不敗を誇った中国経済も、ついに寿命が尽きるところまで来た。GDPに占める個人消費比率は40%前後と極端に低い経済である。政府は、これを糊塗すべく政府消費も合算して、「最終消費支出」65%とカムフラージュしている。早とちりのメディアは、「中国の個人消費は65%」報じているが間違いだ。

 

中国政府は、中間層が6億人になるから経済は安定すると宣伝している。だが、「個人消費比率」が40%程度では、安定しようがない。この段階で、「白物家電普及率100%」になると、後は買替え需要だけである。白物家電とは、身の回りの家電製品全般を指す。今後は、サービス需要を刺激することだが、年金財政への信頼が地に墜ちており、老後不安が全面に出てきた。映画館すら行くのを自重するムードが広がっている。家計は住宅ローンの負担が重くのしかかってきた。

 

中国経済は、不動産バブルを介して需要をすべて先食いしたと言える。ここへ、米中貿易戦争が始った。対米輸出が落込めば、加工貿易型の中国経済だけにその波及度合いは相当なものになろう。中国が、米国と経済面で正面衝突して、米国は勝てる相手でない。これを最高指導部にいる民族主義グループが誤解した。中国は、不動産産バブルによる「仮の繁栄」を謳歌していたことが、近く分るであろう。

 

『日本経済新聞 電子版』(12月4日付)は、「中国、白物家電の普及率10割に近づく」と題する記事を掲載した。

 

 (1)「中国の家電メーカーが苦戦している背景には、中国でエアコンや冷蔵庫など白物家電の世帯当たりの普及率が10割に近づいたという需要構造の変化もある。今後の家電需要は買い替えが中心になり、消費者をどう引き付けるかが課題となる。英調査会社ユーロモニターによると、17年の中国の白物家電の普及率はエアコンが93.%で、冷蔵庫が94.%だった。それぞれ52%、60.%だった07年から大きく伸びた。内陸部などの貧困層にまで家電が行き渡ったためだ」

 

17年の白物家電普及率を見ると、後は、買い換え需要を待つだけであろう。まさに、家電不況である。日本の家電メーカーが相次いで業態転換を迫られた事情はここにある。中国では、こういう状況が理解できず、日本の家電は中国に敗れたと言い募ってきた。今度は、中国の家電が業態転換の番である。

 

中国は、それにふさわしい自社技術があるのか。例によって、「技術窃取」は貿易戦争で御法度になる。こうなったら、生きる道を絶たれる。さて、どうするのか。次の生きる道を探すことだ。改めて、業態転換に成功した日本企業の底力を認識することになろう。

 

(2)「2018年7~9月期はテレビ、洗濯機などの国内家電市場が縮小に転じ、増収ペースが鈍ったり、減益になったりする企業が相次いだ。各社は産業用ロボットやスマートフォン(スマホ)などに事業を多角化しているが、現時点では成果に乏しい。経済成長で白物家電はほぼ全ての世帯に行き渡り、経営は踊り場を迎えている。11月末、広東省広州市の家電量販店。TCL集団の売り場では、55型の液晶テレビが当初より3割安い8千元(約13万円)に値下げされていた。『値引きしないと客が集まらない』(担当の店員)という。冷蔵庫大手、海爾集団(ハイアール)の売り場の店員も『去年に比べて客数は減っている』とぼやいた」

 

海爾集団(ハイアール)など、中国の家電メーカーには日本の技術者がかなり移籍したと言われている。この移籍組も相当の年配者になっているだろう。もう一度、業態転換できるエネルギーを持っているかどうか。

 

メルマガ8号 「日本に背を向ける韓国、来たるべき経済危機をどう克服するのか?」が、『マネーボイス』で紹介

まぐまぐの『マネーボイス』で抜粋が紹介されています。どうぞお読みくださるようお願い申し上げます。

https://www.mag2.com/p/money/590125

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