勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    中国政府は24日朝、武漢肺炎の死者が26人となり、発症した人は800人を超えたと発表した。武漢市は23日、全市を事実上の封鎖状態にしている。中国当局は、さらに封鎖の範囲を周辺の7つの市にも広げ、感染拡大の防止を図る羽目に追い込まれている。

     

    本欄が、危惧したように感染拡大の傾向が一層、強まってきた。対策が手遅れとなっている。過去のSARSのウイルス特定で大きな功績を挙げている香港の専門家が武漢市を視察した結果、「SARSの10倍規模」と絶句している。

     

    『大紀元』(1月24日付)は、「武漢視察の香港専門家『感染規模はSARS10倍以上』現状に『無力感』」と題する記事を掲載した。

     

    感染症の権威である香港大学教授・新発伝染性疾病国家重点実験室の管軼主任は23日、中国メディア『財新網』の取材で、新型肺炎の感染規模は『重症急性呼吸器症候群(SARS)の10倍以上だ』との見解を示した。同主任は1月21〜22日まで、武漢で現地調査を行った。

     

    管氏の研究チームは過去、2002~03年にかけて発生したSARSの際、世界で初めてSARSの原因が新種のコロナウイルスだと特定した。また、チームはSARSの感染源は広東省の生鮮市場だと確定した。このように定評ある実績を持つ管氏が、武漢肺炎について下す判断は、きわめて貴重である。

     


    (1)「香港大学教授・管軼主任は、「今回の状況に恐怖を感じた」という。これまで「鳥インフルエンザ、SARSA型インフルエンザウイルスのH5N1亜型、豚コレラ」を経験した同氏は、今回の新型肺炎について、「強い無力感に襲われた」「今回の感染規模は控えめの試算でもSARS10倍以上だ」「現在、感染源は全面的に広まっている」と述べた」

     

    管軼主任は、過去の大型感染症を経験した専門家である。武漢市の防疫体制が全く不備であると指摘している。武漢肺炎は、控え目に見てもSARSの10倍以上の規模で発症しているという。対策が後手、後手に回っているのだ。

     

    (2)「管軼氏は、武漢市民の防疫意識の低さを指摘した。21日午後、武漢市内の市場を視察した同氏は、市場の悪劣な衛生状況に「非常に驚いた」と話し、市場で旧正月に使う食材を購入していた市民のうち、マスクを付けている人は「1割以下だ」という。空港でも、床が消毒されておらず、スタッフが手で体温計を持って乗客の体温を測っている。空港内に消毒液が設置されているところはわずかだ」

     

    防疫体制の不備が、感染規模を爆発的に拡大している。先進国から見れば、非常に立遅れている。

     

    (3)「管氏は、武漢市で感染は「すでに抑えられない状況になった」と判断した。この状況に対して、「現地の感染防止対策は全く強化されていない」「22日までの状況を見ると、武漢は無防備のままだ」と指摘した」。同氏は、武漢市が23日未明に市を封鎖すると発表したことについて、「感染拡大防止の黄金期を失ったため、効果はもはや楽観視できない」との見解を示した」

     

    管氏は、感染拡大防止の黄金期を失ったため、効果はもはや楽観視できないとの見解を示した。WHO(世界保健機関)は、24日未明の発表でも「様子見」を続けている。中国政府からの圧力がかかっているのだろう。


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     元日産自動車のカルロス・ゴーン被告は、逃亡先のレバノンで逃げ得によって安泰か。日本の司法当局とレバノン当局間で新たな動きがあった。

     

    ゴーン被告の弁護団のうち弘中惇一郎弁護士と高野隆弁護士が弁護人を辞任したことが16日、分かった。主任だった河津博史弁護士は引き続き担当するという。弘中弁護士と髙野弁護士には「懲戒請求」が出されるなど、逃亡後の日本ではその余波が収まらない状況である。

     

    『ロイター』(1月23日付)は、「日本とレバノン、ゴーン被告の裁判巡り40日以内の合意必要=関係筋」と題する記事を掲載した。

     

    保釈中に不正に日本を出国した日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告について、逃亡先のレバノンと日本の当局は日本に身柄を引き渡すか、レバノンで裁判を開くかについて約40日以内に決定する必要がある。司法筋とゴーン氏に近い関係筋が23日、明らかにした。

     

