勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    中国的社会主義を標榜してきた中国は、新型コロナウイルスで世界を混乱の坩堝へ引っ張り込み、未だ解決のメドも立たず、世界は凍結状態である。人権弾圧など強権政治を貫いてきたが、「チャイナモデル」は効率的と自画自賛してきた。その舌の根も乾かぬうちに、新型コロナの震源地となり、しかも情報を隠蔽した結果、世界の人的・物的な被害は計り知れない規模に膨れ上がっている。中国怨嗟の声は、大きくなるばかりだ。チャイナモデルの危険性はさらに鮮明になった。

    『中央日報』(3月31日付)は、「西側から続々出てくる中国責任論、中国は『雑音』として強く反発」と題する記事を掲載した。

     

    西側でますます台頭する新型コロナウイルスに対する「中国責任論」に中国が緊張している。「中国叩き」で先頭に立ってきた米国だけでなく、英国など一部西側諸国からも中国を恨む声が出始めたためだ。海外の動静に最も敏感に反応する中国『環球時報』は31日、「3大事実は中国がはばかることなく雑音に対抗するよう支持する」という見出しの社説を載せた。「雑音」は西側の中国非難を指す。

    (1)「環球時報社説は現在西側で中国に向け提起している3種類の「雑音」を挙げた。

    1番目の「雑音」は、中国が新型コロナ感染者と死亡者数を隠したということだ。中国の隠蔽により新型コロナウイルスの危険性がよくわからず、したがってまともに対応措置を準備できなかったと批判している。代表的にポンペオ米国務長官がこうした主張を展開している」

     

    (2)「マイケル・ゴーブ英国務調整室長も最近英BBCとのインタビューで、「英国の新型コロナ問題に対する準備はなぜ不十分なのか」という質問を受け同様に答えた。彼は「昨年12月に中国で初めての新型コロナ事例が出現したが、中国は感染症の規模や特性、伝染性などについて明確に説明しなかった」と話した。中国が事態の深刻性をしっかりと知らせなかったということだ」

     


    『サウスチャイナモーニングポスト』(SCMP)の単独報道によると、武漢発コロナウイルスは広く知られた12月末よりもさらに早い11月中旬に初めて発見されたという。中国当局の隠蔽・統制の中、コロナウイルスは徹底的に隠された。中国は春節(旧正月)にすでに500万人が武漢を離れた後、今年1月下旬に新型コロナを公式発表した。事態はすでに手に負えなくなり、本人も知らない感染者が全世界に移動した後だ。中国は世界を地獄の門前にまで導いたことになる。崔炳鎰(チェ・ビョンイル)梨花女子大学国際大学院教授は、『中央日報』(3月31日付けコラム)で、こう指摘している。隠蔽こそ、中国が負うべき最大の罪である。


    隠蔽は、共産主義と密接不可分の関係にある。となれば、今回の新型コロナウイルスは、世界に中国共産党が存在する限り、避けて通れない災難である。この前提に立てば、中国を原因とする世界的な感染症は、今後とも起こり得ると見なければならない。

     

    (3)「2番目の「雑音」は、一部の基準に満たない中国製医療物資を問題にして中国外交に泥を塗っていることだ。オランダは28日に基準に満たない中国製マスク130万枚をリコールした。また、スペインとチェコでも中国製診断キットを輸入したが精度が大きく劣り使用を中断する事態が起きた。これに対し中国外交部の華春瑩報道官は30日、「われわれが受け取った援助物資の中にも一部不合格品があった」と話した。華報道官はしかし「これに対するわれわれの選択は援助を提供した国の善意を信じ尊重するということだった」と説明した」

    下線を引いたスペインとチェコは、有償購入である。精度は30%未満と劣り、感染症に罹患しているかどうかという重要な判定で全く役に立たず、全量返品措置が取られた。感染症が蔓延している混乱状態で、役立たずの医療関連製品ほど、腹立たしいものはない。中国は、大きなミソをつけたのだ。

     

