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9月17日の上海総合指数は、2014年11月以来の安値2651で引けた。米中間の通商問題が先行き不透明であることだ。だが、中国政府は米国への抵抗姿勢を見せている。環球時報は、相変わらずの強気の論陣を張って、その一端を見せた。次のような内容だ。

 

「米国は、交渉のテーブルで利益をより得るため、摩擦を激化させようとすることに新味はない。われわれはより見事なカウンター攻撃を楽しみにしており、米国が感じる痛みは増し続けるだろう」(『ロイター』9月17日付)。中国一般は株価の下落が示すように、中国に勝ち目はないと見ている。それにも関わらず、こういう威勢の良い発言を繰り返すのだ。

 

中国の空元気は、実勢悪を隠すためのポーズに過ぎない。実態は、米国の関税引き上げですでに、相当の影響を受けているのだ。過剰債務による重圧で、中国企業は青息吐息の常態である。この上、関税の重圧が加わったら「窒息」しかねない。

 

『日本経済新聞』(9月17日付)は、「上海株、310カ月ぶり安値、アジア株も軒並み安」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国株の下落に歯止めがかからない。17日の上海総合指数は2651まで下落、2016年1月につけた『人民元ショック』後の安値を更新した。トランプ米政権が対中制裁関税の第3弾を近く正式表明するとみられる中、約8割の銘柄が値下がりするほぼ全面安の展開になった。米中貿易戦争がアジア経済の重荷になるとの懸念から香港や韓国、シンガポールなどアジア市場も軒並み売られた」

 

中国にとって最大の輸出市場は米国である。その国と悶着を起こしているのだから株価に影響が出るのは当然だ。企業でも、最大の得意先と揉めて、納品できない状態になれば売上が落ちる。その企業の株価が下がるはず。こういう理屈なのだ。

 

(2)「上海総合指数は1411月以来、3年10カ月ぶりの低水準となった。16年1月の安値(2655)『国家隊』と呼ばれる政府系資金が買い支えを発動する目安と受け止められてきた。小幅ながら心理的な節目を割り込み、市場では『株価の下値がみえなくなった』(国都証券)といった悲観的な声が大勢を占める」

 

中国経済のトレンドは下降局面にある。去年は、習氏が自らの権力基盤を決める重要な時期で、インフラ投資を続けさせてきた。無理に無理を重ねてきた経済である。もはや、過剰債務でボロボロの状態だ。後は、金融危機の引き金を引かなければ、それで良しという所まで追い詰められている。

 

(3)「深圳市場を含めた中国株全体を見渡しても、米国による制裁関税拡大への警戒は強い。ここ数日は米アップル向けの部材を生産するメーカーが下げているほか、安全保障上の問題がくすぶる監視カメラ大手の下落が目立つ。米国の追加利上げを機に元安圧力が再燃するとの懸念から、ドル建て費用が多い空運株が売られている。米中の貿易戦争が長引くほど中国景気への悪影響が強まるとの見方は多く、自動車や小売り、食品などに売りが広がっている」

 

日本経済の戦後成長は、米国という広大な市場が日本製品を受入れてくれたから可能であった。中国も事情は全く同じである。それにも関わらず、米国と「対等意識」を持って対抗しようとしている。ここが、奢りの源泉だ。米国が怒って中国製品に門を閉じたらどうなるか。自由市場という言葉を使う前に、米国市場のウエイトの大きさを認識すべきだ。米国は口には出さないが、「お前の急成長は米国という広大な市場があったからできたこと」という気持ちがあるだろう。中国は、WTO規則を守って、謙虚に振る舞うべきなのだ