勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    「蓼食う虫も好き好き」という。人それぞれだ。「反日」で燃え上がった時以外、本音ベースで言えば、「日本が大好き」という人たちも結構いるという。「寿司」が大好物で人気を高めている。米紙は最近、「寿司を世界に広めたのは韓国人」と報じるほどだ。

     

    『ニューズウィーク 日本語版』(11月29日付)は、「反日と日本好きの二極化が進む韓国」と題する記事を掲載した。筆者は、佐々木和義氏である。

     

    韓国の若者の間で人気となっている観光地がある。今年9月、ソウルから車で1時間半の距離にある京畿道東豆川(トンドチョン)にオープンした日本テーマパーク「にじもりスタジオ」だ。

     

    (1)「11月1日、韓国政府がウィズコロナを宣言し、規制を段階的に緩和する方針を発表すると、日本料理店を訪れる人たちが増え始めた。また、韓国航空各社は日本上空を飛行する「無着陸観光飛行」を運行し、訪日観光の再開を待つ人たちが空から日本を楽しんでいる。コロナ禍が続く韓国で若者を中心に日本ブームが広がるなか、日本でも韓国旅行の再開を心待ちにする人向けのイベントが実施された」

     

    韓国は、11月から「ウィズコロナ」になったので、疑似日本体験を楽しんでいるという。だが、11月29日にコロナ感染者激増で、「ウィズコロナ」は中止された。

     

    (2)「『にじもりスタジオ』はドラマの撮影場として作られた。2003年に放映されたドラマ『大長今(日本名;宮廷女官チャングムの誓い)』が人気を得ると歴史ドラマが相次いで作られた。日本で撮影が行われたドラマもあるが、出演者やスタッフの移動費など制作会社の負担が大きかった。そこで、演出家が主導して日本の江戸時代を再現した撮影場が在韓米軍訓練場の跡地に作られた。最近、大幅な補修工事を行なって、新たに開業したのが日本テーマパーク「にじもりスタジオ」だ」

     

    日本テーマパーク「にじもりスタジオ」が、広告宣伝しないものの静かな人気を得ているという。日本の雰囲気を味わえるのが人気の理由である。

     


    (3)「スタジオ内には日本料理店や旅館があり、着物や浴衣のレンタルも利用できる。
    運営会社は反日感情を懸念して広告宣伝などを行わず、また、写真を見る限り日本の街並みとは異なる和韓折衷のテーマパークだが、日本を体験できるという評判がSNSで広まった。韓国政府がウィズコロナに伴って観光制限を緩和したことも相まって、多くの若者で賑わっている」

     

    2019年7月以降の「反日不買運動」では、ソウルの日本式居酒屋やラーメン屋が大きな痛手を受けた。その反日不買も消えたのだろう。

     

    (4)「日本政府の入国規制緩和(注:11月30日から入国禁止)と韓国政府のウィズコロナ宣言(注:11月29日に中止決定)で、観光往来の再開を待ちきれない人たちが空の旅を楽しんでいる。アシアナ航空は往来再開の目処が経っていない8月と9月に、金浦空港を出発し、日本の上空を飛行して済州島に到着する国内線を運行し、続いて仁川や釜山の空港を出発して対馬などの上空を飛行した後、出発地に戻る無着陸観光便を運行した」

     

    下線を引いた部分は、初めて聞く話である。日本への「無着陸観光便」が人気を得ているという。

     


    (5)「格安航空会社LCCのエアソウルは、鳥取県と香川県の上空を飛行して出発地に戻る便を運行し、利用者には訪日観光再開後に利用できる香川県と鳥取県の無料宿泊券や特産品などが贈呈された。平均搭乗率が95%に達したという。ティーウエイ航空も10月から金浦、仁川、大邱を出発して佐賀県などを上空から見たあと出発地に戻る「無着陸観光飛行」を開始した。10月30日には利用者に佐賀県が用意した記念品がプレゼントされ、2022年まで使用可能な割引クーポンや佐賀県の特産品を抽選でプレゼントするSNSのイベントも実施した」

