勝又壽良のワールドビュー

好評を頂いている「勝又壽良の経済時評」の姉妹版。勝又壽良が日々の世界経済ニュースをより平易に、かつ鋭くタイムリーに解説します。中国、韓国、日本、米国など世界の経済時評を、時宜に合わせ取り上げます。

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    韓国と日本の公人が、身を処するに当りこれほどの差があるのは、やはり「民度」の違いといわざるを得ない。民度という言葉を使ってはいけないが、秋美愛(チュ・ミエ)法相の息子が兵役中に便宜を受けていた疑惑を巡って、秋氏の発言は身びいきの「親バカ」の典型であるからだ。日本の閣僚であれば、「公務に差し障りがあるので辞任する」が一般的である。

     

    秋氏は、法相である。第三者から疑惑を受けるような事態に陥ったならば、法相としての任務遂行は困難になる。だが、虚言を操ってますます国民からの信頼を落とす振る舞いを続けているのだ。公人としての責任感はゼロである。韓国の公人には、「自己責任」という概念がないようである。日本と韓国の身の処し方に大きなさが認められるのは、自己責任という基本ルールが欠如している結果であろう。「武士道精神」から言えば、かけ離れた振る舞いだ。

     


    『中央日報』(9月18日付)は、「今までこんな政府はなかった」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙のチェ・サンヨン論説委員である。

     

    (1)「『小説を書くつもりか』と怒りを見せた秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官(法相)が、今では、「私と息子が最大の被害者」という詭弁でむしろ国民を愚弄している。「検察が明らかにしてほしい」というが、いかなる捜査結果が出てもそのまま信じる人はどれほどいるだろうか。捜査でなく捜査するふりをしながら騒ぐショーと見る目が多いからだ。捜査に消極的な人たち(検察)にまた捜査を任せれば当然のことだ」

     

    文大統領が得意とする言葉は、「公正と正義」だ。秋法相が引き起した疑惑は、まさに「公正と正義」に反するものである。徴兵制が敷かれている韓国では、国民は平等に軍規を守らなければならない。その軍規が、秋氏の親子によって踏みにじられたのである。手術後の帰隊時間を守らず、部隊の当番兵から時刻までに帰隊していないことから発覚した「事件」である。遅刻した上に、部隊上官を通して休暇延長願いを出すという、二重のルール違反を犯したのだ。部隊上官への通報は、秋法相(当時は、「共に民主党」代表)が行ったことも確認されている。

     

    それでも、自らは連絡していないと言い張り、事後の休暇延長願いも有効な手続きと主張している。軍規に照らせば、帰隊遅延や電話での休暇延長願いは、違法である。秋氏は、韓国軍の軍規を否定するという、法相としてあり得ない発言を繰り広げている。与党がまた、これを正しいとして違法行為擁護に加担しているのだ。日本の政界ではあり得ない珍現象である。民度の低さをまざまざと見せつけているのだ。検察が、捜査に消極的という点も日本ではあり得ない点だ。



    (2)「
    韓国社会で公正性は兵役・入試・就職が1次的な判断基準となる。ろうそくデモもチョン・ユラの大学入試特恵が発火点だった。そのような怒りのエネルギーで執権した文在寅(ムン・ジェイン)大統領は就任後、「特権層で起きた事件の真実を究明できなければ正義社会をいうことはできない」とし、公訴時効が過ぎた事件までも事実を確認するよう指示した。それで多くの過去の問題までが捜査対象に含まれた

     

    文大統領は、「公正と正義」を振りかざして、公訴時効が過ぎた事件まで捜査させるという異常な振る舞い行っている。韓国社会の公正性は、兵役・入試・就職が1次的な関門である。文大統領は、その兵役における不公正問題について、一切発言せず沈黙している。身びいきのためだ。これほど、法律を曲げてしまう大統領は、韓国で初めてである。文氏こそ、大統領引退後、法廷に立たせねばならない人物である。


    (3)「このあたりでもう大統領の真相究明指示、責任を問うという立場が出てこなければいけない。少なくとも国民に対して謝罪でもする必要がある。しかし、一言も言及はない。過去の政権の問題に対しては、「捜査機関が故意に不十分な捜査をしたり、さらには積極的に真実究明を遮断してかばった状況が見られる」と一つずつ細かく批判した。同じ指針を(秋法相事件に)出せない理由はない。韓国では兵役と教育は極めて敏感な問題だ。娘の不正入学疑惑で辞任した曺国(チョ・グク)前法相に続く「身びいき」疑惑に、国民の怒りは高まっている」

