勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    韓国の政治的危機は、文在寅(ムン・ジェイン)氏の集めてきた大統領府の秘書官の無能力さにある。こういう鋭い指摘が、文政権を支持する側から提起されている。私がこれまで批判してきた文政権の根本的な誤りをズバリ指摘するのだ。実に含蓄のあるコラムである。文政権の矛楯が、大統領府秘書官の「86世代」の民族主義的発想にあると指摘している。

     

    『ハンギョレ新聞』(8月11日付は)、「官製民族主義のわな」と題するコラムを掲載した。筆者は、ホン・セファ ジャン・バルジャン銀行長である。

     

    (1)「アクセルだけあってブレーキのない民族主義は、ハンドル操作もめちゃくちゃになりやすい。文在寅大統領は5日、日本の貿易挑発に対する突破口として南北経済協力を通じた平和経済を提起した。「日本の経済が韓国の経済より優位にあるのは経済規模と内需市場です。南北間の経済協力で平和経済が実現すれば、われわれは一気に日本経済の優位に追いつけます」。「平和経済」という言葉になじみのない私のような国民のためにだったのか、文大統領は「平和経済こそ世界のどの国も持つことができないわれわれだけの未来だという確信を持ち、南北がともに努力していくとき、非核化とともに朝鮮半島の平和と共同繁栄を成し遂げることができる」と強調した」

     

    下線部は、大いなる誤解であると筆者は指摘する。高い生産性を実現するにはどうするか。そういう視点で経済運営をすべきだ。文政権には、これが欠けている。

     

    (2)「早急であったり強迫的な目的意識は、合理的思惟のプロセスを排除したり歪曲する。私の浅い経済知識では、経済のカギは規模や内需市場の大きさではなく、生産性にあるという。私は、文大統領の発言がショービニズム(排外主義)の民族主義に浸っている秘書陣から出てきたと信じる。それにしても荒唐無稽な発想と(「世界のどの国も持てないわれわれだけの未来という確信を持ち)、経済に関する基本的なミスを排除できなかった内容が大統領の公式発言として出たという点で、問題の深刻さはそのまま残る」

     

    文大統領の発言が民族主義に浸っているのは、大統領府秘書官の知的レベルが低い結果である。南北統一が平和経済を実現し、その力で日本を追い抜くとは、荒唐無稽そのもの。いかに生産性を引き上げるか。そういう南北統一でなければならないが、秘書官の民族主義からはそれが出てこない。

     

    (3)「いわゆる「86世代」の大半は、倫理的優越感を持っている。反民主的独裁体制であり買弁的な李承晩(イ・スンマン)ー朴正煕(パク・チョンヒ)ー全斗煥(チョン・ドゥファン)政権に対抗して闘った当事者として、当然なことでもある。それだけでなく、彼らの多くは先輩の勧めで何冊かの理念書を読んだ経験があるが、これによって知的優越感も感じやすい。そして民族主義者たちだ。知的優越感と倫理的優越感で武装した民族主義者から、自己省察や「懐疑する自我」を期待するのは「木に縁りて魚を求む」ようなものだ。羅針盤は移動するたびに方向を指す前に針をゆらゆらと震わせるが、彼らからはそのような面を少しも期待できない」

     

    大統領府秘書官は、「86世代」である。1960年代生まれで80年代に学生生活を送り、軍事政権と闘ってきた人たちである。それだけにエリート主義に陥り、自己省察もなければ、「懐疑する自我」もない硬直的集団と化している。この「86世代」が、日本と「ホワイト国除外」を巡って衝突している具体像である。民族主義で武装して日本と対峙している。

     

    (4)「ロウソク・デモを追い風に奇跡のように政治権力を掌握するようになると、彼らのうち少なからぬ現実政治予備軍には、公共部門の良い職を得る機会ができた。情緒的につながっている彼らの間にも、一種の「俺たちが他人でもあるまいし!」というような文化がある。彼らの執権目標が政治哲学の実現にあるよりも、彼らに職を提供することにあるのではないかと思えたこともあった。文大統領の最側近の人物だというヤン・ジョンチョル氏は民主党の民主研究院長になったが、この与党のシンクタンクの研究力量で私が知っているのは、韓日摩擦が来年4月の総選挙で民主党に肯定的な影響を及ぼすだろうという内容だけだ」

     

