a0002_001889_m


米中貿易戦争は、中国経済に大きな影響を与える。不振を続ける個人消費を刺激すべく、所得税減税をするという。税金と聞くと日本のサリーマンは源泉徴収だから、計算法を知っている人は少ない。会社の経理部の担当者ぐらいだろう。計算は至って簡単だ。

 

中国が、所得税の基礎控除を引上げて、課税対象者を減らす措置に踏み切る。日本と比べてどの程度の減税になるのか。ちょっと電卓を叩いてみた。

 

日本も中国も同じだが、毎月の給料が基礎控除以下であれば、無税である。中国は、これまで基礎控除額が月額3500元(約5万6000円)であった。それが、18年10月1日から12月31日までに月額5000元(約8万円)に引上げられる。つまり、月給5000元以下の人は無税になる。

 

年収に直すと、6万元(約96万)の人は税金を払わなくて良い。日本では、年収65万999円以下の人は無税。中国と比べて基礎控除額が低い感じだが、実際の所得税額を調べて見ると、次のような結果になる。

 

中国人が、日本で96万円の年収があれば、実際に払う所得税は次のような計算になる。結論を先に言えば、無税である。

 

日本の税法では、年収96万円に対して先ず、65万円が差し引かれて残り31万円の5%が課税されるベースの所得金額になる。1万5500円が所得金額だが、これが全部、支払う税金とはならない。この所得から差し引かれる諸々の控除がある。一番大きい金額は、誰でも該当する基礎控除が38万円あるので、年収96万円でも無税だ。

 

やや面倒な話をしてきた目的は、中国の基礎控除額が引上げられても、現実には大きな不満が残っていることを伝えたいからだ。

 

『レコードチャイナ』(8月31日付)は、「中国の個人所得税法が改正、月収5000元から課税」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国のネットユーザーから『ネット上では明らかに70001万元(約112000円~16万円)とすべきとの声が多かったのに、5000元にしたんだな』『1万元にすべきだな』などの意見が多く寄せられた。また、『5000元では都市部で生活するのは難しい。それなのに税金をとるのか』『税収は先進国並みにし、福祉の話になると発展途上国になる』などのコメントもあり、多くのネットユーザーが不満のようである」

 

基礎控除額は1万元にしなければ、生活できないと訴えている。

 

(2)「他には、『別に上げなくてもいいよ。不動産価格を2分の1にしてくれれば、1000元(約16000円)から徴収しても文句はない』という意見や、『5000元に満たない月収の人には手当を出してくれるのだろうか』『税金を払いたいが私は払えないようだ。税金が払えるようになる日が来るのを期待したい』というユーザーもいて、低収入の人もまだまだ少なくないようである」

 

所得に比べて不動産価格が高すぎる。今の半分の水準であれば、基礎控除額は1000元でも文句を言わない、と訴えている。不動バブルで、最も利益を得たのは中国政府であることは間違いない。これで、軍備の拡張をやってきたのだ。