    (4)「3番目の「雑音」は、「中国の責任を問い詰めるべき」という本格的な「中国責任論」の提起だ。環球時報は英『ガーディアン』紙を引用し、英国政府の閣僚と官僚らが新型コロナ関連の中国の不十分な情報に対し現在「計算(注:損害賠償)」を準備していると伝えた。『ガーディアン』紙はまた、「英国の官僚は『中国が疫病を利用して経済的な利益を得ている』とし憤怒していると伝えた。環球時報はこうした3種類の「雑音」が極めて時代錯誤的な「合唱」を生みだしていると非難した」

     

    中国は、居丈高な振る舞いをしている。世界中に、これだけの迷惑と損害を与えながら、一言半句の謝罪をしないどころか、「当然」という態度である。ヨーロッパの中では比較的、中国に理解があった英国でする、「反中」に転じそうである。コロナが、招いた英中離間である。

     

    (5)「環球時報社説はこうした、「合唱」の裏には中国に対する慢性的な偏見、中国の状況は安定したのに自分たちは危険に直面していることに対する憤怒、感染症を統制できない自身の無能を隠しその責任を中国に転嫁しようとする意図があると主張した。また、西側の攻勢に中国は持続的な新型コロナ統制、助けが必要な国に対する支援、新型コロナ問題後の素早い経済回復の3種類の事実ではばかることなく対抗しなければならないと強調した。こうした中国の強い反発はそれだけ西側の非難が痛いという話と解釈される」

     

    下線部は、誠意の一片も感じられない態度である。こういう国に対して、各国は競ってマスクなどを寄付してきた。その挙げ句が、「感染症を統制できない自身の無能を隠し、その責任を中国に転嫁しようとする意図がある」と言い放っている。西側諸国は、この言葉を忘れてはならない。政治体制が異なり、生存競争する中国に対して無防備な「善意」は、自分の身を滅ぼすという貴重な教訓を得たであろう。残念ながら、これが世界覇権を狙う中国の素顔である。

     

    今後、次の3点に力を入れるという。

        中国自身の持続的な新型コロナ統制

        助けが必要な国に対する支援

        中国の新型コロナ問題後の素早い経済回復

     

    中国は、自力ではいずれも不可能である。西側諸国が、開発する医薬品などの世話になるはずだ。大言壮語もほどほどにすることが、国際社会で生きる術である。中国経済は、修復不可能なほどのダメージを受けている。不動産バブルは、コロナ不況で完全崩壊を余儀なくされる。その上に、莫大なコロナ不況回復資金がのしかかる。中国経済は終わったも同然の事態に追い込まれた。もはや、どうにもならない局面だ。


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    文政権は、4月15日の総選挙を前にして、新型コロナウイルスを材料にして誇大宣伝している。実際は、自らの失敗でコロナ感染者を激増させたのである。その責任を忘れた顔をして、韓国政府の対応は世界中から賞賛を浴びているとしている。こういう文政権の厚顔無恥に対して、韓国メディアが痛烈な批判の矢を放った。

     

    『朝鮮日報』(3月31日付)は、「『新型コロナ自慢』過ぎたるは及ばざるがごとし」と題する社説を掲載した。

     

    (1)「青瓦台(大統領府)がホームページに掲載している新型コロナウイルス推移グラフを、感染者数が急激に減少しているかに見えるように作っていたという。グラフで前日より感染者数が増えた日はすべて省いていたのだ。このようにして、新規感染者が毎回減っているように見せていた。操作に近い。こうした小細工をする理由は明らかだ。総選挙を前に、政府の成果を大きく見せたいからだ」

     

    政府のホームページのグラフが操作されていたのは、国民を欺く詐欺行為である。その手法は、次のような内容だ。

     

    青瓦台は10日からホームページに国内の新型コロナウイルス日別感染者/完治者の推移をグラフで示している。このグラフによると、2月末以降、日別感染者数は急激に減り、日別完治者数は緩やかに増えているように見える。ところが、グラフの横軸の間隔がおかしかった。今月27日時点のグラフは新規感染者が最も多かった2月29日(916人)を開始点に、34日(4日間隔)、7日(3日間隔)、9日(2日間隔)、 14日(5日間隔)の感染者数をグラフにしていた。日付の間隔がまちまちなのに、グラフは間隔が一定のように描かれている。この過程で、33日、6日、11日など、前日に比べて新規感染者数が増えた日はすべて外されていた。『朝鮮日報』(3月30日付)が伝えた。