     

    「無着陸観光便」の平均搭乗率が95%というから驚く。香川県と鳥取県の無料宿泊券や特産品などが土産に付いた。これは、破格のサービスである。無料宿泊券の有効期限は23年3月まで。今回の新たなコロナ変種の出現で、22年度中に訪日できなければ、期限延長となろう。

     

    (6)「『無着陸観光飛行』の利用者は上空からでも日本を見たいという人たちばかりではない。日本の上空を旋回する無着陸観光飛行は国際線として運行されることからパスポートが必要だが、空港や市内の免税店を利用できる。無着陸観光飛行利用者1人あたりの免税額の上限は600ドル、購入限度額は5000ドルで、グアム上空などに向かう無着陸観光がはじまった昨年12月から今年10月までの間に約2万6000人が利用し、1万1291人が免税上限の超過分に相当する税金を納めたという」

     

    「無着陸観光飛行」でも、出国する以上はパスポートが必要になる。同時に、「免税品」購入のチャンスがある。この目当てに搭乗する人もいるはず。なかなかの商魂である。

     


    (7)「日本にも韓国旅行の再開を待ち切れない人たちがいる。韓国観光公社が11月14日、東京・品川区の会議場で、アシアナ航空の機内食を体験するイベントを実施した。機内食を食べるだけという約1時間のイベントだったが、100人の募集に対して2000人近い応募があったという。参加者たちが搭乗券を使って入場し、機内と同じように並べられた座席に着くと、客室乗務員がカートを押しながらビビンバやコチュジャン、韓国のりなどの機内食を提供した」

     

    日本にも、「韓国好き」がいても不思議はない。アシアナ航空の機内食を体験するイベントでは、定員100人に10倍の申込みがあった。ビビンバやコチュジャン、韓国のりなどの機内食を購入したという。民放によると、東京の新大久保にある韓国スパーが人気だ。韓国商品がずらりと陳列され、「100円韓国ラーメン」が売れ筋とか。千客万来という。

     

    8)「ニュースを見た韓国人は、「自分は日本旅行の禁断症状が出ている」「韓国人と日本人は互いの文化が大好きなのに、政界が紛乱をあおっている」「互いの文化を理解し合えるのは良いことだ」「文政権の5年間の反日扇動で得たものは何だったのか」などと投稿した。いまだノージャパンを叫ぶ人たちがいる一方で、若者たちは日本料理店や日本テーマパークで日本擬似体験を楽しんでおり、反日と日本好きの二極化が進んでいる」

     

    韓国の若者は、文政権離れを起している。反日の一方で、日本好き(保守派志向)がいるはずだ。韓国では4割が保守派である。この層は、日本に潜在的な親しみを持っている。ただ、それを口には出せないだけなのだ。

     

     

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    日本では、コロナが下火になってホットしていたのも束の間、また新たな変種株「オミクロン」が出てきた。感染力が強まっていると報じられている。

     

    オランダでは11月28日、アフリカ南部を訪れていた13人が「オミクロン」に感染していたことが分かった。ドイツと英国でも感染が報告されており、オミクロン株が欧州で既にかなり広がっていることが示唆される事態だ。こうなると、世界経済はこれからどうなるのか気懸りである。

     

    これまで猛威を振ってきた「デルタ変異株」よりも感染力が強いとなれば、身構えるのは当然であろう。ただ、冷静に考えることも必要である。『ブルームバーグ』(11月29日付)は、「新たなコロナ変異株『オミクロン』、現時点で分かっていること」と題する記事を次のように掲載した。

     


    WHOは11月28日、「オミクロン株の感染による症状が他の変異株と異なることを示唆する情報は現時点でない」と説明。「従来の感染急増よりも速いペースで確認されており、増殖に強みを持っている可能性はある」とした。

     

