勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

    テイカカズラ
       

    10月23日は、中国が朝鮮戦争に人民解放軍を参戦させて70年になる。習近平国家主席は、この70周年記念式典で突然声を荒げた。「今日の世界では一方主義、保護主義、極端な利己主義は通用しない。脅迫、封鎖、圧迫も通用しない。勝手に行う覇権行動も通用しない。通用しないだけでなくそれは行き詰まりの死路だ」。名指しはしないが、米国にむけた非難であることは明らか。北京の人民大会堂に集まった数千人の出席者は一斉に拍手を行った。『朝鮮日報』(10月24日付)が報じた。

     

    習近平演説では、戦場という地獄の底に突き落とした韓国に対して、一言の言及もなかった。これが中国の本心である。文大統領は、米韓同盟にひび割れをもたらしながら、中国へ秋波を送っているにもかかわらずこの結果である。中国にとっての韓国は、駒の一つである。文政権は、その中国のご機嫌伺いで心を砕いている。何とも不思議な光景である。

     


    『朝鮮日報』(10月24日付)は、「
    北の南侵を支援しておいて『平和守護』のため戦ったと主張する習近平主席」と題する社説を掲載した。

     

    中国の習近平・国家主席は23日、中国による6・25(朝鮮)戦争参戦70周年記念演説で「中国人民支援軍は平和守護、侵略反対の価値を掲げて鴨緑江を渡った」とした上で「北朝鮮と手を取り合い、偉大な勝利を勝ち取った」と主張した。「韓半島情勢を安定させ、アジアと世界平和を守った」との考えも示した。北朝鮮による南侵を支援し、韓半島を血に染めておきながら、「平和守護」という言葉を使ったのだ。中国は70年前、韓国軍に対してはじめて勝利した日(10月25日)を「抗米援朝(米国に対抗し北朝鮮を支援する)記念日」としている。

     

    (1)「習主席は6・25を内戦、10・25を抗米援朝として区別した。6・25は中国と関係なく、抗米援朝は米国の侵略に対抗した「正義の戦争」と主張しているのだ。しかし6・25は金日成(キム・イルソン)主席が毛沢東から軍事支援の約束を取り付けたことで起こった戦争だ。6・25直前に中国が北朝鮮に送った朝鮮人2個師団は南侵時の主力部隊だった。中国による6・25の責任は明確であるにもかかわらず、一切知らぬふりを通している」

     

    6月25日の朝鮮戦争勃発は、中国が朝鮮人部隊2個師団によって38度線を突破させた。これが、真実の歴史である。それにも関わらず、10月23日に初めて中国軍を送った記念日にすり替えている。噓八白が中国式とはいえ、平然と歴史を改ざんしているのだ。

     

    (2)「『抗米』と主張しているが、国連軍兵士らが中国の地を踏んだことはない。6・25で戦死した韓国軍は14万人だ。当時、毛沢東は「偽軍(韓国軍)から最初に打撃せよ」と命じた。韓国軍を「弱点」と考えていたのだ。6・25の英雄だった故ペク・ソンヨプ将軍は「中共軍と戦った期間がほぼ全て」と語っていた。戦争の最大の被害者は韓国であるにもかかわらず、習主席はこれに言及しなかった。「抗米援朝」という言葉そのものに韓国という存在はない」

     

    中国の本心は、「抗米援朝」である。米国に対抗して北朝鮮を支援したという意味だ。戦場にされた韓国へは一切の言及もない冷たさだ。その中国が現在、米韓同盟から韓国を引離そうと真剣になっている。韓国が、中国にとってはただの駒扱いである。文政権は、それが分らず「親中朝・反日米」を基本スタンスにしている。歯がゆいほどの「おバカさん」に映るのだ。

     


    (3)「米中衝突が激しくなる中、習主席は米国に対し「覇権行為は行き詰まりの死路」とした上で「強力な軍隊建設」を強調し、北朝鮮に対しては「血で戦闘的友情を結んだ」と述べた。今、中国では「抗米援朝」を持ち上げる放送やイベントが相次いでいる。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長も中国軍戦死者の墓を参拝した。ところが韓国の安全保障において堡塁となっている韓米同盟は徐々に崩壊している。駐米大使からして同盟の弱体化に荷担するような現状だ。70年前の悲劇が思い起こされる」

     

