韓国の自営業者は、40年ぶりという不況の嵐に巻き込まれている。ソウル市内で食堂を営む業者は、「食堂を経営して40年になるが、1997年のアジア通貨危機のときもここまでの不況ではなかった」というドン底に陥っている。先月28日の昼食の時間には、全70席の店内に客はわずか1人だけ。『朝鮮日報』(12月6日付)が伝えた。

 

ここまで末端景気が深刻な事態に追い込まれているのは、最低賃金の大幅引き上げが原因である。自営業者の経営を圧迫しているのは文政権なのだ。この文大統領の支持者の多くが、自営業者である。なんとも皮肉な結果になっている。

 

韓国統計庁によると、全就業者のうち自営業者の占める割合は2007年には25.7%だったが、昨年は21.%とやや減少している。それでも自営業者の割合は、経済協力開発機構(OECD)加盟国37か国・地域のうち5位と極めて高いのだ。自営業者のウエイトが高いのは、韓国の産業構造が近代化されていない結果でもある。就業者の中で、自営業のウエイトが下がり、雇用者比率が高まれば、家計収入の安定度も高まる。現実は、自営業者比率が高いので、十分な雇用口がないことを証明している。

 

文大統領の支持率は、さらに低下した。

 

論調査機関リアルメーターが12月3日に発表した世論調査結果で、文大統領の支持率は全体で48.%(前回48.8)と低下した。自営業者の文大統領支持率は37.%にとどまった。10月1日の時点では自営業者の文大統領支持率は60%(全体65.%)。自営業者の支持率下落幅(-22.2ポイント)は全体の支持率下落幅(-16.9ポイント)より大きかったことになる。

 

自営業者は、「日銭」で生活するケースが多い。顧客は、同じような境遇の自営業者が多いはずだ。ところが、最低賃金の大幅引き上げで雇用者を減らしているので、ますます自営業者の営業圏=生活圏は縮小されている。こういう悪循環の中で、自営業者はいかにして生活を守るのか。不可能であろう。

 

この悪循環がさらに深まれば、文政権への支持率は低下するはずだ。こうして、文政権のひび割れへと進むであろう。確実に言えることは、次期大統領選は革新系政党の敗北だ。

 

メルマガ8号 「日本に背を向ける韓国、来たるべき経済危機をどう克服するのか?」が、『マネーボイス』で紹介

まぐまぐの『マネーボイス』で抜粋が紹介されています。どうぞお読みくださるようお願い申し上げます。

https://www.mag2.com/p/money/590125

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