    「86世代」は就職のために大統領府秘書官に就いた人たちだ。文氏が、彼らに職を提供した。与党は、来年4月の総選挙で反日運動が好影響を与えると計算している。『不買運動』は選挙運動の一環である。日本政府は、こういう集団とどう渡り合うのか。

     

    (5)「実力が足りないなら、せめて謙虚にならなければならない。精神勝利のためか、相対的に匹敵するほどのものと思えたからか、いま貫徹されている官製民族主義は、米国に対する自発的服従に照らしてみると、極めて選択的だ。文在寅政府は韓国が国際法を違反したと主張する安倍政権の経済挑発の可能性を8カ月前から認知していた。にもかかわらず、すべての外交力を朝鮮半島平和プロセスに集中し、これを無視した。政府は韓日関係の危機対応が疎かだったという過ちを認めて関係復元のために努力を傾ける代わりに、官製民族主義を動員して対立している」

     

    文政権は、日韓関係の空白部を埋めるために官製民族主義を動員している。「日本に二度は負けない」とは、民族主義の真骨頂である。民族主義の危険性は非合理性にあるが、反日不買運動はまさにそれだ。韓国側にも危害が及んでいる。

     

     

     

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    文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、進歩派という看板を掲げています。進歩派とは、一般に未来を見据えたグローバリズムを想定します。だが、文氏を支える大統領府の秘書官は、復古主義の集団です。未来よりも過去に顔を向けています。そうです、民族主義の立場を鮮明にしており、保守派を凌ぐ強烈な民族統一の旗を掲げています。

     

    実は、この旗が北朝鮮の金日成が目指した南北統一論に呼応したものです。何が何でも、南北は統一するという主張で、その内容を問いません。北朝鮮の金ファミリーの膝下に組入れられることさえ厭わないほどの「狂信集団」に見受けられます。

     

    現在、北朝鮮は連日のようにミサイルを発射しています。同時に、文在寅氏を愚弄する声明を発表しています。それでも、韓国大統領府は沈黙しています。将来の「帝王」に刃向かわないような姿勢です。ここまでして、金ファミリーの下で南北統一を想像できるでしょうか。

     

    文氏が、じっと我慢して反論を控えているのは、南北統一後、「憎い日本」を経済力で上回り積年の恨みを晴らす夢を持っているのでしょう。北朝鮮の疲弊した経済を引き上げることは至難の業です。だが、北朝鮮には豊富な地下資源があるので、それを活用すれば、世界5位のGDPになると胸を張っています。

     


    こういう文氏を眺めて、「こりゃ、どうにもならない」という感じを持たざるを得ません。文氏が南北統一に賭ける夢は、GDPを押し上げて、日本と張り合うことにあるようです。何と、虚しいことを考えているでしょうか。朝鮮李朝の復活でしょうか。

     

    ここで、なぜ李朝は倒れたか。その理由を考えて見て下さい。外交政策の失敗です。強国に身を委ねるという「負け犬根性」でした。南北統一の暁は、外交姿勢をどうするのでしょうか。北朝鮮の後ろには中国が目を光らせています。韓国は米国と絆を持っていますが、統一の暁は、米軍は韓国を撤退します。こうなると、韓国にどういう運命が待っているか分りますか。

     

    中国=北朝鮮の連合が、韓国を飲み込んで共産化することです。文氏は、それを承知で南北統一の旗を振っているのです。米中の覇権争いが続いている間に南北が統一すれば、独裁政権の北朝鮮が、主導権を持つに決まっています。金ファミリーは、北朝鮮に革命でも起こらない限り続くでしょう。

     

    北朝鮮が、軍事力拡張に余念がないのは、金ファミリー延命の必須条件です。それは、韓国を飲み込む準備でしょう。文氏は、こういう危険性を察知しながら、韓国国民を巻き添えにしようとしています。文氏は、国民を「反日」という麻酔にかけ意識朦朧にさせて、南北統一の船に乗せてしまう。そう考えていることは確かでしょ。

     

    戦後の日本で、在日朝鮮人の北朝鮮への帰還事業が大々的に行われました。日本のメディアでも、「北朝鮮はパラダイス」と宣伝に一役買いました。結果は、どうだったでしょうか。悲惨な生活が待っていたのです。文氏は、全体主義社会の恐ろしさを軽く見すぎています。