     

    このほか、感染者は「新規感染者数」のみを表示して減っていることを示しながら、完治者は「累積完治者数」を表示して急激に増えているようにグラフを描いている。どう見ても、韓国のコロナウイルス感染者が急激に減っている、という誤解をさせる意図だ。こういう詐欺行為を平然と行なう政府が、存在していることに驚くのだ。

     

    (2)「このような本心が見え隠れする行動は一つや二つではない。韓国外交部は「韓国製診断キット3製品が米食品医薬品局(FDA)の事前承認を受けた」という報道資料を週末の夜に出し、「異例の迅速承認は韓米首脳電話会談の後続措置結果として評価できる」と言った。しかし、該当の各企業が通知を受けていない状態で性急に資料を出し、不正確な用語を使ったために市場に混乱をもたらした。気持ちが先走っているのではないのか」

     

    この問題は、韓国政府の「韓国の新型コロナウイルス診断キットがFDA(米食品医薬品局)の『事前承認』を受けた」という発表に「フェイクニュース」疑惑が浮上したもの。韓国政府が4月の総選挙前に「韓国の防疫は世界最高」と宣伝するため、結論が出ていないFDAの診断キット承認件を決定済みかのように誇張して発表したと指摘されているものである。

    韓国外交部は、30日夜に「事前承認」を「暫定承認」に変えた。だが、メーカーには、FDAから何らの連絡もなく当惑。株価だけが乱高下して終わった。とんだお騒がせになった。

     


    (3)「青瓦台は、「UAE(アラブ首長国連邦)に診断キットを輸出した」と広報したが、実際に契約した物品は感染の有無を判定するキットではなく、輸送容器だということが明らかになった。青瓦台は政府合同外信記者会見の内容を編集して掲載する際、「防疫が成功したという評価には同意しがたい」との専門家の発言などはすべて外し、政府を賞賛する内容でのみ満たした。これを見たある外信記者は「韓国政府の考えに合わせるため、どれだけ多くの『外信記者たち(の発言)』がカットされたのか気になる」と言った」

     

    これも、政府の誤りであった。当初、「診断キット」の輸出と発表されたが、実際は「輸送容器」に過ぎなかった。「綿棒」という報道もあるなど、明らかに「診断キット」の誇大宣伝を狙っていた。韓国では、コロナ感染者を検査する器具として、この「診断キット」が英雄的な存在になっている。ただ、精度は80%が最大値とされている。これで、陰性と診断が下っても安心できないのだ。正確な診断には、血液の抗体検査が最善とされている。日本では、早ければこの夏に横浜市大の開発キットが登場する。今日のブログで紹介した。

     

     

     

     

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    新型インフルエンザ治療薬「アビガン」(富士フイルム富山化学工業製造)は、新型コロナウイルス治療のため、臨床試験(治験)を近く始める。3月30日、共同通信が報じた。アビガンについては、安倍首相が28日の記者会見で、正式承認に向けた手続きを始める考えを示している。増産体制に入る予定である。

     

    治験は、アビガンを開発した富士フイルム富山化学工業が病院と連携して行う。感染拡大が深刻化している状況を踏まえ、治験後は早期に承認される可能性がある。生産能力拡大のため他社への生産委託も検討している、と報じられた。

     

    中国・武漢大などのチームが、「アビガン」が新型コロナウイルスに感染した肺炎患者の治療に有効だとする研究成果を3月23日までにまとめた。軽症者に限ると投与後7日以内の回復率が7割を超えた。多くは4日間で症状が消えた。チームは「高血圧や糖尿病など持病がある人には、早期の症状改善が重要だ」として、有望な薬剤だとしている。中国は既にアビガンを政府の診療方針に採用することを表明している。チームは2月から3月にかけ、同大病院など三つの病院で18歳以上の116人の患者に対しアビガンを投与。熱やせきなど症状が出てから12日以内に錠剤を飲んでもらった。以上は、『共同通信』(3月23日付)が伝えた。

