勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。


    韓国は不思議な存在である。慰安婦・徴用工と日韓関係を根本から揺るがす問題が起っている一方で、「日韓海底トンネル」建設に62%もの賛成があったという。この問題は、10年前から日韓双方の一部関係者が、細々と研究してきたテーマである。

     

    これまで韓国では、海底トンネルについて「国民感情」から賛成しないというのが多数であった。それが、韓国経済沈滞ムードの中で、「頼る先は日本」という考えが強まったと見られる。日本としては、日韓の海底トンネルを掘っても採算が採れるのか不明。何よりも、韓国に「国民感情」あれば、日本にも「国民感情」があることだ。「謝罪しろ」「賠償金をさらに払え」という韓国に対して、いかなる反応するのか。

     

    日韓海底トンネル建設に熱心なのは、韓国の釜山市である。日韓併合時代は、朝鮮半島の玄関口であり、商業的にも大いに発展した。太平洋戦争後は、船による日韓の往来も減ってしまい往事の面影を失っている。だから、「夢よもう一度」で日韓が海底トンネルで結ばれれば、釜山が玄関口として復活するという思惑であろう。

     

    釜山市が、こういう遠大な夢を持っているにしては、日本への対応は落第である。駐韓日本領事館近くに慰安婦少女像を建てている。釜山市長が「責任放棄」で少女像を認めてしまったもの。釜山市は、都合のいい時だけ日本を利用する。そういう魂胆が見え見えである。

     

    『中央日報』(12月18日付)は、「韓日海底トンネル、韓国人62%必要」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓日海底トンネルの建設について韓国の国民の60%以上が必要だと考えていることが調査で分かった。釜山大のチョン・ホニョン教授(都市工学科)は17日、釜山商工会議所で社団法人『韓日トンネル研究会』創立10周年記念行事の一環として『韓日海底トンネルに関する国民意識調査の結果分析』というテーマで開かれた第4回韓日海底トンネルラウンドテーブルで、『全国民標本のうち62%、釜山市民標本のうち63%が“韓日海底トンネルが必要”と回答した』と発表した」  

    釜山市民の63%が、日韓海底トンネルは「必要」だと答えている。韓国から見た日本は、経済が順調に発展しているように見える。その日本と、海底トンネルでつながれば経済的なメリットを受けられる。そういう思惑であろう。

     

    (2)「アンケートでは、次のような項目を調査した。『韓日海底トンネルが必要な理由』は、『韓日間の活発な交流のため』という回答が最も多かった。一方、『海底トンネルが必要でない理由』は、全国民標本の調査で『経済的な効果が少ない』が、釜山市民標本の調査では『日本との歴史・文化的問題が複雑なため』が最も多かった。ソ・ウィテク韓日トンネル研究会共同代表は開会のあいさつで、『今日のこの時代は地球村時代であり、国境の障壁を取り払ってお互い隣人のように暮らすのが地球村の本当の意味であるはず』とし、『韓日トンネル研究会は韓日間の国民感情を解決して一つに結ぶための基礎を築くという覚悟と信念を持ってこれを持続的に推進していく』と述べた」

     

    韓国側でも反対論は、「日本との歴史・文化的問題が複雑なため」を上げている。だが、こういう反対論はあるにせよ、賛成論が釜山市民の63%もある。賛成多数という裏には、落込む韓国経済回復のテコにしたいのであろう。

     

    『中央日報』(2017年1月13日付)は、「釜山市、3月から『韓日海底トンネル』妥当性を研究」と題する記事を掲載していた。

     

    これは過去、韓国側が日韓海底トンネルに期待していた事実を示している。日本側ではこの問題について、時の総理が言及することはなかった。日本国内に建設プロジェクトが山ほどあったので、採算性が不明なプロジェクトに関心を持たなかったのであろう。過去の経緯を知る上で参考になるので掲載する。

     

    (3)「韓日海底トンネルの話は日本による植民地時代から出ていた。1920年に日本陸軍参謀本部が大陸進出通路として対馬トンネルの建設を取り上げたのが出発点だ。日本の侵略野心から始まっただけに光復(解放)後はしばらく韓日海底トンネルには言及されなかった。再びこのイシューが水面上に浮上したのは1981年。統一教の文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁が『第10回統一に関する国際会議』で国際ハイウェイプロジェクト構想事業の一環として韓日海底トンネルを提案した」

     

