シンガポールで15日開いた東アジア首脳会議で、南シナ海問題を巡って米国と中国が激しい応酬を繰り広げた。米国ペンス副大統領は、「南シナ海で軍事拠点化を進めるのは違法だ」と中国を厳しく批判したもの。
ペンス氏が、中国批判することは「予告」されていた。米『ボイス・オブ・アメリカ』11月10日付)は、米政府高官の話として伝えていたもの。アジアにおける、米国のプレゼンスをはっきりさせる狙いがあった。
『日本経済新聞 電子版』(11月15日付)は、「南シナ海問題、ペンス氏と李氏が応酬、東アジア首脳会議 」と題する記事を掲載した。
中国の習近平氏は、米国オバマ大統領(当時)に対して、南シナ海の軍事基地化をしないと約束していた。現実は、この約束を破って軍事基地にし、ミサイルを持ち込んでいるとされる。中国は、このように既成事実化しているが、米国が許すはずがない。米国から詰問されたら、「グーの音」も出ないのが中国である。ともかく、あらゆることで約束を守らないのが中国だ。米国が、面罵するに等しい怒りを表わすのは当然であろう。
(2)「南シナ海を巡ってはベトナムやフィリピンなどASEANの一部加盟国と中国が領有権を争っている。李氏は「南シナ海の情勢は安定してきている」と訴えたが、ペンス氏は「インド太平洋に帝国と侵略の居場所はない」と語り、軍事拠点の増強など地域への影響力拡大を図る中国を暗に批判した」
ペンス氏は、予告通りに強烈な中国批判を行なった。「インド太平洋に帝国と侵略の居場所はない」と指摘し、帝国=中国を侵略者と位置づけたのだ。出席者によると、ペンス氏の強い口調に東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の首脳らは驚いた様子を見せたという。「米国ここにあり」、ということで不退転の決意を見せつけたのであろう。
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