     

    文氏の両親は、朝鮮戦争の際に北朝鮮から韓国へ脱出した辛い経験の持ち主です。その息子は、両親の苦労を忘れて南北統一を夢中で語っています。何か、チグハグでしっくりこない話です。両親の苦労話を上の空で聞いていたとすれば、とんだ親不孝者と言うほかありません


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    韓国は、日本を「ホワイト国」から除外したものの、日本にとっては痛くも痒くないことが分って脱力感に襲われている。そこで、日本に対して韓国の「ホワイト国除外」を撤回させるべく、あの手この手を使ってアプローチしている。

     

    日本にとっての韓国は、輸入先として見れば4.1%に過ぎず、「その他大勢」である。この韓国が、派手に日本へ対抗してしまい、困っているのが実情だ。韓国大統領府は、日本経済の実態について全く知識がなく、大慌てで政府シンクタンクに資料作成を依頼してきたという。驚くほどの「無知集団」のようだ。

     

    『中央日報』(8月14日付)は、「日本、『ホワイト国除外』影響ない、韓国産輸入比率4.1%と題する記事を掲載した。

     

    8月12日、韓国政府が日本をホワイト国(安全保障友好国)から除外すると発表した際、韓国と日本の相反する解釈が表明された。

    「日本に対抗する措置ではない」(成允模産業通商資源部長官)。
     
    「対抗措置なら世界貿易機関(WTO)違反。ただ、あまり実質的な影響はないかも」(佐藤正久外務副大臣)。

     

    (1)「日本の措置が韓国最高裁の強制徴用被害者賠償判決に対する報復であるように、韓国の今回の措置は「正面対抗」という分析が出ている。実際、日本の措置の後に出したうえ、韓国政府が「ホワイト国除外など対応の措置を考慮している」と数回にわたり公言してきた。  一方で「対抗」という表現を避けたのは、WTOに提訴した際、逆に攻勢を受けるおそれがあるからだ。西江大の許允(ホ・ ユン)国際大学院長は「9月に施行する措置を『事前通報』し、いつでも2国間協議に応じることができるといった交渉の余地を残すなど手順を守ったのは、WTO提訴を念頭に置いた措置と解釈される」と述べた」

    韓国は、日本を「ホワイト国除外」にしたことは、日本への「対抗」でないという。これは、「三百代言」的な逃げ口上である。日韓双方が、相手国に対して「ホワイト国除外」措置を取った以上、韓国は日本への「対抗」である。

     

    (2)「韓国貿易協会によると、今年上半期基準で日本の輸入全体に占める韓国産の比率は4.1%だ。中国(23.2%)、米国(11.1%)、豪州(6.4%)に比べて割合が少ない。韓国産への輸入依存度が80%を超える石油精製品や鉄鋼は汎用であり、今回の韓国の措置を実行しても日本が代替品を確保するのは難しくない 韓国経済研究院のチョ・ギョンヨプ研究委員は「韓国は消費財を中心に日本に輸出していて、今回の措置が日本に被害を与えるのか疑問」と述べた。 一方、日本がすでに輸出を規制した半導体素材のほか規制する可能性がある機械や金属は対日輸入依存度が高く代替品を探すのが難しいため、打撃が「非対称」だ。むしろ日本に輸出する手続きが難しくなり、我々の輸出企業に被害が生じることもある」

    韓国の国別輸出比率は、次のようになっている。

    中国 23.2%

    米国 11.1%

    豪州  6.4%

    日本  4.1%

     

    日本の場合、韓国からの輸入は消費財が主体だ。半導体のDRAMも輸入されている。だが、次の記事で明らかであるように、いつでも他国に代替可能だという。

     


    『朝鮮日報』(8月14日付)は、「
    日本が昨年輸入したDRAM、韓国製は21%」と題する記事を掲載した。

     

    (3)「サムスン電子とSKハイニックスの売上高に占める日本の割合は10%にも満たない。顧客企業リストにも日本企業の名前はない。韓国貿易協会によると、今年上半期に韓国が日本に輸出したDRAMは金額ベースで829億ウォン(約73億円)だ。昨年、通年でも2242億ウォンに過ぎず、韓国のDRAM輸出全体に占める割合は0.53%だ。昨年1年間、韓国が日本に93%を依存して輸入したフォトレジスト(半導体生産に必要な感光液)の輸入額(3643億ウォン)にも満たない」

