勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    韓国が、日本から「ホワイト国」外しの措置を受けて以来、日本のあら探しに夢中になっている。日本でも北朝鮮やイランなどへの密輸出があるのだから、韓国ばかりを責めることなく、戦略物資輸出規制を緩めるように要求している。箸にも棒にもかからない屁理屈である。

     

    この話は、どこが狂っているのか。法の裏をかこうと思えば不可能ではあるまい。だが、韓国の問題点は、摘発されないでいるケースが多いということだ。戦略物質の輸出量=製品加工という関係が成り立たず、戦略物質の輸出量>製品加工という、行き先不明の戦略物資の多いことが問題なのだ。

     

    韓国は、これを錯覚している。摘発件数の数が、韓国と日本でどれだけ違うかとい優劣比較をしているのだ。問題は、摘発されないケースである。韓国は摘発されたケースを取り上げている。摘発されないケースをいかに潰していくか。それが戦略物資の管理上での要点である。

     

    『聯合ニュース』(7月11日付)は、「戦略物資が日本から北朝鮮に密輸出、韓国議員が日本の資料を引用」と題する記事を掲載した。

     

    韓国野党「正しい未来党」の国会議員の河泰慶(ハ・テギョン)氏が11日、国会で記者会見を開き、過去に日本からフッ化水素などの戦略物資が北朝鮮に密輸出されていたことが日本の安全保障貿易情報センター(CISTEC)の資料で確認できたと発表した。日本では韓国向け半導体材料の輸出管理を強化した背景にフッ化水素などの輸入品を韓国が北朝鮮に横流しした疑いがあるためと報じられているが、河氏は「日本の資料ではむしろ『日本が北にフッ化水素を密輸出して摘発された』と報告している」と指摘した。

    (1)「CISTECは輸出管理問題に関する民間の非営利機関。河氏が紹介したCISTECの資料「不正輸出事件の概要」によると、日本では1996年から2003年まで30件を超える北朝鮮向け密輸出が摘発された。それには核開発や生物・化学兵器の製造に活用できる戦略物資も含まれている。具体的にみると、1996年1月に大阪港に入港していた北朝鮮船舶にフッ化ナトリウム50キロ、2月に神戸港に入港中だった北朝鮮船舶にフッ化水素酸50キロがそれぞれ船積みされた」

     

    1996~2003年という、今から16年以上も昔に摘発されたケースを取り上げている。さも、鬼の首でも取ったような感じだが、これは摘発によって犯罪ルートが確認されたので以後は、二度と同じルートが使えなくなるので抑止効果が働く。

     


    (2)「2003年4月に直流安定化電源3台が日本当局の許可なくタイを経由して北朝鮮に不正輸出され、04年11月には周波数変換器1台が預かり荷物として航空機に積載され中国経由で北朝鮮に輸送された。02年9月に凍結乾燥機1台、08年1月に大型タンクローリーの北朝鮮への不正輸出もあった(タンクローリーの輸出は未然に防止)。これらの品目は核開発や生物・化学兵器の製造に活用したり、ミサイル運搬用に転用したりできる戦略物資だ」

     

    ここでも、02~08年に摘発されたケースである。密輸出を事前に防いだものも含まれている。韓国の議員は、これらが密輸出の「常設ルート」になっているような感覚で日本を批判している。

     

    (3)「河氏は、「韓日関係が最悪になっている状況で、日本は感情的な対応を自制すべきだ。こじつけの主張を続ければ、日本が国際社会で孤立することになる」と述べるとともに、「日本はただちに不当な輸出規制を撤回すべきだ」と求めた」

     

    ここでは、韓国議員に論理の飛躍が見られる。密輸出という犯罪はどこの国にも起こり得る。問題は、その捜査をしっかり行っているかどうかが問われているのだ。韓国では、摘発も捜査もされていない事件が多いと日本側が指摘している。日本が、戦略物資の行方不明部分の調査を依頼しても返事がない。日韓での会合も開かれない。そこで日本が、輸出申請書類を詳しくチェック(最大90日)して、輸出の可否を決めるというのだ。こういう分りきった理屈が、なぜ韓国では分らないのか。頭を冷やして、日本の言い分を聞くべきである。


