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米中貿易戦争で形勢を展望していた中国が、足下に火がつきついに穴を出る決意を表明した。人民元安と株安を心理的に止めざるを得ない立場に追い込まれた結果だ。米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』によれば、米中貿易協議が8月22、23日の2日間の予定で行われる。米側は議題として、中国の知的財産侵害などが中心にする意向だとしている。

 

『ブルームバーグ』(8月17日付)は、「中国はトランプ大統領の決意侮るべきでない-通商協議控えクドロー氏」と題する記事を掲載した。

 

(1)「クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、月内の米中通商協議のために中国が王受文商務次官を米国に派遣すると発表したことを歓迎した上で、貿易に関するトランプ大統領の決意を過小評価するべきではないと述べた。クドロー委員長は16日にCNBCに対し、「中国が代表団を送ってくるのは良いことだ。しばらく、こういったことはなかった」と発言。その上で、「知的財産権侵害と技術の移転強要の阻止を図り、関税と非関税障壁、割り当ての撤廃を目指すこの戦いを続けるトランプ大統領のタフさと意志を、中国当局は決して侮るべきではない」と述べた」

 

クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、トランプ大統領の側近4人に数えられている。他の3人は、大統領首席補佐官を務めるジョン・ケリー氏、大統領補佐官(国家安全保障担当)のジョン・ボルトン氏、政権外の法律顧問であるルディ・ジュリアーニ氏とされる(『ウォール・ストリート・ジャーナル』8月7日付)。クドロー氏が重要側近であることは、トランプ氏の意向を最も的確に掴める立場だ。それだけに、氏の発言に重みがあるようだ。

 

発言の要旨は、

    知的財産権侵害と技術の移転強要の阻止を図る

    関税と非関税障壁、割り当ての撤廃を目指す

    トランプ大統領のタフさと意志を、中国当局は決して侮るべきではない

以上の点を見ると、米国は絶対に妥協しないと言っており、中国は米国の要求を受け入れろと迫っている。

 

中国が、米国からの輸入量を増やすという、従来型の回答を用意しているのであれば、米国は交渉に応じない。こういう決意表明であろう。まさに、「イエスか、ノーか」という二者択一の場面になりそうだ。

 

(2)「同委員長は協議が予想以上の良い結果を生むかもしれず、話し合うことは話さないより良いとの認識を示した。中国経済と人民元については、『周知の通り落ち込んでいるが、成り行きを見守ろう』と述べた」

 

人民元相場については、現状が微妙な段階であることから慎重姿勢を見せている。不必要な発言が、為替相場で大混乱を生んだ過去の例もあるからだろう。米国は、中国に対して厳しくWTO原則論で対応する構えと見える。中国は、WTOルールから逸脱することで巨万の富を積み、米国覇権挑戦という勇ましい発言をするまでになった。その中国が、どのように回答するのか。まさか、相変わらず技術窃取を続けるとも言えまいし、どういう返事になるかに関心が集まる。