a0001_017860_m


8月2日、米企業で初めて株式の時価総額が1兆ドルを上回ったアップルに、「難癖」つけようと狙う相手が現れた。米中貿易戦争で手詰まり感の強い中国である。正当な理由もなく、相手を罵倒するやり方は中国の得意技。共産主義につきまとう忌まわしい、「集団リンチ」というあの手法である。

 

7月末ごろから中国官製メディアは、アップルに対する批判を相次いで行なっている。同社製品の不買運動を示唆するような記事も掲載された。アップルが貿易戦争の報復カードにされる可能性が取り沙汰されている、という報道が出てきた。

 

『SankeiBiz』(8月15日付)は、「中国で強まるアップル批判、貿易摩擦の報復か、不買運動も示唆」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国共産党機関紙『人民日報』英語版サイトは8月7日、トランプ米政権の制裁措置が中国企業に打撃を与えた場合、『(アップルが)中国市場で成し遂げた人目を引く成功が、愛国主義者の感情を刺激するかもしれない』などと警告する記事を掲載した。アップル製品の不買運動などをにおわせた形だ。また、国営中央テレビ(CCTV)は7月末に、アップルのアプリ配信サービスが違法コンテンツを放置していると報道。国営新華社通信も同時期に、アップルの迷惑メールへの対応に問題があると批判する記事を報じるなど、アップルへの非難が続いている」

 

中国の官製メディアは、ジャーナリズムの範疇には入らない。ただの宣伝機関であるが、その威力は桁外れに大きい。9000万人の共産党員の「必読紙」であるからだ。この官製メディアが、こぞって「アップル不買」を煽る記事を流したならどうなるか。

 

米大統領のトランプ氏が、まず反撃の狼煙を上げるだろう。その後、「トランプ砲」が具体的な対抗策を出すかどうか。「口撃」だけでは、トランプ氏の本領発揮と言えないからだ。私の想像だが、中国企業への金融制裁をちらつかせるのでなかろうか。これが現実化したら、中国企業のビジネスは存続不可能になる。米国の持つ金融ネットワークは、基軸通貨国ゆえに世界経済を支配している。中国は、これを忘れると大変な事態を迎える。

 

(2)「日本や韓国との関係が悪化した際にも、中国では相手国の企業を標的に不買運動などが行われた。米国との貿易摩擦でも、従来の関税引き上げだけでは反撃に限界があり、アップルなど米企業への圧迫を交渉材料にするとの見方が市場関係者の間で指摘されている。実際に不買運動が行われれば、アップルのダメージは小さくない。同社が7月末に発表した2018年4~6月期決算では、中国本土と香港、台湾での売上高は前年同期比19%増の約95億ドル(約1兆円)で、全地域の2割弱を占めている」

 

中国が、アップル製品の不買運動を始めれば、米国民の「反中国熱」が一気に高まる気配も感じる。「集団リンチ」に等しい不買運動は、米国民の正義を重んじる国民性と相反するからだ。中国は、よく考えて見ることだ。