    南アの入院率の上昇は、オミクロン株感染の結果ではなく、コロナに感染する人の数が全体的に増えていることが理由の可能性があると指摘した。ECDC(欧州疾病予防管理センター)は、感染力の強いデルタ変異株が再び勢いづいている欧州では、オミクロン株の出現と拡散が「極めて高い」リスクとなり得ると分析した。

     

    米モデルナのポール・バートン最高医療責任者(CMO)は11月28日、オミクロン株が既存のワクチンをかいくぐる可能性があると指摘した上で、その場合は改良したワクチンを来年の早い時期に提供できるとの見通しを示した。コロナワクチンはこれまでの変異株に対し、重症化と死亡のリスクを減らす効果を示してきた。メルクやファイザーが開発した経口薬などその他の治療方法がオミクロン株に効果があるかどうかは今後評価することになる。

     

    『ブルームバーグ』(11月29日付)は、「オミクロン、世界経済回復への影響はどの程度か 最悪はロックダウン」と題する記事を掲載した。

     

    新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」は、世界経済がより力強い足取りで2022年入りするという楽観に水を差した。需要の弱さよりもインフレを政策の焦点としようとする当局の計画にも狂いが生じる可能性がある。

     

    (1)「渡航制限が導入されれば消費者信頼感も企業景況感も悪影響を受け、多くの国・地域でホリデーシーズンを目前に活動が抑制される可能性が高い。市場は直ちに反応し、26日には米・英・オーストラリアの今後1年の利上げ幅予想が少なくとも10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)縮小した」

     

    オミクロンの感染が拡大すれば、金利引き上げ幅は米英豪では0.01%ほど縮小すると観測している。大した影響でないという見方だ。

     

    (2)「次に何が起こるかはこの新変異株のワクチンへの耐性や感染力の強さに左右される。デルタ変異株は最近数カ月にわたり猛威を振るったが、経済をリセッション(景気後退)に押し戻すことはなかった」

     

    デルタ変異株では、世界経済をリセッションへ追込むことはなかった。ただ、中国経済は別である。不動産バブル崩壊と、コロナワクチンで欧米製のような優秀品のないことが、決定的なハンディキャップとなる。

     

    (3)「最悪のシナリオは、ロックダウン(都市封鎖)の再来だろう。これはサプライチェーンの混乱を悪化させるとともに、回復しつつある需要を軟化させ、スタグフレーション懸念を再浮上させる」

     

    オミクロンの感染力が、デルタ株よりも強い場合でも、米英型ワクチンでは対応可能であることが分かっている。新ワクチンは、来年の早い時点で発売される見通しである。西側諸国でのロックダウン・リスクは低いと見られる。

     


    (4)「一方、オミクロンが当初懸念されたほどの脅威でないことが分かれば、それほど厳しい結果にはならない。それでも、新変異株の出現は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が依然として世界経済への脅威であり、今後数年にわたりそうあり続ける可能性を再認識させる」

     

    今回の発展途上国での変種出現は、良い教訓を与えている。22年は、途上国へのワクチン供与に全力を挙げることだ。

     

    (5)「政策当局にとっての困難は、昨年の景気刺激策によって選択肢が狭まっていることだ。昨年の景気後退後に金融政策を引き締めた中央銀行はほんの一握りであり、先進国・地域の主要な政策金利はゼロ付近にとどまっている。各国政府の債務負担は既に急増している。「経済の不確実性がさらに高まったことは確実で、22年の展開を予測する際エコノミストには大いなる謙虚さが必要だ。ここにきて、必要な謙虚さの度合いはさらに大きくなっている」とスバラマン氏は述べた」

     

    下線部では、かなり慎重な見方である。ただ、新たなワクチンや経口薬の登場を考慮に入れれば、余りの悲観論は不要に思われる。ただし、中国経済は別である。先進国にはない、特有の脆弱構造であることを見落としてはならない。

     