    文大統領は、口舌の徒である。ただ、口当たりの良いことを発言するだけである。自陣営に優しく他陣営には峻烈という、典型的な「弁護士」に過ぎない。「真の大統領」になれないお人である。

     

     

     

     

     

     

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    今回の新型コロナウイルスの発症は、これまで世界中に張り巡らしていた中国共産党統一戦線の機動力が、いかに大きいかを浮き彫りにした。北京からの指示で、世界中の華僑が一糸乱れぬ動きをして、マスクなど個人保護具(PPE)を買い集めたのだ。名古屋では、3日間でマスク52万枚を買い集めたという。

     

    世界中に散らばっている華僑にして見れば、「母国の災難」で団結して行動したのであろう。だが、米中の「熱い戦争」に発展した場合、この華僑組織は攪乱工作をしないという保証がないことだ。これまで問題にされなかった華僑組織の持つ意外な側面に、各国が警戒観を持ち始めた。

     

    世界中の華僑組織を動かしたのは、中国共産党中央統一戦線工作部である。中国共産党中央委員会に直属し、中国共産党と党外各衛星政党との連携を担当する機構である。民族、宗教についての業務、特にダライ・ラマに協力する国内外のチベット解放活動に対する工作や、海外における祖国統一工作、非共産党員の幹部養成も職務に含まれている。要するに「宣撫工作」(スパイ活動)である。「孔子学院」の所管もここだ。

     

    現在、全世界に華僑(国籍は中国)・華人(国籍は他国)が6000万人以上いるとされる。その資産規模も2兆5000億ドル(約280兆円)以上と推定されている。動員力と資金力を持つ一大勢力である。こういう組織が、世界の市民の中に存在する。先進国は、この実態を偶然ながら認識することになった。足元にまで共産党の「隠れ指揮所」が迫っていることに愕然としているのだろう。

     


    『ブルームバーグ』(9月18日付)は、「
    世界中に住む中国人動員しマスク購入、共産党統一戦線に各国で警戒感」と題する記事を掲載した。

     

    中国での新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込めるため湖北省武漢市が1月にロックダウン(都市封鎖) されると、世界5大陸、数十カ国に散らばる中国人組織がマスクなどの個人保護具(PPE)を購入し始めた。共産党中央統一戦線工作部が指揮した前例のない組織動員の始まりだった。大規模な公衆衛生危機に見舞われた中国にPPEを送るためだ。

     

    (1)「中国国営の新華社通信によれば、名古屋では3日間でボランティアがマスク52万枚を薬局で買い上げた。1月26日までにはカナダのトロントにある中国商業会議所のトップが北京から戻り会員に協力を求め、100人近くがPEEを買い込むため、凍った道路を運転してトロントに向かったという。ケニアとイタリアのミラノからの航空機には中国向けPPEが詰まった箱やスーツケースが大量に積み込まれていた。アルゼンチンにある中国在外団体は、要請を受けて1週間以内に約2万5000枚のマスクを送った」

     

    凄い機動力である。新型コロナウイルスという緊急事態の発生で、マスクなどの買いだめに立ち上がった。これが、「ゲリラ活動」をやれという指令が出たならばどうするか。普通の市民が突然、武器を持って現れるという最悪事態も考えられるのだ。謀略国家・中国ならではのゲリラ戦術を警戒する時代になってきた。

     


    (2)「武漢ロックダウン前夜の1月22日、電子商取引の巨大企業アリババグループは同社のマスク在庫は4610万枚だとソーシャルメディアに投稿。北京と上海の全住民が1枚ずつ買える数にすぎなかった。しかし中国政府の統計によれば、2月末までにはマスク20億枚を含む25億品、82億元(約1300億円)相当が統一戦線主導のキャンペーンにより送り込まれていた。中国のメッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」の助けを借りて連係されたキャンペーンの規模とスピード、効果は一般的な災害救援活動を超えていた」

     

    世界中の華僑組織から2月末までの約1ヶ月で、マスクは20億枚、現金は約1300億億円が集ったという。大変は「集金能力」があることを示している。日本でも華僑は経済的に成功している人たちが多い。

     

