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いささかショッキングなニュースである。精華大学は北京大学と並んで中国を代表する大学だ。1911年米国留学予備校として開学した。卒業生には、今をときめく習近平国家主席と前国家主席の胡錦濤氏の超有名人がいる。その母校がスパイまがいのことをやっているというから驚く。日本で言えば、東大と京大がスパイ行為を働いたことにもなる話だ。中国のモラルはここまで落ちたか。嘆かわしい。

 

『ロイター』(8月17日付)は、「中国、清華大学から米企業・政府にハッキングの試みー情報分析会社」と題する記事を掲載した。

 

(1)「米情報分析会社のレコーデッド・フューチャーは、中国トップの清華大学からハッカーがスパイ目的で米国のエネルギー・通信関連企業、アラスカ州政府のシステムを調査していたとロイターに明らかにした。ウォーカー知事が率いるアラスカ州の代表団が5月に中国を訪問した。この前後に同大学のコンピューターから、アラスカのインターネット接続業者や州政府のウェブサイトに安全性の欠陥がないか探る動きがあったという。また6月に同知事が米中貿易摩擦による景気への打撃について、ワシントンで懸念を表明すると述べた24時間後にもソフトの脆弱性を調べていたとしている」

 

中国の代表的な大学が、ハッキングに加わっているとすれば、他の大学でも類似の行為を行なっていると見なければならない。「学問の良心」の一片もない行為であり、大学に席を置く資格はない。最近、米トランプ大統領が、「中国の米国留学生はみんなスパイだ」と発言して大騒ぎになった。ホワイトハウスは早速、火消しに回った。今回のような事態が発覚すると、「そうかも知れない」という気持ちにさせられる。すでに、中国留学生へのビザ発給は厳しく制限されている。

 

米国にある「孔子学院」は、中国語と中国文化を教える学術センターという触れ込みである。だが、現実にはスパイ活動をしており、FBIによって監視体制に組み込まれた。日本でも私大に併置されている。所轄警察署は、関心を持って見ているであろう。中国は、こうやって純粋無垢な学問の府にまで魔の手を伸している。ここまでやって、「世界赤化」計画を実現したいのだろうか。その可能性は、万に一つもない。その前に、中国経済は自滅する恐れが大きい。

 

(2)「ターゲットにされたのは、通信サービス会社アラスカ・コミュニケーションズ・システムズ・グループ、掘削会社エンスコの傘下企業、アラスカ州知事室や天然資源局、インターネット接続会社テルアラスカなど。清華大学関係者は電話取材に対し『根拠がないし、聞いたこともないため回答しようがない』と述べた。レコーデッド・フューチャーはこの問題に関する報告書を米司法当局に提出した。米連邦捜査局(FBI)はコメントを控えた」

 

精華大学関係者が、「聞いたこともない」とすれば、外部の人間が大学構内の施設を悪用してカムフラージュしている可能性もあろう。だが、そういう機密事項をこっそりとやれるのか、という疑問は解けない。精華大学が暗黙の了解を与えている可能性もあろう。いずれにしても、精華大学の名誉失墜は甚だしい。これで、米国留学の枠はさらに狭められるだろう。愚かなことに加担したものだ。