    (4)「その後、盧泰愚(ノ・テウ)・金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で日本訪問や韓日首脳会談で韓日海底トンネルに対する前向きな発言があった。この過程で日本側の日韓トンネル研究会と韓国側の釜山発展研究院が路線などに関する研究もした。しかし韓日感情から反対の声も多く、海底トンネル事業には弾みがつかなかった。賛成側からは、『釜山と日本が海底トンネルでつながれば両国間の人的・物的交流が活発になり、両国ともに経済的な利益が大きい』と主張する。一方、反対側は『釜山に比べて経済力8倍、面積6倍、人口1.4倍の九州に釜山経済が吸収される、いわゆる“ストロー効果”が避けられない』という論理を展開している」
     
    (4)「こうした中、徐秉洙(ソ・ビョンス)釜山市長は2014年の選挙当時、西釜山開発プロジェクトに海底トンネルの必要性を提案した。そして『西釜山グローバルシティグランドプラン』を公開し、実行課題の一つとして海底トンネル建設に言及し、海底トンネル問題がまた議論されている状況だ。釜山市の関係者は、『韓日海底トンネルは経済的な側面で有利か不利かはさておき、国民感情の問題が大きく作用する事業』とし、『ひとまず海底トンネル建設が釜山にどんな影響を及ぼすかという点から確認するという側面で研究を始める』と説明した」

     

    昨年1月、釜山市は市を挙げてこの海底トンネルの是非について議論してきたのだろう。その結果、63%もの賛成者が出てきたのだ。今後、韓国経済が左前になればなるほど、日韓海底トンネル問題が俎上に上がる気配である。

     

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    昨日18日は、中国にとって改革開放40年の記念すべき日である。習近平国家主席は90分にわたる大演説をした。主旨は、党の主導で今後も改革を勧めるというもので、具体策は聞かれなかった。

     

    本来ならば、「おめでたい日」であるはずだが、中国は四面楚歌に陥っている。次世代通信網5Gの導入で、先進国が相次ぎ中国通信機メーカー・ファーウェイ製品の導入拒否を決めたからだ。米国のほか、豪州・ニュージーランド・日本・英国・ドイツに続き、新たにフランスとインドも拒否の意思を示した。理由は、後で取り上げる。

     

    改革開放の40年で中国経済を取り巻く状況は一変した。これまでは、中国市場への参入目的で、各国は中国の無理な要求にも応じてきた。だが、もはやそれも限界とばかり、「ノー」とはっきり言い出している。その一つが、世界最大通信機メーカー・ファーウェイ製品の導入拒否である。

     

    ファーウェイ製品には、「バックドア」が仕組まれており、情報が北京へ筒抜けになる疑念が強まっている。次世代通信網5Gは、4Gに比べて100倍の速度とされる。情報筒抜け疑惑だけでなく、軍事面で多大の脅威にさらされるという。中国人民解放軍の指示で、「5G基地局」が遠隔操作されれば、軍事作戦が不可能になると指摘されているのだ。こうなると、中国は居ながらにして敵陣の粉砕が可能になる。ファーウェイ5Gは、導入国にとっては恐るべき「凶器」に変るという。この指摘は米国政府のものだ。米国は、同盟国に安全保障対策で同一歩調を取ることを要望している。

     

    『大紀元』(12月18日付)は、「インド通信担当、ファーウェイ機器の輸入禁止を安全保障担当へ要請」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「インドのメディア、『ビジネススタンダード』(1217日付)によると、通信当局のインド設備サービス輸出入促進委員会はこのたび、ファーウェイ機器の輸入制限を求め、政府の安全保障顧問Ajit Doval氏へ書簡を送付したと述べた。インド通信当局は20189月、ファーウェイとZTEが、同国内で5Gの試験運用を行ったり、同国企業と業務を提携したりすることを禁止した。専門家は、日本やオーストラリア、インドなど米国を中心とした同盟国に排除されているファーウェイは、次世代通信網5Gの市場競争で勢いを失うと予想する」

     

    インドは、かねてからファーウェイ製品に疑念を持っており、通信機の組み立てでは、インド政府係官が立ち会うというほど厳しい態度で臨んできた。だが、「バックドア」という秘密のソフトを忍ばされたらお手上げである。こういう疑惑100%企業の通信機は、導入しないことが最大の安全策である。

     

    『レコードチャイナ』(12月18日付)は、「西側諸国はファーウェイ包囲網を狭めている」と題する記事を掲載した。

     

