勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    テイカカズラ

       

    けさ、下記の目次で発行しました。

     

    世銀が予測する中国ゼロ成長

    「一帯一路」債務が時限爆弾

    米中分断が現実化するリスク

    韓国を襲うマイナス成長危機

     

    世界銀行はこれまで、なぜか中国経済について楽観的な予測をしてきた。世銀幹部に中国人が送り込まれてきたので、その影響もあるのだろうと推測してきた。中国は、意図的に国際機関の上層部に中国人を入れて根回し、中国へ有利な判断を引き出してきたからだ。

     

    WHO(世界保健機関)の事務局長は、中国人でないが息のかかった人物を据えて、裏で操縦しているのは明らかである。今回の新型コロナウイルスで、WHOが中国寄りの発言を繰返して批判を浴びている。「スポンサー」中国の意向を代弁したものと見られている。

     

    世銀についても、WHO同様の傾向が見られた。現在の世銀総裁は、トランプ米国大統領の強力支援で就任したいきさつもある。従来のような「中国寄り」姿勢を変えて、厳正中立な立場から中国経済を分析する姿勢が滲み出ている。

     


    世銀が予測する中国ゼロ成長

    その世銀が、今年の中国経済について厳しい見方を発表した。

     

    世界銀行は3月30日、新型コロナウイルスによる景気悪化で、中国のGDP成長率が2020年は2.%に減速するとの見通しを示した。マイナスだった1976年以来44年ぶりの低水準に落込む予想である。コロナ感染が深刻化する前の1月時点の5.%から大幅に引き下げた。悲観的なシナリオとしては0.%に急減速する可能性も指摘した。

     

    このように、今年の中国経済が急変するのは、もちろん新型コロナの影響である。人やモノの移動が制限された結果である。

     

    中国では、厳しい都市封鎖が行なわれてきた。コロナの震源地になった武漢市は、4月8日に解除される見込みである。ただ、中国国内では武漢市を含む湖北省全体への警戒心がきわめて強い。武漢市を除く湖北省の封鎖解除は、3月25日に行われた。これに対して、隣接の江西省側は警官を配置して湖北省住民の入境を阻止し、両省の警官が乱闘する事態となった。この様子は、SNSで報じられ日本でその様子を見ることができるほど。

     

    こうした殺伐とした下で、消費や生産など経済指標は軒並み悪化している。世銀は中国が企業活動を「すぐに再開できるかどうかは分からない」と指摘。中小企業は「今も困難な状況にある」と説明した。19年は6.%だった経済成長率が前述の通り、今年2.1%成長ないし最悪事態で0.1%と「ゼロ成長」に落込めば、中国自体が大変な事態に陥るのは避けられない。また、アジア地域の新興国など、「過度な債務を抱える国は金融不安に陥るリスクが高い」と警戒感を示すほどだ。

     


    中国は、例年3月に開催する全人代(日本の国会に相当)で、その年の経済成長率目標を発表してきた。今年は、コロナ騒ぎでこの全人代が開催できずにいる。開催のメドは立っていないのだ。今年の中国は現在も、経済成長率目標が未発表の状態である。

     

    馬駿・中国人民銀行(中央銀行)金融政策委員が、中国は今年の成長率目標を設定すべきでない、との認識を示した。同委員は4~5%の成長率でさえも困難だと述べた。後になって非現実的だと判明するような成長率目標の達成に向けて、最終的に「怒涛のような景気刺激策」を打たなければならなくなる事態は避けるべきだとした。『ロイター』(3月31日付)が伝えた。

     

    中国経済が、世銀予測のような事態になれば、世界経済は推進力を失う形だ。さしずめ韓国の輸出にとっては、ブレーキになる。韓国の輸出の約4分の1は中国向けである。それが大きく落込めば、輸出という屋台骨が傾く事態を迎える。これまで、中国のGDP成長率の低下幅の半分が、韓国のGDP成長率を引き下げると言われてきた。

     

