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米中貿易戦争は、確実に中国製造業に影響を及ぼしている。日本の供給する工作機械や産業ロボット需要が、低下していることに現れている。工作機械はすでに需要が落込んだ。産業ロボットも7~9月から輸出が約2割も落込んでいる。自動車向けはほぼ変わらないが、電子部品組立は貿易戦争の影響を受けている。

 

『日本経済新聞 電子版』(10月26日付)は、「産業ロボ出荷5%減、9四半期ぶり、貿易摩擦の影響で中国向け2割減 」と題する記事を掲載した。

 

(1)「日本ロボット工業会(東京・港)が25日発表した201879月の産業用ロボット出荷額(会員ベース)は、総出荷額が前年同期比5.0%減の1861億円となった。減少は1646月期以来、9四半期ぶり。総出荷額のうち国内向けの出荷額は0.7%減の480億円とほぼ横ばいだった。一方、輸出額は6.5%減の1381億円。輸出額の減少は8四半期ぶりとなる」

 

7~9月期の産業用ロボット出荷額は、前年比5.0%の減少となった。輸出額が6.5%と減少したことが大きく響いた。輸出減の要因は、半分近くを占める中国向けが不振であった結果である。

 

(2)「輸出減の大きな要因は、半分近くを占める中国向けの不振で、18.5%減の555億円だった。産業用ロボットの用途は大きく自動車向けと電子機器向けに分かれる。中国向けは自動車の溶接工程に使われるロボットは横ばいだったものの、電子部品の組み立て用に使われるロボットが大きく落ち込んだ。背景には米中間の貿易摩擦がある。日本ロボット工業会によると、中国の自動車部品メーカーなどの間で貿易摩擦の影響で、投資の決定が先送りになった例があったという。「中国企業も中国で投資していいのか、海外に投資すべきか決めかねている」(同工業会)」

 

中国向け輸出は、18.5%減に見舞われた。中でも、電子部品の組み立て用に使われるロボットが大きく落ち込んだ。背景には米中貿易摩擦がある。この問題は、解決までに長期間を要するという見方も多い。中国企業ですら、「脱中国」を謀る動きを見せている。米国は、長期にわたる関税率引上げで、製造業の「脱中国」を促進させようという狙いだ。