     

    中国での治験によれば、高血圧や糖尿病など持病がある人には、早期の症状改善が見られるという重要な治験結果が得られている。新型コロナウイルスでは、高齢者で持病のある患者ほど、重篤状態に陥ると指摘されている。アビガンを早期に投与して、重篤化を防ぐ上で効果があるようだ。

     

    中国科学技術省は3月17日記者会見で、前記のアビガンが新型コロナ治療の臨床研究で有効性を確認したと発表した。肺炎などの症状が改善したという。今後、中国の医療現場で患者への使用が推奨されることになった。

     


    アビガンは、日本国内で2014年3月にインフルエンザ薬として製造販売承認を取得した。16年に中国製薬会社の浙江海正薬業(浙江省)にライセンスを供与している。浙江海正薬業は2月に中国当局から生産認可を得ており、量産を本格化する。

     

    日本では、すでに医師の判断によって新型コロナの患者に投与されている。冒頭の通り、新型コロナウイルス治療のため、臨床試験(治験)を近く始め早急に結論を出し、増産体制に入る予定だ。中国では、アビガンの有効性を認めて増産体制を敷くことになった。

     

    韓国では、アビガンについてこれらと全く反対の決定を下した。治験もせず、「まやかし医薬品」扱いする反日ぶりを見せている。3月19日付ブログを再掲する。

     

    『中央日報』(3月16日付)は、「韓国政府、日本のアビガンを新型コロナ治療薬に使用しない方針『臨床的根拠が不十分』」と題する記事を掲載した。

     

    韓国政府が新型コロナウイルス感染症の治療のために輸入特例を検討していた日本の新型インフルエンザ治療薬「アビガン」を導入しない方針を決めた。アビガンを新型コロナ治療薬として使用するほどの臨床的根拠が十分でないという国内専門家らの意見に従ったのだ。

     

    (1)「韓国の食品医薬品安全処は16日、疾病管理本部からアビガンを国内に導入してほしいという要請がなく、医薬品輸入特例を検討していないと明らかにした。アビガンは富士フイルムの子会社の富士フイルム富山化学が開発した新型インフルエンザ治療薬。日本政府は2014年、従来のインフルエンザ治療薬が効かない場合に使用できるという条件で承認した。日本は最近、新型コロナ患者にアビガンを投薬して一部効果が見られたと明らかにした」

     

    韓国食品医薬品安全処は、疾病管理本部からアビガンの国内導入要請がなかったので、輸入を検討しない方針を明らかにした。

     

    (2)「食品医薬品安全処の李儀卿(イ・ウィギョン)処長は先月25日、アビガンについて「まだ国内使用が許可されておらず、輸入特例など導入案を検討中」と述べた。その後、疾病管理本部などは特に要請をしなかった。疾病管理本部は医療界がこの薬物の効能・効果を疑問視しているという点に注目した。新型コロナ感染者の治療を担当した主治医らで構成された中央臨床委員会などは、アビガンを新型コロナ治療に使用するほどの根拠が十分でないとみている。国際学術誌『ネイチャー』などに掲載された論文を分析した結果、アビガンが新型コロナウイルス抑制効果はなく、副作用も深刻であり、新型コロナ治療薬として使用しにくいという結論を出した」

     

    中国では、肺炎などの症状が改善したという。今後、中国の医療現場で患者への使用が推奨される手はずになっている。韓国は、最初からアビガンを拒否する姿勢が鮮明である。中国でも治療現場で使われていることは承知のはず。だが、中国へ問合せもせず、文献だけで不採用を決めた。文政権の反日姿勢を「忖度」したのだろう。

     

    (3)「中央臨床委員会のオ・ミョンドン委員長(ソウル大病院感染内科教授)は「アビガンは試験管研究で新型コロナウイルス抑制効果がなかった。患者に臨床試験を施行したデータもない」とし「動物実験で胎児への毒性と死亡が報告されるなど深刻な副作用がある薬物」と述べた。続いて「中国で治療薬として許可されたというニュースがあったが、ネイチャーの論文によると『単に臨床試験患者を募集する』と話しただけだった」と指摘した。オ教授は世界保健機関(WHO)でも新型コロナ治療薬臨床試験「候補」にアビガンを挙げていないと伝えた。オ教授は「アビガンはWHOが選別して公開した新型コロナ治療薬臨床試験医薬品候補目録に含まれなかった。これ以上はアビガンが治療薬として許可されたというフェイクニュースが広がらないことを望む」と話した」

