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日本では、8月15日を終戦記念日と呼ぶ。韓国では光復節と称している。日本による統治が終わって、再び光がさしてきたという意味だ。韓国大統領は毎年、この光復節で演説をする習わしである。これまで全て、日本統治時代を批判した。今年は、「親日は韓国の歴史において主流でない」と言い切った。

 

日韓併合は1910年~45年までの35年間である。この間の日本との関わりは、実質的な意味においてゼロという認識表明である。日本の支配を受けたが、韓国になんの影響も与えなかったという論法である。感情論的には、そう願っているとしても、文大統領の主張は、著しく事実と反することを指摘しなければならない。

 

英国は、多くの植民地を持ったが、第二次世界大戦後に独立させた。だが今も、かつての大英帝国としてのつながりは維持している。現実に存在したことは、否定できないからだ。この関係から言えば、韓国が意地でも日本の統治を認めたくない理由は、極めて小児的な発想というほかない。韓国の近代化は、どのような過程で進んだのか。それは、日韓併合時代に基礎がつくられている。この動かしがたい事実を認めないのは。歴史に対して「不正直」と言わざるを得ない。

 

中国の発展において、日本のODA(政府開発援助)が大きな役割を果たした。これが、外資企業を中国に呼び込む上で、決定的な誘因になった。だが、中国はこれを認めようとせず、国民に「自力」で達成したことを教えている。この点で、韓国も同じような主張をしているのだ。中韓は、同じ穴の狢(むじな)であろうか。

 

『朝鮮日報』(8月15日付)は、「文大統領、親日は歴史の主流ではない、日本との協力は強調」と題する記事を掲載した。

 

(1)「文在寅大統領は15日、光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)の演説で『わが国民の独立闘争は世界のどの国よりも激しかった』として『親日の歴史は決してわれわれの歴史の主流ではなかった』と述べた。文大統領は旧韓末の義兵運動、3.1独立運動、大韓民国臨時政府などに言及し、『光復は決して外からもたらされたものではなかった』と述べた。抗日独立闘争における韓民族の『自主的役割』を強調したわけだ」

 

韓国の独立は、日本の敗戦によるものだ。韓国の独立闘争の結果ではない。これは、歴史的な事実だ。毛沢東すら、日本の敗戦が新中国建設の原因であったと認めている。膨大な軍力を抱えていた当時に日本に対して、韓国が自力で独立を獲得した主張することは「漫画」である。こういう韓国の間違った主張が、韓国をして戦勝国であると言い募り米国から二度も拒否される結果を招いた。韓国は、完全に歴史的事実から逸脱している。

 

(2)「文大統領は、今後の対日関係については『過去の歴史』より『未来志向』を重視する姿勢を示した。文大統領は『安倍首相とも韓日関係を未来志向的に発展させ、韓半島(朝鮮半島)と北東アジアの平和・繁栄のために緊密に協力することにした』と述べた」

 

文氏は、日本に対して過去の歴史よりも未来志向というならば、間違えた韓国独立論を取り下げることだ。韓国が、工業化に成功した時期は、日本統治時代である。これはGDPに占める投資比率から計算されて確定している。この動かしがたい事実をどう受け止めるかだ。韓国が、中国より先に工業国になれた背景は、日本統治があったからだ。