中国経済は、株価不振に見られるように「一人負け」である。NY株式市場は、26日1086ドルと過去最大の値上がりとなった。不安心理の和らいだことが原因である。これに反して、日本株も27日は750円高に戻して2万円台を回復した。だが、上海総合指数は反

発することなく2500ポイント割り込んだままに終わった。

 

日米中の株価に見られるように、中国の経済不振は深刻化している。中国サイバー管理局(CAC)は12月26日、インターネット上の金融情報に関する新たな規制を発表した。金融情報プロバイダーが、同国の財政・金融政策の解釈を歪めることや、株式・ファンド・先物・為替市場を動かし得るニュースやイベントをねつ造することは認められないとしている。

 

事態は深刻である。ブルームバーグ・ニュースによれば、中国識者が現在の中国は不安心理が異常な高まりを見せており、1989~1992年ごろに匹敵するとしている。天安門事件が起こったのは1989年で、景気が失速していた時期だ。現状は、それに近い状況なのだ。

 

こうして、中国は米中貿易戦争を絶対に妥結させなければならない事態に追い込まれている。ファーウェイ副会長が、米国政府の要請によってカナダで逮捕(保釈)されても、米国への対抗手段を放棄している状況に、中国の危機感が滲んでいる。

 

『ロイター』(12月27日付)は、「米中通商問題で来年1月に直接会談へー中国商務省」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国商務省は27日、通商問題を巡り来年1月に米国側と直接会談する計画を立てたと表明した。それまでは、頻繁な電話協議を続けるという。商務省報道官が記者団に明らかにした。米国のクリスマス休暇にもかかわらず、協議は着実に前進しているという。ブルームバーグは26日、複数の関係筋の話として、米通商代表部(USTR)のジェフリー・ゲリッシュ次席代表が率いる代表団が来年1月7日の週に北京を訪問し、中国当局者と協議を行うと報じた。関係筋は先週ロイターに対し、米中協議が来年1月初旬になる可能性が高いと述べていた」

 

中国商務省報道官が、あえて「順調に準備が進んでいる」と強調している所に中国の悩みと焦りを感じる。米中貿易戦争を終わらせなければならない、ギリギリの線に追い込まれているからだ。中国経済の現状が、天安門事件が引き起こされた当時と同様に、沈滞ムードに覆われている。経済危機から発生する政治危機は、習近平氏にとって是が非でも回避しなければならない問題だ。習氏が、強引に「国家主席無任期制」に持ち込んだことが、国民の不満と怒り呼び込んでいるのであろう。

 

(2)「米中はここ数週間、電話協議を続けているが、対面での直接会談は、アルゼンチンで今月1日に開催された米中首脳会談以降で初めてとなる。報道官は、『米国側はクリスマス休暇中だが、中国と米国の経済・通商チームは緊密に連絡を取っており、協議は予定通り秩序ある形で進んでいる』と表明した」

 

中国側が、守勢に立たされていることは疑いない。米国の要求がエスカレートしている面もあるからだ。米中の力関係は、完全に米国に傾いている実情は、次の記事が伝えている。

 

(3)「関係者によれば、中国は米国が懲罰的関税を撤廃するとともに新たな関税を賦課しないことを望んでいるが、それに同意する前に米国がより多くを要求するのではないかと考えている。交渉が決裂した場合に備えて、当局は代替の報復措置を取りまとめているという。中国社会科学院の米中関係専門家、呂祥氏は『アルゼンチンでの首脳会談後、開放と改革を加速させる中国のインセンティブは高まった』と指摘。『合意への最大の障壁は、米国の要求に際限がない恐れだ』と述べた」(『ブルームバーグ』12月27日付中国 米国の要求エスカレートに身構えー通商対立解消で一斉取り組み))

 

米国は、中国の保護主義を徹底的にこじ開ける戦略である。かつての日米貿易摩擦当時、米側による日本への要求を彷彿とさせるものだ。

 

私のメルマガ17号は、「中国は大国のメンツ維持を優先、米へ妥協し経済危機回避へ必死」でこの問題を詳細に取り上げた。