勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。


    中国料理に欠かせない豚肉が、アフリカ豚コレラの蔓延で危機に立っている。中国の農業農村省によると、半数以上の省で致死率100%のアフリカ豚コレラが急激に感染していると発表した。感染エリアからの生きた豚の移送を禁止している。

     

    中国最大の養豚生産は四川省である。省内の養豚業を保護するため、他地域からの生きた豚と豚製品の省内への持ち込みを禁止した。アフリカ豚コレラを予防するワクチンがないので、感染したら防ぎようがないという「死病」である。

     

    『ブルームバーグ』(12月15日付)は、「中国、豚コレラで養鶏業大もうけ、代用消費膨らみ出荷価格高値に」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国農業農村省は11月に警戒をさらに厳しくし、豚を積んだ全てのトラックに追跡ができるよう登録義務を課す規則を発表した。生きた豚の長距離移送はウイルス拡散の主な原因の一つということが分かっている。また、同国の豚の70%以上を供給する小規模農家に豚コレラに対する生物学的な予防措置が浸透していないことも、感染拡大の阻止を難しくしている」

     

    中国では、昔から農家の現金収入の一つとして豚の飼育をしてきた。貧しい農家がカネを出し合い子豚を買って育て春節にあわせて売り、利益を山分けするというもの。パールバック女史の『大地』(最初のノーベル文学賞)にこの話が出てくる。この習慣は、今も中国農村に生きているのだ。問題はここにあるという。小規模農家では、豚コレラ対策が十分でなく、これが、蔓延させている原因である。

     

    中国の高速道路上で豚が逃げ出した、という記事が時々、報じられる。この豚輸送も豚コレラ蔓延の理由とされている。豚飼育と中国は、切っても切れない関係にあるわけで、これが全土に広がるのは時間の問題であろう。来年の春節(正月)には、食卓に豚肉が乗らない淋しい春節になるかもしれない。

     

    (2)「残飯で飼育する慣行もその一つだ。違法に非加熱の残飯を養豚業者に提供したとして、外食店の摘発も行われている。しかし、豚肉消費世界一の中国を支えるのはこうした数多くの小規模経営の農家。同国内で飼育される4億頭は世界で飼育される豚の2分の1を超える。国連食糧農業機関(FAO)は8月、致死率100%で感染力の強い同ウイルスの感染が、東南アジアの隣接する国や朝鮮半島にほぼ確実に拡大すると警告。同ウイルスに対するワクチンはない」

     

    日本でもそうだが、小規模飼育の豚のエサは、「残飯」と決まっていた。こうして、農家では豚を飼育しやすい条件が揃っていた。残飯を加熱しないで与えることが、豚コレラ発生原因という。要するに、中国の農村でこれまで行なってきた小規模飼育が、すべて豚コレラ発生の土壌となっている。これでは、中国の小規模豚飼育は全滅の運命である。

     

    中国経済は、また一つ負担する荷物が増えた感じだ。豚コレラ蔓延は、農村のささやかな副収入を奪ってしまうことになる。政府も頭が痛いであろう。

     

    豚肉の代替需要として、鶏肉価格が異常に高騰しているという。市民の健康上の問題に対する危惧を極力緩和しようと、外食店や学校の食堂が意図的に豚肉の代わりに鶏肉を使っている結果だ。生きた豚の移送制限が厳しくなったことで、豚肉の供給が絶たれ、より安価な代用品として鶏肉の需要が増えているという。

     

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    中国は、米中貿易戦争の傷がさらに広がることを恐れている。あの「徹底抗戦」と喚いていたときの空元気はどこにも見られない。その証拠に、米国産大豆の大量買い付けを始めており、ひたすら米トランプ大統領のご機嫌伺いを始めている。

     

    トランプ米大統領は14日、中国が米国車に上乗せした報復関税を一時停止したことを評価し、「中国は大規模で包括的な取引をしたがっている」とツイッターに投稿した。米国の対中制裁が打撃となり、「中国経済が想定より減速した」と指摘。今後の貿易協議での中国の歩み寄りに自信を示した。『サンケイビズ』(12月15日付)が、こう伝えた。

