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中国は、米国から徹底的に嫌われた存在になっている。米中貿易摩擦による対立と、世界26ヶ国の海軍が合同演習(リムパック)する機会から排除された。こうして中国は、世界の孤児という実感がひしひしと伝わってくるのだ。

 

米海軍が2年に一度、主宰する「環太平洋合同演習」(リムパック)は、6月下旬から8月までハワイ沖で行なわれている。中国海軍も一度は招待されたが取り消された。南シナ海での島嶼窃取による軍事基地化が、米海軍の神経を逆なでしたもの。

 

今年の軍事演習には26カ国から25000人の兵力、戦艦や潜水艦など52隻、航空機200機ほどが参加している。参加国(〇は初参加国)は、〇ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、〇イスラエル、日本、マレーシア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ペルー、韓国、フィリピン、シンガポール、〇スリランカ、タイ、トンガ、英国、米国、〇ベトナム。

 

初参加国は、ブラジル、イスラエル、スリランカ、ベトナムの4ヶ国である。ベトナムが参加して中国を排除したのは、南シナ海での中国海軍の島嶼占領と軍事基地化に関わりのあることを示唆する。南シナ海では、インドネシア、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの7ヶ国が参加している。米海軍が南シナ海を見据えていることは明白である。中国包囲網づくりだ。

 

『大紀元』(7月14日付)は、「環太平洋合同演習に中国スパイ艦、ハワイ沖公海で」と題する記事を掲載した。

 

中国海軍は、2016年にリパックへ招待された際も、米海軍艦艇同士の連絡用周波数を窃取すべく、訓練計画にない行動をとって顰蹙(ひんしゅく)を買っていた。最初から米海軍のスパイ目的での参加であったのだ。今回は演習から除外されたので、離れた地点からのスパイ行為をしている。中国は、あらゆるところでスパイ活動をする国だ。お里が知れた振る舞いだが、それだけ民度が低いということか。この程度の知的レベルで、世界覇権を狙うのはおこがましい限りである。

 

(1)「中国は、招待されていない米軍主導の環太平洋合同演習(RIMPAC、リムパック)に情報収集艦を送り、スパイ活動を行っているという。海軍関係者が明らかにした。米太平洋軍報道官チャーリー・ブラウン大佐は13日の記者会見で、11日から、ハワイ周辺の米排他的経済水域(EEZ)周辺の公海で、中国の情報収集艦が活動していると述べた。ブラウン大佐によると、米海軍はこの中国のスパイ艦を監視しているという。『この(中国の)船は米国領海の外にいる』『重要な情報を保護するために必要なすべての予防措置はとっている。船はリムパック実施に影響を与えていない』と大佐は述べた」

 

「お行儀の悪さ」(南シナ海の窃取)を嫌われた中国海軍が、ハワイ沖へ出張ってきて米海軍の通信用周波数を盗む行為をやっている。軍事にはスパイがつきものとはいえ、ここまで露骨にやるのでは、ますます「嫌われの身」に成り下がるはず。恥も外聞もない行為だ。

 

(2)「チリ海軍パブロ・ニーマン士官は、『参加するはずのない船の存在が、演習を混乱させる要因になった。とても失望している』『協調の精神に基づく合同演習のなかで、全員が集中して行動することを期待している』と12日、ハワイ紙スター・アドバイザーに語った。オーストラリアのメディアは、中国の情報収集艦が、リムパックに向かうオーストラリア海軍艦艇を追跡していたと報じた」

 

中国海軍の礼儀を弁えない行動は、潜在的な敵意を相手に抱かせる点で、賢明な行為とは言いがたい。リムパック参加国26ヶ国から軽蔑の念を持たれていることを知らない、哀れさを気の毒に思うだけだ。