    仮に、中国のGDP成長率がゼロとなれば、韓国はどうなるか。昨年の中国成長率6.1%がゼロとなれば、低下幅は6.1%ポイント。その半分である3%ポイントを韓国経済の成長率から差し引く計算である。韓国は、昨年のGDPが2.1%である。これから3%ポイントを引けば、今年はマイナス0.9%成長に落込む計算になる。こういうラフな計算で、韓国経済を予測するのは乱暴な話だ。後で詳細に詰める予定である。(つづく)

     

     

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    韓国の総選挙が、4月1日から始まった。与党の選挙マニュアルには、「反日で野党を批判せよ」となっている。なんという選挙だろうか。この与党は、つい先日まで「日韓通貨スワップ協定」を叫んでいた人たちである。日本が、通貨スワップ協定について無反応でいたことは正解である。日本をこれほど便宜的に扱う韓国与党と、胸襟を開いた話はできるはずもない。

     

    『朝鮮日報(4月1日付)は、「『旧態依然の年寄り・日本に屈従を強調せよ』韓国与党による反統合党ネガティブ戦略」と題する記事を掲載した。

     

    韓国与党・共に民主党が各候補者の陣営に配布した総選挙マニュアルで、最大野党・未来統合党について「旧態依然の年寄り政党」「日本に際限なく屈従する勢力」と規定して攻撃する415総選挙広報戦略を立てていたことが分かった。

     

    (1)「共に民主党選挙対策委員会戦略本部は最近、「21代総選挙戦略・広報・遊説マニュアル」と題された対外秘報告書を取りまとめ、各候補者の陣営に配布したことが31日までに分かった。共に民主党はこの報告書の「21代総選挙メッセージマニュアル」という項目の中で、未来統合党が「518不正」だとか「セウォル号侮辱」などの暴言を日常的に使う「旧態依然の年寄り」勢力であることを強調するよう求めた」。

     

    韓国与党は、政策論争でなく野党へ罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせて勝利を得ようという幼稚な戦術を取るという。「パンデミック」(世界的な大流行)という歴史を変えるほどの大きな曲がり角に立っているという認識の一片もない政党である。それを明確にしている。与党の「親中朝」は、これから起こるであろう歴史の転換に乗り遅れて、滅亡勢力と手を結ぼうとしている。パンデミックは、感染症の大流行だけに止まらず、世界に大きな変動をもたらすきっかけをつくるだろう。

     


    (2)「メッセージの例としては、「国政の足を引っ張る統合党をボイコットしてほしい」「大韓民国を過去に退行させる統合党を阻止してほしい」「国民を分裂させる統合党を審判してほしい」「統合党の暴言・フェイクニュース歴史歪曲(わいきょく)政治を終わらせてほしい」などを挙げた。共に民主党は報告書で、未来統合党の一部から総選挙後の「文在寅(ムン・ジェイン)大統領弾劾推進」の声が上がっていることも宣伝に活用するよう指示した。「統合党は『総選挙で勝ち、院内第1党になれば文在寅大統領を弾劾する』と脅迫している。しかも黄教安(ファン・ギョアン)代表と統合党の人間たちは『朴槿恵(パク・クンヘ)赦免』を主張している」「キャンドル市民の力を甘く見る統合党が当選すれば、大韓民国は国政壟断(ろうだん、利益を独占すること)の混乱した過去に戻るしかない」などの内容で弾劾の危険性を警告し、与党勢力の支持層を結集せよという意味だ」

     

    韓国の有権者は、こういう低レベルの演説に満足して一票を投じるのだろうか。もし、与党が、第一党になるとすれば、もはや言う言葉もない。韓国は、確実に衰亡への道を歩むことになろう。

     

    (3)「経済・外交の分野でも未来統合党に対する非難メッセージを集中する戦略が提示されていた。経済分野では「李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵政権における『借金して家を買え』政策で住宅価格は高騰し、家計負債も跳ね上がった」としている。外交については「統合党は日本の安倍政権を擁護し、日本には一言の批判もできない。わが国民は今回の選挙を『韓日戦』と呼んでいる」として「(統合党は)日本政府には限りなく屈従的で、わが政府には非難ばかりしている」としている」

     