    (6)「ナティクシスのアジア太平洋チーフエコノミスト、アリシア・ガルシアエレロ氏は、「まだスタグフレーションになってはいないが、国境を超える移動の制限と関連のサプライチェーン混乱がさらに1年続けばそうなるかもしれない」と話した。20年の景気後退期ほどの影響はないとみるエコノミストもいる。野村ホールディングスのグローバルマーケットリサーチ責任者、 ロブ・スバラマン氏は、「企業や家計は制限やロックダウンに適応してきたため、今回の打撃はそれほど深刻ではないかもしれない」と述べた」

     

    私は、オミクロンの出現を過剰警戒する必要はないとみる。その意味で、下線部の指摘に妥当性を感じる。人間、同じ過ちを繰返さず、少しずつ「経験値」を重ねて行くからだ。

     

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    文政権はまた、大きな傷跡を残した。11月1日から始めた「ウィズコロナ」が大きな犠牲を伴ったことと、新たな変種株「オミクロン」の発生で、ついに緩和継続の中止を決めた。緩和直前の感染者数は、一日約2000人もいたが、日本への対抗もあって早めの「ウィズコロナ」となった。これが、結果的に大きな失敗となったのだ。

     

    『ロイター』(11月29日付)は、「韓国、コロナ規制緩和計画停止 医療逼迫と新変異株で」と題する記事を掲載した

     

    (1)「韓国政府は11月29日、新型コロナウイルス感染者の入院増加による医療体制逼迫や、新たな変異株「オミクロン」の出現を受け、行動規制緩和計画を停止したと発表した。文在寅大統領は対策会議で、危機は深刻化したとし、オミクロン株の流入阻止に向けた協調した対応を呼び掛けた」

     

    韓国政府は、オミクロン株の流入阻止という「絶好」の理由ができたので「ウィズコロナ」の中止に踏み切る。一日も早く中止すべきところ、ぐずぐずして決められずにいた。

     

    (2)「韓国は11月、新型コロナウイルスとの共存に向け段階的な規則緩和に着手。来年2月半ばまでに人の集まりに関する規制を全て撤廃する予定だったが、それを棚上げにした。権保健福祉相によると、ソウル首都圏では少なくとも1200人が入院待ちだとし、市民に検査とワクチン追加接種を呼び掛けた」

     

    来年2月半ばまでに廃止予定の規制は、今回の一件を受けて見通したつかなくなった。ソウル首都圏だけで、1200人もの入院待ち感染者がいるのだ。今回の決定が遅すぎたのは、医療現場の逼迫下について全く無頓着すぎたことである。新規感染者数は先週、過去最高の4116人を記録。28日は日曜日で3309人だったが、11月初め、レストランやカフェの営業規制が緩和される前は2000人前後であった。

     

    『wowKorea』(11月29日付)は、「ウィズコロナ施行後『ソウルの死者は約4倍増加』感染者は『約2倍増加』と題する記事を掲載した。

     

    韓国では、今月1日からの「段階的日常回復(ウィズコロナ)」施行以降、ソウル地域の新型コロナウイルス感染症による死者が約4倍も急増していることがわかった。また感染者も約2倍増加している。

     

    (3)「きょう(29日)ソウル市によると、10月24~30日に計32人(一日平均4.6人)であった週間新型コロナ死者数は、その後32人から48人、さらには76人と増加し、先週(22~27日)には120人(一日平均17.1人)に急増した。ウィズコロナ施行の直前と比較すると、3.7倍増加したことになる」

     

    大変な数の犠牲者を出してしまった。いずれも高齢者である。早くワクチン接種したことで、有効性が落ちたところへ、「ウィズコロナ」が重なって感染したと見られている。毎週、死者が「倍々」で増えたことに文政権は心の痛みを覚えなかったのだろうか。それよりも、来年の大統領選挙を考えて、「ウィズコロナ」の早期中止を決断しなかったのであろう。冷たい政権である。

     


