今朝、「メルマガ13号」(有料)を下記の目次で発行しました、よろしくお願い申し上げます。

 

世界一の通信機メーカーへ

通信機にバックドアの疑惑

米の有力IT企業から部品

ZTE並の罰則で崩壊する

中国は米の友人たちを失う

中国が白旗を掲げた理由は

 

米中首脳会談が開かれた12月1日、世界最大の通信機メーカー、ファーウェイ(華為技術)の副会長兼最高財務責任者(CFO)孟晩舟氏が、カナダで逮捕されました。米司法省の要請によります。この事件は、ファーウェイが米国のイラン制裁に違反してIT製品を輸出し、孟氏が銀行に偽りの説明をしたとされます。これが、詐欺罪容疑に問われたのです。

 

このファーウェイ事件は、米中間を超えて世界の通信機市場に大きな衝撃を与えました。ファーウェイは、次世代通信網「5G」(約100倍の速度)の先頭を走っているからです。同社はこれまで、中国人民解放軍と密接な関係があると指摘されてきました。その意味では、「通信機メーカー」と言うよりも、「軍事企業」とか「諜報機関」という疑惑まで持たれているのです。中国政府が、「孟氏逮捕」に対して異常な神経を払った理由でしょう。

 

事実、米下院情報委員会は2012年、ファーウェイと中興通訊(ZTE)が米国の法律に違反しており、スパイ活動などに利用される可能性があると警告したのです。前記の委員会は報告書の中で、ファーウェイが「中国政府の支援に依存し続ける可能性が高い」ことに加え、中国共産党が「同社内の党委員会」を維持していることを指摘しました。また、同社がイラン制裁を順守していないことも示唆しました。これは、米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(12月7日社説)からの引用です。

 

ファーウェイ事件には、こうした背景があるのです。それだけに、中国にとっては深刻な事態です。ファーウェイ副会長が、仮に米国で裁判を受ける身になれば、長期間にわたり米国の管理下に置かれて、中国の極秘情報が米国に渡ります。米国を打倒して世界覇権を握る。これが、中国の最終的な夢とされています。米国が、その極秘計画の一端でも知る所となれば中国の計画は水泡に帰します。

 

中国が、カナダに脅迫まがいの言動を続け、カナダの元外交官を勾留して「人質」にした理由はこれです。ファーウェイ副会長の身柄は、絶対に米国へ渡してならない。中国が、ここまで切羽詰まった状況に追い込まれたのです。

 

世界一の通信機メーカーへ

次に、企業としてのファーウェイの「横顔」を見ておきましょう。『ウォール・ストリート・ジャーナル』(12月7日付)からの引用です。

 

世界最大の通信機器メーカーです。ネットワーク上のデバイスの接続を助ける基地局や携帯電話の中継塔も含まれています。韓国のサムスン電子に次いで、世界で2番目に大きい携帯電話メーカーであります。

 

従業員数は、インテルを上回る約18万人を擁し、欧州やアフリカや南米を含む世界中に通信ネットワークを築いいます。昨年の売上高925億ドル(約10兆4000億円)は、中国の電子商取引大手アリババグループの3倍を上回ります。経費の約3分の1(昨年は約130億ドル)を研究・開発(RD)に注いでおり、RD費は世界トップクラスになっています。

 

ファーウェイは、1987年に人民解放軍の兵士の任正非氏によって創業されました。2012年、売上高でエリクソン(スウェーデン)を超えて世界最大の通信機器ベンダーとなったように、破竹の勢いで成長を続けています。このことから、背後で中国政府が有形無形の援助をしており、国力増進の片腕になっているのでないか。そういう疑いがかけられています。

 

通信機にバックドアの疑惑

中国政府支援の見返りは、ファーウェイ製品を通じて秘かに集められた情報が提供されているのでないか。通信機に「バックドア」が仕組まれており、ユーザーが知らないうちに情報が抜き取られている、と指摘されています。そのソフトの組み込みは、中国の中小零細の現場で行なわれていると報じられました。確証が握られているのです。(つづく)

 

メルマガ10号 「混迷する韓国経済、青年の5人に1人が失業へ。文在寅大統領がハマった罠とは?」が、『マネーボイス』で紹介

まぐまぐの『マネーボイス』で抜粋が紹介されています。どうぞお読みくださるようお願い申し上げます。

https://www.mag2.com/p/money/596639
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