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米経済通信社「ブルームバーグ」の景況調査によれば、10月の先行指数は再び悪化の見通しが強まった。月末には、中国国家統計局からPMI(製造業購買担当者景気指数)が発表されるが、悪い結果を予想させる。

 

9月のPMIは前月より0.5ポイント低い50.8だった。好不調の節目となる50は26カ月連続で上回ったものの、春節(旧正月)休暇の影響で統計がふれやすい13月を除くと16年9月以来2年ぶりの低水準だった。10のPMIがさらに悪化するとなれば50へ接近する事態も想像される。その場合、株価の受けるショックは大きいだろう。

 

『ブルームバーグ』(10月29日付)は、「中国経済の減速、10月に再び悪化ー先行指標が示唆」と題する記事を掲載した。

 

(1)「米国との貿易摩擦が激化し中国の政策当局が企業支援策を強化した10月に、中国の経済成長は引き続き減速したことがブルームバーグ・エコノミクスの集計した業況と市場心理に関する先行指標に示されている。今年1012月(第4四半期)の中国経済の動向は注目を集める見通しで、政府が債務をさらに急増させることなく安定した成長ペースを維持できるかどうかが焦点となりそうだ。7-9月(第3四半期)の中国経済は減速したものの、貿易戦争の影響の多くはまだ指標に反映されていない」

 

10月から、米中貿易戦争の影響が本格的に出てくる段階だ。それだけに、低調なPMIが発表されるとショックが大きく、10~12月のGDP成長率予想の引下げに拍車をかけるかも知れない。

 

(2)「ブルームバーグのアジア担当チーフエコノミスト、舒暢氏は「経済状況は国内・国外の両面で軟化し続けていることが先行指標に示されている」と指摘。「景況感は極めて低調で、小規模の民間企業の間では特にそうだ。景気支援策は輸出や消費、投資という成長のあらゆる側面に拡大し続けると予想される」と述べた。

 

中国企業の景況感は悪く、小規模の民間企業で顕著であるという。政府の景気支援策は、輸出・消費・投資などGDPを支える全項目に拡大するほど、緊急事態を迎えている。はっきり言えば、SOSの状態になっているようだ、

 

(3)「10月の中国経済に関する最初の公式統計は31日午前に公表予定の製造業とサービス業の購買部担当者指数(PMI)だ。ブルームバーグの集計データによると、製造業PMIは若干低下すると見込まれているが、建設やサービス業を含む非製造業PMIは前月比横ばいが予想されている。国家統計局の製造業PMIは9月に7カ月ぶりの低水準を付けていた」

 

中国政府は、こういう緊急事態の中で安倍訪中を迎えたわけで、日本経済への期待は一段と高まっているものと思われる。それゆえ、「安倍歓待」となったのであろう。