勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    中国は人口動態からいえば、青壮年期を過ぎて高齢社会へ入っている。この現実認識が、中国においてどこま
    で浸透しているか疑問だ。すでに、預金残高の伸び率が急速に鈍化する状態に落込んでいる。中国の過去の高い貯蓄率が、生産年齢人口比率の上昇を反映したもので、今後の貯蓄率が急速に鈍化することを示唆している。

     

    高度経済成長時代、日本の貯蓄率の高さがしばしば議論された。当時の経済知識では、今から振り返ってごく素朴な議論をしていた。日本人は、二宮尊徳のような勤倹貯蓄タイプが多いからだという結論であった。今から50年以上も前の話である。だが、最近の生産年齢人口比率上昇という概念を使えば、日本だけでなくどこの国でも貯蓄率が急増するものだ。中国も同じこと。中国が、生産年齢人口比率がピークであったのは2010年である。それ以降は低下に向かっている。現在の貯蓄率は減少過程にある。貯蓄の伸び率は、人口動態を反映する。

     

    中国の場合、次のような要因が加わっているはずだ。

     

    中国は、これまで高い経済成長を続けてきた。それを支えた要因の一つに、高い貯蓄額の伸びがあった。それが、突然の急ブレーキがかかっている。中国メディアは、中国人の「爆買い」を理由に挙げているがそうではない。中国の経済構造に大きな軋みが現れてきたとみるべきであろう。

     

    考えられる要因を挙げたい。

     

    人口の高齢化で貯蓄額が減少した。

    住宅バブルでローン支払いが増えて貯蓄額が減っている。

    MMF(マネー・マーケット・ファンド)の急増により、銀行預金が取り崩されてシフトした。

    金利の自由化をしない限り、銀行預金の増加率が低下する。これは、中国経済にとって「信用創造機能」を低下させるという難問を生じる。銀行の貸出し能力の低下を引き起こすのだ。

     

    以上、4つの項目のうち最大要因は、人口の高齢化で貯蓄額が減少したことであろう。これを、②以下の項目がさらに押し下げているのでないか。私は、このように推論する。比喩的に言えば、つぎのような表現ができよう。

     

    水源の水は細り始めているにもかかわらず、②、③、④という支流をつくるので、銀行というダムに貯まる水(本源的預金)が減ってしまったことだ。これが、貸出量を制約するので新たな預金(派生的預金)が増えず、信用創造機能が低下していることだ。中国政府は、「一帯一路」で弱小国を「借金漬け」にして喜んでいるよりも、内政充実を先ず心がけないと足下が崩れる懸念が深まっている。

     

    中国は、住宅バブルでGDPを押上げてきた。それが、住宅ローンを増やして個人消費を食込んでいる事実を知る必要があろう。

     

    『ロイター』(7月25日付)は、「中国厦門で消費失速、家計債務が米住宅危機直前の水準に」と題する記事を掲載した。

     

    (3)「中国の住宅価格は、所得比でみると世界で最も高い部類に入っており、何百万もの世帯が抱える債務はすでに、住宅危機直前の米国に匹敵する水準に達していることが、上海財経大学の高等研究院の調査で明らかになった。米国との貿易摩擦が熱を帯びる中、こうした債務が消費に悪影響を及ぼし、内需主導の成長を目指している中国政府の障害になる、とエコノミストは警鐘を鳴らす。中原銀行(北京)首席エコノミストのワン・ジュン氏は、減速する所得の伸びと高水準の家計債務により、短期的に消費者が経済成長に寄与するレベルが限られると指摘する。『住宅ローンの重荷が、それ以外の用途に支出できる可処分所得の額に影響を及ぼしている』と」

     

    ここでは、住宅ローンの増加が個人消費に悪影響を与えていると指摘している。可処分所得にローン返済が圧力を加えているのだから当然の話である。

     

