韓国大法院(最高裁)が下した元徴用工裁判で、日本に賠償を命じた判決は思わぬ所へ飛び火した。原告らが、集団訴訟で韓国政府に賠償を求めるというもの。理由は、日韓基本条約で、日本がすでに支払った経済協力金のうち、無償3億ドルに賠償金が含まれていることから、矛先を変えた。

 

文大統領は、原告らがこういう戦術転換することを予想もしていなかったのだろう。文氏は昨年8月、「徴用工の賠償請求権は消えていない」と発言し、今回の大法院判決への下地をつくった責任者である。まさか、自分に火の粉がかかるとは思っていなかったのだ。

 

『日本経済新聞 電子版』(12月18日付)は、「元徴用工ら集団訴訟を計画、韓国政府を相手に」と題する記事を掲載した。

 

(1)「戦時中に日本企業に徴用されたとする韓国人とその遺族が、韓国政府を相手取った補償金支払いを求める訴訟を計画していることが分かった。弁護団が20日にソウルで記者会見する。1965年の日韓請求権協定で日本政府から3億ドルの無償支援を受け取った韓国政府に補償責任があるとして、1人当たり1億ウォン(約1千万円)を求める原告団を構成するとしている」

 

先に韓国で開催された、日韓議員連盟の会議に出席した額賀会長は次のように主張した。

 

「韓国人元『徴用工』の訴訟で韓国大法院が日本企業に相次いで賠償を命じたことは、日本と韓国の国際約束に抵触し、1965年の日韓国交正常化以来積み重ねられてきた両国の協力関係の基礎を揺るがすものとなり、極めて遺憾」と指摘。『2015年末に日韓両国政府間で結ばれた慰安婦問題に関する合意に基づき創設された財団が解散となったことも、日韓合意を履行していく観点から認めるわけにはいけない』と述べた。その上で、『まず、韓国政府が適切な対応策を示すことが先決』として、『その上で、日本政府と韓国政府がこの問題を適切にマネージしていくことが望ましい』と訴えた」(『聯合ニュース』12月14日付)

 

韓国の原告団も日本の主張に理があると見たのか。それは分らないが、20日に記者会見するというので、その席で、韓国政府へ要求したより詳しい理由が判明するであろう。

 

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