗する力が欲しいかもしれない。国際通貨基金(IMF)によると、TPPは米国が参加した場合には世界の国内総生産(GDP)の約36%を占めるとみられる。これに対し、米国抜きの現状ではわずか13%だ。ベトナムのような途上国の説得は無理だとしても、日本といった主要貿易相手国との合意は今や現実味を帯びている。いずれにせよ、中国を寄せ付けないことは米国の大きな目標であり続けるだろう。

     

    メキシコは、USMCAの高い壁を乗り越える決断をして、今回の合意にこぎ着けた。TPP11の国でも、米国の広大な市場にアクセスできるメリットを考えれば、メキシコ同様の決断をする可能性があろう。TPPは米国が参加すれば世界GDPの36%を占める。最終的には、この広大な市場を利用するメリットとそのコストを比較することに落ち着くはずだ。

     

    USMCAでは、「非市場経済国」との自由貿易協定締結を不可能にさせる取り決めになっている。TPPがUSMCAに移行するとすれば、中国との自由貿易協定締結は不可能である。中国を排除するので、まさに「経済冷戦」そのものが始るのだ。

     


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    韓国メディアは、観艦式で海上自衛艦が旭日旗を掲揚することに反対している。例の国民感情を刺激するというもの。だが、読者は違った反応をしている。日本が旭日旗を掲げるのは当然という意見である。

     

    韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官は10月1日、大韓民国海軍国際観艦式に参加する日本海上自衛隊艦の「旭日旗(旭日昇天旗)」掲揚問題に対して、「日本は参加することになっていて、国際慣例に従うほかない事案」と述べた。鄭長官は国会で開かれた外交・統一・安保分野の対政府質問に出席してこのように明らかにした(『中央日報』10月2日付)

     

    韓国国防長官は、旭日旗掲揚について「国際慣例に従うほかない事案」と答弁した。要するに、旭日旗が海上自衛隊旗になっている以上、韓国はそれを受入れるほかないという結論である。

     

    朝鮮日報が10月1日付で、「旭日旗掲げて来る日本の方が非常識」記事に韓国読者が、次のようなコメントを寄せている(同紙10月2日付)

     

    アン・ギホさん:賛成24反対16

    (1)「日本の海上自衛隊は1953年から旭日旗を自衛隊旗として使用してきたし、1998年と2008年に韓国で行われた国際観艦式にも旭日旗を掲げて参加したという。一貫性もなしに、「韓日関係が悪くなっているし、韓国人の感情を考慮して今回は旭日旗を掲げないでほしい」というのは他国による内政干渉だし、自衛隊幹部の言葉通り非常識で受け入れがたい礼を欠く行為だ。韓国はいつまで日本に対して被害者意識を持ち続けるのだろうか? 日本人の反韓感情を招くような言動は控え、良き隣人として日本と共生することだけが、ごう慢で横柄な中国に対抗して韓国が生き残れる道だ」

     

    ソ・ジャンソクさん:賛成14反対5

    (2)「太極旗(韓国国旗)を下ろし、韓半島旗(統一旗)を掲げて北朝鮮を訪問した韓国政府よりもましだ。彼らなりの国家観がはっきりしている。我々が簡単に愛国心を捨てたからと言って、日本の人々に「愛国心を捨てろ」と言うのは、彼らの言葉通り礼を欠いているし、ずうずうしいとの見解に共感する」

     

    イ・ベヒョクさん:賛成10反対3

    (3)「現在の情勢からはあり得ないと思われる「将来の日本の軍国主義化」を怖がりながら、すぐ頭上にある北朝鮮の核は怖くないというのだろうか? 現政権の「口先だけの平和」「物ごい平和」「外国勢力のいない我々同士で自主的にという甘い宣伝文句」にだまされたね。中国をけん制する日本の武装は、米国ではある程度までは容認する雰囲気なのに、今更ながら韓国ばかりが熱くなっている。一度そうなってしまったことなのに、公然と国民の関心を向けようと政府が青筋を立てているのではないか。済州島民の一部が国際観艦式にも反対するって? そうか、正恩(金正恩〈キム・ジョンウン〉朝鮮労働党委員長)と一緒に米国を追い出し、外国勢力をなくして鎖国して、旧韓末のように自主的に、また国を食いつぶさないと正気に戻らないのだろうか?」

     

    韓国の読者は、旭日旗問題を冷静に見ている。国際情勢の変化を肌身で認識しているのだ。日本が旭日旗を掲げたからと言って、「軍国主義」「帝国主義」でないと判断している。それに比べて韓国与党の院内報道官発言は、二の句が継げないお粗末なものだ。

