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中国の技術窃取は、世界的に知れ渡っている。傍若無人の振る舞いが、「天誅」を受けようとしているのだ。こういう言葉は使いたくないが、「成り上がり者」特有の傲慢さを見せつけ、「俺様気取り」をすることが、紳士の国ヨーロッパで嫌われている理由であろう。

 

『日本経済新聞 電子版』(9月30日付)は、「独仏、出資規制強化へ、中国念頭、技術流出を警戒」と題する記事を掲載した。

 

(1)「ドイツやフランスが自国企業の買収や株式取得で外資規制を強める方針だ。中国企業によるM&A(合併・買収)を念頭に安全保障や国家戦略などに関わる技術の流出への警戒感を高めている。欧州連合(EU)共通のルールづくりも独仏が旗を振るが、中国マネーが経済を支えるギリシャなどは難色を示している。米法律事務所ベーカー&マッケンジーによると、1816月の中国の対欧直接投資は120億ドル(約1.3兆円)と約430億ドルの巨額買収だった農薬大手シンジェンタの数値を除くと前年同期比4%増えた。一方、貿易戦争に突入している米国に対しては同92%減の20億ドル。同事務所は「中国の投資は18年前半で米国から欧州に傾いた」と指摘する」

 

欧州各国が、中国の傲慢さに気付いたのは昨年5月の「一帯一路」セミナーの共同発表をめぐる交渉からだ。中国が、欧州各国の要望を拒否してから、溝が生まれその後は不信に変わった。欧州が、中国警戒に変わった矢先に、中国資本による欧州企業へのM&Aが増えている。米国から閉出されて欧州企業に転じたという事情もある。このまま放置すると、欧州企業が餌食にされる危機感だ。これによって、中国企業へのM&A規制を強める方針である。

 

(2)「アルトマイヤー独経済相は8月、独紙とのインタビューで経済省が取引を中止させられる外国企業による議決権取得の割合を25%から引き下げる方針を明らかにした。検討中の新しい割合は15%で、2019年にも実施する方向だ。ドイツでは16年、中国の家電大手、美的集団が独政府の製造業革新プロジェクトを主導した工作機械大手クーカを買収した。危機感を抱いた独政府は17年、経済省の審査が必要な分野を重要なインフラ産業などにも広げた。だが中国系企業のM&A意欲はその後も旺盛で、さらに規制を強める必要があると判断した」

 

ドイツでは16年、中国の家電大手、美的集団に工作機械大手クーカを買収させた。これは、大失敗である。中国の技術窃取に関する認識欠如が招いたものだ。工作機械が、製造業の核であるという視点からすれば、絶対に許してはならないM&Aである。ドイツが中国市場へ傾斜し過ぎて、ことの本質が読めなかったのだろう。

 

(3)「フランス議会も9月から新たな外資規制法案の審議を始めた。現在は防衛、エネルギー、運輸などで議決権の3分の1を超えて取得する時に、政府の認可が必要だ。仏政府は人工知能、データ保存、ロボットなども含めようとしている。ルメール経済・財務相は中国からの投資を「(技術を)盗む目的なら受け入れない」と語っている」

 

フランスも、ドイツと同じ歩調で進む方針である。欧州で独仏が共同で対策に乗り出せば、多少の異論があってもまとまるであろう。中国は東欧の分断を策しており、欧州では中国警戒論が強まっている。このように、中国は政治的に小細工をするが、反感を買うだけである。身の程知らずという非難を浴びているのだ。