    (2)「中国メディア『参考消息』(12月16日付)は、西側諸国がファーウェイ包囲網を狭めていると伝えた。記事は、『ファーウェイの米国での戦いは、創始者の娘も巻き込んだが、新たな戦線がまた出現した。それはフランスだ』と紹介。米ブルームバーグ・ニュースは、『米国、日本、オーストラリア、ニュージーランドが中国のネットインフラ製品を禁止し、ドイツが審査を強化したのに続いて、フランスもファーウェイに対する非友好的な境地に入りつつある。フランスはファーウェイを禁止していないが、電信ネットの重要部品で予防措置をとるフランスでは、“高度警戒”リストを加えることを検討している。このリストはファーウェイを対象にしている』と伝えた」

     

    中国のスパイ活動は、「天下一品」である。所かまわず不正行為を働くのは、GDP2位の国家がやることでない。先進国が、こういう節度のない国家の製品、とりわけ通信という基幹部分を中国政府に握られる危険性の回避は当然であろう。

     

    (3)「フランスの通信大手オレンジのステファン・リチャード最高経営責任者は、13日にテレビ局の取材に応じ、次世代通信規格『5G』の中核ネットワークでファーウェイ製品を使用しない方針を示した。『フランス当局が慎重に物事を行うよう求めているから』だという。また、フランスの他の通信2社も、国家情報システム安全局による5G供給業者に対する指示に留意することを示しているという」

    通信網は、安全保障政策の根幹をなす。その根幹部分に、疑惑の多い国の製品を導入するはずがない。これは常識であろう。中国政府が、先進国から信用されていない証拠である。

     

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    中国は、国家も個人もルール違反が常態である。中国政府は、屁理屈を付けて横車を押す。個人も交通ルールを守らず、事故多発である。外交と交通は、ルール無視という点で全く同じことをやっている。交通事故は、自分の生命に累が及ぶ。外交もしかりだ。米中貿易戦争は、まさに中国政府のルール破りへの制裁である。

     

    『サーチナ』(12月18日付)は、「日本で交通死亡事故が少ない理由、中国人としては考えさせられる」と題する記事を掲載した。

     

    世界最大の自動車市場となった中国では交通死亡事故が多発していて社会問題となっている。中国より自動車普及率と人口密度の高い日本で、交通死亡事故の発生率が非常に低いことに、多くの中国人は驚くという。中国メディア『快資訊』(12月15日付)は、日本で交通死亡事故率が低い理由について紹介する記事を掲載し、その理由に「考えさせられる」と伝えている。

    (1)「記事はまず、日本の国土は中国より遥かに小さく、人口密度も高いが、交通死亡事故の発生件数は増えておらず、むしろ減少傾向にあると伝えた。続けて、交通事故の件数に占める死亡事故の割合が日本は約0.77%であるのに対して、中国は約6.2%と非常に高く、それだけ交通死亡事故が多発していることを強調した」

    中国の交通事故の件数に占める、死亡事故の割合は日本の8倍である。これは驚きである。中国ではいかに無謀運転を行なっているかの証拠だ。赤信号でも平気で進入する例は、テレビデでもお馴染み。私も上海で経験したが、青信号で歩道を渡るときも警戒が必要で、集団で渡るように注意していた。一人で渡っているときは、車に突っ込まれる。絶対に避けなければならないケースである。

     

    (2)「なぜ日本において交通死亡事故は少ないのだろうか。記事は、それには多くの点が関係しているとしつつ、要約して言えば『日本人が交通ルールを厳格に守っている』ということに尽きると指摘。ハイテク製品などに頼っているわけではなく、非常に基本的かつ簡単なことが悲惨な事故を減らしていることを強調し、中国人としては『考えさせられるのではないだろうか』と論じている」

     

    人も車も、ルールを守る。これが、交通事故を防ぐ鉄則である。中国人は古来、ルールを守らない国である。つまり、大袈裟に言えば「法治国」でない結果が、交通事故死を増やしている理由であろう。

     

    汚職・交通事故多発・人権弾圧・身勝手な外交戦術、これらすべての原因は「法治国」でない悲しい現実に帰着するはずだ。中国は、4000年の歴史を自慢している。それは、近代化というプリズムを通してみれば、「歪みの姿」に見えるだけだろう。建国(1776年)後242年の米国に、貿易戦争で押しまくられている。歴史の浅い米国が、古い歴史の中国に対し「教訓を垂れている」姿は、中国として恥としなければなるまい。

     

    (3)「中国では交通ルールを守って生活している人は非常に少ないのが現状だ。信号を無視する人は日常茶飯事で、スマホの画面を見たり、携帯電話で通話しながら運転している人も非常に多く、本当に運転免許証を取得しているのか疑問に思うようなドライバーも多い。日本の交通死亡事故の発生件数が減少している背景には様々なことが関係しているだろうが、基本的なルールを皆が守っていることが大きな要因であるのは間違いない」