     

    韓国与党の院内報道官は、以下のように「日本は永遠の二等国民」と切り捨てる発言をした。

     

    (4)「共に民主党の朴ギョン美(パク・ギョンミ)院内報道官は30日午前、書面ブリーフィングで「非常識をもちろん、一抹の良心さえも見られない日本の傍若無人にあきれる」とし「戦犯国として世界の平和を一瞬にして壊し、数えきれないほど殺傷行為を犯した日本が旭日旗を誇っているのは、日本が永遠に二等国家にとどまるしかない理由でないかと思う」と指摘した」(『中央日報』(10月1日付)


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    インド洋に浮かぶ小さな群島国家モルディブの大統領選が終わった。中国派の現職ヤミーン氏は敗れ反中国派が当選したものの、スムースに政権委譲できるか懸念されている。反中国派は、中国派大統領の「一帯一路」政策を全て見直す、と公約しているからだ。

     

    『ウォール・ストリート・ジャーナル』(9月25日付)は、「一帯一路に背を向けるモルディブ」)と題する社説を掲げた。

     

    (1)「モルディブでは10年にわたり民主化に向けた努力が続けられていた。だが、ヤミーン大統領はそれを台無しにした。今年に入って非常事態宣言を発令。司法関係者を拘束し、抗議行動を取り締まるなどした。かねてモルディブと友好関係にある米国やインドはヤミーン氏を批判。一方で中国は同氏を擁護した。中国に有利な条件で公共工事に投資する習近平国家主席の「一帯一路」構想をヤミーン氏が支持したからだ。主要なシーレーン(海上輸送路)に近いモルディブは戦略的な価値も高い」

     

    モルディブ大統領選は、中国と米国・インドの代理戦争のごとき色彩を帯びていた。それだけに、ヤミーン氏は難癖を付けて、すんなり政権を委譲するか否かが懸念されている。

     

    『時事通信』(9月29日付)は、「モルディブ、中国離れ成るか、円滑な政権交代に懸念ー大統領選から1週間」と題する記事を掲載した。

     

    (2)「インド洋の島国モルディブの大統領選が実施され、野党統一候補イブラヒム・ソリ氏(54)が親中派の現職アブドラ・ヤミーン大統領(59)を破ってから30日で1週間を迎える。この間、最大野党指導者が、ヤミーン政権の政策を見直し「中国離れ」を進める姿勢を示唆した。中国の後押しを受けてきたヤミーン氏が素直に政権を手放すか懸念が漂っている」

     

    中国は、各国で「一帯一路」計画が過剰債務問題を引き起こしている。モルディブも例外でなく、「一帯一路」事業への反対の声が強かった。これに対して、ヤミーン氏は中国張りの強権政治で反対派を弾圧。これが国民の支持を失った原因である。ヤミーン氏の敗北は、中国への不信表明でもある。こうなると、中国も面目丸つぶれとなるので、ヤミーン氏と「共謀」するのでないか懸念の声が上がっている。

     

    (3)「ソリ氏が所属する最大野党モルディブ人民主党(MDP)の実質的指導者、ナシード元大統領は24日、ロイター通信に対し「中国と結んだ契約を全て再検討しなければならない」と訴えた。ナシード氏は、政敵を弾圧するヤミーン政権下で国外に亡命、今回の大統領選には出馬できなかったが、政権が交代すれば、再び大きな影響力を持つとみられている」

     

    ヤミーン氏の強権政治でインドへ亡命していた元大統領ナシード氏が、政権交代で帰国すれば、「一帯一路」計画は見直される運命だ。中国はヤキモキしており、政策の継続性を求めているが、民意によって否定された以上、無駄な希望というべきだろう。

     

    (4)「ヤミーン氏は2013年の就任以降、中国政府が提唱するシルクロード経済圏構想「一帯一路」に協力し、中国資本を導入して大規模なインフラ整備を実施。一方、対中債務はモルディブの国内総生産(GDP)の4分の1超に膨れ上がり、負債の返済や事業見直しは急務だ」

    ヤミーン氏によって、モルディブの債務はGDPの25%以上にも達している。中国は、「債務漬け」にして担保を狙っていたのだろう。インド洋の要害の地だけに、インドをけん制する意図であった。土壇場で、中国とヤミーン氏が政権委譲させない手を打つかも知れない。そうなると、国際問題に発展しよう。


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