勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。


    米中首脳は、11月末のG20サミットで会談予定である。米国の中国批判は、トーンダウンするどころか、さらに「出力」アップの勢いだ。米国は、中国経済が完全に沈滞局面に入っていることを把握して、「溺れた犬を叩くべし」という戦略に見える。中国は、ここまで見くびられる存在になってきた。

     

    『レコードチャイナ』(11月11日付)は、「米高官、『ペンス副大統領はアジア訪問で中国を強く批判する』」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「米華字メディア『多維新聞』(11月10付)は、ペンス米副大統領が、パプアニューギニアで17日から開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での演説で、中国を強く批判する見通しだと報じた。米『ボイス・オブ・アメリカ』が10日、米政府高官の話として伝えたもので、ペンス副大統領は演説で、地域の在り方を包括的に捉えた米国のビジョンを提示するという。演説には、中国への強い批判のほか、中国が進める現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に対抗するためのインド太平洋諸国への600億ドル(約6兆8000億円)の経済援助の方針も含まれる見通しだという」

     

    ペンス米副大統領が、強い中国批判をする裏には、中国の「米国外し」という挑発がある。南シナ海での資源探査では、第三国(米国を指す)の開発業者を入れない。また、ASEANと中国との海軍合同演習では、他国海軍(米国を指す)を参加させないなど、根回しをしているからだ。こういう小細工が露見しており、米国の怒りは倍加している。

     

    米国が08年のリーマンショック後、アジアから手を引きかけた際、中国はこれを利用し、南シナ海で横暴を始めた。米国が、中国に深い疑念を持つのは致し方ない。ペンス副大統領は、中国に勝手な振る舞いをさせない。APECで、そういう決意を表明するのであろう。



    きょうは11月11日。中国では「独身の日」と呼んでいる。「1」が4つ並んでいるからそういうのだろう。何か、うら悲しい響きがする。その憂いと憂さをはね飛ばそうという狙いか、アリババは通販で1日中「大バーゲン」を行なう。かつてNHKまでが、その猛烈な売れ行き具合を実況放送するほどだった。きょうの売上はどの程度か。関心が集まっている。

     

    中国の自動販売は低調である。夏から失速状態だ。実は2016年以降、一本調子の増加基調でなくなっていた。それを減税というカンフル剤で押上げてきたが、その効果が切れたと見るべきだろう。

     

    『ブルームバーグ』(11月10付)は、「中国乗用車、10月販売13%減、5カ月縮小、通年で前年割れも」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「全国乗用車市場情報連合会(乗連会)が8日発表した10月の乗用車販売台数は5カ月連続の前年割れとなった。2018年通年の販売台数が減少となれば、少なくとも20年間で初となり、成長の牽引(けんいん)役として中国市場に頼るメーカー各社には逆風となる。乗用車とスポーツ用多目的車(SUV)、多目的自動車(MPV)を合わせた10月の販売台数は前年同月比13.2%減の198万台。1~10月累計は1840万台で前年同期比2.5%の減少となった」

     

    気をつけていただきたいのは、中国には自動車統計が二つあることだ。ここに出てくる全国乗用車市場情報連合会(乗連会)は、販売店で実際に売れた台数を発表している。もう一つは、中国汽車工業協会である。これは、メーカーが出荷した台数である。この違いを混同していると、「どちらの数字が本当か」という混乱が起る。かく言う私も、当初は数字の違いに驚かされた。

     

    乗連会のデータでは、10月は前年同月比13.2%減の198万台。5カ月連続の前年割れとなった。1~10月累計は1840万台で前年同期比2.5%の減少である。

     

    一方、中国汽車工業協会のデータは、10月の中国の新車販売台数が前年同月比11.%減の238万台だったと発表した。4カ月連続の前年割れで、1~10月の累計販売台数は前年同期比で0.%減の2287万台である。

     

    この二つの販売データを見比べると、メーカーが販売店へ押し込み販売していることが分る。メーカーが、売れ行き不振をカバーすべく強引に出荷しているもの。16年秋もこういう状態であった。いずれ、販売店サイドで過剰在庫を抱えて値崩れを起こすに違いない。現状は、その危機に向かって突進している過程であろう。来年早々、自動車の乱売戦が始る感じだ。



    以下の目次で今朝、発行しました。ご購読をよろしくお願い申し上げます。

     

