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中国は、聞きしに勝る人権弾圧を行なっている。新疆ウイグル族を同化するために、300万人以上に再教育という名目で拘束しているという。口では立派なことを言って煙に巻いているが、「漢族」絶対優位の下で、少数民族の再編成を行なうのだろう。だが、「民族独立」という世界的な流れに逆らっいる、この世紀の暴挙を止める方法はないだろうか。民族の恨みを軽視してはいけない。中国の経済力が衰えたときに、必ず反撃される。それが有史以来の流れだ。

 

『大紀元』(8月7日日付)は、「新疆、大量拘束で『空っぽ』になる村、300万人以上に『再教育』か」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国共産党政府は、新疆ウイグル自治区で民族同化政策をますます強めている。海外にある人権監視組織は3日、同地域では300万人が施設に強制収容されたり、短期の思想転向のための講習を受けているとの調査結果を報告した。共産党当局は2017年春ごろから、『強烈な宗教的見解』と『政治的に正しくない思想』を抱いているとして、新疆地区の大勢のウイグル族住民を『再教育施設』に拘禁している。海外の複数の人権団体やウイグル関連組織は、当局支配のもとでウイグル人が監視を受けたり、行動を規制されていると報告している。2団体は、新疆区の南部地域だけでも66万人が収容施設に拘束されており、130万人は強制的に思想の変更を求められる講習会に参加したと推計している」

 

ここで取り上げられている2団体とは、人権擁護団体・中国人権保護(CHRD)と提携NGOイコール・ライツ・イニシアチブである。この調査は、2団体が2017年7月から2018年6月まで、新疆自治区カシュガル在住の数十人の住民にインタビューした。

 

共産主義という政治体制は、どうしてこれほど野蛮なことをやらなければ政権を維持できないのか。北朝鮮も同じである。もともと、国民から支持されていない統治体制を強制するゆえに起こる暴力現象だ。こういう共産主義に親近感を持つ人間の精神構造は、極めて冷淡・自己本位・権威主義・暴力主義がない混ざった特異のものであろう。同じ人間の顔をして、ここまで残酷なことができるのはナチスと同じだ。GDP世界2位の中国で、このような非人間的なことが行なわれていることに戦慄を覚える。

 

(2)「インタビュー調査を受けたある匿名の住民は、青年から壮年まで大量の人々が拘束されたことで、多くの村や町は人がいなくなり『空っぽになった』と話した。この住民は、『街は一部の老人と(共産党に)忠誠心のある人間だけになった』と述べた。また2団体のインタビュー調査によると、各村で平均13%の住民が収容施設に拘束されている。村の平均人口は1500~3000人。さらに、少なくとも30%が、半日あるいは終日の再教育講習を受けたことがある。新疆の再教育施設について、共産党中央政府はこの施設について公的に発表しておらず、収容者の数、場所、収容施設の数など、一切の情報は公表されていない。2団体は、中国政府による『三邪(反テロ、反過激思想、反分離主義)』政策が最も厳しく実行されている地域が新疆地区だとみている」

 

村の人口の平均は1500~3000人。そのうち平均13%は、収容施設で拘束されている。少なくとも30%は、半日から1日の再教育を受けたという。10年程前、ウイグルを旅行した知人の話では、中国軍はトラックに武装した兵士を乗せて、町中をパトロールしていた。その異常な光景に息をのむ思いだったという。兵士に威嚇させながら統治する。これが共産主義の素顔だろう。

 

韓国は、日韓併合時代を今でも避難している。だが、中国の少数民族弾圧に比べれば、「天国」であったはずだ。日韓は同胞という意識であり、中国のように収容所で拘束したことはない。現代中国の行なっている少数民族弾圧は、許されない行為である。

 

米ペンス副大統領は7月、中国政府がテロ対策を名目に、数十万人から数百万人ものウイグル人を不当に収容していると強い懸念を表明した。また米連邦議会では、宗教と信仰の自由を侵害する重大問題として、新疆地区の再教育施設が取り上げられており、この弾圧政策に関わる中国政府高官の米国の銀行口座の凍結が検討されているという。中国のこの悪行を糾弾しなければならない。