    (1)「日本とレバノンは犯罪人引き渡し協定を結んでおらず、レバノンは通常、自国民の身柄を他国に引き渡すことはしない。ゴーン被告の弁護団は、被告が国籍を持ち、深いつながりがあるレバノンで裁判を受け、潔白を証明することを望んでいる」

     

    (2)「関係筋によると、日本の当局は最近、正式な引き渡し要請のためには、どのような資料を提出する必要があるのか、明確にするようレバノン側に求めた。司法筋は「レバノン側は回答し、私たちはきょう、これを日本側に送った」と述べた。関係筋によると、この両国のやりとりは重要性が高い。ゴーン被告の裁判をどこで、どのように行うかについては、両国が

    40日以内に合意を結ぶという国際刑事警察機構(ICPO)規則上の規定が適用されるためだ

     

    (3)「ゴーン氏に近い関係筋は、日本側はレバノンに正式にゴーン被告の引き渡しを要請するか、被告の捜査資料をレバノンに送り、同国での裁判手続きに合意するかのどちらかを行う必要に迫られていると指摘した。レバノン検察当局は今月、ICPOによる逮捕手配書を受け、ゴーン被告の事情聴取を実施し、渡航禁止令を出した。日本の検察当局はこれまで、国内で裁判を開くことを引き続き求めていると明らかにしている」

     

    日本とレバノン両国は、40日以内に合意を結ぶという国際刑事警察機構(ICPO)規則が適用されるので、2月一杯にはゴーン被告を巡る措置が決まる見通しになった。

     

    『産経新聞』(1月17日付)は、「高野弁護士にも懲戒請求、ゴーン被告逃亡肯定『品位に反する』」と題する記事を掲載した。

     

    カルロス・ゴーン被告の弁護人を務めた高野隆弁護士に対し、東京都内の男性から「被告の逃走を肯定する発言をブログでしたのは重大な非行」などとして第二東京弁護士会に懲戒請求が出され、同会の綱紀委員会が調査を開始したことが17日、関係者への取材で分かった。弘中惇一郎弁護士にも東京弁護士会に懲戒請求が出され、既に調査が始まっている。

     

    (5)「高野氏はゴーン被告逃亡発覚後の4日、自身のブログで「公正な裁判は期待できない」などと日本の刑事司法制度を批判した上で「彼と同じ財力、人脈、行動力がある人が同じ経験をしたなら、同じことをしようとするだろうことは想像に難くない」などと発信した。関係者によると、懲戒請求書では高野氏について「被告を管理監督する立場にいながら、このような発言をすることは、あまりに無責任であり、違法行為を肯定する発言であり、助長する行為。弁護士としての品位に反する行為であるのは明白」などと指摘。高野氏が逃亡に関与した疑いもあるとして同弁護士会に調査を求めた」

     

    弘中弁護士は、「無罪請負人」とまで言われる敏腕弁護士として名を馳せている。ゴーン被告の逃亡は、そのキャリアにシミを残すであろう。ゴーン被告は、とんだ騒ぎをまき散らしものだ。


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    1月23日午前10時、武漢市の交通機関が閉鎖された。人口1100万人の都市である。市民は、この日の未明に朝10時に駅を閉鎖されると聞かされ、行く当てもなく列車に飛び乗って武漢を離れるのに精一杯であった。武漢市民が、これだけ慌てて脱出を図る裏には、相当数の患者が出ていることを知っていたからだろう。裏情報に強い中国市民は、政府の公式発表を信用せず、独自の情報を頼りに動いているに違いない。

     

    中国国営テレビによると、武漢肺炎による死者数は23日午前11時点(日本時間)で17人、発症者は571人。感染は武漢市のほか、北京、上海、マカオ、香港でも確認された。タイでも4人、米国、台湾、韓国、日本ではそれぞれ1人の感染が確認されている。問題はこれからどう事態が動くかである。

     

    中国メディア『財新網』は、武漢市内の重点病院に勤務する複数の医師の話として、武漢肺炎の感染者は6000人を超えていると伝えた。国営テレビでは、発症者数は571人である。武漢市内の重点病院に勤務する医師の情報では、政府発表の10倍にも達している。どちらの話を信用するかと言えば、中国人的な感覚では身近な人の情報である。

     


    『大紀元』(1月23日付)は、武漢市、「戦時状態」宣言、交通機関を閉鎖、脱出図る市民で混乱」と題する記事を掲載した。

     

    中国湖北省武漢市政府が23日早朝に開催した新型肺炎の対策会議で、「全面的に戦時状態に入った」と宣言した。当局は同日未明、23日午前10時から武漢市から出発する高速鉄道、航空便、長距離バスなどの運行を停止すると発表した。多くの市民が脱出を試みた。