    文政権が今も「親中朝」であるのは、1980年代の学生運動時代の残滓を清算できずにいる結果である。つまり、「大人」になりきれない集団であることを示している。この「輩」が反日を叫んでいる。シーラカンスのような存在であろう。

     

    テイカカズラ
       

    中国の習近平国家主席が下した外交戦略は、ことごとく失敗している。香港への安全維持法導入、ヒマラヤ山中でのインド軍急襲、戦狼外交で他国を侮辱した発言がもたらすブーメランなど、すべて中国を危機に追い込んでいる。中国の外交判断の誤りがもたらした「オーバーラン」である。

     

    これら強硬手段は、習氏の民族主義によって発動されたものだ。習氏の国内での位置を高める狙いで使われたのである。これらが、中国の世界的評価を引下げており、「嫌中派」を増やす結果になった。先進国による「反中国意識」は、1989年の天安門事件以来の高さである。

     

    問題は、中国がこういう事態を深刻に受け止めていないことだ。それだけに、暴走に歯止めがかからなくなっている。懸念されるのは、台湾への軍事行動である。米大統領選後の混乱に乗じて台湾所有の島嶼占領に出るのでは、と危惧されている。米軍は、すでにこの点を織りこんで警戒体制を敷いている。

     


    『フィナンシャル・タイムズ』(10月20日付)は、「高まる台湾巡る米中衝突リスク」と題する記事を掲載した。

     

    米大統領選では、投票直前の10月に選挙戦に重大な影響を与える「オクトーバー・サプライズ」が起きるというのは言い古されてきた指摘だ。それに比べてあまり言われないのは、中国が米国の今の政治的混乱に乗じて11月か12月に台湾に対し何らかの行動を起こし、国際情勢が深刻な事態に陥るリスクがあるという点だ。米選挙戦を巡る騒ぎで見えづらくなっているが、中国の台湾に対する言動は攻撃性を高めている。台湾は事実上の独立国家だが、中国政府は自国の領土の一部だと主張しており、容認し難いこの「分離主義」と闘うためには軍事力の行使も辞さないとしている。

     

    (1)「中国軍機はここへきて頻繁に台湾と中国を隔てる台湾海峡の「中間線」を何度も定期的に越えて台湾側に侵入し、台湾は軍用機を緊急発進させる対応を迫られている。15日には、南シナ海の北部に位置し台湾が実効支配する東沙諸島(プラタス諸島)へ向かう台湾の民間チャーター機が、フライトの途中で引き返さざるを得なくなった。香港の航空管制官が詳細不明の危険があるために同空域は閉鎖されていると通告したためだ」

     

    台湾が実効支配する東沙諸島(プラタス諸島)が、中国に狙われている島嶼とされる。習近平氏は、ここを抑えて「勝利」を宣伝し、台湾の士気を挫く戦術に出ると見られているのだ。

     

    (2)「何十年にもわたり、中国による台湾侵略の脅威は米国のにらみによって阻止されてきた。米政府は台湾の安全を保障するとまでは明言していない。だが、その代わり戦略的に曖昧さを残す政策を貫いてきた。つまり、台湾に武器を売却しつつも、いざとなれば米国が台湾防衛のために動くかどうかについては明確にしてこなかった」

     

    最近の米軍当局者は、台湾を防衛すると明言している。曖昧にはしていない。

     

    (3)「1996年の「台湾海峡危機」では、台湾周辺にミサイルを発射した中国に対し、米国は空母を派遣してけん制した。しかし、中国は以来、軍事力を飛躍的に増強させてきた。一方、米国は今、大統領選を巡ってかつてないほど国の分断が深まり、全く余裕を失っている。こうした状況下で米国が従来のように台湾を守り続けるかどうかについて中国政府が懐疑的になっている可能性はある」

     

    政治と国防は別である。この点の区別が、この記事ではできていない。同様の誤解を習近平氏がすれば悲劇である。大統領選後の混乱(票数の未確認問題)は、最終的には最高裁へ持込まれるだろう。その時点で台湾問題が起これば、混乱回避で現職の再任という形になろう。

     

    (4)「今回の危機の背景には、習近平(シー・ジンピン)氏が中国共産党総書記に就任した2012年以降、中国政府が台湾に対して、より強気な立場を取るようになってきたことがある。習氏は、台湾との「再統一」は自らが最も実現したいと考えている「中華民族の偉大な復興」に不可欠と明言している。また、台湾問題はもはや「世代から世代へ」先送りすればよい問題ではないとも述べている。習氏は台湾を併合することが、自らが毛沢東に並ぶ中国の偉大な指導者となる一歩と考えているかもしれない」

