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英国の『フィナンシャル・タイムズ(FT)』は1888年の創刊である。世界に誇る英経済紙だ。2015年に日本経済新聞社が買収した。このFTが、トランプ米国大統領を「危険な無学者」と切り捨てるコラムを掲載した。タイトルは、「トランプ氏 貿易戦争招く」(7月11日付)である。

 

確かにトランプ氏は、乱暴者というイメージが強い。こういう人物が育った家庭環境はどういうものだったのか。聞いてみたい気がする。それほど強烈な性格の持ち主である。

 

さて、ここからからが本論である。

 

トランプ氏が仕掛けた米中貿易戦争は、決して褒められるスタイルではない。ただ、中国のような名うての「ルール破り」に対応するには、トランプ氏のような「スパイス」の効いた人物でないと対応できないのも事実だ。中国は、WTO(世界貿易機関)のルールである自由貿易原則を守っていると宣伝するが、中国ほど破っている国はない。未だに、日米欧は中国をWTOの「非市場経済国」に指定しているほど、市場経済ルールを守らない国である。

 

具体的には、あらゆる分野で企業に補助金を出すことだ。これが、企業保護に当る。研究開発費補助、生産コスト補助など形はいろいろあるが、国内企業を保護している。具体策は、次のパラグラフで取り上げる。この結果、中国に進出している外資系企業は、差別されるのが日常茶飯事となっている。

 

こういう前歴を持つ中国に対して、公正な貿易慣行を守らせるにはどうするのか。自由貿易原則は、互いにルールを守ることが前提である。中国は、このルールを犯して政府から補助金を支給されて生産費自体を引下げている。この結果、サムスンは中国でスマホ市場を失った。生産費を補助して国内販売価格を下げるから「反ダンピング法」に抵触しない。警察に賄賂を渡しているから捕まらないような話である。

 

以上のような事実を知らないで、FTは、次のように一刀両断だ。

 

中国に対し301条を根拠に関税を課すのは、さらに理解しがたい。その狙いは、中国の対米貿易黒字の削減、あるいは中国のハイテク産業育成策『中国製造2025』の阻止、あるいは強制的な技術移転の阻止のようにもとれる。だが、中国に貿易赤字削減を求めるのはばかげているし、次の産業育成策阻止は交渉できる類いのものではない。最後の強制的技術移転阻止は道理にかなった要求だが、達成は難しい」

自由公正な貿易慣行を踏みにじる中国が、自由貿易を原則とする世界市場で、「一人勝ち」するのは当然である。サッカーW杯でも、最終的には「反則」の数が少ないティームが勝利を得るように、競争(市場経済)は公正であることが前提である。この視点で言えば、中国の流儀は世界経済の障害になる。その障害を取り除くべく、やむなく関税を科すのは「次善の策」として認められるものだろう。中国の「狡」が公認されるならば、各国が見倣うに違いない。

 

トランプ氏のやり方はスマートではないが、このくらいのパンチで対応しなければ、世界経済の障害物を取り除けないのだ。中国は、南シナ海で勝手に相手国の島嶼を奪い取る手法で、世界貿易もルール破りをしている。困った存在である。