    外国の政権を間接的に非難する選挙戦があるだろうか。与党が、反日の旗を高く掲げるという例は珍しい。こういう選挙戦をやって、対日外交をどのように進める積もりだろうか。選挙戦が終われば、涼しい顔をして、「日韓通貨スワップ協定」を言い出すのであろう。金輪際、韓国与党の話を聞くべきでなかろう。腹の底から反日思想を持っている人たちと、生産的な話は進まない。

     

    (4)「『民主党政権の成果』については新型コロナウイルス感染症への対応と所得主導成長、非正規職の正社員化などを取り上げた。共に民主党はコロナへの対応について「大邱・慶尚北道を中心に集団感染による感染者が急激に増加していたとき、政府は感染病危機警報を最高段階の『深刻』に引き上げ、これによって先制的かつ積極的な措置が行われた」と主張した。経済の成果については「公共部門における非正規職の正社員への転換が16万人を上回り、最低賃金の引き上げで賃金格差が緩和している」としている」

     

    経済政策では、下線を引いた部分で自画自賛している。これは、逆効果になろう。失業に追い込まれた人たちにとって、この文言こそ許せないものはあるまい。労組貴族だけを守り、自営業や零細企業の労働者を食いものにした、天下の悪法である。この法律で、韓国経済は自滅の道を歩まされている。韓国国民は、今回の総選挙で今後の運命が決まると言えるだろう。


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    FRB(米連邦準備制度理事会)は、各国中央銀行に対して米国債を担保にドルを貸出す制度を始めると発表した。世界的なドル資金不足に対応する措置である。米国債を売却せずとも、一時的にドルを調達できる便宜さが、新興国や発展途上国に安心感を与えそうだ。

     

    韓国は安堵感を持って、このニュースに接した国の一つである。現在、米国債保有高が1211億ドル(1月末)であるから、半分程度の貸出を受けられると計算している。先に、米国との為替スワップで600億ドルの資金調達が可能になっている。これで、当面のドル資金対応は出来上がった印象を与える。

     

    「セルコリア」の危険性が存在する以上、油断できない状況がつづくと指摘する外国人投資家発言が出てきた。世界的な混乱において、最初に売られるのが韓国の株式や債券であるというのだ。

     

    『中央日報』(4月1日付)は、「外国人投資家の韓国売りは続くだろう、押し寄せる2次衝撃に備えを」と題する記事を掲載した。

     

    TCKインベストメントのオハド・トポー会長が、本当の危機はまだ始まっていないと警告した。先月30日の中央日報とのメールインタビューでだ。トポー会長は新型コロナウイルスによる影響が前方産業を超え後方産業にも伝わる2次衝撃が近く押し寄せるものと予想した。トポー会長はイスラエル出身の投資家であり企業家だ。世界的投資家であるオークツリーキャピタルのハワード・マークス会長と共同で2012年にTCKインベストメントを設立した。以下は一問一答。



    (1)「(質問)
    欧米など主要国で超大型景気浮揚策とゼロ金利政策を展開し市場はしばし安定を取り戻したようだ。

    (答え)韓国は2カ月以上にわたり新型肺炎と戦った。米国と欧州はこれからが始まりだ。現在、新型肺炎による企業の影響は前方産業(完成品産業)で主に現れている。前方産業を超えて部品や素材を提供する後方産業にまで影響が伝えられるのを『2次的影響』と呼ぶ。ほとんどの国が即時的な影響を防ぐことにだけ集中しているためまだ2次的影響にまで気を遣えずにいる。実体経済の不況がまだ表面化していないため市場もまだこの部分を反映していない。2次的影響がくれば多くの企業が倒産したり流動性危機に陥ることになるだろう。解雇と失業に関するニュースが出始めたのを見ると2次的影響が近く始まるのではないのか心配だ。きょうにでも世界的に良く知られた企業が不渡りを出したというニュースが伝えられるかも知れない。金融市場は大きな衝撃を受けるだろう」。

    現状は、世界不況の第一波が現れたに過ぎない。前方産業(完成品)に影響が出ているだけだ。これから、後方産業(部品や素材産業)に影響が出る。これは、2次的な影響である。この段階では、多くの産業で流動性危機が表面化する。ピラミッドに喩えれば、頂点が前方産業である。それ以下は、後方産業でありサービス産業も含まれる。FRBが、米国債を担保にドル貸出に応じるという緊急体制を取ったことの背景を忘れてはいけない。

