勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    今年の5月で、文政権は満2年になる。これまで積み重ねてきた数々の経済失政が今後、本格的な経済成長率の低下となって現れよう。昨年のGDP成長率は2.7%。今年は、2%割れ必至という予測が登場した。

     

    文政権の行なった経済失政は、次の3点である。

        大企業の法人税率引き上げ→設備投資削減

        最低賃金の大幅引上げ→2年間で約3割引き上げにより雇用崩壊と消費押し下げ

        場当たり的な雇用対策→財政赤字の拡大と3回の補正予算編成

     

    前記の3点を見ただけで、経済政策の基本的な知識を知らなかったことが明らかになった。日本で言えば、日本共産党が政権を取ったような政策である。そう言っては失礼だが、日本共産党が政権に付くリスクはない。ただ、庶民の怒りを国政の場で追及するという大きな役割が課されている。これは、立派な役割である。国民の不満を吸収しているからだ。

     

    韓国の文政権は、共産党を名乗っていないだけで、意識は共産主義である。「親中朝・反日米」がそれを証明している。共産主義が、市場経済と馴染むはずがない。ボロを出して当然なのだ。この結果、韓国経済は今後、急減速に見舞われる段階だ。今年1~3月期の前期比マイナス0.3%成長は不可避であった。

     


    『朝鮮日報』(4月27日付け)は、「韓国経済成長率は1.8%、 2.4%から大幅に下方修正―野村」と題する記事を掲載した。

     

    国際投資銀行(IB)のノムラ・ファイナンシャル・インベストメントが、今年の韓国の成長率見込みを2.4%から1.8%へと大幅に下方修正した。

     

    (1)「ブルームバーグ通信が26日に伝えたところによると、経済成長に関する世界45の主な予測機関のうち、韓国の今年の成長率を1%台と見込んだのは野村が初めて。第1四半期(13月)の成長率がマイナス0.3%と、およそ10年ぶりの最低値を記録する中、成長率見込みを1%台と低く見積もる機関が出てきたことで、韓国の成長率が当初の予想を大きく下回る『1%台の低成長』を記録するのではないか-という懸念が強まっている」

     

    ノムラ・ファイナンシャル・インベストメントは、世界の予測機関の中で初めて韓国経済の1%台成長を予測した。最大の要因は、輸出不振に伴う設備投資の落込みである。一般に、個人消費は景気を下支えするものだが、最低賃金の大幅引き上げに伴う雇用崩壊によって、その安定基盤すらひび割れしている。

     

    (2)「野村は26日に発表した報告書で、成長率下方修正の理由について『韓国の第1四半期の国内総生産(GDP)は予想外に大きく落ち込んだ。特に設備投資が前四半期より10.8%も減少しており、これは輸出の不振が国内経済にマイナスの影響を及ぼしかねないことを示唆する』と記した。また野村は今回の報告書で『4月(120日まで)の輸出は、半導体輸出の不振などの余波で昨年同期より8.7%減った。これは、対外需要の減少が全体的な成長に継続的な負担を与えていることを示す』と指摘した」

     

    半導体市況の回復が、輸出のカギを握っている。楽観論では、年後半に回復期待をかけている。これは、主に供給サイドの願望である。だが、ユーザー側でかなりの手持ち在庫があると指摘されている。これまで、半導体市況が強気一本できたので、早めに在庫手当しているというのだ。さらに、次世代通信「5G」も本格化するのは来年以降である。となると、今年は「端境期」(はざかいき)に陥るリスクを計算に入れるべきだ。

     

    (3)「野村は、『韓国政府が最近打ち出した財政浮揚策(追加経済予算)だけでは、深刻化する経済のマイナス成長を完全に食い止めることは難しいだろう』と分析した。今回、野村が下方修正した韓国の成長率(1.8%)は、韓国政府の今年の成長率目標値(2.62.7%)や韓国銀行の成長率見込み(2.5%)よりかなり低い数値だ」

     

    最大の景気対策は、最低賃金の大幅引上げを中止することだ。文政権は、これを行なう度量があるまい。自らの失政が招いた不況である。原点に返る勇気がないから、韓国経済は深みにはまって身動きがとれなくなるのだ。


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    日本より道徳水準が高いと自慢している韓国が、国会で与野党が激しく対立している。『朝鮮日報』は、「動物国会」と軽蔑した形容詞をつけるほどだ。野党が扉を封鎖すると、与党がハンマーとバールを持ち込むというヒート振りである。

     