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    韓国大統領府が、凄い剣幕である。日本が、韓国を「ホワイト国」扱い停止としたことに対する反論だ。日韓両国における、国連安保理の専門家パネルまたは適切な国際機関に、輸出制裁の違反事例を調査依頼するという提案をしてきた。

     

    「ホワイト国」扱いは、日本が信頼関係を維持できると判断した相手国だけに認める制度である。韓国の場合、ここ3年間も戦略物資管理について話合いにも応じないというルーズさが見られる。このほか、日韓では信頼を著しく損ねる外交案件も続出している。相互信頼関係を維持できる雰囲気ではない。こうして、日本は韓国を「ホワイト国」から外す決定をした。

     

    それに対する韓国大統領府は、トンチンカンなことを言い始めている。国連安保理の専門家パネルで日韓は共同調査してもらい、日本の主張が間違っていたら韓国に謝罪して、「ホワイト国」扱いに戻せという声高な主張である。韓国は、「ホワイト国」扱いを既得権益視している。だから、謝罪しろと見当違いの発言をしているのだろう。「ホワイト国」扱いは、日本の厚意である。こういう常識の通じない国を相手にしていると本当に「疲れる」のだ。

     

    『聯合ニュース』(7月12日付)は、「日本に対北制裁履行巡る国際機関の調査提案、不備なければ規制撤回すべき」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国青瓦台(大統領府)の金有根(キム・ユグン)国家安全保障会議(NSC)事務処長は12日、記者会見を開き、日本が対韓輸出規制を強化した背景として、韓国が戦略物資を北朝鮮に流出したと示唆する発言をしていることについて、「不必要な論争を中断させるため、国連安保理の専門家パネルまたは適切な国際機関に韓日両国の輸出制裁の違反事例に関する公正な調査を依頼することを提案する」と述べた」

     

    日本は、韓国から戦略物資を輸入しているのではない。その日本が、なぜ国際機関の調査を受けねばならないのか。問題は、韓国である。韓国に戦略物資の横流し疑惑がかかっている。それが一度や二度でない。日本が、韓国に調査を求めても返事がこない。こういう信頼関係が保てない相手国には、「ホワイト国」の優遇を与えられないということだ。

     

    (2)「金氏は、「韓国政府は国連加盟国として国連安保理の対北制裁決議を徹底的に順守してきた。国際社会も高く評価している」と説明。「調査の結果、韓国の過ちが見つかれば、韓国政府は謝罪し、直ちに是正措置を取る」としながらも、「韓国政府の過ちがないという結論が出れば、日本政府は韓国政府に対する謝罪はもちろん、報復的な性格の輸出規制措置も即刻撤回しなければならない」と強調した

     

    韓国は、ここで論理のすり替えを行っている。韓国側の管理不備の実態について、日本を巻き込んで一緒に国際機関で調査させるというのだ。なぜ、日本が韓国と一緒に調査対象になるのか。まさに、「主客転倒」を狙ったどさくさ紛れの話である。そして、日本から違反例が出たら韓国に謝罪して、「ホワイト国」へ戻せという要求をする厚かましさだ。こういう常識から外れた韓国だから「ホワイト国」の恩典に値しないのだ。

     


    『中央日報』(7月11日付)は、「韓国ホワイト国除外 賛成98% 固く団結した日本の本音」と題する記事を掲載した。

     

    (3)「日本の経済産業省は貿易規制上の優遇措置対象である「ホワイト国」リストから韓国を除外する方案に対し、インターネット上の世論調査(パブリック・コメント)を1日から実施している。調査は24日に終わる。9日、テレビ東京の報道によると最初の第1週目に寄せられた6300件の意見のうち賛成が98%となる6200件余りだった。反対は60件。テレビ東京は「政策と関連して意見を聞く『パブリック・コメント』に意見がこのように殺到したのは極めて珍しい」と伝えた」

     

    経済産業省は、目下パブリック・コメントを募集している。それによると、最初の1週間で日本政府の対応に98%が賛成しているという。日本国民が、韓国大統領府の行動に反対しているのだ。

     

    (4)「日本の政論紙のある論説委員は「電子版有料読者の反応を見ると、70~80%程度が今回の措置を肯定的に評価している」と話した。「韓国が約束を守らないのでこれ以上我慢するのも限界がある」として安倍晋三首相の立場に同調するか、「日本が腹を立てているということを示さなくてはならない」という意見が特に多いという」。
     