     

    (2)「(質問)2008年の金融危機と比較するなら。
    (答え)新型肺炎を迎えた各国政府は実体経済を『シャットダウン』するという措置を断行した。にぎわっていた通りは人の姿がまばらになり工場稼動も中断された。戦時状況と似ている。コロナ問題はこれまでの危機とは明らかに違ったスタイルを帯びている。経済に及ぼす悪影響ははるかに深刻かもしれない。現在のような状況がさらに数カ月持続するなら米国の国内総生産(GDP)は歴史上最も急激な下落を経験することになるだろう。現在の市場の資産価格は今後約6カ月程度の経済活動予測値だけを反映している。最悪の状況にまで備える姿勢が必要に思われる」

    これから訪れると予想されている世界不況は、従来型の経済危機や金融危機と状況が異なる。人間が街から消えたという都市封鎖である。戦時中と同じ感覚で捉えるべきだろう。この見解は、私も同じである。戦争は人命を損ねる。新型コロナウイルスも、人命を奪う点で全く同じである。経済活動のストップは、従来型の不況と完全に異なる危機である。

     

    (3)「(質問)韓国経済と金融市場は今後どのように動くだろうか。
    (答え)2008年の金融危機当時に韓国の株式市場から500億ドル以上の外国人投資資金が離脱した。その時と3点が似ている。第1に、世界的な消費萎縮で特に輸出国の大きな影響が予想される。第2に、サプライチェーン崩壊で韓国のような国が特に大きな打撃を受けかねない。第3に、海外年金基金などグローバル投資家が韓国市場を離脱し韓国株と債券の価格は下方圧力を大きく受けるだろう。外国人は世界的経済危機の中で相対的にリスクが高い資産を先に売ろうとし、韓国株と債券がまさにその対象になる恐れがある。実際に最近、韓国金融市場の変動性はとても高かった。外国人のウォン建て資産売りは続く可能性が大きいようにみられる」

    2008年に韓国で起こった点が今後、起こると見られるのは、次の3点である。

    第1に、世界的な消費萎縮で特に輸出国の大きな影響が予想される。

    第2に、サプライチェーン崩壊で韓国のような国が特に大きな打撃を受けかねない。

    第3に、海外年金基金などグローバル投資家が韓国市場を離脱し韓国株と債券の価格は下方圧力を大きく受けるだろう。

     

    以上3点についてコメントをつけたい。

    第1;韓国の輸出依存度は、工業国では台湾に続いて2位の高さである。

    第2:輸出依存度が高いことは、世界のサプライチェーンと深く関わっている。部品や素材の供給を受けるためだ。

    第3:世界不況=輸出減少という構図下では、韓国経済のダメージが最も大きい。それゆえ、韓国株式や債券の売却は当然の現象である。

     

    韓国経済は、「限界経済」というイメージだ。グローバル経済と言えば、華々しく聞える。だが、国内市場は5000万人という状況で輸出をテコに成長してきた経済である。世界の風向きが台風に変われば、最初にして最大の影響を受ける宿命である。その点の認識がなく、「晴天」を前提に経済運営をしてきた咎めが、一気に表面化する脆弱構造である。その上、反日が専売特許となっている。日本との関係悪化が、従来にない「悪条件」として加わる。


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    新型コロナウイルスに感染し、退院後も安心は禁物である。韓国では、10人余の再陽性者が出ている。日本でも、再陽性者が報じられているように、従来にない感染症の症状を見せている。新型コロナウイルスでは、遺伝子を組み換えられているという分析もあるように、従来型の野生動物から単純に人間へ感染したコロナウイルスでないのかも知れない。

     

    再陽性者は、再感染のケースと、体内に残っていたウイルス菌が再活性する二つのケースがあるという。「はしか」は抗体ができれば一生維持されて免疫性がつく。新型コロナウイルスでは、再感染するケースがあるのか。治療側にはまた、頭痛の種が増えている。

     

    『中央日報』(3月31日付)は、「韓国、新型肺炎完治者5000人超えたが相次ぐ再陽性」と題する記事を掲載した。

     