    (4)「一方、ソウル市の一日平均の感染者数は、11月第1週(10月31日~11月6日)の848.3人から896.6人→1237.4人→1605.7人と3週連続で過去最多記録を更新してきた。 また、先週の重症患者数は一日平均222.4人で、2週間前(199.2人)より23.2人増加した」

     

    感染者数が増えれば当然、重症患者は増えるはずだ。すでに、重症者用ベッドの医療的限界とされる75%を大幅に上まわっている。素人は75%稼働ならば後、25%の余裕があると考えがち。だが、これは誤りであるという。病床が空いたからと言ってすぐに、次の患者を入れる訳にいかない。消毒や次の受入れ準備に時間がかかるという。こういう医療側の事情を無視して、文政権は強引に「ウィズコロナ」を続けて、打切りを決断しなかった。大きな、誤りを犯したと言うべきだろう。

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    韓国は、11月1日から「ウィズコロナ」で、規制緩和に踏み切った。だが、直後から堰を切ったように感染者が激増している。重症患者は激増し病床は、レッドラインである「稼働率75%」をはるかに上まわっている。本来ならば、「ウィズコロナ」の手直しをすべきところ、未だに傍観している。政治的思惑の結果であろう。

     

    「ウィズコロナ」に入って、一ヶ月も経たない時点で、規制強化したのでは政府への批判を浴び、ひいては大統領選挙で与党候補が不利になるという思惑が働いているにちがいない。文政権は、これまでも世論動向を見ながら「政策決定」してきたのである。

     

    『中央日報』(11月29日付)は、「オミクロン株まで出現したが、韓国政府は右往左往」と題する社説を掲載した。

     

    (1)「韓国における新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)関連のほぼすべての主要指標に連日赤信号が灯っている。28日は一日の死亡者(56人)と重篤患者(647人)が過去最多を記録した。首都圏重症患者専門担当病床稼動率が85%を超えて、3日連続で1000人以上の患者が病床の割り当てを今か今かと待つ状態が続いている。28日の一日新規感染者は3928人だったが、これは検査件数の少ない日曜日発表基準でも最多だった」

     

    政府は、重症患者のベッド稼働率75%が危険ラインと決めた。現実にはすでに85%を超えている。こういう事態を迎えながら、「ウィズコロナ」の手直しができないとは異常である。何をためらっているのか。政府のメンツしか考えられない。自営業を圧迫することを懸念しているというが、それは表向きの話であろう。政府批判の高まりが怖いのだ。「反日不買」を即時に決めた、あの機動性はどこへ消えたのか。

     


    (2)「弱り目にたたり目で、デルタ株より感染力が少なくとも倍以上あると言われているオミクロン株も報告され、地球村が再びコロナ再拡大の恐怖に包まれている。11月11日、アフリカ南部ボツワナで初めて見つかったオミクロン株は25日にアジアでは香港で感染者が報告された。韓国ももはや安全地帯ではないようだ。昨年12月、インドでデルタ株が出てきてから感染が急速に拡大した痛恨の経験を考慮すると、防疫当局が速やかに動かなければならないときだ」

     

    感染力は、デルタ株の2倍とされるオミクロン株が出現した。今の状況に加えて、新たな危険因子の登場である。韓国政府が、早急に対策を打たなければならない事態だ。

     

    (3)「だが、急激に変化している国内外のコロナ状況とは違い、韓国政府の対応速度はイライラが爆発しそうなほど遅い。南アフリカなどアフリカ8カ国を出発した外国人は昨日0時から入国禁止となったが、旅行者が感染した香港はここから除外された。必要なら入国禁止を先制的に拡大しなければならない。25日に韓国の防疫政策諮問機構である日常回復委員会が開催され、その翌日には中央災難(災害)安全対策本部が対策を発表する予定だったが突然29日に延期した。状況判断を正確にできていないのか、決定を下すことができずに右往左往している様子だった」

     

    25日に開催されるはずの防疫対策会議が29日へ延期された。この4日間の差が、大きな被害を生んでいることに気付かずにいるのだ。状況判断が正確にできない結果とすれば、余りにも無責任である。防疫対策は、ルール通りに行なうのが鉄則のはず。政治的な思惑が介入してはならない。PCRの全数調査も、大統領府が介入した結果である。

