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訪日外国人観光客目標は、2020年の4000万人である。達成に向けて着実に進んでいる。その有力武器は、「オモテナシ精神」であることが立証された。旅は、人と人とのふれ合いだ。言葉は十分に分らなくても、真心込めて接待すれば分ってくれるものだろうか。

 

『中央日報』(8月8日付)は、「中国旅行客が選ぶ最も親近感のある国1位は日本」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国人が、『歓迎を受けている気分になる国』ランキング(2018年調査)で、1位は日本、2位はタイ、3位は香港、4位は韓国、5位はオーストラリアだった。2017年調査で、タイは1位、日本は2位、韓国は6位だった。2017年、中国人が多く訪問した国家は1位香港、2位マカオ、3位台湾、4位タイ、5位日本だった」

この調査は、米オンラインホテル予約サイト『ホテルズドットコム』が最近、「中国人海外旅行報告書(CITM)」を発表した。1億3000万人以上(2017年)が海外に出かける中国が世界に及ぼす影響を分析した報告書だ。今年は過去1年間で海外旅行経験のある中国人3047人(18~58歳)を対象に調査を進めた。

中国人が外国旅行した国の旅行者数ランキングで、日本は5位である。だが、満足度では1位だ。これは、旅行業関係者の並々ならぬ努力の結果に違いない。日本は「満足度で金賞」に輝いたのも同然の快挙。ご苦労様です。日本の国際収支の「サービス収支」改善に大きな貢献である。

 

(2)「調査に参加した中国人の65%は自由旅行を選好すると回答した。これは昨年調査より11%増となる数値で、18~38歳回答者は71%が自由旅行を選好すると答えた」

もはや、団体旅行の時代から個人旅行(自由旅行)が主力になってきた。若い世代ほど、自由旅行の比率が高まっている。リピーターを増やすには、「オモテナシ精神」が最大の武器となろう。日本人は接客業に向いている。

 

(3)「ミレニアム世代(1980年代初めから2000年代初めに生まれた世代)の支出規模も目を引く。海外旅行中、一日の支出額が80年代生まれは346ドル(約3万8620円)、90年代生まれは314ドルで、70年代生まれ(299ドル)よりも多かった。調査に応じた中国人は平均的に所得の28%を旅行に使っていることが明らかになったが、90年代生まれは所得の36%を旅行に使うと答えた。90年代以降生まれは昨年よりも海外旅行支出額が80%増えた」

 

中国の若い世代ほど、旅行中の消費額が増えている傾向が掴める。調査に応じた中国人は、平均的に所得の28%を旅行に使っていることが明らかになった。90年代生まれは所得の36%を旅行に使うと答えた。この数字を見て、本当だろうかと訝るほどである。中国の若い世代は、国内で自由を奪われた生活を余儀なくされている。せめて海外へ出たときは「パッ」とカネを使う気持ちも分らないではない。余計なことを言って申し分けないが、中国の国際収支では、「サービス収支」が大赤字になっている。理由の一つは、この海外旅行での消費にある。日本が「オモテナシ精神」を発揮すればするほど、中国の「サービス収支」は赤字幅が増えて、日本のそれが黒字になるという関係だ。