奢れる者久しからずとは、平家物語の一節だ。韓国政界もこれを地でいっている。昨年5月、朴槿惠政権の不名誉な弾劾の後を受け、文在寅大統領は颯爽と登場した。国民の和解を訴えて、「国民のための政治」を宣言した。就任直後から高い支持率を得たが、やったことは3点ある。「積弊(保守党政権)の一掃」、「大幅な最低賃金引き上げ」、「反日政策の総仕上げ」である。

 

いずれも、破滅的な結果をもたらした。

 

    「積弊(保守党政権)の一掃」は、国内の政治的な対立激化をもたらしている。

    「大幅な最低賃金引き上げ」は、失業率を高めて国内経済を不況に追い込んでいる。

    「反日政策の総仕上げ」は、日韓関係を根本から破壊し修復不可能な状態に陥れた。

 

これまで、支持率を押し上げていた南北融和ムードは、韓国が北朝鮮の金正恩氏に利用されただけというムードが強まり、逆に支持率を下げる要員になっている。今や、世論調査での不支持率が、支持率を7ポイントも上回るほどの不人気政権である。与党「共に民主党」も支持率が下落し、「限界線」に接近している。

 

『中央日報』(12月28日付)は、「50%超えた文大統領への否定的評価、国政動力の低下も」と題する記事を掲載した。

 

(1)「世論調査機関リアルメーターは、27日、最新の世論調査結果を発表した。

支持率は43.8%(前週比-3.3ポイント)

不支持率は51.6%。(前週比+5.5ポイン)
リアルメーターの調査で、否定的な評価が肯定的な評価を上回ったのは、政権発足後初めて。肯定的な評価と否定的な評価の差が、誤差範囲外(7.8%)に広がった」

大統領選における文氏の得票率は41%である。世論調査の支持率は43.8%だ。この調子で支持率が下落すれば、来年最初の調査で41%のラインを割り込みそうだ。不支持率が過半を超えており、若者や自営業者の支持率低下が大きく影響している。いずれも、最賃大幅引上げの犠牲になっている人たちだ。

 

(2)「与党は大統領支持率のマジノ線を40%、与党「共に民主党」の支持率下限線を35%とみている。今回の調査で民主党の支持率は1.7ポイント下落した36.3%と、臨界点に近づいている。民主党関係者は「いわゆる『コンクリート支持率』が崩れる場合、国政運営動力の確保に支障が生じるとみている」と懸念を表した」

 

与党は、大統領支持率のマジノ線を40%、与党「共に民主党」の支持率下限線を35%に引いている。今回の調査で与党は36.3%であり、首が皮一つでつながっている状況である。ここまで支持率の落勢が強まると、与党も新年早々の調査で、想定下限線を割り込むであろう。

 

政権に就いた直後の「共に民主党」は、積弊一掃で保守党を徹底的に潰す戦略に出た。前政権に関係した人々を告発して逮捕させ、刑務所に送った。そのやり口は、北朝鮮並の「粛清」である。無実であることの証として、死を以て抗議する自殺者が5名も出ている。残酷な仕打ちをしたものだ。次の大統領選で保守党が勝てば、今度は「共に民主党」が被告席に立たされる。因果応報とは言うが、韓国政治の前近代性を物語っている。

 

(3)「政界は支持率自体より『速度』が尋常でないと見ている。9月末に65.3%だったが、大きな悪材料なく3カ月間で20ポイント以上も下落したのは異例という分析だ。カ・サンジュ檀国大政治学教授は、『景気に敏感な自営業者と非正規職労働者の離脱が目立つ』と語った」

これほど無策の政権も珍しい。多くの学者を政権幹部に登用した。口は達者でも実務能力はゼロ。学会の論文発表のような「最賃大幅引上げ論」を発表し、得意満面であった。多くの論理的な反対を受けたが、一切無視し強行した。その結果が、現在の破綻に瀕する韓国経済である。もはや、どうにもならない所まで突っ込んでしまった。国内で暴動が起っても不思議でない。それほど矛楯に満ちた政権なのだ。

 

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