     

    下線部分は、完全拒否の姿勢である。アビガンが治療薬として許可されたことを「フェイクニュ-ス」とまで言い切り捨てている。日本への感情的反発を隠すことなく顕わにした。これが、人間の生命を預かる医師の発言であろうか。

     

     

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    世界を巻き込む新型コロナウイルスを封じ込めるべく、医療関係者は極限を超えた作業を強いられている。その中で、血液による「抗体検査」の実用化が急がれている。新しい血液検査が、新型コロナウイルスへの免疫を持つ人を発見できるチャンスをもたらそうとしているからだ。感染を封じ込め、経済を正常な状態に戻すための闘いにおいて、これが局面を大きく変える可能性を秘めている、と期待がかかる。

     

    世界では、複数の学術研究機関、医療関係企業が、こうした血液検査の開発を急いでいる。日本では横浜市立大学医学部が3月9日、新型コロナウイルスの抗ウイルス抗体を検出する技術を開発したと発表した。感染既往歴が判定できるのも特徴。今後、市内の病院などと協力し、症例数を積み上げると同時に、関東化学と連携し、臨床現場で使える試薬キット化を目指す、という朗報が出てきた。

    血液検査では、軽症・無症状の感染者が持つ抗体を迅速に特定できる。現在行われているような診断検査、つまり感染を確認するために鼻を綿棒でぬぐって検体を採取するなど、なかなか受けられない場合もある手法とは異なるものだ。

     

    『ロイター』(3月29日付)は、「新型コロナの局面変えるか、抗体検査に希望の光」と題する記事を掲載した。

     

    昼夜を問わず何千人もの新型コロナウイルス検査が米国で進む中、新しい血液検査が、このウイルスへの免疫を持つ人を発見できるチャンスをもたらそうとしている。感染を封じ込め、経済を正常な状態に戻すための闘いにおいて、これが局面を大きく変える可能性を秘めている。

     

    (1)「ニューヨーク市にあるマウント・サイナイ・アイカーン医科大学のフロリアン・クラマー教授(ワクチン学)は、「最終的には、こうした抗体検査が、誰がこの国を正常な状態に戻せるのかを突き止めるのに貢献するかもしれない」と語る。「いち早く通常の生活に戻り、すべてを再スタートさせられるのは、免疫を持った人だろう」。クラマー教授を中心とする研究者らは、「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)」に関する米国発の抗体検査の1つをすでに開発した。教授の研究室は、検査薬の主要成分を他の機関に配布し、検査手順を共有することに忙殺されているという。教授は今週、患者から得られた検体の検査を始められるよう、研究成果を自大学の臨床研究所に持ち込んでいる」

     

    冒頭で紹介した横浜市大医学部の抗体検査の手法確立は、マウント・サイナイ・アイカーン医科大学とほぼ同時期と見られる。横浜市大の研究チームについては、後で詳しく取り上げたい。こうやって、日米の医学部が揃って学術研究からスタートしている点が注目される。

     


    (2)「抗体検査は、診断検査が当初直面したような官僚主義的なハードルに邪魔されることはないだろう。米食品医薬品局(FDA)は先月ルールを緩和し、体液を対象とする検査は、FDAにおる完全な検証・承認を経ずに商品化可能になっている

     

    FDAは、厳格な判定に時間を要して、これまで商品化時期が遅らされてきた。ただ、下線のように血液検査によるものは、FDAの検証・承認を必要でなくなった。その分、医療機関で利用される時期が早くなる。

     