    中国の強気を挫いた資金流入減

    王岐山氏が米金融界へSOS

    米元財務長官が中国の苦境代弁

    外貨準備高減少に怯える中国

    経常収支異変が資金流入止める

    外準3兆ドル割れが起こす混乱

     

    中国の強気を挫いた資金流入減

    中国は、米国向け輸出が首位を占めています。この米国と、四つに組んで貿易戦争をやること自体、経済的に無理な話です。普通の民間ビジネスでは、理由を問わず最大の得意先と争いごとを起こすことはあり得ません。その企業にとって売上減となり、経営が左前になるからです。中国がそういう常識から外れて、米国と「喧嘩」を始めたのです。だが、ここで中国に困った事態が起っています(つづく)。

     



    物価は、景気の体温計である。生産者物価(PPI)は、企業の売上動向を端的に示すから、収益基調が上向きか、下向きかを示すシグナルである。中国のPPIは、減産効果と商品投機に影響されて急騰したが、再び下落基調に転じている。

     

    中国国家統計局が9日発表した10月の生産者物価指数(PPI)上昇率は、前年比3.3%で、9月の3.6%から鈍化した。鈍化は4カ月連続である。米国との貿易摩擦が経済を圧迫していることが浮き彫りになった。

     

    今年は、6月が前年比4.7%の上昇率でピークをつけたあと、次のような動きをしている。

    7月 4.6%

    8月 4.1%

    9月 3.6%

    10月 3.3%

     

    この調子で下落すれば、11月は3%割れ、12月は2%台半ばというところだろうか。この伸び率鈍化に合わせて企業利益も減少する。9日の米国株価は、このPPIの鈍化を嫌気して売られる展開となった。中国経済の斜陽化は世界的な共通認識にな


    文在寅政権を見て気付くことは、保守党政権とどこが違うか、である。むしろ「屁理屈」を言ってワルを行なっている分、驚くのだ。これでは、韓国の国民は救われまい。

     

    革新政権は、北朝鮮への思い入れが極めて強い。同じ韓国人の保守派を毛嫌いして、北朝鮮へと傾斜している姿は異常に映る。その先頭に立つのが文大統領である。いっそのこと、韓国は革新と保守が袂を分かち、別々の国家になった方がスムースにいくだろう。革新は北朝鮮と合併する。その方がすっきりする感じだ。それほど、激しい対立をしている。その反映が、身びいきとなって現れるのだ。

     

    文政権は「身びいき政権」である。北朝鮮を大事にする反面、保守派に対しては敵意をもって対峙しているからだ。この姿は、思想傾向が一致する者を同士と認め、一致しない者を敵対視する構図であり、セクト主義である。

     

    この流れは、韓国の公企業役員5人中2人は業務能力や専門性と関係なく政治傾向などにより起用された、いわゆる「天下り」人事である。革新政権だから、人事を「公平」に行なうと思ったら大間違い。保守党政権と同じことをやっているのだ。

     

    『中央日報』(11月10日付)は、「文在寅政府の公企業役員の37%は天下り」と題する記事を掲載した。

     

    (1)「企業経営成果評価サイト『CEOスコア』が韓国の公企業35社と傘下の子会社12社など合計47社の公企業の役員現状を分析した。これによると、機関長・監査・非常任理事・非常任監査など役員316人の中で118人(37%)が官僚(75人)および政界(43人)出身だった。特に、文在寅(ムン・ジェイン)政府の発足に寄与した功労で任命されたという批判を浴びる、いわゆる「キャンコーダ〔キャンプ、コード(政治傾向)、共に民主党のハングル頭文字〕人事」は計75人で24%を占めた」

    数字の羅列で理解しにくいので整理しておく。

    機関長・監査・非常任理事・非常任監査など役員316人中,

    官僚(75人)

    政界(43人)

    文大統領系統(75人)

     

    (2)「CEOスコアは、『各種利益団体と公職者の癒着、前官礼遇などの問題点を解決するために公職者倫理法が2015年施行されたが、政権交代のたびに天下り人事は繰り返されている』と指摘した」

    公職者倫理法が2015年施行されたが、無視された形であるという。公企業と言えば、名誉色的なものもあるだろうし、こういうところに限って高給が払われているものだ。現役を引退した人たちの再就職にふさわしい職場なのだろう。天下り人事を行なっている限り、効率的な経営など望むべくもあるまい。これでは、文大統領の口癖である「公平」の実現とはほど遠いのだ。


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