     

    習氏のこの「思い上がり」が、台湾攻撃に踏み切らせる。これが、結果的に習氏の政治的寿命を縮めるリスクを含んでいる。自惚れほど恐ろしいものはない。

     

    (5)「むしろ中国政府は、小規模な軍事的、経済的、心理的な介入を何度も繰り返して、台湾の士気と自治能力をくじいていく戦略に出る可能性の方が高そうだ。東沙島には台湾が建設した空港や台湾当局関係の建物は複数あるが、一般住民はいない。まさにこの東沙島へのアクセスを遮断するといった措置を取る可能性はある。これに台湾が武力で応じれば、中国政府に反撃する口実を与えることになりかねない。一方、何の対抗措置も取らなければ弱腰と見られ、象徴的な敗北を期すことになる」

     

    インド太平洋戦略の4ヶ国「クワッド」(日米豪印戦略会議)が、アジア版NATOへ発展するチャンスを早めるだけだ。これが、NATO(北大西洋条約機構)と連携すれば、中国は台湾へ手も足も出せなくなる。

     

    (6)「これ以外に禁輸措置を取ったり、領土を少しずつ奪ったりして、台湾への圧力を段階的に強めていく方法もある。しかし、その場合、危険なのは中国政府が米政府の反応を読み違える可能性だ。米国は確かに政治的混乱にあるが、太平洋地域における覇権国としての地位を守り、仲間の民主主義国に危機が及べば立ち上がって守るというのは党を超えた合意となっている」

     

    インド太平洋戦略は、中国の横暴を抑止する目的でクワッド4ヶ国によって推進されている。中国が、これを見誤ると危険である。

     

    (7)「第1次世界大戦、第2次世界大戦を含め、覇権国間の戦争というのは、往々にして一方の政府が他方の政府の出方を読み誤って勃発している。歴史学者のマーガレット・マクミラン氏(編集注、英首相だった故ロイド・ジョージのひ孫)は「危険が現実のものとなるのは、人々が相手の意図を読み取ろうとして、その意図を間違って解釈しだすときだ」と指摘する。台湾についても同じことが容易に起こり得る」

     

    日本が、この最適例である。太平洋戦争を始めて1~2年で米国と講和を結ぶ計画であった。それが、ついに原爆2発を浴びる結末となった。中国が米国の出方を見誤れば、習氏の政治生命はそこで終わり、中国解体(民主化)という大きな分岐点が口を開けて待っているはずだ。

     

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    中国産ワクチン候補の受け入れを巡り、ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領とサンパウロ州のジョアン・ドリア知事が対立している。ボルソナロ氏は21日、中国の民間医薬品会社、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発中のワクチン候補について、連邦政府が購入することはないと明らかにした。シノバックはサンパウロ州とワクチン開発で提携しており、専門家らは、ブラジルでは同社のワクチンが最初に承認される可能性が高いとの見方を示している。

     

    ボルソナロ氏はこれまで、中国政府とドリア氏の双方を厳しく批判している。ドリア氏は元テレビスターの富豪で、2022年の大統領選でボルソナロ氏の対抗馬になるとみられている人物だ。

     

    「ブラジル国民は誰かの実験マウスにはならない」。ボルソナロ大統領は21日、ツイッターにこう投稿した。これに先立つ20日、ボルソナロ政権のアルド・パズエロ保健相は、シノバックのワクチン候補「コロナバック」4600万回分の購入向けた資金を提供する方針を明らかにしていた。そのワクチンは、サンパウロ州知事ドリア氏がすでにブラジル向けにシノバックから確保していたものだ。ボルソナロ氏は保健相の合意を破棄したとし、これに矛盾するいかなる情報も「裏切り」と断じた。以上は、『ウォール・ストリート・ジャーナル』(10月23日付)が報じた。

     

    『大紀元』(10月23日付)は、「ブラジル大統領、中国製ワクチン認めず『国民はモルモットではない』」と題する記事を掲載した。

     

    ブラジルのボルソナロ大統領は10月21日、中国製の新型コロナウイルスワクチンの購入しないことを明らかにした。

     