     

    トランプ氏は、勝利感で昂揚している。中国の足下を見ており、「ディール」に自信をみなぎらせている。あと、どこまで押していくか。中国のさらなる譲歩を勝ち取る戦略である。米国は、1980年代後半の日米貿易摩擦で、日本から大幅な譲歩をむしり取った経験を持っている。これを土台に、中国攻略法を練っているはず。中国は金融システム崩壊の瀬戸際である。米国の圧力軽減をひたすら要請する立場に落込んでいる。日本よりも弱い立場だ。

     

    『日本経済新聞 電子版』(12月15日付)は、「中国が米産大豆を連日買い付け、14日にも30万トン」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国が連日、米産大豆を買い付けている。米農務省の発表によると、中国は13日に113万トンの輸入契約を結んだのに続き、14日にも30万トンの契約を結んだ。今年12月1日に米中首脳が中国の米産農産物購入で合意したことを受けた動きで、今後も続きそうだ。米産大豆の中国向け輸出は今年7月に中国が関税を課して以来、激減していた。今年10月の中国向け大豆輸出量は前年同月比96%減の約27万トンだった。イリノイ州の穀物業者アレンデールのリッチ・ネルソン氏(チーフストラテジスト)は『中国の買い付けは来年1月半ばまでに200万~500万トン程度に達する可能性がある』とみている」

     

    ブラジル産大豆は、この季節が「端境期」である。中国は、米国産を買い付けざるを得ない事情もある。だから、休戦を口実にして米国産を買付けている面はありうる。米農務省は2019年8月末時点の大豆在庫が、前年の2倍近い2600万トンと見通している。だから、来年1月半ばまでに200万~500万トン程度の中国買い付けでは、在庫圧縮にはならない。米国政府が、さらなる買い付けを要求する局面もあろう。

     

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    習近平氏は、内外ともに厳しい局面に立たされている。対米貿易戦争では、完全に米国に主導権を奪われて「助命嘆願」せざるを得ない局面だ。国内では、自らの権威確立のために毛沢東化を図ってきたが、経済改革派の経済学者から大きな反発を受けている。具体的には、「共産党脱党」である。党費を6ヶ月以上滞納すれば、党員資格を失う規約になっている。そこで、長期滞納によって「除籍」を狙っているという。

     

    『大紀元』(12月15日付)は、「中国、著名経済学者が共産党脱退を明言、『同様の知識人が多くいる』」と題する記事を掲載した。

     

    中国の著名経済学者、茅于軾氏(89)はこのほど、米『ボイス・オブ・アメリカ』(VOA)に対して、「共産主義思潮はもう過ぎ去った。共産党内にとどまりたくない」と述べた。茅氏によると、同様の考えを持つ知識人が多くいるという。

     

    (1)「今年は中国改革開放40周年に当たる。毛沢東が死去した2年後の1978年、今までの計画経済から市場経済へと移行した。この歴史的な変革を直接に見てきた茅氏は『毛沢東の統治は失敗そのものだ。毛時代の中国は世界でも最貧国の一つとなった』と述べた。茅于軾氏は、『中国で現在、汚職問題が深刻で、政治環境が良くない。これは市場化の妨げとなっている』と指摘した。政治環境を改善するには、国民による政府への監督、言論の自由、司法の独立性が欠かせないという

     

    今年は、改革開放後の40年に当る。この間にGDPは世界2位になったが、多くの矛楯を抱えている。習近平氏は、この問題点を「強権=毛沢東化」で乗切ろうとしている。茅氏は、それを間違いであると指摘する。そうではなく、経済の市場化を促進し、国民による政府への監督、言論の自由、司法の独立性が欠かせないという

     

    この考え方は、習近平氏の主張と完全に対立する。政府から睨まれており、茅氏が設立したシンクタンクへ圧力がかかっているという。だが、中国では大学卒業者が増加の一途である。市場経済論の理解者が増える環境にあるのだ。

     