    新型コロナウイルスによる肺炎で再度陽性反応が表れる事例が相次いでいる。隔離解除判定を受け退院してからいくらも過ぎずに体内で再びウイルスが確認されるものだ。専門家らはこうしたケースの伝染性は低いとみるが、完治者が5000人を超えているだけに退院後も最小2週間隔離すべきと主張する。疾病管理本部中央防疫対策本部が31日に明らかにしたところによると、当局が現在までに把握した再陽性の事例は全国で10件以上だ。



    (1)「中央防疫対策本部の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)本部長は3月29日の会見で「韓国だけでなく他の国でも隔離解除や症状が改善してから再び陽性反応が出る事例が報告されている。韓国でも10例以上報告されている状況」と明らかにした。
    隔離解除後に再度陽性反応が出た最初の事例は2月29日に出てきた。当時京畿道始興(キョンギド・シフン)の70代の患者が退院から5日後に軽微な症状があるとして保健所に自主的に申告し、翌日陽性判定を受けた。最近では金浦(キンポ)で17カ月の子どもが両親とともに一度に再陽性反応が出た」

     

    退院後、再陽性化するケースが10例以上も出ている。その原因を巡って、医療側が頭を悩ませている。新型コロナウイルスは、肺にまで達するという症例から見て、従来にないウイルスとされている。それだけに、治療側は患者の重篤化を防ぐことがまず、治療の第一歩と指摘している。


    (2)「保健当局は再陽性反応が出るたびに新たにウイルスに感染する「再感染」より、体内に残っていたウイルスが増殖する「再活性化」にウエイトを置いている隔離解除前のPCR検査では有意味な陽性反応を見せなかったが、退院後に免疫力などにより抑制されていたウイルスの量が増えることがあるというのが専門家らの説明だ。大邱市(テグシ)感染病管理支援団のキム・ジョンヨン副団長は3月21日に大邱で退院5日後に再び陽性反応が出た30代の女性と関連し、「(ウイルスの)数値が一定基準以下に下がれば陰性と判定する。この患者は数値が下がってから再び上がった事例とみている」と説明した」

     

    現状では、再陽性の原因が「再感染」よりも「再活性化」にウエイトを置いているという。「再活性化」となれば、完全にウイルスを撲滅できず、体内に残っていたことになる。PCR検査の限界でもあろう。目下、開発中の血液による抗体検査では、こういう「再活性化」という事態を防げるのか。専門家に聞いて見たいものだ。

     


    (3)「これに先立ち、2度目の陽性反応が出た京畿道始興の70代女性の主治医である盆唐(プンダン)ソウル大学病院のキム・ウィソク感染内科教授も、1日の中央臨床委員会の記者会見で「ウイルスが抑制されていたが患者の免疫力低下や高齢という理由から再発した可能性を考えてみなければならない」と話した。
    再感染はこれとは違い、体内のウイルスが全滅した状態で新たに感染源にさらされて再び感染するものだ。普通感染症は一度感染すると抗体ができ再びウイルスが浸透した時の再感染を防ぐ。はしかは抗体ができれば一生維持される」

     

    再活性化は、患者の免疫力低下や高齢という理由で、症状が「ぶり返す」もの。再感染は、新たな感染源に晒されて起こる感染である。アイスランドのメディアによると、このほど同国で新型コロナウイルスの陽性反応が出た患者が、2つのウイルスに同時に感染したことが確認された。2つ目の菌株は、新型ウイルスが突然変異したものだという。これは、本日の別のブログ(米国、「コロナ総力戦」政府はスパコン共同体立上げ、研究者を結集「成果は明るい」)で取り上げた。突然変異が起こっているとすれば、治療は難儀するだろう。

     

    (4)「高麗(コリョ)大学九老(クロ)病院のキム・ウジュ感染内科教授は「新型肺炎の場合さまざまな研究を通じ感染後1週間ほどで免疫グロブリン抗体(IgM、IgG)ができることがわかった。2週間後にはほぼ90%で抗体ができる。しかし免疫低下者や高齢層の場合、抗体がうまくできないこともあり再感染の恐れがある」と説明した。これと関連して鄭銀敬本部長は「ケースごとに深層分析をして検討しなければならない。個別臨床的な研究水準で進めなければならない状況とみて早い時期に検討するようにしたい」と説明した」