    (4)「国際決済銀行(BIS)によれば、昨年末時点で厦門市における家計債務は同市の国内総生産(GDP)の98%に達し、全国レベルの同55%を大きく上回り、米国における家計債務の対GDP比79%よりも高くなっている。さらに、厦門市における家計貯蓄に対する家計債務の比率は182%と驚くほど高い。厦門市における小売売上高は今年1─5月に前年同期比で9.2%増加したが、全国平均の9.5%を下回っており、前年同期に記録した12.1%から大幅な減速となった」

     

    厦門市の住宅高騰は凄まじいものがあった。

       昨年末時点で厦門市における家計債務は同市の国内総生産(GDP)の98%に達し

       全国レベルの同55%を大きく上回る。

       米国における家計債務の対GDP比79%よりも高くなっている。

     

    これが、次のような結果をもたらした。

       厦門市における小売売上高は今年1─5月に前年同期比で9.2%増加。

       全国平均の9.5%を下回っている。

       前年同期に記録した12.1%から大幅な減速となった。

     

    この結果を見れば、住宅バブルでGDPを押上げてもそれは一時的のこと。その後にローン支払いで、何十年間も貯蓄を減らして個人消費に悪影響を与えるのだ。中国政府は、こういうリアクションを計算に入れていただろうか。

     


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    ソウルの私立大学に通う学生Nさん(22)は最近、大学近くのカフェのアルバイトに応募した。授業料は親に払ってもらうとしても、小遣いぐらいは自分で稼ぎたかったからだ。面接では「いつまで働けるか」「週末に突然呼び出しても構わないか」といった細かい質問が相次いだ。誠実に答えたが選考に漏れた。競争倍率が10倍だったことを後から知った。Nさんは「最近アルバイトがなかなか見つからないと聞いてはいたが、競争倍率が2桁だとは思わなかった。周囲では良いバイトは正式に就職すること並みに難しいとささやかれている」と話した。以上は、『朝鮮日報』(10月6日付)が伝えたものだ。

     

    東京では、時給を1000円に上げてもアルバイトが集まらないということも珍しくない。牛丼で有名な吉野家の決算(連結:今年3~8月)の最終損益は8億5000万円の赤字(前年同期は13億円弱の黒字)になった。人手不足を背景にした人件費高騰が響いたという。

     

    日韓では、労働事情にこれだけの差がある理由は、経済政策の巧拙の違いだ。政府がしっかりと経済の舵を握っているか、そうでないかの違いである。国民にとって有り難い政治は日本であろう。

     

    韓国が、地獄の苦しみに遭っている最大の理由は、繰り返し指摘しているように、最低賃金の大幅引き上げにある。中小零細企業で最賃を一挙に16.4%も引上げられたら、ついて行けるはずがない。こういう無謀な決定をして政府は、財閥企業や公企業・公務員などの労組の強い影響を受けている。前記の労組は、いわゆる「貴族労組」である。下々の世情に疎い集団である。自営業の経営実態がどうなっているのか把握せず、自らの労組の利益だけを考え、最賃引上を行なったことは明らかだ。

     

    前記の『朝鮮日報』は、「最低賃金上昇で韓国のアルバイト求人が急減」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「今年19月にコンビニエンスストア、ファストフード店などがインターネット上に掲載したアルバイト求人が前年同期に比べ13%減少したことが分かった。公式統計に反映される労働市場だけでなく、若者のアルバイトでも働き口が急減した格好で、政府の最低賃金引き上げによる影響ではないかとの見方が出ている」

     

    江戸時代、「生類憐れみの令」を出した5代将軍徳川綱吉は、犬を大切にしたと伝えられている。「バカ殿」の見本のように言われている。実際は、そうでなかったという指摘もあるが、「犬」だけに焦点を絞れば、韓国の「最賃大幅引上げ」に似たように思えるのだ。最賃の大幅引上げで庶民を助ける。この一点だけが強調された結果、多くの国民がアルバイト口を失って困惑している。皮肉な構図である。

     

    (2)「本紙がアルバイト求人サイト大手、『アルバ天国』に依頼し、求人データベースを分析した結果、今年19月に掲載された求人は8504462件で、前年同期の9727912件を1223450件下回った。求人1件当たりの労働時間も減少。今年46月期の週労働時間は16.4時間で、前年同期の22時間よりも5時間以上短くなった。アルバ天国関係者は「求人件数と労働時間が同時に減少しており、求職者は就職難をより実感しているのではないか」と指摘した」