    日本に対して「天皇謝罪要求発言」をした文国会議長は、野党の女性議員の抗議に激昂。女性議員の顔を両手で触る「セクハラ」問題を引き起こして、緊急入院する始末だ。文議長は、「天皇謝罪要求発言」で日本が非難すると「盗っ人猛々しい」と啖呵を切った。それが今、病院に逃げ込む弱さを見せている。

     

    『朝鮮日報』(4月27日付け)は、「動物国会、野党が扉を封鎖、与党はハンマーとバールで応戦」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国与野党は26日、選挙法や高位公職者不正捜査処法などの「ファーストトラック」(迅速処理案件指定)をめぐり、三日間連続で対立した。与党・共に民主党は最大野党・自由韓国党の阻止で同法案の国会議案と受理が阻まれたため、同日午後3時ごろ、憲政史上初の「電子立法発議システム」により関連法案をオンラインで提出した。続いて午後923分ごろ、国会司法改革特別委員会の会議場所を国会文化体育観光委員会会議室に移して法案を強行上程したが、自由韓国党議員の阻止で議決はできずに散会した。自由韓国党は「法案受理も小細工、会議場変更も小細工」「これまでに例のない強奪」と主張した」。

     

    日本でも、昔はこんな光景が演じられていた。自民党の議員が一人で、野党が議事進行を妨害して積み上げた椅子を放り投げるシ-ンがあった。韓国のようなハンマーとバールは登場しなかった。

     

    韓国の与野党の紛糾は、どちらが良くてどちらが悪いか、判断はできない。ただ、高い道徳を誇っている韓国人の中でも、さらに高い道徳を身につけているはずの国会議員が、この有様である。

     

    大臣候補者の「身体検査」では、政府が投機抑制に努力している中、不動産投機で大儲けした人。自分の子どもは特殊な教育を受けさせながら、普段はそれを非難している人。越境入学は悪いと言いながら、自分の子どもは越境入学させたなど、言行不一致の人士が続々と現れる。これがすべて文政権の閣僚候補である。

     

    韓国社会とは、この程度かと思わせる事例が余りにも多いのだ。一方では、滔々と日本批判をやる。日本の歴史といえば、豊臣秀吉と伊藤博文しか知らないで、日本を諸悪の根源と切り捨てる。日本について知らなければ、黙っていれば良いはずだがそうではない。韓国の「動物国会」は、韓国の恥部をさらけ出しているのだ。

     

     


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    韓国文大統領は、6月のG20で訪日の際、安倍首相に会談を申入れ断られたとの報道が現れた。日本側は、単なる儀礼的な会談申し入れと判断したのだろう。

     

    首脳会談となれば、事前に事務当局が会談テーマを決めて打合せをするもの。今回の首脳会談申し入れでは、懸案事項についての準備打合せもないことに日本側が拒否反応を示したと見られる。もはや、儀礼的な面会で事態の解決ができない深刻な局面である。日本が、不用意に面会申し入れを受け入れると、韓国の術中にはまり込む危険性が高い。

     

    『中央日報』(4月27日付け)は、「韓国政府、大阪G20での韓日首脳会談を提案」と題する記事を掲載した。

     

     韓国政府が6月に大阪で開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて韓日首脳会談の開催を日本政府に打診したと、共同通信が26日報じた。

    (1)「 共同通信は日本政府関係者の話を引用、『23日の日韓外務省局長協議で韓国の金容吉(キム・ヨンギル)東北アジア局長が、G20の際の首脳会談開催を提案した』とし、これに日本側は消極的な姿勢を示したと報じた。 文在寅(ムン・ジェイン)大統領と安倍晋三首相は昨年9月に米ニューヨークで会談している」

      
    韓国が、首脳会談を開いて問題解決を図る意志があるならば、韓国外相を日本に派遣すべきであろう。そういう準備的な会談もなく、日本が要請に応じて文大統領と会談しても、解決への期待感を高めて失敗の烙印を押されるだけだ。そういう無益な会談は時間の無駄である。

     


    (2)「こうした報道に対し、韓国外交部の関係者は『あらゆることを念頭に置いて行動している。首脳が会うのは外交的によいことだ』としながらも『(韓日)首脳会談を話すには(時期が)あまりにも早すぎる』と述べた。 共同通信は、金容吉局長が状況打開のため秋葉剛男外務事務次官の訪韓も提案したのに対し日本側が事実上拒否した、と報じた」。

     

    韓国は、日韓関係を悪化する原因をつくっておきながら、秋葉剛男外務事務次官の訪韓を要請するとは、無礼な態度である。日本が、韓国へ先に行くのは順序が逆である。韓国が、話合いで解決したいならばしかるべきポストの人間が訪日すべきである。