     

    下線部分は、重要な指摘である。「免疫低下者や高齢層の場合、抗体がうまくできないこともあり再感染の恐れがある」という。高齢者で免疫力低下の人は、危険という結論になる。

     


    (5)「再活性化であれ再感染であれ、カギは再び陽性となった人たちの伝染性だ。キム・ウジュ教授は「研究が必要だが、中国で報告されたものによると再感染者の伝染性は非常に低い。しかしまだはっきりと明らかになっていないだけに再発事例をモニタリングし、2次、3次感染が生じないか綿密にチェックしなくてはならない」と話した。
    再陽性の事例が出てきたことで専門家らは退院後も2週間ほど隔離を維持すべきと助言する。当局もこうした意見により現在発病後3週間まで自宅隔離するよう指針を変更すべきか検討している」

    再陽性者が出始めたことは、新たな感染者を防ぐ意味で、退院後も2週間ほど隔離の必要があると指摘している。新型コロナウイルスは、罹っても大したことないと高を括っている人がいるとすれば、大間違いであろう。退院後も2週間ほどは外出禁止措置が取られかねない事態になってきた。

     

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    米国政府がが、国威をかけ「飛び火」してきた新型コロナウイルスへの研究体制を整えた。世界大戦並みの「挙国体制」をつくって、早期の成果を目指している。「世界各国政府は、新型コロナウイルスと戦い、流行を抑制しようと奮闘している。こうした努力は重要だが、世界が最も期待しているのは、民間のイノベーションだ。最先端の診断検査と治療方法の開発が進んでおり、政府はこうした流れを支援すべきだ」(『ウォール・ストリート・ジャーナル』(3月30日付社説)という主張に答えるものだ。

     

    『大紀元』(3月31日付)は、「米政府、新型ウイルス対策のためにスパコン共同企業体を立ち上げ」と題する記事を掲載した。

     

    米国政府は3月23日、「COVID-19ハイパフォーマンス・コンピューティング・コンソーシアム」の発足を発表した。これにより、研究者は米国内のスーパーコンピュータへアクセスし、新型ウイルスとの戦いにおいて科学的発見のペースを大幅に上げることができるようになった。

     

    声明によると、この新しいコンソーシアム(共同企業体)は、ホワイトハウス、米エネルギー省、IBMが主導しており、マイクロソフトやグーグルなどのほか、NASAや国立科学財団などの連邦機関も参加している。新型ウイルス研究のため、無料のコンピューティング時間と機器を提供しているという。

     

    (1)「米国の最高技術責任者 (US CTO)であるマイケル・クラツィオス氏は、「アメリカはCOVID-19(新型コロナウイルス)と戦うために団結しています。つまり、治療とワクチン開発の科学的研究を迅速に進めるために、世界レベルのスーパーコンピュータをフルに活用するということです。我々は、トランプ政権の全米対応の一環として連邦政府に参加している民間部門及び学術界のリーダーに感謝します」と述べた。研究者は、COVID-19関連の研究提案書をオンラインポータルによってコンソーシアムに提出することができる。その後、パートナー機関のコンピューティング機器が割り当てられる。最高レベルの科学者とコンピュータ研究者で構成される専門委員会が提案者と協力して、最も即効性があるプロジェクトを迅速に評価し、強力なコンピュータが割り当てられる」

     

    この方式は、かねてから最も効果的な研究方式として推奨されている。研究者が、単独で研究を進めるより、コラボすることで数倍の成果が得られるとされている。「最高レベルの科学者とコンピュータ研究者で構成される専門委員会が提案者と協力」という形で、研究を促進する。不幸にも、新型コロナ感染者が増加したことで研究対象が増えているので、これが新薬開発のテコになる。かつて、WHO(世界保健機関)事務局長が、「世界に蔓延すれば新薬などが開発される」と発言していた。今、そういう状況が生まれてきた。

     