    韓国に対して、日本が腹を立てているというところをはっきり見せる、と言う意味で「ホワイト国」から外すことは当然である。


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    文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、政治の師匠である盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領から「政治をやらない方がいい」と忠告されていたそうです。理由は、文氏が融通のきかない原理主義者であると、理由まで明示されていました。

     

    文氏は大統領在任、すでに満2年を過ぎた現在、日韓関係で最大の危機を迎えました。外交危機が経済危機を誘発したのです。自らの排日という政治姿勢が招いた危機と言えるでしょう。文氏が、自らの政治生命を危機におとしいれている背景は何でしょうか。

     

    私は3つあるように思います。

     

    断絶リスク:先制的反応の失敗

    淘汰リスク:変化に適応できない

    阻害リスク:信頼と相互主義の喪失

     


    以上の3つは、20世紀最大の歴史家と言われるアーノルド・トインビーが、『歴史の研究』の中からつかみ取った歴史の発展と衰退に関わるエピソードに酷似しているのです。トインビーは、一つの文明が新しい文明と出会った時、対応に2つあると指摘しました。

     

    ゼロット派(狂信派)とヘロデ派です。前者は保守派であり後者は積極派です。文氏はゼロット派。日本の安倍首相は、ヘロデ派で積極的に取り組んでいます。この両者の取り組みでは、上手く行くはずがありません。反発し衝突するのは不可避です。

     

    ゼロット派は、伝統的な殻に閉じ籠もりがちです。文氏が、韓国朱子学の申し子のように振る舞っています。「排日積弊」を推進している裏には、独特の優越感があるのです。文氏は、政治的には進歩派ですが、内実は保守派です。それは、先に掲げた3つのリスク(断絶・淘汰・阻害)をすべて体現しているからです。日韓関係の悪化は、前記3つのリスクを凝縮したものでしょう。その例を書いておきます。

     

    断絶リスク:大法院判決が出た後、日本との交渉の道をすべて絶ってしまいました。

    淘汰リスク:日本がどういう反応するか、全く予想もつかなかったのです。

    阻害リスク:日本との関係がほぼ切れました。

     

    文氏は、北朝鮮との交流に最大の政治エネルギーをつぎ込んでいます。そのために、日韓関係を踏み台にしたと言えます。これが、文氏の運命を暗転させたと思います。文氏は、日本=国内保守派=積弊という構図をつくって一括りに排除して、北朝鮮交流促進の夢を描いていました。リスクの大きい道を、なんのリスクヘッジも掛けずに進みました。それは、朴槿惠(パククネ)政権が余りにも不人気ゆえに、保守党が短期に息を吹き返すことがないと即断したからです。政治は生き物。その保守党が、どっこい生き返ってきたのです。

     

     

     


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    日韓関係が、現在のような混乱状況に陥った原因はどこにあるのか。朝鮮日報は、有識者による「紙面審査」できわめて有益な見解を述べている。結論を言えば、昨年10月の韓国大法院(最高裁)による旧徴用工賠償判決にあることは動かぬ事実だ。文大統領が、この判決を「神の声」と錯覚して、一切の政治行動を拒否したので、日韓に大きな対立を生むことになった。煎じ詰めれば、文在寅(ムン・ジェイン)その人が背負うべき十字架であろう。

     

    『朝鮮日報』(7月12日付)は、「識者が朝鮮日報に提言、韓日基本条約に対する政府の立場を問いただせ」と題する記事を掲載した。

     

    朝鮮日報読者権益保護委員会は8日に定例の会議を開き、朝鮮日報が先月報じた内容について意見を交換したもの。この記事を読むと、大法院が国家で結ばれた条約に介入したことが間違いであると指摘している。「司法自制原則」と言って、外交を巡る裁判においては行政府の判断を尊重するというのが、国際法における原則であるからだ。日本が、大法院判決を国際法違反と強調しているのは正しい。

     

    (1)「日本による経済報復のきっかけとなった昨年10月の大法院(最高裁に相当)による強制徴用賠償判決を巡っては、韓国政府は自分たちの立場や考えはなく、大法院が決めたことなので関与できないという言葉を繰り返している。それなら大統領と政府ではなく大法院に対して問題を解決するよう日本に言えということか。2005年に盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は韓日国交正常化交渉に関する外交文書を公表したが、当時のイ・ヘチャン国務総理を委員長とする官民合同委員会は、強制徴用被害者への個人請求権は事実上消滅したとの結論を下した

