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中国経済の底流は確実に冷却化へ向かっている。

 

中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、14ヶ月ぶりの低水準になった。50.6で好不況の分岐点の50を上回っているが予断を許さない。この調査は、民間の財新/マークイットが行なっているもの。国家統計局が別途、調査している製造業PMIによると、8月は51.3となり予想外に上昇した。民間の調査対象はやや中小企業が多く、政府の調査対象はやや大企業のウエイトが高いという差はある。ただ、政府調査だけに、「ゲタを履かせた」疑いは否定しきれない。その点で、民間調査に信憑性がある。

 

『ロイター』(9月3日付)は、「財新の中国製造業PMI、8月は50.6に低下、14か月ぶり低水準」と題する記事を掲載した。

 

(1)「財新/マークイットが発表した8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.6と、7月の50.8から低下し、14か月ぶり低水準となった。輸出受注が5カ月連続で50を下回ったほか、企業の人員削減も加速した。拡大・縮小の分かれ目となる50は15カ月連続で上回ったが、2017年6月以来の低水準となった。生産は小幅改善したものの、大半の部門は低調だった」

 

8月の製造業PMIは、2017年6月以来の低水準。生産は小幅改善したものの、大半の部門は低調である。米中貿易戦争の影は、確実に深まっている。政府の強気は、いつまで保つか。国粋主義は国を滅ぼす。

 

(2)「CEBMグループのマクロ経済分析部門ディレクターは『軟調な需要を背景に製造業部門は引き続き低迷している。供給サイドは依然安定しているが、需要が弱い中でそれが続くとは思わない』との見方を示した。『加えて、雇用状況の悪化が消費の伸びに影響を与える可能性がある。中国経済は今や、明らかともいえる下振れ圧力に直面している』と説明した」

 

需要部門が脆弱化しているので、いずれ生産部門に波及する。そうなれば、中国経済は総崩れだ。雇用の悪化も進んでいる。消費に影響するはずだ。バブルの崩壊に加えて、貿易戦争の重圧がかかり始めた。「負のダブル影響」であろう。

 

日本のバブル崩壊後は、円高が国内生産に悪影響を与えた。中国も同じ過程を歩んでいる。中国の場合、円高が貿易戦争に代っただけだ。1994年以降の日本経済が辿った道である。

 

(3)「新規輸出受注のサブ指数は48.8となった。50を下回った期間としては、2016年上期以来最長となった。7月は48.4だった。財新調査によると、コスト高と需要低迷に直面している国内製造業はここ5年ほど人員削減に動いているが、8月の人員削減は約1年ぶりの大きな幅となった」

 

 新規輸出受注が50を割っている。2016年上期以来、最長だという。これがさらに続けば、製造業も持ちこたえられる限界を超えるだろう。8月の解雇は1年ぶりの高水準になっている。国粋派による「徹底抗戦」など、寝言みたいなことを言える環境にない。