     

    結局は、中国の民度の低さが原因とされよう。未だに、未開の政治制度の独裁政治に甘んじている国民である。そのことを再認識すべきだ。独裁が、4000年も続いている国は希有である。シーラカンスそのものである。

     

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    文大統領を取り巻く政治的な環境は、日一日と厳しくなっている。経済状況の悪化が、支持率を引下げており、それに呼応して野党が足並みを揃えて「反文派」を結成して動き出した。これまでの高い支持率で動けなかった「反文派」が、まず脱原子力禁止政策をめぐって、100万人署名活動に入っている。出だしは順調で、3日間で7万人を上回る署名を集めた。

     

    文政権は、経済政策で見直しをするような動きを見せ始めた。このまま動かずにいれば、政権はじり貧に追い込まれる。韓国「紅衛兵」、労組や市民団体の鼻息を窺っている余裕がなくなってきた証拠だ。

     

    『朝鮮日報』(12月18日付)は、「文在寅政権の経済政策に変化の兆し、独善は禁物」と題する社説を掲載した。

     

    (1)「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任後初めて開いた拡大経済閣僚会議で、『最低賃金引き上げ、労働時間短縮といった新たな経済政策は国民の共感を得て推進することがとても重要だ』と述べた。『必要があれば、補完装置も共に講じるべきだ』とも語った。所得主導成長論で国家経済を実験室扱いし、多くの副作用を生んでから17カ月がたったタイミングだ

     

    年末になれば、最賃大幅引上の効果が出て景気は良くなる。文大統領はこう言い続けてきた。それが、ついにその旗を降ろさざる得なくなっている。だが、この「誤謬学説」に未練があるようで、スッパリと切り捨てる勇気まではない。文氏自身が、経済についての知識がない結果だ。それは、北朝鮮の「チュチェ思想」に染まっている当然の帰結であろう。

     

    (2)「経済副首相は難局に陥った経済の解決策を企業投資の拡大に求めると報告した。当たり前のことがニュースになるのが現政権だ。来年8月に期限切れを迎える企業活力法(ワンショット法)は民主党が野党だった時代に「財閥優遇法」だとして反対したものだが、これを5年間延長することを決めた。朴槿恵(パク・クンヘ)政権が政府系企業に導入した成果年俸制は白紙化するが、来年から公共機関に職務給を導入する主要国が開放している「ウーバー」「エアビーアンドビー」などのサービスに対する規制も緩和するという。文大統領は依然として所得主導成長を唱えるが、同日の会議は政府がようやく変化するシグナルのように思えた」

     

    朴槿惠政権が導入した「企業活力法」も5年間の延長を決めたという。本来なら、廃止したい法律だろうが、それをやれば韓国経済はさらに落込み、政権の首を締める。これを恐れたのだ。支持率低下とは、これほどの効果がある。頑迷な文政権が、支持率を上げるためなら恥も外聞もない、というところまで追い込まれている。来年から公共機関に職務給を導入する、という。労組の反対を押し切る構えである。当たり前の職能給すら採用できなかった。韓国「紅衛兵」の凄まじい破壊力を示している。

     

    (3)「文在寅政権は過ちの認定と政策修正に消極的だ。しかし、国民のためには独善は何の役にも立たない。実際に変わろうと決心したならば、来年の最低賃金の2桁台の引き上げと現実にそぐわない労働時間の週52時間上限制について、国民が実感できる対策を示すべきだ。同時に、無理がある政策の代表格である非正社員ゼロ、暴力的な全国民主労働組合総連盟(民主労総)に対する過保護、脱原発などでも変化を見せるべきだ。まずは設備更新に7000億ウォン(約700億円)もつぎ込んで稼働を中断した月城原子力発電所1号機の再稼働でも宣言すれば、雰囲気は大きく変化するはずだ」

     

    ここで指摘されている問題点が、韓国経済にとって大きな圧力をかけてきた。ただ、文政権が掲げた旗印の政策ばかりである。これらを撤回したならば、「名を捨てて実を取る」典型例になろう。文氏が真の政治家になるのか、単なるポピュリストだったのか。その正体を国民に見せる機会となろう。

     

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    きょう12月18日は、鄧小平が中国経済の近代化開始を宣言した記念すべき日である。あれから40年経ったが、この間、経済改革路線は進んだろうか。「民進国退」と言って、民営企業中心の経済構造を目的にしたが、習近平氏の国家主席就任で逆転した。「国進民退」に変ってしまった。一人の指導者の交代で、あっさりと経済政策が変更になる。独裁国家の恐ろしさをまざまざと見せつけている。

