韓国労組の欲望には限度がなさそうだ。さらなる待遇改善を求めて、大規模な集会を開いた。南北会談も行い、融和ムードを促進させている。最低賃金引き上げも、失業者を大量に出させるほどの大幅(16.4%)なものを勝ち取った。それでも満足できないとは、貪欲である。

 

『中央日報』(11月11日付)は、「文在寅政権、失望と絶望だけ、労働団体が都心で大規模集会」と題する記事を掲載した。

 

(1)「民主労総は10日、ソウル・太平路(テピョンロ)で開かれた「全国労働者大会」で、「現在の政局は親財閥・親企業に後退する労働政策、失われた労働公約、清算されていない積弊に整理できる」としてこのように話した。続けて、「文在寅(ムン・ジェイン)政権に対する期待と要求が失望と絶望に変わっている。経済と民生問題を最低賃金引き上げのせいにした。最低賃金算入範囲拡大を含めた最低賃金法改正などは改悪だ」と主張した」

韓国の労組の組織率は、約10%である。残り90%は未組織労働者である。この「10%組」が猛威を振るっている。「労働貴族」と揶揄されているわけだ。

 

不満の種を整理すると次のようになる。

    親財閥・親企業に後退する労働政策

    失われた労働公約

    清算されていない積弊

 

もっと働かなくても良いように労働政策を改善せよ。保守党虐めをもっとやれ(積弊強化)ということである。まさに「身内の論理」を振りかざしている。心からの批判でなく、政府からもっと好条件を引きだそうという狙いだろう。

 

(2)「民主労総は21日に全面ストを予告した状態だ。民主労総は労働法改正国民年金改革非正規職撤廃――などを掲げている。民主労総のキム・ミョンファン委員長はこの日、『政府と国会は資本家の要求である弾力労働制拡大を押しつけようとしている。11月の全面ストは公共部門の正規職化を子会社の雇用で解決しようとする文在寅政権に対する強力な闘争のたいまつ』と話した。キム委員長は『文在寅政権中盤に差し掛かったいま、財閥が再び自分たちの世が開かれるよう声を高めていきつつある。財閥体制の清算と司法介入勢力の処罰だけが真のろうそくの社会』と主張した」

民主労総は、次のような要求を掲げて21日からストへ突入するという。

    労働法改正

    国民年金改革

    非正規職撤廃

 

国民年金は、保険料を引き上げずに年金を増額するという、とんでもない要求である。非正規職撤廃とは、全員が正規職ということだろう。高齢社会を迎えて多様な働き方が要請されている時代に驚く時代錯誤である。こんなわがままな要求を出しても、文政権が受入れるという見通しがあるのか。これでは、韓国経済は潰れても仕方ない。