明けましておめでとうございます。昨年はご愛読ありがとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます

 

私が、ブログ「勝又壽良のワールドビュー」を始めましたのは、昨年7月からでした。それ以前に、ブログ「勝又壽良の経済時評」を2010年5月よりアメブロで毎日書いております。途中から「二足のわらじ」になりました理由は、ライブドアの執筆上の便宜性に惹かれた結果です。さらに、昨年11月より、メルマガ(有料)「勝又壽良の経済時評」を始めるという「三足のわらじ」となっております。

 

私は、もともと週刊東洋経済の記者出身です。後に、週刊東洋経済編集長を経験しましたので、一つの情報を「単発記事」で扱うか、「特集記事」に仕立てるか、本能的に情報を選択する衝動に突き動かされます。最初のブログ「勝又壽良の経済時評」は、単発記事と特集記事が混ざったような形でした。その弊害に気付き「勝又壽良のワールドビュー」は、単発記事主体に変え、特集記事はメルマガ(有料)「勝又壽良の経済時評」に組み替えました。

 

「雀百まで踊りを忘れず」と言います。私もその部類かも知れませんが、記者時代の担当で、財政・金融・労働・景気・産業・企業など一通りの取材・執筆の経験をしています。さらに東海大学での研究生活を経ることで、現在の世界経済の混乱をどう見るか、おぼろげながらも方向性が見えてくる感じを持っています。

 

特に、日本のバブル経済の形成過程と崩壊後遺症をつぶさに見てきた経験が、中国経済の分析には必須であることを痛感しています。曲がりなりにも早くから、中国経済の行き詰まりを予測し得たのは、日本のバブル経済の形成と崩壊の両過程を見てきたことが役立っております。

 

私の最初の書物は、『日本経済バブルの逆襲』(1992年1月発行)でした。世間で、バブルという認識がゼロの時代でした。日本政府が、バブルと認識したのは1993年でした。また、『戦後50年の日本経済』(1995年3月発行)によって、戦後日本経済の抱える構造的な問題点を追求しました。極めて、産業保護的体制でした。

 

今頃、こういう古い自著を持出したのは、中国経済の今後を分析するには不可欠であると考えているからです。中国経済の辿る道は、日本経済が過去に歩んだ道であることは間違いないと見ています。不良債権処理の重圧、労働力人口の急減という点は、日本と全く同じです。

 

日本よりさらに悪い条件が2つあります。

 

(1)米中が、冷戦時代に入っていることです。中国は、自由主義諸国から安全保障上において、危険国と見なされて包囲対象になりました。これは、中国が先進国への投資が不可能になったことを意味します。グローバル経済時代は、企業の海外直接投資が不可欠です。米国や日本、ドイツなどの企業が積極的な海外投資で利益を上げています。その点で、中国企業は先進国から敬遠されておりグローバル経済のメリットを享受できない、大変なデメリットを受けています。これは、将来の中国経済の発展に決定的なマイナスです。

 

(2)中国は、冷戦時代で軍事費の負担が嵩みます。米国覇権に挑戦すると宣言した結果、自由主義諸国は警戒体制に入っています。中国には、信頼できる同盟国がありません。一方、EU諸国と米国・日本・豪州・インドに包囲網を作られています。戦前の日本がABCDラインで経済封鎖された点とよく似ているのです。ちなみに、A=米国、B=英国、C=中国、D=オランダです。

 

戦前日本の外交的な失敗と、戦後日本経済のバブル崩壊後の後遺症を見れば、中国の将来がどうなるか見当はつくはずです。中国は、新興国特有の「奢り」と「衝動」に突き動かされています。中国が、米国と対決しても勝てる相手ではありません。日本は二度(戦争とバブル経済)も、米国へ挑んで敗れた歴史があります。米国の手強さは、日本が一番よく知っています。日本の勝てなかった米国に対して、中国は歯が立ちません。

 

メルマガ15号 「貿易戦争で疲弊する中国、改革派が追い詰める習近平」が『マネーボイス』で紹介されました。

まぐまぐの『マネーボイス』で抜粋が紹介されています。どうぞお読みくださるようお願い申し上げます。

https://www.mag2.com/p/money/612755
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