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パキスタンのカーン新政権が、減り続ける外貨準備を補うべく、IMF(国際通貨基金)へ緊急融資を仰ぐことになった。パキスタンのウマル財務相は8日夜に声明を出し、金融支援を要請するため、国際通貨基金(IMF)と協議すると公表した。

 

カーン政権は8月に発足した。最初の仕事は緊急資金調達であり、すぐにIMFとの話合いに入る予定であった。それを止めたのが中国である。IMFは、融資条件として「一帯一路」計画の棚上げを迫ると見られたからだ。これに伴い、中国の粗雑な融資条件が俎上に挙がるのを避けたかったのであろう。そこで、代替案として浮かび上がったのは、サウジアラビアへの資金調達申入れだが失敗した模様。万策尽きて、IMFにゲタを預けることになった。

 

『日本経済新聞 電子版』(10月9日付)は、「パキスタン、財政支援要請 IMFと協議へ」と題する記事を掲載した。

 

(1)「パキスタンのウマル財務相は今週、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を開くインドネシア・バリを訪問する。同地では1214日の日程でIMF年次総会もあり、そこでIMF側に支援を求めるという。8日の声明では支援要請の金額規模については触れていない。ウマル氏は声明文で、国内総生産(GDP)比で6.%の財政赤字や、1兆パキスタンルピー(約9200億円)を超えるエネルギー部門の損失、月20億ドル(約2260億円)の経常収支赤字を『前政権から引き継いだ』と強調。IMFへの支援要請という『今回の決定までの間、友好国と協力してきたし、今後も協力する』と主張した。友好国には中国やサウジアラビアが含まれる」

 

(2)「中央銀行によると、パキスタンの外貨準備高は928日時点で84850万ドルとなり、約4年ぶりの低水準に減少した。中国主導のインフラ整備に伴う輸入増や、対外債務の償還額の増加が原因で、2年で半分以下に急減した。外貨準備高は少なくとも月間輸入額の3カ月分は必要とされるが、現状は2カ月分を下回る。デフォルトを回避するには、100億ドル前後の積み上げが急務とされる。対外債務は900億ドルを超え、3年で4割増えている」

 

IMFのパキスタン融資については、これまでいろいろと話題に上がってきた。米国は、パキスタンがIMFへ融資申請すれば、IMF筆頭出資国として条件を付ける。融資した資金を中国への返済に向ければ反対など、報じられてきた。中パ経済回廊は、「一帯一路」の核に当る事業である。それだけに、パキスタンのIMF融資申請がきっかけで棚上げになれば、中国のメンツは丸つぶれになろう。中国は、この事態を回避できないほど、経済的にゆとりを失っていることを窺わせている。

 

IMF融資が決まれば、米国として中国の「一帯一路」計画の実態把握にまたとない機会が訪れる。中国は、ますます窮地に追い込まれる気配だ。