     

    「国進民退」の理由は、習氏が「紅二代」で革命時の共産党幹部子弟ゆえに、彼らの権益確保には、国有企業中心の産業構造でなければならないのだ。こういう、私的な理由で、中国の経済政策が転換された。現在起っている経済危機は、国進民退に伴い、経済の計画化が進められ、市場主義を抹殺した結果である。不動産バブルは、市場経済化を封じられた不可避的な現象である。極論すれば、習氏の恣意的経済政策がもたらした歪みである。

     

    中国の直面する経済危機は、どのようにして解決するか。経済改革派は、これまで習氏の豪腕で沈黙を余儀なくされてきたが、習氏の権威が揺らいでいる結果、自由に語られるようになっている。この面でも、習氏の権力が後退していることを窺わせている。

     

    『ロイター』(12月14日付)は、「改革開放40年の中国、米中貿易戦争で変革促す声高まる」と題する記事を掲載した。

     

    (1)米中貿易戦争により、中国の起業家や政府顧問、シンクタンクから、世界2位の経済大国である自国の改革を加速させ、国から抑制されている民間セクターの開放を求める声が強まっている。こうした変化を求める声は、中国の重要な記念日を控えて、一段と高まっているが、政府が主な政策を変更する兆しは見られない。当時の指導者だった故トウ小平氏が「改革開放」を開始してから18日で40年を迎える。一連の画期的な資本主義的実験によって、同政策は中国の大半を貧困から脱却させ、経済大国へと変貌させた」

     

    習近平氏は、鄧小平を高く評価していないと指摘されている。深圳にある『鄧小平博物館』は、開館当初は、鄧小平の業績を全面に飾った。だが、なぜかリニューアルして、習近平氏関連の展示物を前面に出す小細工をして批判を浴びている。これは、習氏が鄧小平の業績を超えたという自負によるものだという。だが、習近平氏は鄧小平を超えたかどうかは、今後の実績次第だ。時期尚早と言うべきである。習氏が、鄧小平を好かない理由は、彼の亡父と鄧小平が不仲だったという説がある。これが事実とすれば、「習近平は小物」である。

     

    (2)「中国は以前から、自国のペースで広大な市場をさらに開放する意向だと明らかにしてきた。今が、その時だと考える政府顧問の数はますます増えており、改革が米国との貿易摩擦を沈静化させるだけでなく、中国経済の長期的向上を確実なものにさせる、と彼らは主張している。米国は中国に対し、産業助成金をやめて国が主導する経済モデルから転換し、自国市場を米国製品に開放し、知財窃盗や強制的な技術移転を取り締まるよう求めている。『米国からの圧力が改革の原動力となるかもしれず、これは中国にとってチャンスとなり得る』と、中国政府のアドバイザーを務める人物はロイターに語った。『中国に対する圧力はとても大きく、われわれは長期的な準備をすべきだ』と」

     

    中国の改革派は、完全に息を吹き返している。自由にロイター記者に見解を述べていることに驚くのだ。習氏は、こういう発言を禁じてきた。それが、解禁されているのは、習氏の権力後退を示唆している。

     

    中国の改革派は、米国の要求に半ば同意していることに注目すべきだ。米中交渉が、米国の完全勝利であるという私の判断の根拠は、こういう中国改革派の意見のなかにも見いだせると思う。

     

    (3)「今後の(米中)交渉で合意に至るには、中国は一段の市場開放や助成金の削減、知財保護の改善を含むいくつかの譲歩を迫られるだろうと政府関係者らは言う。だが、中国は自国の競争力に不可欠な産業発展計画を棒に振るつもりはない、と付け加えた。『米国は中国に改革ペースを速めるように求めているが、それはわれわれの利益と一致する』と別の政府顧問は話す。『われわれは市場志向の改革を推進するが、急ぎすぎず、西側モデルを完全にまねるわけではない』と」

     

    中国は自国の競争力に不可欠な産業発展計画を棒に振るつもりはない、と言っている。だが、その根幹たる技術をどこから持ってくるのか。中国が世界覇権意欲を捨てない限り、米国と同盟国の技術封鎖は続く。さらに、中国を西側経済圏から排除する動きは一層、強まるはずだ。中国は世界の孤児になろう。こういう中で、習近平氏の「永久国家主席」など、中国の経済界改革派が、拒否するはずだ。習近平氏による米中貿易戦争「開戦論」は、取り返しのつかない愚行であったことが、ますます明らかになってきた。

     

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