     

    文氏は、自己の「積弊排日」という政治目的にとって、大法院判決が渡りに船であった。これを徹底的に利用して日本を追い詰める方針であった。それが、韓国を「ホワイト国」から外す日本の戦略で逆転された。ドラマを見るような光景である。

     

    (2)「この委員会には当時大統領府民政主席だった文在寅(ムン・ジェイン)大統領も政府側の委員として参加していた。朝鮮日報は、当時の、官民合同委員会による審議の根拠や結論などはもちろん、朴正煕(パク・チョンヒ)・盧武鉉元大統領当時、特別法を制定し徴用被害者に補償が行われた事実も伝えなければならない」

     

    盧武鉉政権下で、強制徴用被害者への個人請求権は、事実上消滅したとの結論を下していた。文氏もこれを決める委員会のメンバーであった。その結論をひっくり返す大法院判決が出ても、文大統領は政治的に動こうとせず、混乱を傍観していた。その「罪」はきわめて重い。

     


    (3)「政府は慰安婦問題の解決を目指す「和解治癒財団」を解散し、大法院は国家間の条約(1965年の韓日請求権協定)を認めない判決を下した。外交対立を意図的に放置したと言わざるを得ない。これらが日本に口実を与えた。日本政府にも責任はある。しかし政府の間違った外交政策によって非常に多くの国益が失われる事態を招いたにもかかわらず、これを十分に批判できなかった」

     

    文政権は、慰安婦問題の「和解治癒財団」を解散し、大法院判決の影響を知りつつ動こうとしなかった。これは、外交問題を意図的に放置したことになる。これが、日韓対立を抜き差しならぬところまで追い込んだ。日韓首脳会談が開ける雰囲気でなかった。

     

    (4)「尹徳敏(ユン・ドクミン)元国立外交院院長は、「国家間で締結された条約を覆す判決に果たして何の意味があるのか。国際法上の司法自制原則が守られなかったことは遺憾」と指摘した。司法自制原則とは、外交を巡る裁判においては行政府の判断を尊重するという国際法における原則だ。韓国政府が国際法を無視したという側面を明確にすれば、問題解決のきっかけをつかむことができる

     

    文氏は、大法院判決を利用して、日本を追い詰める方針であった。だからこそ、日本からの呼びかけに応じなかった。ただ、日本がこれに対してどのように手を打つのか。そこまでは想像もしなかったのだ。ここが文氏の限界であろう。文氏がこの危機を乗り越える道は、「司法自制原則」に立ち返り、大法院判決に縛られずに行動する「自由度」を持つことだ。これができなければ、袋小路を歩むほかない。


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    日韓関係が大揺れのところへ、また新たな「火だね」が持ち込まれた。朝鮮半島で有事の際、国連軍が朝鮮戦争に参加していない日本を戦力支援のトップに掲げ、韓国国内をざわつかせている。

     

    韓国海軍は昨年12月、海上自衛隊哨戒機に無断でレーダー照射して大変な問題を引き起こした。日韓両国の防衛当局はその後、会談を行ったものの未解決なままである。韓国軍による自衛隊への強い対抗心のあらわれと見られている。こういう微妙なところへ、国連軍(中心は米軍)の「ご指名」とはいえ、朝鮮戦争に未参加の日本が戦力支援トップに出たことは驚きである。韓国国内では、時も時だけに話題を集めている。

     

    『朝鮮日報』(7月12日付)は、「半島有事、国連軍司令部は、日本の戦力支援を初明記」と題する記事を掲載した。

     

    米国が日本の国連軍司令部参加を検討するかのような動きを見せ、論争が起きている。国連軍司令部は朝鮮戦争に参戦した関係17カ国から成り、日本は構成員ではない。ただし日本には、有事の際に国連軍の兵たん基地・入境基地の役割を果たす7つの国連軍司令部後方基地がある。

     

    この記事は、米国が日本を重視していることに、韓国が感情的に面白くないという面が浮き彫りになっている。昨年12月にレーダー照射の件が未解決であり、日韓にはモヤモヤした感情が残っている。そこへ、米国が「当てつけ」のように自衛隊重視路線を浮上させたので、韓国軍が反発して見せたのであろう。韓国は、何ごとも日本と張り合う姿が鮮明に出ている。