    (1)「同日、ボルソナロ氏は自身のフェイスブックとツイッターで「私の政府にとって、どのワクチンも、公衆に提供するために保健省と国家衛生監督局の科学的認証を受けなければならない」とし、「ブラジル国民は誰のモルモット(実験動物)にもならない」と投稿した。サンパウロ州のジョアン・ドリア知事は20日、州政府は北京拠点のシノバック・バイオテック社(科興控股生物技術、以下「シノバック」)が開発中の新型コロナウイルス向けワクチン「コロナバック」4600万回分を購入することで合意した、と明らかにしたばかり」

     

    ブラジルでワクチン接種が政争の具となっている。中国派のサンパウロ州知事(次期大統領選の有力対抗馬)が、現職大統領と争っている結果だ。サンパウロ州知事は、ワクチンの最終臨床試験を終えていないものを接種しようとして問題になった。

     

    (2)「ドリア氏によると、「コロナバック」の臨床試験は11月中旬に終了する見込みで、ブラジルでは早ければ2021年1月から大規模なワクチン接種計画を開始すると述べていた。今年6月11日、中国のシノバック社とサンパウロ州保健省管轄のブタンタン研究所は、「コロナバック」の第3相臨床試験を実施するための共同開発契約を締結した。この契約に基づき、ワクチンの試験と生産はサンパウロ州で開始される。ブタンタン研究所は19日、後期臨床試験の初期結果として「コロナバック」「安全」との見解を示したが、試験はまだ進行中で、実験がすべて終わるまで、ワクチンの有効性に関するデータは公表しないと付け加えた。トルコとインドネシアでも同様の実験が行われている」

     

    サンパウロのブタンタン研究所は19日、後期臨床試験の初期結果として「コロナバック」について「安全」との見解を示したが、試験はまだ進行中で、実験がすべて終わるまで、ワクチンの有効性に関するデータは公表しないと付け加えた。これでは、ブラジル大統領が、責任をもって接種せよとは言えないだろう。

     


    (3)「サンパウロ州政府は19日、コロナバックの第3相臨床試験で、ボランティア9000人のうち、35%が頭痛、接種部位の腫れなど、軽い副反応があることを明らかにした。ブラジルでは保守派の大統領と州知事の間の緊張がワクチン対応にも延焼している。ボルソナロ大統領は英企業のワクチンの購入を勧めることに対し、ドリア・サンパウロ州知事は連邦政府を飛び越えて、中国製ワクチンの提供を受けると決めた。両氏は中国ウイルス対策をめぐり激しい対立が表面化している」

     

    ボランティア9000人のうち、35%が頭痛、接種部位の腫れなどの副作用が出ているという。これで「安全」とは随分と甘い判定である。ブラジル大統領が、最終臨床試験後の接種方針を固執するのは当然であろう。ただ、米ジョンズ・ホプキンス大学のデータによると、ブラジルのウイルス感染者数は累計で530万人に達し、米国とインドに次いで世界で3番目に多い。累計死者数は15万5000人で、米国に次いで2番目だ。これだけの被害が出ていれば、「頭痛、接種部位の腫れ」などの副作用は、我慢すべきというのだろうか。

     

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    韓国は、自らの力を過信している。米中対立の中で、「外交バランサー」になるという夢を捨てきれないようだ。2017年11月、文政権発足から半年後の米韓首脳会談で、インド太平洋構想の重要性を説明したトランプ大統領に対し、文大統領は最後まで同意しなかった。会談後の共同発表文はトランプ氏の発言だけを紹介し、軍事同盟国間の会談としては異例の形をとったのである。

     

    韓国は代替策として東南アジア諸国連合(ASEAN)との経済協力を深める独自の「新南方政策」を打ち出した。その後も米国からインド太平洋戦略への参加を求められと、『新南方政策』と『インド太平洋構想』との間の調和と協力を推進する」とかわした。以上は、『日本経済新聞 電子版』(10月23日付)が報じた。

     

    こういう韓国の「ヌエ的」行動に米国が、決断を下した。米国防長官は、「中国けん制14ヶ国」に韓国を加えなかったのだ。米韓同盟がありながら、インド太平洋構想に韓国を加えないという、異常な姿が浮かび上がった。

     


    『東亜日報』(10月22日付)は、「国防長官、『中国牽制協力14ヵ国』で韓国を除く」と題する記事を掲載した。

     