     

    (1)「中国メディアによると、武漢市党委員会書記で感染防止指揮部のトップである馬国強氏が早朝、会議を召集した。会議は、今後の感染拡大防止について「全面的に戦時状態に入った」とし、「戦時状態の措置を実施し、感染のまん延を断固として阻止する」との方針を固めた。武漢市は23日午前2時、交通機関を閉鎖すると公表した。通達は「2020123日午前10時以降、市内のバス、地下鉄、フェリー、長距離バスなどの運行を一時停止する。特別な事情がない限り武漢を離れてはいけない。空港、鉄道駅を一時閉鎖する。再開について、別途に通知する」とした」

     

    ウイルスは、すでに「変異」していると指摘されている。中国の春節では、延べ20億人以上が移動すると言われるだけに、月末にどれほど患者が増えているかが焦点である。WHO(世界保健機関)は、まだ結論を出さずに「状況を見る」としているが、出遅れにならないだろうか。

     


    (2)「ネット上では、中国軍、共産党中央軍事委員会は、社会不安の広がりを防ぐために、中部戦区の一部の兵士を武漢市に派遣し、空港などの閉鎖に当たらせたとの情報が出た。しかし、中国当局からの発表はない。市の発表を受けて、市民の間ではさらに不安が広まった。多くの市民が閉鎖時間の10時までに市からの脱出を図り、高速鉄道の駅、鉄道駅、空港などに殺到した模様。中国メディア『財新網』(23日付)によると、鉄道駅のチケット売り場で列に並んだ市民は「どこへ行ってもよい、武漢を出られるならどこでもいい」と話した。観光で武漢を訪れていた北京市民は「武漢市政府が空港などを封鎖すると知って、すぐ荷物をまとめた。でなければ、ここに足止めされてしまうから」とした」

     

    武漢市民で、避難できる経済的にゆとりある層はいいものの、残留せざるを得ない人には深刻であろう。長期戦の構えはできているだろうか。封鎖解除までには、かなりの時間がかかる。その間、中国の受ける経済的な損害は甚大だ。2003年のSARSでは、個人消費が相当な影響を受けている。

     

    (3)「香港紙『蘋果日報』(23日付)によれば、武漢市の高速鉄道駅では、市からを脱出しようとする市民らが大きな荷物を持っていて、「皆が慌てている様子だった」。高速鉄道の券売機に全部「故障中」との張り紙が貼られていたため、市民らは窓口に集中した。現場は混乱していた。

     

    SARSといい今回の武漢肺炎といい、発症地はいずれも中国である。衛生環境が悪い結果だ。こうした脆弱性を抱える中国が、世界覇権の夢を持つこと自体に矛楯を感じないだろうか。偉大なる空想国家、と言うほかない。


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    韓国の昨年の実質GDP成長率が発表された。辛うじて2%を維持した。この裏には、涙ぐましい努力があった。2%成長の中身を見ると、民間部門が0.25%ポイント。公共部門が1.75%ポイントの寄与となっている。政府部門が、支出を増やして1%台の成長率を阻止したことは間違いない。今年4月の総選挙を前に、「1%台成長」では不利と見たのだ。

     

    政府はまだ隠し立てをしている。GDPデフレーターの数値が不明であるのだ。名目成長率が1%台であるが、GDPデフレーターがマイナスで「名実逆転」(名目成長率が実質成長率を下回る)になっていることを知られたくなかったのであろう。名実逆転であれば、韓国経済は、先行き不安を増幅するからだ。

     

    韓国銀行のGDP統計発表数字を各紙で調べた。だが、GDPデフレーターが見当たらないのである。隠してしまったと見られる。IMF(国際通貨基金)による昨年10月予測では、GDPデフレーターは、前年比マイナス0.868%であった。すでに発表されている各四半期のGDPデフレーターは、1月から9月までマイナスを記録。3四半期のGDPデフレーター平均は、マイナス0.938%である。

     

    韓国は、昨年のGDPデフレーターがマイナスに落込んだとすれが深刻である。普通の経済では、GDPデフレーターがプラスになる。つまり、輸入物価、生産者物価、消費者物価などを総合したGDPデフレーターは、上昇しているものだ。その意味で、GDPデフレーターは景気の基調を見る上で不可欠である。韓国のGDPデフレーターがマイナスに落込んだのは、韓国経済が長期不況色を強めていることを意味する。韓国銀行は、それを嗅ぎつかれないように隠したのでないか。私は、そう疑うのである。