     

    今年1~9月のアルバイト求人件数は、前年比13%ほど減っている。求人1件当たりの労働時間も減少。今年4~6月期の週労働時間は16.4時間で、前年同期の22時間よりも5時間以上短くなった。25%も短縮された。アルバイトを雇う側が、ギリギリまで労働時間を減らして「出費」を押さえている実情が窺える。

     

    (3)「アルバイトの求人減少は、最低賃金が今年から16.4%も引き上げられたことが決定的な要因だったとみられる。アルバイトは通常、最低賃金程度の時給を受け取る。最低賃金が上がれば時給も自動的に上昇するため、自営業者は人件費の圧力を感じることになる」

     

    アルバイトの求人減少は、最賃の大幅引上げが招いたことは決定的である。政府は、これを依然として認めようとしない。最終的には、どのように取り繕う積もりだろうか。来年はさらに10.9%の最賃引上である。韓国でのアルバイト探しは、さらに困難となろう。その前に、韓国経済が失速して「最賃反対デモ」が起こるのか。また、「大統領罷免騒ぎ」とはなるまいが、文政権は確実に窮地へ追い込まれよう。


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    韓国主催の国際観艦式は、済州島で10月10~14日にわたって開催される。1998年、2008年に次いで、今年は3回目である。過去2回は、自衛艦は旭日旗を掲揚したが、今年は認めないと通告された。結果、自衛艦の参加は取り止めになった。軍旗は軍隊の生命線である。それを取り外して入港せよという要求は、度を外れたものである。

     

    問題は、過去2回は旭日旗の掲揚を容認していたのに、今回に限って認めないとはどういう背景があるのか。韓国は、日本の旭日旗をなぜ忌避=恐れたのか。韓国社会はそれすら認識せず、ただ感情的に「帝国主義のシンボル」「戦犯旗」などと言い募って騒いでいるのか。私は、韓国社会が経済的に行き詰まっていることの閉塞感があると見る。それと引き比べ、日本経済はアベノミクスで立ち直ってきた。韓国社会が漠然と恐れる「日本復活」の恐怖感が背景にあるのだろう。

     

    韓国は、1998年と2008年の国際観艦式で旭日旗を渋々としても認めたのは、日本経済がバブル崩壊後で、七転八倒の苦しみの渦中にあったから「日本没落」と見ていたのだ。当時、韓国財閥のトップは韓国駐在の日本記者に会うともしなかったという。理由は、「再起不能に陥っている日本の記者に会っても時間の無駄」、と言い切ったそうだ。それが、韓国社会の日本を見る目であったのだ。それ故、旭日旗に特別の感慨も湧かなかったのだろう。

     

    ところが、安倍政権になってからの日本は様相を変えてきた。経済成長率は回復し、失業率は2.5%と高度経済成長時代以来のレベルまで下がってきた。片や韓国は失業率が4%にも達している。韓国の大卒就職難は深刻だ。韓国政府は、日本での就職活動を勧めるほどになっている。

     

    さらに、出生率の低下が深刻である。今年に入って合計特殊出生率が1を割込み、「人類最初の事態」とまで言われる始末だ。就職難が重なって、結婚難となって出生率低下へと悪循環が続いている。22世紀には、地球上で最初に消える国が韓国とも言われているのだ。

     

    以上のように、韓国では明るい話題が乏しい。こういう閉塞感も手伝い、現代が李朝末期と同じという政治的な不安定を強調する意見も飛び出している。国民全体が不安症に陥っているときに、日本が元気を出してきた。なんとなく、「また日本が攻めてくる」という精神状態に追い込まれているのだろう。

     

