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韓国は、経済低迷の懸念が強まるとともに、安倍首相への評価が変わってきた。韓国での「安倍評価」に厳しいものがあったからだ。「右翼」というレッテルを貼ってきた。韓国では、他人を貶めるには、「右翼」という言葉を投げつけることが、最大の攻撃手段になっている。

 

その安倍首相が、自民党総裁選で3選されれば、海外からの資金が流入する。韓国では、そういう予想が出始めた。アベノミクスが継続評価されるという前提である。

 

『中央日報』(9月14日付)は、「安倍首相が3選されれば日本株式市場に資金流入」と題する記事を掲載した。

 

(1)「9月20日の自民党総裁選挙を控え、安倍首相が3選を果たす場合、アベノミクスの維持で日本株式市場に資金が流入するという分析が出ている。大信証券のムン・ナムジュン研究員は14日に発表した報告書で、『11日に発表された全国世論調査(朝日新聞)によると、安倍首相の支持率は8月の32%より7ポイント上昇した39%で、石破茂元幹事長(27%)を大きく上回っている』と伝えた」

 

「安倍嫌い」で通す朝日新聞の世論調査で、安倍支持率が高まったとすれば本物である。朝日・毎日・東京の各紙は、「反安倍」論調で一貫している。世論調査でも、できるだけ安倍批判が高まるような「聞き方」をしている。「賛成・反対・分らない」という質問だ。読売・日経・産経などは、「分らない」に対してさらに突っ込んで聞き、「どちらかと言えば、、、」という掘り下げ方をしている。

 

朝日報道で安倍首相支持率が高まったことを受けて、中央日報もこういう記事を書いたのだろう。韓国では、朝日の信頼度は抜群である。慰安婦問題で韓国寄り報道を続けていたからだ。要するに、朝日は「右翼」でないという判断である。

 

(2)「報告書は、安倍首相が当選する場合、2021年9月まで首相の任期が延長され、財政・通貨政策がそのまま維持されると分析した。また『今年は欧州より日本企業の利益モメンタムが良好という点で、利益改善の期待が高まる日本が好まれるだろう』とし、日本株式市場に資金が流入するという見方を示した」

 

日本企業は、利益面での体質改善が著しいものがある。上場企業の約6割が無借金経営である。昔を知っている者にとっては、信じられない話だ。そうは言っても、ただ現金を貯めこんで置くだけではダメ。株主は「無能経営者」と低評価する。その現金をどのように使うかだ。設備投資か株主還元かの選択を迫られる。海外の投資家は、ここに焦点を置いているのだろう。円相場に左右されない経営体質になっているのも強味である。海外での現地生産が進んでいる結果だ。その意味では、日本企業の多くが多国籍化したグローバル企業である。

 

日本の経常収支構造が、盤石なものになっている裏には、日本企業がグローバル化している点が大きく寄与している。日本は経常収支において貿易収支以外に、所得収支で大きく稼げる体質になった。グローバル化企業のお陰である。サービス収支もあとわずかで黒字化する。訪日観光客が増加の一途を辿っているからだ。訪日観光客が4000万人を超えれば、サービス収支も完全な黒字化だ。この暁には、人口が減っても国際収支面の心配はゼロになる。海外マネーが、ここまで読んでいるかどうかは知らない。日本の潜在的な成長性が、欧州に比べ大きいのは事実だ。