    (3)「抗体検査は比較的低コストで簡単であり、指先を針で刺して採取した血液を用いる。1015分で結果が得られるものもある。診断検査よりもはるかに容易に、感染検査の範囲を拡大できる可能性がある。研究者や感染症専門家によれば、この新型ウイルスに対する免疫がどれくらい持続するのか、検査の精度はどうか、どうやって検査を展開するのかといった問題は数多く残っているという。今のところ、ウイルスを撃退した人がどれくらいいるのかは分からない」

     

    指先から僅かな血液を採取して、10~15分で抗体の有無を判定できるという点で革新的とされる。

     

    (4)「テネシー州にあるバンダービルト大学医科大学院のウィリアム・シャフナー教授(感染症学)は、企業、学校、プロスポーツチームはこうした検査に殺到するだろう、と言う。また、広範囲の検査サンプルに基づいて高いレベルの免疫が確認できれば、州知事や市長は自信を持って、活動制限を解除できるようになる、と同教授は言う。「コスト効率が高く、入手しやすく簡単に使えれば、こうした検査キットは非常に魅力的になるだろう」としている」

     

    検査方法が簡単であることから、高いレベルの免疫が確認されれば、大いに普及するという見立てをしている。

     

    『化学工業日報』(3月10日付)は、「横浜市立大、新型コロナウイルス抗体、患者血清から検出」と題する記事を掲載した。

     

    (5)「横浜市立大学の梁明秀教授と竹内一郎教授らは3月9日、横浜市内で会見し、新型コロナウイルスの抗ウイルス抗体を検出する技術を開発したと発表した。ELISA法とイムノクロマト法を用いて、患者血清中からIgG抗体を検出する。感染既往歴が判定できるのも特徴。今後、市内の病院などと協力し、症例数を積み上げると同時に、関東化学と連携し、臨床現場で使える試薬キット化を目指す」

     

    関東化学は、国内有数の試薬品メーカーである。横浜市大は、この関東化学と提携して、臨床現場で使える試薬キット化を目指すという。

     

    (6)「梁教授が開発したコムギ無細胞たんぱく質合成システムを利用し、抗体検出に必要な抗原を作成できるようにしたのがポイント。中国が発表した新型コロナウイルスの遺伝子情報に基づき、バイオインフォマティクスの手法で同ウイルスに特徴的なたんぱく質を突き止めた。新型コロナウイルスの患者に由来する検体6例すべてで陽性を確認した。PCR検査などの方法と比べ、特別な装置もいらず、そのまま診療現場で使えるのが特徴だ。抗体の有無で判断するため、肺炎患者らを対象に新型コロナウイルスかどうかを迅速に診断できる。感染既往歴が分かることから、疫学調査での利用も見込む」

     

    抗体検出は現在、一般化しているPCR検査に比べ特別の判別装置が要らず、診療現場で使えるという。防疫専門家が指摘する夢の判別法として、「リトマス試験紙」のようなものになるのだろうか。とすれば、革命的な検査法となる。感染既往歴が分かることから、疫学調査での利用も見込むという。

     

    (7)「検出条件のさらなる最適化を図り、早ければ今年夏ごろにも研究用試薬として提供し、体外診断用薬として展開。併せて、関東化学とともに量産体制の構築も検討していく。今後の課題として、梁教授は「少ない抗体量でも検出できる精度向上が必要だ」と語った。竹内教授は、臨床医の立場から「どのタイミングで使うのが最適かといったマニュアルの作成が欠かせない」と指摘した」

     

    早ければ今年夏ごろにも研究用試薬として提供する。体外診断用薬として幅広く展開すると言う。3月9日の記者会見は、横浜市役所で行なわれた。横浜市が全面的な支援体制を取るのであろう。


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    英国は、ジョンソン首相までが新型コロナウイルスに感染する緊急事態で、中国の情報隠蔽に強い怒りを示している。コロナ終息後、中国へ損害賠償を求める案や、ファーウェイ(華為技術)の5G導入も再検討を漏らすなど、対中国への怒りが充満している。英国も、米国に次いで険悪な雰囲気を漂わせている。

     

    『大紀元』(3月30日付)は、「英、中国の感染情報隠蔽で被害甚大、華為5G参入見直すも」と題する記事を掲載した。

     