     


    (4)「オミクロン株の登場で、コロナ克服のためには全国民主労働組合総連盟(民主労総)をはじめとする各団体の大規模集会が集中した先週末が絶好の転換点だったかもしれないが、そのまま放置した。状況の緊迫感を国民に効果的に伝達できたのにタイミングを逃したという指摘もある」

     

    韓国政府の最大支援者は労組である。その労組の大規模集会を規制すれば反発を受ける。だから、規制しなかった。文政権はこのように、支持率向上目的で世論の動きに敏感である。風見鶏である。

     

    (5)「専門家は、日常回復委員会が12~18歳の青少年にも防疫パス(接種完了・陰性確認制)を導入し、カフェや食堂にも防疫パスを適用し、私的な集まりの人員制限を強化しようという意見を提示したと伝えた。だが、日常回復をしばらく保留する首都圏非常計画発動についてはその日議論さえしなかったという。今月1日から段階的日常回復(ウィズコロナ)第1段階に入ったが、1カ月もせずに防疫を強化する場合、自営業者からの反発が懸念されるため、政府が顔色伺いをしながらためらっているという指摘もある」

     

    「ウィズコロナ」で規制を緩め過ぎた結果が、今日の事態を招いたのである。これも、政治的な思惑先行がもたらした。自営業者の顔色を伺っているとすれば、これも大統領選への影響を懸念しているにちがいない。文政権は、すべて大統領選への影響で対策を決めている。

     


    (6)「韓国とワクチン接種率がほぼ同じだが一日感染者が3万人から100人前後に急減した日本の最近の流れに注目しなければならない。「水ワクチン」と呼ばれたアストラゼネカ・ヤンセンワクチンを初期に集中的に接種していた韓国とは違い、抗体価が高いファイザー・モデルナのワクチンだけを接種した日本のワクチン戦略のほうが正しかったという評価が出ている。今からでもワクチン効果をしっかりと分析して追加接種(ブースターショット)戦略を急いでこそ、ブレイクスルー感染(突破感染)を減らせる」

     

    日本は、ファイザーとモデルナのワクチンだけを接種した。国内で委託生産していたアストラゼネカを接種せず、全量を海外へ寄贈したのは賢明であった。副作用問題が絡んでいたからだ。ただ、それだけでない。日本は、韓国よりも「人流」面ではるかに慎重であった。無闇に外出しなかったことが、日韓で大きな差を生んだ理由であろう。

     

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    韓国警察庁長官が、11月に竹島(独島)へ上陸して日韓関係はさらに悪化している。最大の問題は、日韓が所有をめぐって意見が異なる以上、日本の感情を刺激する行動を慎む配慮がゼロであることだ。一方、韓国の中国への態度は卑屈そのもの。旧宗主国へ恭順の意を示した格好である。こういう違いが、日本政府には釈然としない理由であろう。

     

    日本は、尖閣諸島へは国旗も掲げず無人島のままだ。日本国内では公務員(警官か自衛隊員)の常駐を主張する意見もある。そうなると、中国へ軍事行動を誘うようなもので下策である。だから、海上保安庁の巡視艇が警戒しているに止めている。

     

    韓国には、こういう配慮がゼロである。日本へこれ見よがしに観光客を上陸させたりしている。警官まで常駐しており、日本の感情を逆なでしているのだ。デリカシーのない振る舞いである。

     


    『中央日報』(11月28日付)は、「独島『報復チーム』まで設置した日本 『外相間の電話もなく』岸田首相の本性」と題する記事を掲載した。

     