    日本に、韓国へ軍隊を進出させる余裕があるだろうか。日本にはないのが現実だ。大きな財政赤字を抱えている上に、さらなる負担を担う余力はない。もっと、重大なことは自衛隊が単独で行動する自由を事実上、奪われていることだ。自衛隊が行動を開始すれば、米軍のチェックが入るはずである。日本単独の軍事行動が不可能な以上、自衛隊が韓国へ乗り込むことは万に一つもない。このように理詰めで考えれば、旭日旗が帝国主義のシンボルという感情論は、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」の類いである。

     

    韓国は、日本を悪者にして批判する前に、なぜ旭日旗を感情的に忌避するか。その理由を考えるべきであろう。韓国の「ツートラック外交」は未来志向と言うが、現実は救いのないほどの「過去志向」である。自信を失っている証拠だ。その不安な気持ちを「日本批判」で紛らせているのでないか。それは、日韓両国にとって不幸である。


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    韓国の記者諸氏で、旭日旗問題の本質を理解している向きはどの程度いただろうか。最も派手に騒いだのは中央日報であり、抑制的であったのは朝鮮日報だ。

     

    朝鮮日報は、旭日旗問題を取り上げるときは、読者の賛成・反対のコメントを掲載し、それに対する賛成・反対の数も付すなど、細やかな配慮を見せた。日本の読者としては、中立的な立場で記事を読めたのは良かった。朝鮮日報編集局では、旭日旗反対騒ぎは、国際慣例に反していることを十分に理解していたと思われる。そう言えば、同紙の社会部長は東京特派員を長く務めた知日派である。こういう書き方をすると、韓国では「親日」扱いされて不利である。あくまでも知日派としておきたい。

     

    『中央日報』(10月5日付)は、「韓国外交部長官、国連に旭日旗問題提起の有無は」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は4日、済州(チェジュ)海軍観艦式での日本の旭日旗掲揚問題に関連して『国際社会でイシュー化しなければならないことかどうかについての問題は、もう少し多くの考慮事項があると思う』と述べた。康長官は国連など国際社会にこの問題を公式に提起する計画があるどうかを問う質問に『いかなる方案が可能か、また適正か検討したい』と答えたもの」

     

    国連海洋法条約は「軍艦」に対し、所属を示す「外部標識」の掲揚を求めている。海自艦にとっては自衛艦旗の旭日旗が外部標識で、自衛隊法などは航海中、自衛艦旗を艦尾に掲げることを義務づけられている。以上は、朝日新聞が伝えたものだが、こういう国際慣例を理解している者から言えば、韓国が旭日旗を掲げて入港するな、という要求は違法そのものである。韓国の外交部長官(外務大臣)は、「国連」という言葉を出している。もっとも、韓国記者から「国連など国際社会にこの問題を公式に提起する計画があるどうか」と問われた結果の答弁である。

     

    質問する記者の無知と、外務大臣の無知が重なり合った「トンチンカン問答」である。なぜ、外務大臣は、国際海洋法条約の存在を説明して、記者の無知を糺さなかったのか。

     

    文政権支持を鮮明にしている『ハンギョレ』(10月6日付)は、「日本、済州観艦式に艦艇を送らないことを決定」と題する記事を掲載した。

     

    (2)「今回の日本の海上自衛隊艦艇の済州観艦式不参加に対して、韓国と日本の軍当局はそろって「遺憾」の意を明らかにした。しかし、この事態が韓日軍事協力にどのような影響を及ぼすか、速断することは早すぎる。韓国政府の対日外交政策は、過去の問題と政治・経済協力を分離して処理するという“ツートラック路線”上に立っている。最近韓国政府は、2015年12月の韓日慰安婦合意に基づく「和解癒し財団」の解体方針を日本に伝達するなど、過去の問題に対しては非妥協原則を再確認しながらも、他の分野では韓日間で必要な協力を持続する意志であることも明らかにしている。海軍は今回のことと関連して『遺憾と考え、今回の決定が両国海軍の発展的関係維持に影響を与えてはならないと考える』と明らかにした」

     

    韓国政府は、過去の問題と政治・経済協力を分離して処理するという「ツートラック路線」上に立っていると、言っている。つまり、過去の問題は言いたい放題だが、今後の問題は協力し合いましょうという、極めて身勝手な言い分である。旭日旗問題は、現在起こっている問題である。ならば、過去と一線を引いて未来志向で考えられないのか。

