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文在寅政権は、経済音痴であることを世界に告知した。

 

来年の最低賃金上げ率が10.9%に決めたことだ。今年の引上げ率16.4%を加えるとなんと2年間で29.1%にもなる。超インフレ時ならともかく、デフレが懸念される韓国経済にとって重圧であることは間違いない。こういう経済の合理性を無視した最低賃金引き上げが、韓国経済の落勢を強めることになろう。

 

韓国の最賃制度は、日本と異なり週休1日分を含んでいる。文氏は、2020年に日本並の最賃(1万ウォン=1000円)を目標にして、最賃引上計画を発表した。ところが、日韓の最賃制度の違いを理解しておらず、今年の最賃引上で実質的に日本並となっていることが分った。なんとも、杜撰な話である。これでは、韓国小企業は経営的に耐えられずはずもない。

 

『朝鮮日報』(7月17日付)は、「韓国中小企業、日本より高い人件費」と題する記事を掲載した。

 

(1)「2年間で最低賃金29%引き上げというショックは、自営業だけでなく、中小製造業にも広がっている。中小企業経営者は週休手当を含む最低賃金が日本を超えたのに続き、来年には日本との差が1000ウォン(約99円)以上開くと懸念している。製造業経営者『人件費ですら日本企業に押されることになった。さらに労働時間まで短縮され、これまで強みだった納期対応能力まで失えば、世界市場で競争力が完全に低下してしまう』と話した。こうした雰囲気の中、16日に開かれた中小ベンチャー企業部の洪鍾学(ホン・ジョンハク)長官と中小企業経営者の懇談会では、政府に対する不満が爆発した」

 

韓国企業は、街のクリーニング屋でも納期を守ることで有名である。それだけ競争の激しいことを裏付けている。だが、最賃の大幅引上げと労働時間の大幅短縮で、韓国小企業は国際競争力を失うと指摘している。これまでの週労働時間上限の68時間が、52時間に引き下げる。このこと自体は歓迎すべきである。ただ、法案成立が今年の2月末。実施は7月1日という性急さだ。その後、6ヶ月の猶予がつくことになった。日本の場合、こういう大きな改革では1~2年の準備期間をおくのが普通である。

 

韓国の年間労働時間は2069時間(2016年)で、OECD加盟国ではメキシコに次ぐ2位という不名誉な事態である。これを改善することは当然としても、最賃の大幅引き上げが重なるショックを考えるべきであろう。そういう考慮がなしで、最賃だけをドカーンと引上げるという、政策の整合性が全く見られことが驚きだ。

 

(2)「全羅北道群山市の自動車部品メーカーD社の経営者は、来年も最低賃金が2桁台で引き上げられることについて、『虚脱感を覚える』と述べた。今年から最低賃金が16.4%上昇したことを受けて実施した構造調整が、来年もさらに10.9%引き上られ、1年足らずで役に立たなくなったからだ。D社は年初来、従業員数を100人から80人に減らし、利益率が低い製品群の生産を取りやめ、コスト構造を改善した。売り上げは10%ほど減少したが、黒字が出るように体質を改善したのだ。経営者は「来年最低賃金が10%以上上昇すれば、人件費が8%増え、再び赤字を心配しなくてはならない。座して赤字を出すか、従業員を解雇しろというもので、製造業はもうやめろと言っているに等しい」と訴えた」

 

ここで取り上げられている自動車部品メーカーの例では、大幅最賃引上が雇用減になっていることだ。こうなると、最賃引上目的が労働者の利益にならず、逆に解雇要因になっている現実を知るべきだろう。文政権は、こういう失政によって韓国経済を衰退に導いていくに違いない。そのことを知らないのだ。