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ディズニーの人気キャラクター「くまのプーさん」を初めて実写映画化した「プーと大人になった僕」(日本公開9月14日)について、中国当局は公開を認めないことになった。中国当局は製作会社に公開拒否を伝えた際にも理由を示さなかったという。『ロイター』(8月8日付)が伝えた。

 

中国では、一部の反体制派が「くまのプーさん」は習近平国家主席に似ているとして抵抗の象徴に利用するようになった。これを受けて、政府はプーさんの画像を検閲対象としている。確かに習氏のふっくらとした顔立ちは「くまのプーさん」似である。一国の元首を「プーさん」呼ばわりしては失礼なことは言うまでもないが、国民に慕われていると考えれば、中国国民にディズニー映画を鑑賞させる機会を提供するのも政府の務めと思う。

 

実は、米華字メディアの『多維新聞』(2017年7月19日付)によると、中国版ツイッターの「微博(ウェイボー)」や中国版LINEの「微信(ウィーチャット)」で、関連する投稿や検索ができなくなっていた「くまのプーさん」の規制が、昨年7月18日に解除されたという報道記事がある。

中国のSNS上では数日間(当時)、プーさんに関する言及が「敏感ワード」となっていた。ウェイボーでは、中国語でプーさんを意味する言葉は検索不能であった。それが、解除されていたというのだ。それにもかかわらず今回、ディズニー映画ではダメというのは、最近の「習批判ムード」が影響しているに違いない。

「くまのプーさん」と言えば、わが日本の誇る羽生結弦選手は、大の「くまのプーさん」好きで有名だ。この2月の平昌五輪でもリンクに大量の「プーさん」がお祝いで投げ込まれた。「この伝統は2015年に上海で始まった」と言われている。中国の人たちは、「くまのプーさん」が好きなのだ。

 

そうとすれば、習氏の人気を高める手段として、ディズニー映画「プーと大人になった僕」の上映を認めた方が良いと思う。初演の日に、習氏が映画館で挨拶するユーモアもあれば申し分ない。習氏の人気挽回は確実だ。