     

    人間は感情の動物である。「戦犯旗」とか「帝国主義のシンボル」とまでぼろくそに叩いておいて、「これからの問題は宜しくお願いします」で通用すると思っているとしたら、常識外れの国家である。

     

    10月8日は、1998年に金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相が「日韓共同宣言」を発表してから20年を迎える日だ。韓国側では、新「日韓共同宣言」発表という動きもあったが、旭日旗騒ぎでそんな気持ちが残っているのだろうか。一時の感情論が、「ツートラック路線」の曖昧さを吹き飛ばしてしまった。

     

     


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    中国の「一帯一路」プロジェクトが一時は、上手く動いていると見られていた。日本のメディアは社説で、日本も参加すべしと競って書いていたものだ。ところがどうだろう、その実態が判明して驚くほかない。中国の「借金漬け外交」であった。過剰債務で身動くできない国家が続出している。破綻ないしその恐れが強い国家は8ヶ国にも及んでいる。合理的な経済計算が不得手な中国らしい結末を迎えている。

     

    米国のペンス副大統領は、演説で次のように批判する。

     

    中国が、『借金漬け外交』によって世界で影響力拡大を図っていると主張する。『アジア、アフリカ、欧州、さらには中南米の諸国に多額のインフラ融資を供与している。しかし融資条件は良く言っても不明瞭で、中国政府が圧倒的な恩恵を享受している』とする。南米ベネズエラの『腐敗し機能不全に陥っている』マドゥロ政権に50億ドルの融資を約束し、政権存続を支援していることも非難する」(『ロイター』10月3日付)

     

    世界世論が、こぞって中国の「借金漬け外交」を批判するに及んで、借金漬けにされていた国民が大統領選挙で「反中国派」候補者を選ぶようになった。これは、中国にとって大きな痛手である。債権回収が強引に行えなくなるからだ。中国派大統領であれば、賄賂でも掴ませて、債務返済を優先させられたであろうが、「反中国派」大統領では、それは不可能だ。

     

    『日本経済新聞 電子版』(10月7日付)は、「中国、一帯一路に誤算、親中政権の敗北相次ぐ」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「中国は広域経済圏構想『一帯一路』の沿線で相次ぐ親中政権の敗北に危機感を強めている。各国で中国支援がもたらす汚職や債務の問題に懸念が高まったのが原因で、習近平(シー・ジンピン)国家主席は新政権との関係構築を急ぐとともに、経済支援の手法を見直すよう指示した。米国との関係が悪化するなか、中国を支える『友好国』をつなぎ留めるのに必死だ」

     

    「金の切れ目が縁の切れ目」の通り、中国は「一帯一路」で逃げ腰になっている債務漬け国家の引き留めに躍起だ。地政学的にも重要な国が多いから、これら諸国が寝返りしてしまえば元も子もない。

     

    太平洋諸国では、中国の借金付け戦略を防ぐべく、ADB(アジア開発銀行)が職員を各国に常駐させ、中国の甘言を防ぐ方針である。ここまで警戒される中国とは、どういう国なのか。言葉は悪いが、「山賊盗賊集団」のごとき振る舞いと言うほかない。品位のある振る舞いはできないとすれば、どうにもならないのだ。

     

    「一帯一路」プロジェクトに日本が参加する。詳細は、安倍首相の訪中の際、発表される。日本政府はイメージの良くない「一帯一路」と呼ばない方針という。このため日本側は「一帯一路」には言及せず、「第三国での協力」との表現を使用。資金計画から一切合切、見直して、真に必要なプロジェクトだけに絞る。具体的には、次の条件を満たすことが必要と強調されている。

     

    (1)相手国の財政の健全性

    (2)開放性

    (3)透明性

    (4)経済合理性

     

    皮肉にも、中国の「一帯一路」は前記の4条件に照合すると全て不合格になる。中国が何を狙って「一帯一路」を始めたか、その魂胆がのだ分るのだ。

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