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    韓国は、WTO(世界貿易機関)二審において、「棚ぼた」で命拾いした福島産海産物の輸入規制「勝訴」に得意絶頂である。世界の正義が、すべて韓国に味方しているような雰囲気である。この調子でいけば、日本が旧徴用工問題で国際司法裁判所(ICJ)に韓国を訴えても、韓国が勝てるという意見が現れた。これまでは、ICJで韓国敗訴が予想されるから、韓国は裁判には同意しないと逃げていたのだ。

     

    26日に開かれたWTO会合では、日本「敗訴」に疑問の声が上がった。

     

    『共同通信』(4月27日付け)は、「WTO会合で日本敗訴に疑問の声」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国による日本産水産物の輸入規制を巡り、世界貿易機関(WTO)の紛争処理の「最終審」に当たる上級委員会が日本の主張を退けたことについて、WTO26日開かれた会合では、各国から『これでは紛争の解決にならない』と疑問視する声が相次いだ。WTOの紛争処理制度の問題点を指摘する意見も多く出た。通商筋によると、会合で『第三国』として意見を表明したのは、米国、欧州連合(EU)、カナダ、中国、ブラジルなど10カ国・地域。米国は『一審』の紛争処理小委員会が日本の言い分をおおむね認めたのに、上級委で逆転敗訴となったことへの疑念を示した」

     


    韓国は、「最終審」で敗訴を覚悟していた。それが、玉虫色の勝訴のような形になって得意になっている。例の調子で日本を見下した記事が掲載された。

     

     「日本の最後の負け惜しみは最近、政府が相次いでみせた『ごり押し』行動に表れている。韓国が勝訴した直後の12日には、河野太郎外相が李洙勲(イ・スフン)駐日韓国大使に会って『韓国政府が輸入規制を緩和してほしい』と要求した。菅義偉官房長官はこれよりさらに一歩踏み込み『わが国が敗訴したとの指摘は当たらない』としつつ『韓国に対し規制撤廃を求めるという立場に変わりはない』と強調した」(『中央日報』4月23日付「WTO水産物禁輸訴訟で韓国に敗れた日本の最後の負け惜しみ」)

     
    WTOは、玉虫色の決定であった。日本が敗訴したわけでもない。だが、韓国の輸入規制を認めるという宙ぶらりんな決定である。26日のWTO会合で、10ヶ国の「第三国」がこの決定を批判したのは当然である。米国は「一審」の紛争処理小委員会が日本の言い分をおおむね認めたのに、上級委で逆転敗訴となったことへの疑念を示した。

     

    韓国にとっては、この「第三国」10ヶ国がそろってWTO決定に疑念を呈したことはショックであろう。「韓国勝訴」で勝ち誇った記事を書いてきただけに、WTO26日の動きに沈黙している。

     

    『朝鮮日報』(4月26日付け)は、「韓国の専門家ら強制徴用、ICJで韓国勝訴の可能性十分」と題する記事を掲載した。

     

    韓国の外交・国際法専門家らが25日、国会で行われた日韓関係に関するセミナーで、日本による植民地時代の強制徴用被害者への賠償問題について「国際司法裁判所(ICJ)への共同提訴」が解決策になりうると提案した。韓国政府は現在、日本側が求めている「二国間協議」を拒否したまま状況を放置しているが、ICJに提訴すれば韓国が勝訴する可能性が十分にあるため、ICJの判断を仰ぐべきというのだ。

     

    (2)「国民大日本学科のイ・ウォンドク教授は、『両国関係のさまざまな悪材料のうち、徴用問題の解決が最も急がれる』として、ICJへの共同提訴などを代案として提示した。特にICJ提訴については『最終的な結論が出るまで34年以上を要するため、歴史をめぐる摩擦に歯止めをかける効果がある上、両国が合意すれば法的な強制執行も保留できるため、平和的解決策となり得る』と述べた。これまで韓国政府は、敗訴の可能性などを懸念し、ICJへの提訴について否定的な立場を維持してきた」

     

    (3)「かつて旧ユーゴ国際刑事裁判所に勤務したシン・ウジョン清州地裁部長判事は、『韓国政府がICJで勝訴する可能性がある』と述べた。シン氏は『現行の国際法では、個人が国際法の主体として権利・義務を有するという『個人の国際法主体性』を認めるというのが重要な流れ』だと指摘した。特に、強制徴用のような反人権的行為は『国際的な強行規範』に違反するため、国家間の合意によって個人の請求権が消滅することはない、というわけだ」