    (2)「コンソーシアムを通じて利用できる洗練されたコンピューティングシステムは、バイオインフォマティクス、疫学、分子モデリングに関連する膨大な計算を処理し、ウイルスがどのように動き、どのような脆弱性を有するかを正確にシミュレーションすることができる。これにより、それほど強力でないコンピュータや手作業で計算するのに数週間から数ヶ月かかっていた新型ウイルスに関する複雑な問題を、数時間から数日で理解できるようになる。合計16台のスーパーコンピュータが使用され、プログラム命令を読み込んで実行する77万5000個のCPU(中央処理装置)コアと、CPUと連携して大量のデータを含む計算を高速化する3万4000個のGPU(グラフィックス処理装置)を備えている」

     

    このパラグラフを読めば、米国が文字通り、「世界大戦」同様の総力戦で取り組む姿勢が浮かび上がってきた。スパンコンを利用するので、コンピュータや手作業で計算するのに数週間から数ヶ月かかっていた新型ウイルスに関する複雑な問題を、数時間から数日で理解できるようになる。これは、時間との勝負を強いられている新型ウイルス対策の決め手になろう。

     


    (3)「IBMによると、テネシー大学とオークリッジ国立研究所の医学研究者たちは、すでに世界最強のSummitスーパーコンピュータを使って8000種類の化合物をスクリーニングし、新型ウイルスの主要な「スパイク」タンパク質に結合する可能性が最も高い化合物を見つけ出したという。その結果、新型ウイルスのヒト細胞への感染能力を弱める可能性のある77種類の有望な化合物を特定することができた

     

    スパンコンを使って、8000種の化合物から新型ウイルスに効果がある有望化合物77種類の絞り込みに成功したという。この調子で行けば、成果が期待できるだろうか。

     

    喫緊の課題は、無症候キャリア(感染しているが陽性でない者)を早く探し出して隔離することである。これに成功すれば、ひとまず感染者の増加に歯止めをかけられる。そこで、次のような提案が出ている。

     


    (4)「
    FDA(米食品医薬品局)は、バイオ技術企業バイオメリカの指先採血型血液検査のファストトラック(優先承認)審査をすべきだ。この検査はわずか10分で結果が判明するほか、感染したばかりで無症状であっても感染の有無が分かる。これにより、空港や職場、学校などで、せきや発熱がなくても感染を広げる可能性のあるコロナウイルスのキャリアを特定できる」(ウォール・ストリート・ジャーナル)(3月30日社説)

     

    これは、血液抗体を検査する作業である。日本では、横浜市大が開発したので早ければ、今夏にも試薬が登場する予定だ。コロナウイルス感染の検査では、決定版とされている。早く感染拡大を止めないと、新型コロナウイルスの変種出現の機会を増やすリスクが増える。その危険性が現実になってきた。

     

    『大紀元』(3月31日付)は、「新型ウイルス、アイスランドで二重感染者が確認 ウイルスが突然変異」と題する記事を掲載した。

     

    アイスランドのメディアによると、このほど同国で新型肺炎(COVID-19、新型コロナウイルス)の陽性反応が出た患者が、2つのウイルスに同時に感染したことが確認された。2つ目の菌株は、新型ウイルスが突然変異したものだという。

     

    (5)「アイスランド誌『レイキャビク・グレープバイン』電子版は3月24日、レイキャビクに本社を置くバイオ医療品会社、deCODE Geneticsの創設者で最高経営責任者(CEO)のカリ・ステファンソン氏の話を引用して報道した。同社は、アイランドで発見された新型コロナウイルス40株の遺伝子配列を分析した。ステファンソン氏は3月23日、アイスランド国営放送(RÚV)の取材に対して、遺伝子配列の分析から突然変異が見つかったと述べた」

     

    新型コロナウイルスで、変種が出てきたのは脅威である。前記の同誌は、「時間が経つにつれ、ウイルスは変異して、感染力を増していく可能性がある」との見方を示した。しかし、神経学者でもあるステファンソン氏は、偶然性を示唆しながら、「変異したウイルスがより致命的であるかもしれない」として研究を続ける必要があるとの見方を示した。ステファンソン氏は、国際データベースにおいて、二重に感染した患者者から採取した検体で突然変異を発見したのは、世界で初めてだとしている。まさに、時間との勝負になってきた。

     

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