    エスパー米国防長官が、米国の対中政策に協力する国家として「クアッド(米国、日本、オーストラリア、インドの4ヵ国協力体)」とともにアジア10ヵ国の名前を読み上げたが、韓国には触れなかった。米中の間で明確な立場を示さない韓国に対する迂迴的な圧力という観測が流れている。

    (1)「エスパー氏は10月20日(現地時間)、ワシントンのシンクタンク「大西洋評議会」が開いたテレビ会議で、「クアッド」関連の質問を受け、「非常に重要で能力のある4ヵ国の民主国家が域内で直面する挑戦について議論している」と答えた。米政府系放送局「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)によると、エスパー氏は、クアッドを今後、北大西洋条約機構(NATO)のような集団安全保障機構にするのかと問われ、「まずは共通の価値を守る力を増進させ、関係を発展させる必要がある」と述べた。インドや日本などとの軍事協力強化の必要性も言及した」

     

    「インド太平洋構想」は、中国を牽制する防衛網である。クワッド4ヶ国として、日米豪印が戦略会議を開き意思疎通を図るものだ。今後、年1回の定例会議を開催する。

     


    (2)「クアッド国家のほかに中国の脅威に対処する協力国としてニュージーランド、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、モンゴル、台湾、パラオ、東ティモール、マルタの10ヵ国を挙げた。「米国が中国およびロシアとの競争時代に対処するために、国の大きさに関係なくすべての域内国家と関与する必要がある」と強調した」

     

    クアッド国家のほかに、ニュージーランド、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、モンゴル、台湾、パラオ、東ティモール、マルタの10ヵ国が協力するという。この中に、台湾が入っていることに注目したい。

     

    「インド太平洋構想」に、台湾が加わっていることは、中国が台湾攻撃を仕掛ければ、先ず米国が共同防衛で立ち上がるという意味である。中国は、こういう連携関係を無視していると、大きな落し穴に嵌り込むであろう。

     

    (3)「しかし、エスパー氏は、北東アジアの核心同盟国と明らかにしてきた韓国については一切言及しなかった。韓国が中国との関係を意識して米国の反中戦線への参加を躊躇する状況を考慮したものとみられるが、米国を中心にアジア地域の国家を結束する構図から韓国だけ外されるのではないかという分析もある。これに先立ち19日、ビーガン国務副長官は、「クアッドの拡大は時期尚早」とし、韓国を含む「クアッドプラス」拡大をすぐには推進しない考えを示した」

     

    前記の14ヶ国に韓国の名前がないことだ。韓国が外れていることは、中国へ秋波を送っている国であるからだ。韓国が入っていたのでは、中国けん制効果を台無しにする恐れが強い。

     


    (4)「また、エスパー氏は、同盟国の防衛費の増額を再び迫った。エスパー氏は、「すべての同盟が国防にさらに投資することを期待する」とし、国内総生産(GDP)比2%以上に引き上げるよう要請した。また、「ますます複雑になる脅威を克服し、共通の価値を防衛するために、共通の安全保障へのただ乗りは認めない」と強調した」

     

    各国が、米国から防衛費引上げを求められている。単独で防衛するよりも、軍事効果は大きい。中国は、こういう動きを見てさらに強気になるのだろうか。多勢に無勢であり、同盟の力には及ばないはずだ。中国が、最も恐れるのは「合従」(同盟)である。韓国は、ここから外れて中国と「連衡」(一対一の関係)になれば、簡単に飲み込まれる。韓国は、この歴史の現実を理解できないのだ。気の毒である。

     

     

     

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    韓国が、米国から無視されていると韓国メディアが気を揉んでいる。ポンペオ米国務長官は、先の訪日の際、韓国を訪問予定であったが中止。さらに、25~30日にインド、スリランカ、モルディブ、インドネシアなどアジアを訪れることにしながらも韓国は含めなかった。文大統領が国連で演説した「北朝鮮との終戦宣言案」についても、ポンペオ氏は否定したのである。これでは、「コリアパッシング」と言われても仕方ない状況だ。

     

    『中央日報』(10月23日付)は、「韓国パッシング? 米国務長官、来週のアジア歴訪から韓国外す」と題する記事を掲載した。


    米国のマイク・ポンペオ国務長官の招待を受けて康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が訪米する予定だと韓国外交部が22日、明らかにした。外交部は康長官が21日と22日の2日間、ポンペオ長官と2回電話会談を行い、「康長官が近く米国を訪問してポンペオ長官と会談し、韓半島(朝鮮半島)や地域、グローバル問題に対する戦略的疎通を続けていくことにした」と明らかにした。