     

    ここでの議論は、すでに決着を見た問題と、現在起っている問題を混同している。「一事不再理」という言葉がある。ある事件について、判決が確定した場合、同一の事件について公訴できないというものだ。

     

    日韓基本条約(1965年)によって、両国は合意して「賠償」という言葉ではなかったが、「経済協力金」という名目で決着がついている。韓国政府が、その金銭を個人に支払わず、「着服」したに等しい。よって、日本は再度の支払いに応じる義務はないのだ。まさに、「一事不再理」に等しい事案である。「着服」した韓国政府が、その責任を果たせば問題は解決するもの。日本企業を巻き込む必要はない。


    テイカカズラ
       

    トヨタが、ハイブリッド車(HV)の基幹部品・技術を無料で世界へ公開する話は、このブログでも取り上げた。HVの技術は、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)にも活用が可能とされている。トヨタは、HV技術の公開で量産によるコスト削減や投資抑制、電動化技術の「デファクトスタンダード(事実上の世界標準)」を狙い収益向上を図る戦略である。

     

    この大胆な基幹技術の無料開放によって、世界技術の標準になっている先例がある。業務用空調機のダイキンである。中国メディアが紹介した。

     

    『サーチナ』(4月26日付け)は、「無料で特許を開放する日本企業、互いに足を引っ張り合う中国には真似できない」と題する記事を掲載した。

     

    中国メディア『今日頭条』(4月24日付け)は、空調分野で世界標準を定めた企業としてダイキンを紹介する記事を掲載した。ダイキンと言えば、業務用空調設備で日本のみならず、世界中で有名な企業である。1994年には中国市場へも本格的に参入した。

     

    記事が紹介している『空調分野の世界基準』とは、新冷媒のR32のことだ。これは、R410Aに代わるもので、環境負荷が小さい特徴があり、エネルギー効率、安全性、経済性において優れているとされる。とりわけ、二酸化炭素の排出削減に大きな効果が期待され、「世界をリードしている」と記事は手放しで絶賛した。



    (1)「ダイキンの公式サイトによると、2012年11月にR32を使用した家庭用空調機を日本で販売したのを皮切りに、現在ではR32を使用した空調機を1700万台以上世界に投入しているという。他メーカーもそれに続き、R32を使用した空調機の販売台数はこれまでに6800万台以上になると推定され、二酸化炭素の排出抑制効果は約1億トンになると試算されている。記事は、世界的に見たダイキンの販売台数は少なく感じるものの、重要なのは『台数ではなく貢献度』にあると指摘。特に『EUではダイキンのR32が業界規格となっている』ほか、インドやロシア、台湾などでも広く採用されていると伝えた」

    ダイキンの新冷媒R32は、技術の無料公開によって、世界中の二酸化炭素の排出抑制効果が約1億トンになると試算されているという。トヨタのHV技術が無料公開され、これがEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)として拡大採用されれば、ダイキン同様に世界への貢献大といえる。

     

    (2)「ダイキンはこの技術について、無料で特許を開放しているが、このおかげで販売台数と知名度を上げ『一石三鳥』になっているという。特に欧州における『発言権』は大きく、日本企業全体もその恩恵にあずかっているそうだ。記事は、『中国や韓国の企業は現時点ではまねができない』と称賛。日本では同業の企業同士で助けあう傾向が見られるが、互いに足を引っ張り合う中国ではまねできないことだと感心している」

     

    欧州の環境意識は、非常に高いことで有名である。トヨタのHVも近年の売上は年平均20%台の増加率となっている。こうして、ダイキンとトヨタは「環境優良企業」というイメージが定着しているのだろう。トヨタの総販売台数が、昨年度も増加基調を続けているのは、消費者から環境への貢献が評価されているに違いない。

     

    (3)「記事は結論として、ダイキンの成功は技術だけでなく『グローバル化に向けた戦略』にあると指摘。中国では、『日本の家電は終わった』と言われているものの、それは表面的な姿に過ぎず、日本企業の本質からは学ぶことが多いと伝えている。ダイキンの環境保護の取り組みが実を結び、世界的な標準になりつつあると言えるだろう。日本企業はこれからもエコ分野で活動の幅を広げていくだろうが、中国をはじめとした他国も見習ってもらいたいものである」

     

    中国で、ダイキンが高い評価を受けていることはうれしいことだ。これに続いて、トヨタのHV技術が、世界のHVやFCVの世界標準技術になれば、日本として鼻高々だ。日本人の環境に対する細やかな感情が生み出した技術である。


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