    (2)「茅氏によると、現在多くの知識人が中国共産党から脱退したいと考えている。このため、中国当局が現在、各民間企業で党組織を設立しようとしているが、『全くの無意味だ』。一部の党員は党を脱退するために、党費の不払いを続けている。党の規定では6ヶ月以上党費不払いすると、党員資格が停止される。茅氏は『当局が認めたくなくても』、現在の内外の情勢は『民主、法治、憲政、人権』に向かって急速に変化しているとした」

     

    習近平氏にとって最大の脅威は、米中貿易戦争による中国経済の混乱である。これが、「反習近平派」を増やすことだ。茅氏は、不気味な予言をしている。「現在の内外の情勢は『民主、法治、憲政、人権』に向かって急速に変化している」と指摘する。党内改革派が力を付ければ、経済混乱を期に立ち上がる可能性も出てくるのだ。米中貿易戦争の「二幕」が、国内で始らないと言い切れまい。

     

    (3)「VOAのインタビューで、茅于軾氏は中国憲法に定めている『人民民主専政(人民民主独裁)の実行』について、『とんだ笑い話だ』とこき下ろした。『民主主義国家で、独裁政治を施すことができなければ、独裁体制の国で民主主義を実践することも不可能だ。この理論的に破綻している国家制度が憲法に取り入れられ、全世界が抱腹絶倒しているだろう』と言う」

     

    中国憲法には、麗々しくも「民主主義」という言葉が入っている。独裁国家で人権蹂躙を平気でやっている中国が、笑い話であると茅氏は指摘する。毛沢東時代の中国では、文盲も多かった。だから、共産党の「一党独裁」が可能であったにちがいない。現在のような高度の教育を受けた人々が増える高度大衆社会では、「毛沢東化」が不可能に思われる。茅氏は、そこを鋭く衝いている。

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    中国では、日系車は質が良く、故障が少ないことが評価され、多くの中国人に支持されている。その一方で日系車には根拠のないデマが常につきまとっている。日本は、三流品を中国で売り、一流品を国内で売っているという噂である。

     

    このデマの根拠は、日本がエンジン技術を中国に教えないことにあるという。新幹線技術で分るように、教えたら「自国で開発した」と言い張る民族である以上、危なくて教えられるはずがない。中国人の根本には、「技術の価値はタダ」という抜きがたい誤解がある。上は習近平から、下は庶民までいかんともし難いのだ。技術窃取は、こういう背景で行なわれている。

     

    科学と無縁であった中国が、今や世界一の特許申請件数を誇るまでになった。と言っても、申請件数であって、特許が受理されたものではない。その成立した特許も、ほとんど更新されることなく期限切れを迎える。要するに、中国の特許申請件数世界一には、こういう実用化されないものが多い。

     

    こうなると、さらなる疑問が湧く。そういう「無用の長物」である特許を申請する理由は何か。政府から支給される補助金欲しさの行為である。補助金とは、こういう無駄を生むものだ。中国という国は、無駄を奨励する国である。無駄と言えば、万里の長城がある。敵を撃退する目的で構築されたが、その用をなさなかったのだ。

     

    中国人の技術に対する考え方が先進国と異なるのは、技術に対する「尊敬の念」がないことである。習近平氏は、先頃のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で、「先進国は技術を独占しており、新興国に教えようとしない。技術の独占は間違いである」と演説した。これこそ、技術とは何かを理解しない典型的な言葉である。技術は、人間の自由な思考が産み出す最大の価値である。それは、個人の所有すべき財産である。まさに知的財産である。個人が尊敬されると同様に、知的財産は権利として保護されるべき固有の権利(知的財産権)である。

     

    中国は、専制国家である。個人の尊厳は国家によって踏みにじられている。専制国家と知的財産権は両立しないという根本的な関係にある。

     