    英メディアによると、英政府の閣僚は、中国当局が中共肺炎(新型コロナウイルス肺炎)の感染情報を隠ぺいしたとして怒りをあらわにし、中国通信機器大手、華為技術の次世代通信規格5G参入を見直す可能性があるという。同国ではこれまで、チャールズ皇太子やボリス・ジョンソン首相とマット・ハンコック保健相の感染が確認された。英紙ガーディアンなど複数のメディアによると、マイケル・ゴーブ内閣府担当大臣は329日、感染情報を隠ぺいした中国当局は、英政府が感染拡大阻止に失敗した責任を負うべきだと非難した。

     

    (1)「マイケル・ゴーブ大臣はBBC番組「アンドリュー・マー・ショー」で、中国では昨年12月に最初の症例が確認されたにもかかわらず、「中国当局の報告では、この感染病の規模、性質、感染力について明確に示されなかった」と述べた。メール・オン・サンデー紙は328日の報道では、ジョンソン政権の閣僚や高官らが虚偽の情報を提供した中国当局に憤り、政権が通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の5G網参入を禁じる可能性があると示した。同紙は政府高官3人を取材した。高官らは、「今、最も重要なのは危機に対処していくことだ。感染が終息すれば、(中国当局に)責任を追及していく」と表明し、「中国当局がやり方を変えなければ、孤立した国家(Pariah State)になるだろう」とした」

     

    事態は、思わぬ方向へ動いている。中国は、感染者数や死亡者数を過少に報告して、情報隠蔽を図ったことで、英国のコロナウイルス被害を拡大させた。この理由で、中国の責任を追及すると怒りを顕わにしている。「中国当局が、やり方を変えなければ孤立した国家」になると警告している。ファーウェイの5Gも再検討を臭わせている。導入の白紙化であろう。

     

    米国はすでに、米議会上院で対中損害賠償法案が提出されている。下院でも、中国非難決議案が上程されている。英国も、米国同様の法的な措置に出るのだろう。米英が、一致して中国へ法的な措置に出れば、中国の打撃は大きい。

     

    (2)「同報道によれば、英政府は、中国当局が中国国内の感染者数を隠したことに怒りを隠せない様子だ。英科学界と医療界の専門家の推測では、中国国内の実際の感染者数は当局公表の1540倍だという。中国当局は、感染症例81470件しか報告していない。最近では、新規感染者数が「ゼロだ」と宣伝している。メール・オン・サンデー紙は、ジョンソン首相に近い情報筋の話として、英政府は感染情報を隠ぺいした中国との外交関係を見直す可能性が出たとの見解を示した。また、5G網構築に関して中国のファーウェイに友好的な態度を示したジョンソン首相に対して、同盟国の米国および英国内の保守党議員らが異議を唱えてきた」

     

    本欄では、コロナウイルス死亡者数が、当局によって情報操作されている事実を事細かに報じてきた。中国は、WHO(世界保健機関)を抱き込んで、台湾の出席権まで奪う徹底的な「中国寄り」を見せて顰蹙を買うほどだ。WHOが、政治的な中立性を放棄する姿は、中国のテコ入れによるものだ。英国は、こういう中国に毒されたWHOにメスを入れるべきである。中国は、WHOを抱き込んでいるので、感染者数や死亡数を誤魔化してもばれない、と高を括っているに違いない。

     


    (3)「ジョンソン内閣の閣僚1人は、『メール・オン・サンデー紙』に対して、虚偽の情報を提供して「世界経済を台無しにした中国当局を見て見ぬふりをしてはいけない」と述べた。同閣僚はまた、「われわれはファーウェイのような企業を(英国内)経済活動に参入させ、しかもインフラ設備において重要な役割を果たさせた」ことについて、今後「中国のサプライチェーンや戦略的なインフラ設備に頼るすべてのプロジェクトを早急に見直す必要がある」と語った」

     

    中国による虚偽情報は、世界中を惑わせている。こういう噓八百を平然と行なう中国の企業が、誠実なビジネスを行なうとはとうてい思えないのだ。同じ穴の狢(むじな)である。今回の新型コロナウイルス感染は、世界中に多くの教訓を残した。


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