韓国は、あの手この手を使って日韓首脳会談を開きたいと迫っている。一種の「ストーカー」的な振る舞いである。一国の大統領として気の毒なほどの焦り方である。2年前に見せた「反日不買」を煽った時の勢いはすっかり消えている。
全ては、文在寅氏が日本を軽く見た結果であろう。日本は、日韓併合時代の弱みがあるから、韓国が強硬策に出れば折れてくると錯覚していたのだ。終戦から76年も経っている。日本が新たに贖罪すべきことはない。国際法的に解決済みである。
『韓国経済新聞』(7月5日付)は、「『文大統領との対話は得にならない』 菅首相、次期政権発足時まで待つ腹ずもり」と題する記事を掲載した。
「サミットで一番警戒したのは韓国(文大統領)だった」。6月11~13日、英国で開かれた主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)が終わった後、菅義偉首相は周辺にこのように漏らしたという。文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談をしなければならない状況になることを心配して避けていたという「告白」も同然だ。
(1)「G7サミットで明らかになった菅首相のこのような行動は、現在の韓国に対する日本の態度を象徴的に見せている。一言で言えば「対話をしても(日本側に)良いことはないから話しかけないでくれ」に要約される。菅首相は日本が韓国政府に強制徴用・慰安婦問題などの解決策を提示するよう求めている状況で「手ぶら」で来た文大統領と会話が深まる場合、日本国内の批判世論が高まることを懸念したと朝日新聞は分析した」
韓国が、旧徴用工問題の解決案を示さず、ただ日韓首脳会談を開こうと考えること自体、外交慣例にそぐわぬ話である。韓国が、対案を出すまで菅首相は会うべきでなかろう。韓国の甘えを糺さなければ、今後も同じことが起るだろう。
(2)「日本は初めから対話を拒否したわけではなかった。強制徴用判決で葛藤が深まると、1965年韓日請求権協定により仲裁委員会を構成して問題を議論しようと韓国政府に数回要請した。韓国は「無応答」でこれを拒否した。すると日本は「輸出規制」という経済報復で応酬した後、韓国を「国家間の約束を自分勝手に破ってしまう信頼できない国」と規定して世論戦に入った」
文政権は、政権発足時から日本へ横柄な態度であった。あの傲慢さをへし折って、今後の韓国政権に日本への対応で礼を尽くせと教え込む良い機会である。
(3)「今年初めには米国でジョー・バイデン政府が発足し、韓日関係改善の糸口が見つかるだろうとの展望も提起された。先に手を差し出したのは韓国だった。文大統領は年初の記者会見などで「日本企業資産の現金化は望ましくない」「2015年慰安婦合意は両国政府の公式合意だった」等のメッセージを発信して日本と外交的対話に出る意向を明らかにした。だが、日本の反応は冷たかった。文大統領の発言にも「真意を把握中」という立場だけを示した。発言の後に別の「真意」が隠されているかもしれないという不信の表れだ」
バイデン政権が、日本を説得して日韓会談を開くように言える立場ではない。米国は対中戦略で、日本を最も必要としているからだ。日韓慰安婦合意をお膳立てしたのはバイデン副大統領(当時)である。そのバイデン氏は、文氏による日韓慰安婦合意の骨抜きで煮え湯を飲まされたのだ。日米は、同じ怒りである。
(4)「文政府に対する日本政府の不信は、韓国が考えているよりもはるかに強いというのが外交消息筋の共通した伝言だ。韓国の立場転換に対しても、首相官邸と外務省では「バイデン政府を意識した一時的な態度変化ではないだろうか」「実質的な対策を示す前までは信じることはできない。振り回されてはいけない」という見解が支配的だという。東京のある消息筋は「特に首相官邸には韓日関係の複雑性を理解する人物がほとんどいない」とし「文政府とは対話しないという原則に立って次期政権が発足するまでは動かない可能性が高い」と展望した」
「首相官邸には韓日関係の複雑性を理解する人物がほとんどいない」とは、どういう意味か。もはや、自民党にも「韓国通」なる政治家は消えている。国家間の約束を守らない韓国の肩を持つ政治家などいるはずがないのだ。韓国国会で、徴用工関連の法律が提案されている訳でもない。韓国は、この問題で手を引いている。
(5)「日本国内の世論も菅首相の選択を裏付けている。深刻な葛藤の時間を送り、いまや「普通の日本人」にも韓国のイメージは急激に悪くなった。先月、読売新聞と韓国日報が実施した共同世論調査で、日本人の69%は「韓国を信頼できない」と答えた。「文大統領を信頼できない」という回答はなんと80%にも達した。新型コロナで両国の民間交流が1年以上ストップしている中で、「韓国は約束を破る国」という日本政府の明瞭なフレームが一般の人たちにも浸透してしまったという分析だ。最近、日本メディアは野党「国民の力」の李俊錫(イ・ジュンソク)代表選出と尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検察総長大統領選出馬などをメインニュースとして報道し、韓国の政権交代の可能性に大きい関心を寄せている」
韓国進歩派には、信頼できる人物が見当たらない。仮にいたとしても、反日の嵐にかき消されている。韓国保守党のほうが、人間として信頼できそうである。日本と同じ価値観であるように見えるのだ。