     

    サムスン電子とSKハイニックスは、日本からの半導体製造3素材を輸入できなければ半導体の生産が不可能である。だが、日本への半導体輸出では、顧客企業リストにも名前がないほどである。

     

    (4)「日本が昨年輸入したDRAMのうち韓国製は21%だった。60%は台湾製だ。台湾にはDRAM業界3位のマイクロンの工場がある。読売新聞は13日、日本は韓国から半導体を輸入しているが、台湾からも購入可能だと報じた。一部には日本がサムスン、ハイニックスから輸入するDRAMは高性能で代替不可能だとの指摘もある」

     

    日本における半導体DRAM輸入シェアは、韓国が21%。台湾が60%である。仮に韓国が日本へDRAM輸出を止めたとしても、台湾からの輸入量を増やせば済むこと。日本には、何らの痛手も受けない。要するに、日韓の貿易構造は全く異なっている。韓国が、この日本を「ホワイト国除外」にしたのは滑稽というほかない。

     

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    韓国は勘違い国家である。儒教では朝鮮民族の道徳性が高いという錯覚で、ことあるごとに日本を「格下」に見る悪い癖がある。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、その典型的な人物だ。先の「光復節演説」でも、日本が話合う意思があれば、「その手を取る」とまで上から目線で喋っている。現実の経済関係では、日韓は完全に次元が異なる。もう少し、謙虚な姿勢は取れないだろうか。

     

    韓国の潜在成長率は、急速に低下する見込みだ。文氏が大統領に就任し間違えた経済政策を行っている結果だ。最低賃金の大幅引上げは、就業構造を破壊した。

     

    高校を卒業しなかった20代前半の若者の47%が学校や職場に通わず、就職のための職業訓練も受けていない無業状態にあることがわかった。最終学歴が高校中退以下の満20~24歳の若者6万人を調査したところ、無業状態が47%(2万8000人)にも達していた。就職先がないので就職活動もしないという絶望的な事態だ。文氏の大統領任期中の5年間で、韓国は取り返しのつかない経済的な損害を被るであろう。

     

    さらに、日本との関係は修復不可能な事態になっている。徴用工判決と慰安婦合意の破棄は、一大汚点である。韓国国内では、日本批判の声が充満している。それは、「反日」を煽る政府与党のプロパガンダの結果だ。文氏は、韓国経済の将来をどうするかという生きたビジョンはない。北朝鮮と統一して日本へ対抗するという夢想に酔っている。こういう政権下で、まともな経済政策が行われるはずがない。具体的には、世界的なスピードで少子高齢化が進んでいる。韓国経済は、滅びの道を選択してしまった。

     

    『朝鮮日報』(8月12日付)は、「韓国の潜在成長率、7年後に1%台へ低下」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「現代経済研究院は11日、「潜在成長率低下の原因と引き上げ策」と題する報告書で、韓国の潜在成長率は最近(2016~20年)に2.5%まで低下し、26年以降には1%台に低下すると推定されると指摘した」

     

    今年の経済成長率は2%を割りかねない状況である。一方、潜在成長率は、2.5%にまで低下するとみている。潜在成長率とは、追加的なインフレを誘発せずに一国の労働力と資本を最大限活用して達成可能な成長率を意味する。一国の経済の基礎体力を示す指標だ。

     

    このギャップ(潜在成長率-現実成長率)が、広がるほどデフレ感が広がり経済逼塞感が強まる。韓国は、文政権の登場によって、既にこの状態へ落込んでいる。

     

    韓国銀行が先月示した最近5年間(16~20年)の年平均潜在成長率推定値(2.7~2.8%)に比べても、現代経済研究院0.2~0.3ポイント低い悲観的な数値になっている。それだけ、韓国経済の現実が悪化している証拠であろう。

     

    (2)「現代経済研究院報告書は韓国の潜在成長率低下の原因として、次の4点を上げた。

        少子高齢化で生産年齢人口(15~64歳)が減少

        投資低迷と資本蓄積の低下現象

        新成長産業の不在

        研究開発(RD)投資の成果が劣る」

     