    (3)「1月後半、統一戦線に関係する中華全国帰国華僑聯合会を通じて出された支援の呼び掛けはニューヨークやロサンゼルス、メルボルンなど各地の中国総領事館のウェブサイトに掲載された。大半のPPEは2月半ばまでに送り込まれた。数千の組織とソーシャルメディアグループを動員できることを示す統一戦線の功績だった。米下院情報特別委員会での昨年の証言によれば、動員可能な団体は米国だけでも250を超える」

     

    中国と聞けば、過剰反応しがちな米国としては、改めて統一戦線組織の存在に気配りせざるを得なくなった。

     


    (4)「統一戦線が単なる人道的組織でないことから、米議会は監視を強めている。 今年6月には共和党議員148人が「悪意的な感化キャンペーン」を理由に統一戦線の幹部に対する制裁を求めた。2018年に統一戦線についての報告書を発表した米議会の超党派諮問機関、米中経済・安全保障審査委員会(USCC)のロビン・クリーブランド委員長は、「国外からPPEを集めるための中国政府による在外中国人ネットワークの利用は、統一戦線を先陣とした経済・政治・安全保障キャンペーン統合の驚くべき例だ」と指摘した」

     

    思いもよらないところに、北京の指令で一斉に動き出す華僑組織の存在に気付かされた。今後の、米中対立激化の中で、この華僑組織は微妙な立場に立たされるだろう。

     

    (5)「中国共産党の影響力に関する共著のある米ジャーマン・マーシャル財団のマレイケ・オールバーグ上級研究員(ベルリン在勤)は、統一戦線の能力に対する各国政府の警戒が強まっていると分析。「極めて大きな組織的潜在力があり、弱い国民が不利になるように、あるいはあなたの利益に反する形で、使われる可能性がある」と指摘し、「すでにこれに気付き始めている政府もある。各国政府はもっと賢くなる必要がある」と述べた」

     

    日本の華僑組織では、中国系と台湾系に分かれている。こうなると、互いの存在が目障りになって、紛争を起こす事態も予想されよう。治安当局にとっては、頭の痛い問題が起こってきた。

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    米国は、水際作戦で中国人スパイ予備軍である留学生ビザ発給を急激に絞り込んでいる。中国人民解放軍関係者が、前歴を隠して留学し機密研究を盗み出さそうと狙っているからだ。7月の学生ビザ発給は実質4人。更新を含めた合計で145人である。前年同期の2万人超がウソのような変わり方である。中国は、米国にとって「敵性国家」になっている。

     

    『大紀元』(9月17日付)は、「米、中国人留学生のビザ発給をさらに厳格化、7月わずか145人取得」と題する記事を掲載した。

     

    米中関係が急速に悪化する中、米政府は、中国人留学生向けのビザ発給をさらに厳格化した。米政府の最新統計によると、今年7月、米の学生ビザ(F-1ビザ)を獲得した中国人は145人にとどまり、昨年同月の2万超を大きく下回った。

     

    (1)「米『ラジオ・フリー・アジア』(RFA)9月14日付は、米国務省領事局のデータを引用し、7月に在中国米大使館、在上海総領事館、在広州総領事館が承認した学生ビザはわずか4件と報じた。この4件を除いた141件は、学生ビザの更新である可能性が高いとみられている。その一方で、同月、香港と台湾にある米国の在外公館は約1000件の学生ビザを発給した」

     

    米国は7月、中国人留学生に新規発給したビザがたったの4件であった。学生ビザ更新は141件で、7月合計の学生ビザ発給は145件である。一方、香港と台湾からは1000件の学生ビザが発給されている。中国からの学生ビザ申請は、スパイがらみが多いことを物語っている。

     


    (2)「留学事情に詳しいカナダの非営利団体、「国境なき教育」の創設者の1人である燕曉哲氏はRFAに対して、「中国にある米大使館と総領事館のビザ業務は、すでに約10カ月前から停止している。現在、一部の中国人学生は、香港や台湾などの第三国・地域を通して、米国の学生ビザの取得を試みている」と語った」

     

    下線のように、米国は中国関連ビザ業務を約10ヶ月前から停止している。いかに、中国への警戒感が強いかを示している。

     

    (3)「今年に入ってから、中国当局の情報隠ぺいで中共ウイルス(新型コロナウイルス)が大流行となった。各国の中でも米国の累計感染者数と死亡者数が最も多く、同国の経済は深刻な打撃を受けた。そのうえ、中国当局が長年にわたり米企業の技術を窃盗し、今年は香港で「国家安全維持法」を強制的に導入し、さらには南シナ海、台湾海峡および東シナ海で軍事活動を拡大した。このため、米中関係は急激に悪化している」

