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韓国ではときおり、目を剥くような大英才が現れる。凡人には真似もできない話だが、この青年は、「IQ187」という神がかり的な存在だ。

 

IQについて調べたところ、次のようなことが分かった。分布はほぼ正規分布になり85~115の間に約68%の人が収まり、70~130の間に約95%の人が収まる」という。となると、IQ187は、ほとんど「神の領域」かも知れない。

 

この韓国青年が、8歳で大学へ入学して宇宙物理学を学んだが、8年間の博士課程在学中に博士号を取得できず、規定により退学するというニュースである。日本でも国立千葉大学が、高校2年生で入学させる「飛び級」制度を採用している。ここに飛び級入学した青年が、その後の人生で今は、長距離トラック運転手という記事があった。「人生山あり谷あり」を実感する。

 

『中央日報』(8月13日付)は、「科学英才を1人も生み出せない韓国教育システム」と国を批判的に報じている。

 

8歳で大学に入学したIQ187の『天才少年』ソン・ユグンさん(21)が結局、博士課程を終えられず学校を離れることになった。科学技術連合大学院大学校(UST)によると、ソンさんは6月、卒業のための博士学位論文最終審査で不合格になったことが分かった。ソンさんは2009年、修士・博士統合課程でUST韓国天文研究院キャンパスに入学したが、卒業年限の8年以内に博士学位を取得できず、結局、2018年前期学位が終わる今月末で卒業でなく『修了』となった。ソンさんは12月に現役兵として軍に入隊する予定という。今後、博士学位を取得する場合、軍服務を終えた後に別の大学の学位課程に入学しなければならない」

 

「ソンさんは6歳でアインシュタインの相対性理論を理解し、大学レベルの微分・積分問題を解いて話題になった。その後、検定試験で中学・高校課程を終え、8歳で仁荷大自然科学系列に入学した。しかし幼い年齢で入った大学での生活に適応できず中退し、独学で電子計算学学士学位を取得した。その後、2009年にUST天文宇宙科学専攻修士・博士統合課程に進学した。2015年には英国の天体物理学ジャーナルに発表したブラックホール関連の論文に盗用疑惑が浮上し、翌年11月に論文が公式撤回される危機を迎えた。当時ソンさんは『特に残念とは思わない。1カ月後に新しい論文を発表するので卒業自体にいかなる問題もない』と語った。ソンさんはその後、指導教授なくUST博士課程の学生として日本・台湾の天体物理学者らのサポートを受け、台湾の関連研究所で研究を続けた。ソンさんの家族側は『ユグンは依然として日本から共同研究の要請が入ってくるほど外国では可能性が認められている』とし、『博士の学位に執着せず、天体物理学者として研究を続けていく予定』と伝えた」

この記事を読んでの感想は、二つある。

 

一つは、対人関係がスムースにいかなかったことだ。誰か、サポート役がついていれば良かったと思う。かなり神経過敏症的な点はなかったか。

 

二つは、発表した論文に盗用疑惑を持たれた点だ。これも、話相手になれる指導者が側にいれば防げた点であろう。学術研究では、引用文献がしっかりしていれば、「よく研究してフォローしている」という評価につながるもの。その点で、やや背伸びした点はなかったか。韓国の大学が、博士号を出さなかったのは「盗用疑惑」が災いした点もあるように思う。博士号を出した後で、「盗用」であったとなれば、大学の権威が揺らぐからだ。その意味でも、最初の「盗用疑惑」が響いているように思える。

 

どうかめげずに、苦難を乗り越えて大成して貰いたい。