    (1)「ポンペオ長官は当初、今月初めに日本に続いて7~8日に韓国を訪問する予定だったが白紙化した。これについて外交部は「米国が内部の避けられない事情でポンペオ長官が韓国に来ることができないと説明した」とし、ドナルド・トランプ大統領の新型コロナウイルス(新型肺炎)感染が背景であることを示唆した。当時、外交部は「延期」と表現していた。「早い期間内に再びポンペオ長官の訪韓が推進されることを期待する」としながらだ。米国務省も「数週後の10月中にアジア歴訪日程を再び組むために努力する」とし、年内訪韓について可能性を残していた」

     

    米国務省が、韓国に対して冷淡な姿勢を見せているのは、韓国側に責任がある。駐米韓国大使が、二度までも「韓国は米中のいずれかを選択できる立場になった」と発言したからだ。同盟国である米国に対して、これだけ非礼な発言はない。米国を軽んじる発言をしながら、米国から無視されるとこの騒ぎである。

     

    日韓関係も同じだ。駐日韓国大使が「徴用工問題で日本が軟化気配」と発言したとたん、韓国与党代表は、「日韓両国の外交当局に委ねたい」と姿勢を変えてきた。腹の据わった外交が困難な国である。風見鶏の韓国なのだ。

     

    (2)「だが、この日の発表のように、康長官が訪米するというのは、ポンペオ長官の訪韓は「延期」ではなく事実上の「取り止め」になったという意味でみなくてはならない。また、今回もポンペオ長官が25~30日にインド、スリランカ、モルディブ、インドネシアなどアジアを訪れることにしながらも韓国を含めなかった。ポンペオ長官のアジア歴訪日程を勘案する場合、康長官がワシントンを訪問するなら米国大統領選(11月3日)以降になる可能性が非常に高い。それなら大統領選の勝者を占うのが事実上不可能な今の時点に大統領選以降の訪米を約束することに何か意味があるかという反問が出ざるを得ない」

     

    ポンペオ国務長官のアジア歴訪は、10月25~30日である。康長官がワシントンを訪問するなら米国大統領選(11月3日)以降になる。トランプ氏が再選されなければ、康長官訪米は事実上、意味がなくなる。

     

    (3)「民主党ジョー・バイデン候補が当選する場合、ポンペオ長官に会うことは実益がなく、訪米そのものが水泡に帰する可能性もある。同じ指摘は18日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)が徐薫(ソ・フン)国家安保室長の訪米成果を発表して「ロバート・オブライエン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が11月に訪韓することにした」と明らかにした時にもあった。これについて国内的に「コリアパッシング」の懸念が大きくなると、政府がこれを縫合するために緊密な韓米関係を強調しようとする狙いではないのかという解釈もある」

     

    国内的に「コリアパッシング」の懸念が大きくなると、韓国政府がこれをカムフラージュすべく、米韓密着説を演出して国内での批判を回避する。どう見ても、その場限りの外交姿勢である。

     

    (4)「偶然にも外交部の発表は、ポンペオ長官が(文大統領提案の)終戦宣言に対して韓国とやや異なる意見を明らかにした直後に出てきた。ポンペオ長官は21日(現地時間)、国務省の記者会見で「文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連総会で言及した終戦宣言が北朝鮮の核放棄なしで可能なのか」という質問に「従来の米国の立場に変化はない」と明らかにした。「われわれは(北朝鮮との交渉)テーブルに戻って究極的に韓国大統領が話したこと(終戦宣言)に導くことができる問題について真剣なやり方で始めることを希望する」としながらだ」

    文大統領は「終戦宣言こそ韓半島で非核化と恒久的平和体制の道を開く扉になる」と述べた。これは終戦宣言を非核化プロセスの「入口」として別途取り出し、膠着局面にある交渉に動力を得ようとする趣旨と解釈されている。だが、ポンペオ長官の発言は終戦宣言がむしろ「出口」側に近いという意味としてみることができる。文大統領の「終戦宣言案」は、米国から全く問題にもされていない実態が浮き上がった。米国が、こういう韓国との議論を回避したいのは当然であろう。

     

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