     

    (1)「在韓米軍司令部が11日に発行した『在韓米軍2019戦略ダイジェスト』で米国は、国連軍司令部を紹介するに当たり、異例にも日本に関する内容を掲載した。『戦略ダイジェスト』は「国連軍司令部は監査および調査、監視、停戦協定教育、非武装地帯への接近のコントロール、外国要人の訪問の通知および支援任務を強化するため、国連軍戦力提供国の兵力増員に引き続き務める予定」として「国連軍司令部は、危機の際に必要な日本との支援および戦力協力を続ける」と記した。国連軍司令部が日本を通して戦力支援を受ける、と明示した」

     

    国連軍(17ヶ国)に入っていない日本が、朝鮮半島有事の際に自衛隊が参加すると明示したことに韓国が反発したもの。韓国では、韓国の承認なく自衛隊の韓国への進出を認めないなどと高飛車である。自衛隊が支援に出るという緊迫化した事態で、日本への感謝もなく振る舞う姿勢に驚く。自衛隊が、こういう礼儀知らずの国へ支援に出るとは、考えさせられる問題だ。 

     


    (2)「米国が、日本の国連軍司令部参加を検討するかのような動きを見せ、論争が起きている。国連軍司令部は朝鮮戦争に参戦した関係17カ国から成り、日本は構成員ではない。ただし日本には、有事の際に国連軍の兵たん基地・入境基地の役割を果たす七つの国連軍司令部後方基地がある。在韓米軍司令部が11日に発行した『在韓米軍2019戦略ダイジェスト』で米国は、国連軍司令部を紹介するに当たり、異例にも日本に関する内容を掲載した。『戦略ダイジェスト』で、「国連軍司令部は、危機の際に必要な日本との支援および戦力協力を続ける」と記した。国連軍司令部が日本を通して戦力支援を受ける、と明示した」

     

    韓国が、共産国家に占領される事態になれば、日本の安全保障に大きな影響が出る。それを防ぐには自衛隊進出もやむを得ないのだろうが、現在の日韓関係を前提にすれば、釈然としない話である。そういう事態にならないように、韓国は北朝鮮への守りを固めて貰わなければ困る。ここまで来ると、韓国の安保問題は日本の安保問題になってくる。

     

    (3)「この文言を巡って論争が起こったことを受け、韓国国防部(省に相当)は「国連軍司令部の翻訳本ではない英文には『国連軍司令部は危機の際、日本を通して必要な支援・戦力を確保する』となっている。国連軍司令部の後方基地としての日本の原則論的な役割をあらためて強調したにすぎない」と説明した。国連軍司令部が英語を韓国語に訳す過程でミスをした、という趣旨だ。さらに国防部は「日本は朝鮮戦争参戦国ではないので、戦力提供国として活動はできない。国連軍司令部の参謀要員として活動する場合は当然、韓国国防部と協議した上で可能になる」とコメントした」

     

    下線部分は、韓国国防部によって「国連軍司令部が日本を通して戦力支援を受ける」から、トーンダウンしている。これが、現実に日本ができる限界であろう。だが、米軍はそれ以上の協力を期待している節が見える。

     

    (4)「韓国軍内外からは「『戦略ダイジェスト』の国連軍司令部紹介項目に日本関連の記述が初めて登場したことそのものが意味深長」という声が上がった。アジア・太平洋地域の安全保障問題で日本の役割に期待しているドナルド・トランプ政権の意図が垣間見える、というわけだ。韓国軍関係者は「最近米国は、日本に対する『安全保障のアウトソーシング』を拡大する傾向にある。米国の中国包囲構想であるインド・太平洋戦略の観点から、国連軍司令部の拡大・強化を望む米国が日本の参加を内心期待している流れがあるのは事実」と語った」

     

    下線をつけた部分が米国の本音であろう。朝鮮半島での自衛隊による戦闘参加である。「アジア太平洋戦略」では、日本が戦力の主要部分を担うにしても、朝鮮半島有事の際は「御免被る」。これが、日韓双方の思いであろう。現在のような日韓関係では、自衛隊の朝鮮半島進出は不可能だ。

     


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