     

    『朝鮮日報』(1月23日付)は、「金融危機以降最低の2%成長、それも4分の3は税金」と題する社説を掲載した。

     

    昨年の韓国の経済成長率が2.0%にとどまり、世界的金融危機以降10年ぶりの低成長を記録した。政府が年末に税金をつぎ込み、ようやく2%を死守したが、2%のうち企業や家計による民間の寄与割合は25%ポイントで、税金支出を意味する政府の寄与度が75%ポイントに達した。特に財政出動で総力戦が展開された昨年10~12月には政府が成長全体の83%ポイントを担うという正常ではない状況である。民間経済が停滞する中、政府が税金で無理に成長率をつり上げたことを示している。文字通り「税金主導成長」である。

     

    (1)「政府があらゆる手段を使い、2%達成に全力を挙げたのは「成長率1%台」という成績表では総選挙を戦えないからだ。それで「予算を残せば不利益を与える」として、予算の早期執行を促した。地方自治体が給与の支給日を前倒しし、各地の教育庁は長期休業に入る前に教室の私物ロッカーや机椅子を交換するなどてんやわんやだった。真冬に木を植えたり、高齢者の就労事業を行ったケースもあった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は勤労・子女奨励金を執行するのに忙しかった一線の税務署にピザまで配った。税金を節約するのではなく、最大限気前よく使わないと大統領に称賛されない国になった」

     

    下線部分には、政府10~12月にかけて財政支出を必死で増やして、GDPの下支え策に出た様子を示している。一昨年の10~12月期のGDPも政府部門の支出増で18年のGDP成長率を2.7%に押し上げている。昨年も同じ手を使ったのだ。だが昨年と同様に、今年1~3月期のGDPはマイナス成長になろう。

     

    (2)「経済の至る所で成長動力が失速している。低成長の相当部分は政府の政策的ミスが原因だ。労組寄りで反企業・反市場的な政策が企業の意欲をそぎ、産業の活力を低下させた。全ての先進国が規制改革と減税、労働改革を通じて競争力を高める政策を取る中、韓国政府は逆行した。最低賃金と法人税を急激に引き上げ、硬直的な労働時間の週52時間上限制を強行し、コスト負担が高まった。規制改革どころか環境や既得権の保護を理由に新たな規制を大量に追加し、企業活動に足かせをはめた

     

    文政権は、何よりも総選挙の敗北を恐れている。だから、支持母体の労組と市民団体の顔色を見て政策を行なっている。苦しむ国民を救うことよりも、「共に民主党」を総選挙で勝たせる。それによって、文在寅氏は安心して任期を全うして、検察捜査を受けずに幕引きできると踏んでいるのだ。

     

    (3)「経済副首相と与党代表は2%成長について、「困難な環境でも善戦した」と自画自賛した。経済基調を転換するという言葉は全くなかった。税金主導成長は持続可能なものではない。既に財政赤字が急速に膨らみ、政府債務が初めて700兆ウォンを超えた。やがてこれ以上税金をつぎ込むことができない状況が到来する。現政権はそれが任期後に訪れると信じているのだろう」

     

    文大統領は、韓国の大統領ではなく「共に民主党」の大統領である。これほど露骨に支持母体の利益だけを追及した政治家もいないだろう。それが、2019年の経済成長率の中身に表れている。


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    文大統領は、自己保身で汲汲になっている。4月の総選挙で与党「共に民主党」を勝たせる。それが、文氏の退任後の身分を安泰にさせると信じているからだ。その一環として、検察改革を行い、文氏側近を捜査する検察に人事面で露骨な介入をした。およそ、公正と平等を説いている文氏にふさわしくない行動である。

     

    文大統領による検察への人事介入が、世論調査で文大統領と与党の支持率をジリジリと引下げている。国民は、じっと政権と与党の振る舞いを凝視しているのだ。共に民主党は、この成り行きに頭を痛めている。

     

    『ハンギョレ新聞』(1月23日付)は、「『大統領府ー検察の軋轢』、総選挙の悪材料となるかも、民主党の心痛」と題する記事を掲載した。

     

    検察の同時多発的な捜査をめぐり、大統領府と検察間の緊張が続き、「共に民主党」の苦悩が深まっている。総選挙に否定的影響を及ぼさざるをえないが、今後相次ぐ起訴と裁判で短期間に整理されうる事案でないことが悩ましい。民主党は、検察人事と大統領府捜査に関連した軋轢が最近の世論調査に現れた支持率小幅下落に影響を及ぼしたと分析している。