     

    米中関係の悪化が、ビザ発給停止の背景である。中国が長年にわたる米国の技術窃取をやってきたことへの報復だ。悪は、懲らしめなければならないという理屈だ。

     


    (4)「トランプ政権は5月末、中国軍とつながりのある中国人留学生や研究者の入国を規制する措置をとった。ロイター通信の報道では、米国務省は9日、中国人に発給した1000件以上のビザを取り消したと明らかにした。同日、米国土安全保障省のチャド・ウルフ長官代行は、「われわれは、中国の軍民融合戦略に関係する中国人大学院生や研究者のビザ取得を防ごうとしている。彼らによる機密性の高い(米国の)研究成果の盗用を避けるためだ」と述べた」

     

    米国は、中国に対して新規発給ビザの厳格化だけでなく、すでに発給したビザの取消しも行っている。それが、1000件以上にも達している。人民解放軍関係者の肩書きを偽って取得した学生ビザであるからだ。

     

    (5)「米政府はこのほど、ビザを不正に取得した中国軍の女性士官を逮捕・起訴し、技術窃盗の容疑で複数の中国人留学生や研究者を拘束した。さらに米政府は最近、一部の中国人留学生や研究者が米の重要技術を中国に持ち出すのを防ぐため、空港での出国審査を強化している。英メディアによると、一部の中国人学生は、米国を出国する際、審査官から質問を受けるだけでなく、所持のパソコンや携帯電話、ゲーム機が一時的に押収され、その中のデータや通信内容などが調べられたと訴えた」

     

    本欄でも、米国における中国人留学生が、技術窃取した嫌疑で逮捕されている事実を取り上げてきた。一部の中国人留学生は、米国出国の際にデータや通信内容を調べられている。すでに、「準戦時体制」を思わせる雰囲気だ。それにしても、米国から技術を盗み出さなければ、中国軍の技術開発が進まないとは情けない。ここまでやって、世界覇権へ挑戦したいとは、児戯同然の振る舞いである。

     

    テイカカズラ
       

    韓国は、元国会議長らが菅政権登場を機に日韓融和策に転じるべしと提言した。日本では、そういう動きはゼロだが、韓国の焦り方は尋常でない。「反日運動」で燃えさかった韓国が一転、「仲良くしましょう」と呼びかけている。不思議な感じがするのだ。

     

    『聯合ニュース』(9月17日付)は、「韓日関係の放置は「百害あって一利なし」韓国元国会議長らが提言」と題する記事を掲載した。

     

    韓国の元国会議長らが悪化の一途をたどっている韓日関係を放置してはならないと口をそろえた。関係改善に向けてはそれぞれ違う解決策を示した。文喜相(ムン・ヒサン)前議長ら4人が9月17日に発刊された季刊誌『韓米ジャーナル』とのインタビューで韓日関係に関する見解を明らかにした。

    (1)「文氏は、「韓日関係が放置されることは両国に百害あって一利なしである。両国の指導者が無責任であり、両国の国民に被害を与える」と指摘。「直ちに解決しなければ歴史に大きな罪を犯す」との見解を示した。また、「解決策は意外と簡単かもしれない」とし、国会議長時代に強制徴用訴訟問題の解決策として自身が提案した案を取り上げた。同案は韓国と日本の企業、国民から寄付を募って基金をつくり、被害者に支給するなどの内容が盛り込まれている」

     

    日韓関係冷却化で損をするのは韓国がより多い。日本も、訪日客の減少という痛手はあるが、それ以外に目立ったものはない。日本ビールが売れないとか伝えられているが、韓国では雇用減に結びつき、失業を増やしている。文元国会議長は、自らが提案した法案の再提出を求めている。

     


    (2)「鄭義和(チョン・ウィファ)元議長は、「70年の歳月が過ぎた今日では許して歩み寄る姿勢を持たなければならない」として、「われわれの主張も重要だが、易地思之(相手の立場に立って考えること)の姿勢で日本を理解する姿勢も必要だ」と表明。「われわれがあらゆる面で日本より良い国にならなければならない。それが日本に対する美しい復讐(ふくしゅう)」と強調した」

     

    韓国は今、日本を日韓併合で許すべしとしている。こういう感覚だから、日本人はスッキリしないのだ。1965年の日韓基本条約で解決済みである。日本が、韓国を嫌うのは「許す」とか「謝罪」しろとか繰返されることに食傷気味である。感情論は止めて、合理的な解決策(韓国国内で解決する)しかないのだ。

