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日本の共同通信が、中国の内部資料を入手して報じた。それによると、これまでの中国人民軍の建前であった「国土防衛型任務」を「対外拡張型任務」へ拡大決定した。すでに、中国は国産空母を建艦しており、最終的には7隻体制にすることが報じられてきた。「対外拡張型」は既定事実であろう。文書では、中国共産党政権が米国、日本、ロシアを先例とし、「大国は軍事強国であることが不可欠」と覇権を狙う野心を表している。これまで「平和主義」を標榜してきた中国が、ついに牙を剥き始めたことが明確になった。

 

中国共産党は、旧ソ連共産党と何ら変わらないことを証明した。習近平という超保守主義者(毛沢東主義者)が、選択した軍拡路線は「中華帝国」の再来である。遅れてきた「帝国主義」というイメージはいかんともし難い。「対外的拡張路線」は、第二次世界大戦までの発想である。21世紀の「大国」は、文化や科学技術の発展をめざす。「ハード」から「ソフト」への展開が共通認識になっている。この中で、中国だけが異端であり、今後の世界を攪乱させる意図が明白である。

 

『大紀元』(7月11日付)は、「世界覇権を狙う中国、軍改革で国土防衛型から対外拡張型へーリーク文書」と題する記事を掲載した。

 

(1)「共同通信が内部資料を入手し、7月3日に報じた。文書は、中国軍の最高機関である中央軍事委員会の政治部門が、習近平主席による『強軍思想』を教える教材として、20182月に内部で配布したものだという。これまで組織改革は、指揮系統の近代化などと説明されてきたが、方針転換していることが、このたびの文書で明確になった。中国軍の拡張が続けば、東シナ海、南シナ海、朝鮮半島、台湾など、日本をはじめとする周辺国との摩擦が強まる可能性がある」

 

中国共産党の具体的なイメージは、「強軍思想」という軍国主義で彩られていることが判明した。これまで随分と厚化粧して、その本心を捕まれないようにカムフラージュしてきたが、ついに本心を表わした。戦後日本における「中国共産党」支持者は、新中国が反帝国主義で平和希求路線を守ることへの共鳴であった。それが、どうだろう。やっぱり領土拡張を求めるだけの「エセ平和主義」であった。その中国が、「米帝国主義」と一戦交える軍拡を始めるという。ここまで来たら、共産主義の看板を下ろして「中華帝国」を名乗った方がすっきりしよう。

 

(2)「防衛型から外向型へ転換する理由について、『中国の国益が国境を越え広がるにつれて、緊急にグローバルに国の安全保障を維持する必要がある』としている。また、『強い軍事力は強力な国になるためには必要不可欠であり、米国、ロシア、日本の発展がこれを証明している』と3カ国を先例にした。文書は、『より影響を与えられる状況を作り、危機を抑え、紛争を収め、戦争に勝つ』ために、軍隊の力は米国を上回ることを目指すとある。また冒頭で、軍の組織改革は、軍の最高指導者である習近平主席による『強軍思想』に基づき、中国の特色ある新社会主義に則るべきだとした。さらに、米軍の力を『曲がり道を走る遅い車』と例え、ハイテク兵器や最新兵器により軍事プレゼンスで優位に立てると鼓舞している」

 

米国は、覇権国家としての役割を果たしている。市場の開放・経済力・軍事力において、世界に貢献する義務がある。ロシア(ソ連)と日本(戦前日本の帝国主義)は、米国のような覇権国家としての資格が欠如し、単なる領土拡張を狙うだけの夜盗にすぎなかった。ロシアも日本も軍備だけに頼る国家ゆえに「自滅」したのだ。中国は、米国のような総合力に優れた覇権国家の資格がないので、酔狂にも自滅型の帝国主義に堕す。中国は、習氏という超保守主議者を国家主席に選んだ不幸を噛みしめることにな