    最大の要因は、①の生産年齢人口の減少である。現在の「合計特殊出生率」の「1割れ」は、生産年齢人口を減少させる。世界最強の労組が、強引に賃上げを迫ることも他国にないマイナス材料である。韓国経済は、15年後以降に世界最低の成長率に落込む危険性を抱えている。その時、日本へすがりついてくるに違いない

     

    (3)「以上の4点のため、1990年代初めに7.3%に達していた韓国の潜在成長率が通貨危機を経て5.6%(1996~2000年)、金融危機後に3.2%(11~15年)まで急速に低下したとの分析だ。今後は生産年齢人口の減少が本格化し、資本投入も低下が見込まれ、韓国の潜在成長率は21~25年に2.1%、26~30年に1.9%、31~35年に1.7%まで低下すると予想した」

     

    ここに想定されている潜在成長率は、さらに引き下げられると見られる。韓国経済の疲弊速度は、きわめて速いスピードで迫ってくる。


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    韓国航空8社の4~6月期業績が、急悪化している。海外での空港利用料がウォン安で上がっていること。国内では、最低賃金の大幅引上げによるコスト増加が経営を圧迫している。7~9月期は、「恐怖」としている。不買運動で日本への大幅減便が影響するからだ。

     

    本欄は、不買運動が必ず韓国同胞への負担となってはね返ると見てきたが、ついに航空8社の業績悪化となって、これから現れてくる段階になった。不買運動による減便は、「売上高」の減少である。航空8社の赤字原因の大元はここにあるはずだ。減収に落ち込めば赤字になる。これが経営の鉄則である。

     

    『朝鮮日報』(8月17日付)は、「『悪材料という悪材料がすべて出た』…韓国航空会社8社すべて赤字」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「14日に韓国の二大航空会社である大韓航空とアシアナ航空の46月期実績が発表されると、航空業界はパニックに陥った。両社とも業界の予想を大きく下回る1000億ウォン(約88億円)台の営業赤字を出したためだ。これに先立ち実績を発表した格安航空会社(LCC)を合わせても、韓国の航空会社8社で今年46月期に黒字を出した所は1社もなかった。大韓航空とチェジュ航空の株価は16日の株式市場取り引き時間中に一時、この52週間の新安値を記録した」

     

    韓国の人口5200万人規模で、8社の航空会社は過剰である。今後の世界経済の停滞と不買運動が重なれば、業界再編が起こるであろう。

     

    (2)「国内航空産業が四面楚歌(そか)に陥った。急激な最低賃金引き上げや為替レート上昇(ウォン安)のせいでコストが増加した上、不買運動による日本への旅行キャンセル、香港のデモ、中国新規路線就航計画中止まで重なり、踏んだり蹴ったりの状況だ。景気不況長期化で旅行消費心理が大幅に下がり、航空産業全体が泥沼に陥ってしまうのではないかという懸念が広がっている。ある航空会社の役員は「20年以上この仕事をしてきたが、これほどまでにあらゆる悪材料が一度に噴き出したのは初めて。突破口すら見えていないので余計に心配だ」と話した」

     

    過去の経済危機でも、このような事態に陥らなかったとすれば、今後の事態の推移次第で大きな問題が発生する。特に、7月からの不買運動で日本への旅行者が減れば「諸刃の剣」である。

     


    (3)「実績不振の原因として大きく作用したのはコスト増加だ。大韓航空は最低賃金引き上げで外注コールセンター職員の用役費が前年同期比で91億ウォン(約8億円)増加した。大韓航空職員の人件費は393億ウォン(約345600万円)増えた。空港利用料も945億ウォン(約831000万円)も増えた。大韓航空関係者は「海外の空港の場合、ドルで決済するため、ウォン安になるとコストが大幅に増加する。ウォン安による空港利用料増加分は252億ウォン(約221600万円)に達する」と言った。アシアナ航空も同様の理由で赤字に陥った。チェジュ航空・ジンエアー・ティーウェイ・エアプサンなどLCC 6社はこれまで急成長を遂げて先を争うように航空機を導入、格安チケット競争を繰り広げてきたが、悪材料が重なるやいなや収益性が急落した」

     

    4~6月期は、国内の人件費増と海外空港使用料がウォン安によって増え、これが営業赤字を招いた。7~9月期には、不買運動による日本路線の減便が重くのしかかってくる。経営悪化に拍車がかかるのだ。不買運動で日本を苦しめようという魂胆は、「飛んで火に入る夏の虫」となろう。

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