中国は、また米国への譲歩を一つ増やした。これまで、輸入した実績のない米国産コメの輸入を決定したからだ。中国は、米中貿易戦争で大きな被害が出ている焦りが、こういう譲歩を重ねさせているに違いない。年末が迫るとともに、中国経済には暗いニュースが増えている。限界状況に達した証拠であろう。

 

『ロイター』(12月29日付)は、「中国、米国産コメの輸入許可、通商協議控え柔軟姿勢か」と題する記事を掲載した。

 

(1)「中国は初めて米国産のコメの輸入を許可した。1月に行われる米との通商協議をにらんだ対応とみられる。中国はコメをアジア諸国から輸入しており、米国産をどの程度輸入するかは現時点で不明。中国税関当局の声明によると、同国の検査基準を満たし、米農務省に登録された業者が扱うコメの輸入を12月27日付で許可した」

 

米国産のコメ輸入量は不明であるが、中国政府は米国政府に対し「恭順の意」を示した恰好である。ここまでへりくだった中国を見たことがない。よほど、経済的に窮迫している証拠であろう。

 

(2)「コンサルタント会社JCIのアナリストは、米国産コメの輸入許可は、米中関係改善を示唆すると指摘し、国有企業が発注元になるとの見方を示した。政府系シンクタンクの幹部は、米国産コメの価格は南アジア産に比べて価格的に優位性があるわけでなく、輸入許可は中国側の善意の表れと解釈すべきと述べた」

 

中国は、アジア産に比べれば割高の米国産コメを輸入する。この点を見ただけでも追い詰められている中国の姿が浮かび上がる。「米国へ徹底抗戦」と言い放ったあの強気は、どこにも見られない。高い代償になった。

 

(3)「中国は2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟した際にコメ市場を開放したが、米国のコメ販売団体USAライスによると、米国と中国の間で検疫に関する取り決めがなく、米国産コメの輸入は事実上禁止されていたという」

 

米中間では、コメの検疫協定もないほどコメ貿易は、米国にとってマイナーであることを示している。それでも中国は、米産のコメ輸入を決意した。痛々しいしいほどの配慮だ。

 

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