     


    (1)「大統領府は23日、検察の人事異動で捜査にブレーキをかけた。検察はこれに対抗してチェ・カンウク大統領府公職規律秘書官を起訴するなど、あたかも大統領府と検察が打ち合うような状況が演出された。「終わりそうで終わらない」軋轢が続いている。前日にもチェ秘書官は「チョ・グク元長官に対する捜査結果があまりにつまらないものだったので(新たな)疑惑を作り出している」と激しい表現を使って検察を非難した」

     

    日本では、首相官邸が検察の動きを批判することはない。三権分立の立場から言って、行政が司法に介入することはあり得ないからだ。韓国は、時代遅れで大統領が皇帝と錯覚している。日本より100年は遅れている。そういう認識がゼロで、「日韓対等」意識で立ち向かってくるからギクシャクするのだ。

     

    (2)「間に挟まった民主党は、「検察の捜査に無理がある」と反発しているものの、内心は総選挙に及ぼす影響により神経を尖らせていると見られる。継続している大統領府ー検察の軋轢」が、総選挙で領域を拡張しなければならない中道層に良くない影響を与えかねないと見ているためだ。民主党のある戦略通議員は「総選挙のリスク要因になり得る。軋轢それ自体が負担になりかねず、大統領府に対する検察の捜査が続いているだけに、捜査を通じて新たな事実があらわれれば圧迫になりうる」と展望した」

     

    大統領府は、検察の家宅捜査を拒んだ結果、検察捜査官が8時間も室外で待機させられ、やむなく家宅捜査を諦めたという一件があった。メディアによって一部始終報じられているから、大統領府には不利である。支持率が下がって当然であろう。家宅捜査を拒否するのは、大統領府が別格の扱いということだろうが、「三権分立の原則」に著しく反することである。そのことに気付かないほど、特権意識を持っていることを示している。

     

    (3)「また、別の与党関係者も「検察が無理な捜査をしていることは事実だが、私たちも与党なのに軋轢管理がうまくできていない。表立たないように軋轢を収拾する方式で進むべきなのに、かえって正面から争う姿を見せている」と指摘した。検察が大統領府に対する捜査を通じて総選挙に影響を及ぼしていると声を高めようとしても、すでに「大統領府に対する捜査を阻もうとしている」というフレームが形成されている状況を憂慮しているわけだ」

     

    下線のような「邪推」をなぜするのか。検察は大統領府の「敵」という位置づけであるからだ。この意識に基づいて、検察人事に介入し検察改革をやっているのだろう。検察機構を政治の道具に使うのは、政府腐敗の原点である。文政権が、すでに腐敗していることを自ら証明している。

     

    (4)「大統領府は、大統領府およびチョ・グク前法務部長官に関連する捜査を指揮した次長検事を全面交替した人事と関連して、「人事提案権は法務部長官に、人事決定権は大統領にある」という原則的な立場だけを明らかにした大統領府捜査の遮断用という保守勢力の反発に生半可に対応すれば、さらに世論が悪化することもありうるためだ」

     

    大統領府が、検察や裁判所の人事権を振りかざして、「人事決定権は大統領にある」と言うのは民主主義として未成熟である。日本では、こういう露骨な発言をする首相を見たことがない。司法人事は、独立を保障すべきである。文政権は、裁判所の人事権も握って、「積弊一掃」を行なわせている。言葉は上品でないが、「ろくなことをやらない」大統領なのだ。

     

    (5)「韓国リサーチのチョン・ハンウル世論分析専門委員は、「大統領府と検察の軋轢イシューは、政府・与党にとってはマイナスに働く。まず経済が1順位ではないとのメッセージを与え、チョ・グク前長官イシューを再び呼び覚ます効果がある。チョ前長官または大統領府に対する捜査を妨害している姿に映れば、政府・与党にはマイナスにしかならない」と明らかにした」

     

    下線部分の大統領府と検察が争っている印象は、大統領府にとってマイナスでしかない、と世論調査の専門家が指摘している。その通りだ。検察の人事権も大統領にある。それでも検察は、自らの任務に対して忠実に遂行している。この検察に拍手を送るのが普通の感覚だろう。文政権は、権力を野党に渡したくない一念で、すでに正常な感覚を失っているのだ。


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