今年の経済成長率は、マイナスという衝撃的な講演が行なわれた。中国人民大学教授向松祚氏が、改革開放40年の記念講演会で発言したもの。香港メディア『蘋果日報』18日付によれば、向松祚氏の講演は中国当局の「嘘」を暴いたため、中国共産党中央宣伝部は、動画の削除を命じたという。それほど衝撃的な内容だ。

 

私は、明朝「メルマガ15号」(有料)を発行する。テーマは、「貿易戦争で疲弊する中国、改革派が追い詰める習近平」である。ぜひ、緊迫する中国経済と窮地に立つ習近平氏についてご一読いただきたくお願い致します。

 

『大紀元』(12月19日付)は、「中国人民大学の学者が講演、GDP実質マイナス成長と言及、データを見てハラハラ」と題する記事を掲載した。

 

中国マクロ経済学者で、人民大学国際通貨研究所理事兼副所長の向松祚(コウ ショウソ)氏は16日、同大で行われた改革開放40周年経済フォーラムで講演し、「経済のデータを見てハラハラする」と中国経済の実態について衝撃的な言葉を発した。

 

(1)「向氏は、GDPの成長率6.%という政府発表のデータに異議を唱えた。同氏が入手した重要研究機関の内部研究調査では、今年中国GDP成長率がわずか1.67%と示された。また、『別の試算方法では、今年のGDPがマイナス成長であることが分かった』。向氏は、『中国経済は明かに下振れリスクに見舞われている』と指摘した。景気鈍化を招いた最大の要因は、『米中通商摩擦』『中国民営企業の大幅な投資減少』と『民営企業家の悲観的心理拡大』にあると分析した」

 

米中貿易戦争が、不動産バブルの過剰債務でふらついている中国経済に一撃を加えたことは確かだ。それは「マインド」面である。消費者も企業家も先行き展望が見えなくなったのだ。中国にとって、最大の貿易相手国である米国と「大喧嘩」を始めたのだから、形勢不利と見るのは常識である。習氏とそれを取り巻く民族主義者たちは、米国へ無謀な戦いを挑んだ構図である。貿易戦争の原因をつくったのは中国である。それが居丈高に振る舞ったから、米国の本格的な怒りを買った。

 

(2)「同氏は中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)の最高財務責任者孟晩舟氏の逮捕について触れた。『アメリカとその同盟国はファーウェイ排除に躍起になっている。今の米中対立は単なる貿易問題ではなくなった』との認識を示したうえ、『国際社会での発展チャンスは速いスピードでしぼんでしまった』と述べた。さらに、『米中関係は今、岐路に立たされ、重大な試練に直面している』とし、中国が解決の糸口を現段階、掴んでいないと指摘した。また、中国政府系メディアは今年末から、『私有制が退場すべきだ』と煽り、民営企業家が心理的な打撃を受けた。民営企業にとって最大な問題は『融資難』ではなく、『政策の不確実性と、当局を信用できないこと』と指摘した」

 

米中貿易戦争の帰趨は、米国が握っている。これは、米中首脳会談での「休戦」と5項目が提示された時から明白である。習氏は、最も苦しい局面にある。反「習近平」の声は、経済官僚の間で強まっているからだ。

 

メルマガ10号 「混迷する韓国経済、青年の5人に1人が失業へ。文在寅大統領がハマった罠とは?」が、『マネーボイス』で紹介

まぐまぐの『マネーボイス』で抜粋が紹介されています。どうぞお読みくださるようお願い申し上げます。

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