     

    (3)「金炯オ(キム・ヒョンオ)元議長は、「韓日関係で不協和音が続けば続くほど外交、安全保障、経済などあらゆる面でわれわれが受ける被害が莫大(ばくだい)だ」として、「ねじれた韓日関係の答えは結者解之(自ら行ったことを自ら解決すること)」と述べ、両国の指導者が関係改善に乗り出す必要があるとの認識を示した。また、「われわれがより大きな被害を受けざるを得ない構造だが、(政界では)反日感情をあおり、国内の政治に利用している」とし、「時間が経てば国民も理性と冷静さを取り戻し、政界に大きなブーメランとして返ってくる」と警告した」

     

    このパラグラフでは率直に、日韓関係冷却によって韓国がより大きな損害を被ると指摘している。韓国側で日韓融和策を言い出している背景には、韓国の受ける損害が大きいことを物語っている。反日を政治的に利用してきた文政権は、頭を丸めなければならないほど、害毒を流してきたのだ。

     

    『東亜日報』(9月17日付)は、「日本新政権スタート、韓日の『知日派―知韓派』に注目」と題する記事を掲載した。

     

    菅義偉政権でも韓日関係の改善は容易ではないという見通しが優勢だが、一部では期待の声も出ている。韓日関係が進展するには、韓日両国で知日派、知韓派の役割が過去よりも重要になった。

    (4)「韓国与党要人の中で菅氏と個人的な信頼で話ができる代表的な人物として、与党「共に民主党」の李洛淵(イ・ナクヨン)代表が挙げられる。外交筋によると、日本国内の核心人物を広く知っている李氏は、特に菅氏の周辺人物と親交があり、比較的円滑な意思疎通が可能とされる。昨年10月、首相だった李氏が政府代表として天皇陛下の即位の礼に参列した時、2人が非公開で会って、責任を持って韓日関係改善のために努力するという趣旨の話を交わしたという」

     

    菅首相は、昨年10月、韓国首相だった李氏と二人きりで会っているという。面識はあるのだ。



    (5)「前政権の要人の中には、李丙琪(イ・ビョンギ)元大統領秘書室長が菅氏と格別の間柄だという。李元室長は2013~14年、駐日大使時代、月に1度以上、菅氏と会ったという。15年の韓日慰安婦合意の時、「李丙琪ー菅ライン」が重要な役割を果たしたと、日本政府関係者が明らかにした。李元室長が収監された2年間、菅氏が慰労のメッセージを送ったという」

     

    菅首相は、15年の日韓慰安婦合意で李丙琪・元韓国大統領秘書室長と重要な役割を果たした。だが、その日韓合意を文政権は破棄している。菅氏が、簡単に文政権との交渉に応じるか疑問だ。管氏は、裏切った相手と会うほど「お人好し」だろうか。

    (6)「日本政界の最高の知韓派は、与党自民党のナンバー2とされる二階俊博幹事長だ。二階氏は、日本国内の反韓、嫌韓ムードが高まると、これを和らげる役割をしてきた。日本の半導体部品輸出管理強化で韓日関係が最悪だった昨年9月、二階氏はあるテレビ番組に出演して、「日本が手を差し伸べ、譲歩できることは譲歩すべきだ」と話した。全国旅行業協会(ANTA)会長でもある二階氏は17年6月に訪韓した時、日本の旅行会社代表ら民間人360人も同行した。今年も1200人規模で韓国を訪問しようとしたが、新型コロナウイルスの感染拡大で延期になった。

     

    二階氏も昨秋は、韓国代表団との会見約束を破るほどで、火中の栗を拾わなかった。老練な政治家だけに、国内世論を読むだろう。決め手は、国内世論だ。




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    中国軍が、アジア各地で強硬姿勢を取っている。紛争の一つが、習近平氏の67歳誕生日(6月15日)にヒマラヤ山中で起こった。祝福すべき夜が、中国軍によるインド軍急襲で20名のインド兵落命の日となった。この修羅場を事前承認したのは習氏であろう。なぜ、自分の誕生日を血で塗る惨事とさせたのか。自らの権力を誇示する為であるとすれば、余りにも「残酷」な印象を受けるのだ。

     

    『フィナンシャル・タイムズ』(9月16日付)は、「中国がアジア各地で強硬姿勢を強めるワケ」と題する記事を掲載した。

     