    『サーチナ』(12月15日付)は、「日本車メーカーは三流品を中国に売っているという噂、これは半分本当だ」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国メディア『快資訊』(12月9日付)は、『日本の自動車メーカーは最も良い車を日本国内で販売し、三流の車を中国で販売しているか』と疑問を投げかける記事を掲載し、『半分は当たっている』と伝えている。記事はまず、中国国内で『日本は一流の製品を日本国内で販売し、三流品を中国へ輸出している』と言われているが、元々これは『精密機械』や『精密加工技術』または『半導体』などの分野での『基幹技術』を門外不出にしているという話を指すもので、車とは関係ないことであったと伝えた」

    (2)「だが、この話も『自動車産業に関しては半分当てはまる』と主張している。なぜなら、日本の自動車メーカーは中国に車を輸出していたり、中国の自動車メーカーとの合弁会社を設立し中国の工場で車の生産を行ってはいるが、『トランスミッション』や『エンジン』など、自動車の優劣を左右する最先端の基幹技術を中国側に伝えることはしていないためであると主張した」

    ご覧の通りの主張を中国メディアがしている。もはや、反論する気にもなれない。「呆れた」と言う以外に感想はない。こういう国が、世界覇権など握れるはずもなければ、それを語る資格もあるまい。誇大妄想である。

     

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    韓国社会はどうなっているのか。口では反日を唱えながら、食べ物は和食を好む。ひところ、「昼間は反日、夜は親日」と言われたが、彼らの深層心理は複雑である。日本への憧れは強いが、どうしても超えられない。だから、その日本を憎むのか。「愛憎半ばする」ということだろう。

     

    『朝鮮日報』(12月13日付)は、「進撃の和食、ソウルの繁華街はまるで日本」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「2006年に5272店だった『和食専門店』の数は、今年8月に1万7290店と3倍以上に増えた。ソウル市内の弘大入口駅・江南駅・ソウル大入口駅など若者が多く訪れる街には、日本風の建物に日本語の看板をつけた飲食店が並んでいる。20~30代の若者や外国人観光客の間で、弘大入口は『韓国のジャパンタウン』として有名だ。弘大入口、つまり弘益大学前の通りには和食専門店や日本風のスイーツ店が軒を連ねている」

     

    ここまで、和食がブームになっているのは、訪日旅行者が増えている影響もあろう。日本語の看板まで出しているというから、本格派である。これで商売になるのだから、「反日」の実態はなんだろうか。「日本」という字を見るのも嫌いではなさそうだ。となると、あの「反日」は、一部の特殊グループの行動だろうか。疑問が深まるばかりだ。

     

    (2)「和食専門店の開業は、最近の30~40代脱サラ組が最も希望する起業アイテムだ。11月15日午後、ソウル市江南区にある和食を専門に教える料理学校に行ってみると、受講生25人が日本料理や日本の製菓・製パン技術を教わっていた。情報技術(IT)企業で18年間働き、会社を今年辞めたソン・ウヒョンさん(45)は『手に職もないのに会社を辞めたら、結局は競争が飽和状態のチキン店を出すしかなくなるのではないかと心配になった。日本のドラマ『深夜食堂』のように得意メニューに絞り、職人魂を持ってやれば、少なくともつぶれることはないだろうと思って日本料理を教わっている』と語った」

     

    和食の技術を手に付ければ一生食っていける。それだけ和食の魅力が大きいのだろう。この背後には、日本への強い憧れがあるはずだ。和食の普及は、日本への理解が深まりつつある証拠だろうか。即断は危険だ。

     

    (3)「受講生のほとんどは大企業・製薬会社・IT企業などを辞めた人々だ。この料理学校の理事長を務める中村哲氏は『受講生の70%以上が開業を準備中の30~40代。9年前に料理学校を始めたころは、韓国の和食店と言えば刺身店やすし屋だけだったが、今では日本の家庭料理からスイーツ専門店まで多種多様だ』と言った」。

     

    和食の受講生は、大企業・製薬会社・IT企業などを辞めた人々だという。これも驚きである。一定の知識層が会社勤めを止めて和食店を開きたい。この現象は、興味深いものがある。それほど、和食=日本に関心があるのだろうか。こうなると、「反日」を叫んでいる韓国人は、北朝鮮の「チュチェ思想」に凝り固まった人たちか。

     

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