文政権の支持率が揺らいでいる。文大統領の訪朝の際、支持率は回復したが再び50%台前半へ落ちてきた。それでも、海外の大統領や首相に比べれば高い支持率である。

 

問題は、若者の支持率低下である。革新大統領を名乗っていながら、若者がソッポを向く構図はなんとも寒々とした光景である。理由は、高い失業率にある。就職もままならない政権を支持する気にはなれないであろう。「南北統一問題より経済問題」。これが、若者の切実な願いになっている。

 

『朝鮮日報』(11月19日付)は、「20代を中心に急落する文大統領支持率に与党幹部が危機感」と題する記事を掲載した。

 

(1)「韓国与党・共に民主党のパク・チュミン最高委員は18日「先日行われたギャラップの世論調査で、今年の初め20代で82.9%にまで達した文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率が、11月の第2週には54.5%へと28ポイント以上も下落した」「この点は非常につらいし、またつらいと思うべきだ」と述べた。パク議員はこの日国会で開催された全国大学生委員会の発足式に出席し「別の年代での支持率下落も非常につらいが、将来を担う20代が失望しているなら、その点はもっと深刻に考えるべきだ」とした上で上記のように述べた」

 

韓国の若者が、大学生の就職先として日本企業を斡旋するような文政権を支持するだろうか。政府の役割は、国民の経済問題を解決することが第一任務のはずだ。それを果たせない政権が、若者から高い支持を得たいというのはお門違いだろう。

 

(2)「同党のイ・ヘチャン代表は「政治がうまくいかないと国は発展しない」とした上で、フィリピンを引き合いに出し「過去4050年にわたりフィリピンではまともな政治指導者が出なかった。中でもマルコスという独裁者の影響で最も豊かだった国が最も貧しい国に転落してしまった」などと発言した」

 

この議員は何を言いたいか。それは、過去の保守党政権に経済問題の責任を押しつけようという魂胆である。ここが、韓国人の最も悪い点である。絶対に自らの責任を認めない。だから「自己反省」がなく進歩がないのだ。フィリピンのマルコス政権の例を出している。ここから、暗に韓国の軍事政権に責任をなすりつけているのだ。皮肉にも韓国の高度成長は、この時代に花開いたもの。過去は過去。問われているのは現在である。時の政権担当者が、最大の責任を負うものである。こういう認識のなさが、韓国の悲劇である。