    中国が南部、東部方面に勢力を拡大する動きを強める中で、偶発的または意図的に紛争に発展しかねないとの周辺各国の懸念が高まっている。

     

    (1)「紛争の発火点になりそうなのは台湾、領有権を争う南シナ海と東シナ海の島々、ヒマラヤ山脈で接するインドとの国境係争地帯だ。いずれも紛争地域として知られる場所だが、これまでと状況が異なるのは同時に緊張が高まっている点だ。一部の識者は米国を巻き込んだ軍事衝突を助長しかねないと警鐘を鳴らしている」

     

    最大の要因は、中国軍の軍備近代化である。公式発表以外の「隠れ軍事費」で、米国の装備へ接近しようと企んでいる。紛争を起こして、武力を誇示したくなる誘惑に駆られているのだろう。

     


    (2)「中国で最も影響力を持つ学者の1人である「米中はともに核保有国だから両国が直接戦争する可能性はほぼないが、局地的な小競り合いは現実として起きている」と指摘する。「全面戦争と武力紛争では規模が異なる」と同氏はメールで取材に回答した。「米中対立の本質は覇権争いだ。国力の差が縮まるほど争いは激化する」と」

     

    清華大学の閻学通氏は、米中の本格的な軍事衝突が、まだ先のことと指摘している。いずれは、「起こる」という意味だ。ならば、米国は「予防戦争」という戦術もあろう。

     

    (3)「米中関係が、戦略的な軍拡競争から全面対立へと変貌する中で、なぜ中国が国境周縁部で強硬姿勢を強めようとするのか。専門家は3つの国内不安が複合的に絡んでいるという。香港と新疆ウイグル自治区住民への弾圧、習近平(シー・ジンピン)国家主席の指導下で高まる超大国への野心、新型コロナウイルス禍がもたらした日和見主義の機運だ」。

     

    専門家は3つの国内不安が複合的に絡んでいるという。

    1)香港と新疆ウイグル自治区住民への弾圧

    2)習近平国家主席の指導下で高まる超大国への野心

    3)新型コロナウイルス禍がもたらした日和見主義の機運だ

     

    国内不安の増大が根本にある。習氏は、それをカムフラージュすべく、「間欠泉」のように軍事紛争を起こしている。この見方は、正鵠を得ているであろう。

     

    実は、習国家主席と李首相の対立説が長いことくすぶっている。習氏は、保護主義者(保守派)であるが、李氏は改革派(市場経済指向)である。中国経済が不振である以上、この両氏の意見対立が先鋭化しても不思議はない。こういう政治不安をかき消すために、習氏が人民解放軍に火遊びをさせているのだろう。

     


    (4)「
    台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統の側近は、習氏の超大国への野心と中国共産党内の粛清が相まって、中国政府内の従来の意思決定プロセスが変化していると分析する。「それで政府内に問題が生じており、習近平の立場が不安定になっているのかもしれない。そうなれば紛争が起きる危険性は一気に高まる」とこの側近は危機感を示す。台湾の淡江大学戦略研究所のアレクサンダー・フアン教授は、これまでも中国の軍事紛争には政府内の権力闘争が絡んでいたと指摘する

     

    台湾では、習氏の立場が不安定になっていると読んでいる。常識的にいえば、習氏は米中貿易戦争を拡大させた責任を問われる。「最後まで戦う」などと無鉄砲な発言をして、現在の混乱をもたらした。

     

    米国による、ファーウェイへのソフトウエアと半導体の輸出全面禁止は、中国の経済発展に大きな衝撃を与えている。香港への「国土安全維持法」は、EU全体を敵に回すことになった。習氏は、すべての政策で失敗したのだ。この大きなミスを隠すべく、「軍事紛争」をまき散らす公算が大きいだろう。

     

    (5)「毛沢東が1950年に朝鮮戦争への参戦を決意したのも、このままでは中国東北部の党指導者を抑えきれなくなるとの懸念が一因になったという。フアン教授は、「現在は再び国内要因と国際要因が相互に作用し合っているが、ベクトルは外から内へだ。つまり習氏が国境周辺で高まっている危機や圧力にうまく対処できないと見なされれば、国内の風当たりが強まる可能性は高まる」と予測する」

     

    帝国主義者は、戦争を起こして兵士が命を落とすことに、何の心の痛みも感じない「人種」である。毛沢東しかりで、習近平氏もその部類に入ってきたようだ。そうでなければ、「永久国家主席」を狙うはずはない。中国は、危険なコースに入り込んでいる。

     

     

     

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