    岸田文雄首相の就任以降、韓日懸案をめぐる日本の態度が徐々に強まっている。強制徴用被害など過去の問題に関連して一方的に「韓国側の先制的な解決策提示」を要求する立場を再確認したうえ、独島(ドクト、日本名・竹島)領有権問題を紛争化しようという意図まで露骨に表しているからだ。岸田内閣が韓日関係改善には関心を向けず、むしろ悪化した両国関係を国内政治的に活用するのに主眼点を置いているという分析も出ている。

     

    (1)「日本は金昌龍(キム・チャンリョン)警察庁長官の独島訪問(16日)以降、韓国側がきっかけを提供するのを待っていたかのように反感を表し、むしろ葛藤を増幅させた。17日(現地時間)、米ワシントンで開催された韓日米外交次官協議の後、一方的に共同記者会見に不参加の意思を通知したのは、事実上、独島をめぐる葛藤のすべての責任を韓国側に転嫁しようという意図と解釈される。特に日本はこうした動きを通じて国際的に独島を紛争地域化する効果を出した。シャーマン米国務副長官が単独で記者会見をすることになった理由を説明する過程で「かなり長い間、日本と韓国の間に異見が続いている」と述べたのは、それだけでも独島が紛争地域という意味として受け止められる可能性があるからだ」

     


    韓国は、竹島帰属が国際法的に正しいと吹聴しているが、全くの噓話である。李承晩大統領(当時)が、勝手に李承晩ラインを引いて韓国領に奪取したものだ。戦前から、島根県管轄であったのだ。米国は、日本領と理解しているほど。こういう問題である以上、韓国は、これ見よがしに政府高官が上陸したり、警官を常駐させる行為を止めるべきだ。それが、友好国への礼儀であろう。

     

    (2)「さらに自民党は、金長官の独島訪問に抗議するため対抗チームを設置することにし、独島領有権の主張を本格化する準備に入った。25日の読売新聞などによると、自民党内の政策立案組織である外交部会と外交調査会は合同会議で、対抗チームの新設に合意し、こうした提言を林芳正外相に伝える予定だ。こうした構図は、独島を実効的に支配している韓国の立場では最悪の状況となり得る。韓国はその間、日本の独島領有権主張にいちいち対応すること自体が紛争の余地を与えるという判断から無対応で一貫してきた。外交部の当局者が26日、自民党の対抗チーム新設および独島訪問推進計画などについて「日本側の根拠のない主張にはこれ以上論評する価値を感じない」と述べたのもこうした理由からだ」

     

    韓国が、日本の感情を踏みにじる行為を続けるならば国際司法裁判所で白黒を付けるべきだ。韓国の主張に自信があれば、日本の提訴に韓国も応じるべきである。裁判結果が出れば、それに従うという約束を互いに交わすべきである。

     

    (3)「問題は、独島問題をめぐる日本の強硬対応と韓国の無対応原則が続く場合、両国関係改善の環境は形成されにくいという点だ。特に韓日両国は葛藤を調整して関係改善の呼び水となる高官級の意思疎通までが事実上断絶した状態だ。2日に英グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と岸田首相は儀礼的なあいさつを交わす時間も持たなかった」

     

    日本政府は、文政権を相手に交渉することに絶望している。それよりも、来年の大統領選を経て、協議したい気持ちであろう。文政権の間には、何らの信頼感もないのだ。

     

    (4)「10日に就任した林外相もまだ鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官と就任あいさつ目的の電話もしていない。林外相が13日に米国、18日に中国、23日にインド側のカウンターパートと電話をした点を勘案すると、鄭長官との通話を意図的に先延ばししているとみられる。一部では12月10~12日に英リバプールで開催されるG7外相会合で韓日外相間が会うという見方もあるが、これも実現するかは未知数だ」

     

    福田元首相は、上手い表現を使っている。日本が、話合いたいと思う相手であれば、すぐに電話するもの。日本側に、そういう意思を起させるような動きが韓国にないことだ。日韓関係は、こういう状態でいた方が良い感じもする。互いに相手国へ気を配って、「静の構え」でいればいいであろう。そのときに、何かひらめくはず。それが今、最も必要な時期である。 

     

     

     

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