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北朝鮮との外交交渉は、「忍耐」の二文字を必要とするようだ。約束した場所へ現れない。「ドタキャン」どころか「すっぽかし」である。先に米朝の実務者会談が板門店で開催される予定であった。だが、北朝鮮側が現れず、米国代表団は待たされた挙げ句に連絡も無いままに終わった。徹底的に独りよがりな国である。こういう相手と交渉するにはどうするか。世界覇権国の米国が、最貧国の北朝鮮に振り回されている構図は漫画そのものである。

 

韓国の文大統領は、こう言っている。

 

北朝鮮が望んでいる相応の措置に関連しては、『過去のような制裁緩和や経済的補償ではなく、敵対関係の終息と信頼の構築』としながら『これは北朝鮮の過去の交渉態度とは大きな違いがある』と強調した」(『中央日報』7月13日付「文大統領、北の米国非難は戦略、実務交渉長くかかるだろう」)

 

北朝鮮は、米国の出方を見ながら信頼感を増しながら交渉する。過去のような制裁緩和や経済的な補償を第一義にする姿勢から変わった、というのだ。だが、約束した時間に現れず、すっぽかすのは困った相手である。米国はいつまでも北朝鮮の好き勝手にさせるわけにはいかない。ぴしっとさせる必要がある、それにはやっぱり軍事力という背景がなければ、実務交渉を引き延ばされるだけで、過去と同じ失敗の繰り返しに終わる。

 

そこで、米国が取りつつある戦術は、つぎのようなものだ。ステルス戦闘機搭載のミニ空母を西太平洋(北朝鮮を含む)へ配置し、無言の圧力をかけることである。「米国を舐めるなよ」というファイティングポーズを取って緊張感を保とうという戦術である。

 

『中央日報』(7月17日付)は、「米軍、斬首作戦戦力が静かに出港、北朝鮮を意識か」と題する記事を掲載した。

 

この記事では、「ミニ空母」の「エセックス」がサンディエゴを出港式もなく静かに北朝鮮を含む西太平洋海域へ派遣されたという記事である。注目すべきは、ステルス戦闘機(F-35B)を搭載していることだ。北朝鮮防空網を突破して主席宮やバンカーなど北朝鮮最高指導者を精密打撃する『斬首能力』を備えている。北朝鮮が、米軍を欺いて核実験を行なっていたというような最悪事態に備えていることが窺える。米国は和戦両様の構えだ。

 

(1)「米国が非核化交渉を進行中の北朝鮮を意識したのか。ステルス戦闘機を搭載した米海軍の『ミニ空母』が7月10日(現地時間)、米カリフォルニア州サンディエゴを出港した。目的地は韓国が含まれる西太平洋。『エセックス』は全長257メートル、排水量4万500トン規模の大型艦。飛行甲板があるため『ミニ空母』とも呼ばれる。『エセックス』には米海兵隊の第211海兵戦闘攻撃飛行大隊(VMFA)が配属されている。この飛行大隊はステルス戦闘機F-35Bを保有する。ステルス戦闘機が関心を引くのは、北朝鮮防空網を突破して主席宮やバンカーなど北朝鮮最高指導者を精密打撃する『斬首能力』を備えているからだ」

 

(2)「米海軍は、『エセックス』揚陸準備団の出港を発表しなかった。盛大な出港式もなかったという。3月に別のミニ空母『ワスプ』(LHD1)がF-35Bを搭載して出港したが、当時の盛大は出港式に比べると音沙汰なく出港したということだ」

出港式もなく、静かに任地に向かって出港したことは、北朝鮮の万一の「騙し作戦」にも対応可能な意気込みを内外に示しているように思える。米国が不退転の決意で、「絶対に騙されない」ことを前提に対応しているように見える。