韓国は、口では日本を小馬鹿にしているが、TPP(環太平洋経済連携協定)の発効で浮き足立っている。表面的にはTPP加盟国11ヶ国中、9ヶ国とFTA(自由貿易協定)を結んでいるので、慌てなくてもいいとしている。だが、ベトナムを例に挙げると、韓国とベトナム間のFTAよりも、TPPの関税率が低いのでベトナムでは日本が有利になるとヤキモキしているのだ。

 

「韓国経済新聞」(12月31日付)は、「世界2位のFTA発効、韓国通商でひとりぼっちになるか」と題する記事を掲載した。

 

(1)「TPP11が12月30日に発効した。加盟国のGDPを合わせると世界のGDPの13%で、現在稼動中の多国間貿易協定のうち2番目に大きい規模だ。専門家らは、韓国がすでにCPTPP加盟国の相当数と自由貿易協定(FTA)を結んでおり、ただちに貿易に大きな影響はないとみている。だが時間が過ぎるほど世界の通商の流れに遅れを取り「ひとりぼっち」になるかもしれないという指摘も少なくない」

 

TPP11は、FTAでは世界2位の規模である。日本は、米国を復帰させる狙いを捨ててはいない。韓国は、TPPの将来に大きな発展力があることを承知しているが、後で触れるように、韓国のTPP入りは日本とFTAを結ぶようなもので、圧倒的に不利であることが足を鈍らせている。韓国は、口で日本を「戦犯国」扱いして威張っているが、内心は怖くてしょうがない存在のようだ。

 

(2)「だが時間が過ぎるほど有形無形の損失が大きくなるだろうという意見が多い。まず韓国が最近貿易を拡大しようとしている東南アジア市場で影響力が縮小する恐れがある。ベトナムとマレーシアは韓国と締結したFTAよりもTPPの市場開放水準が高い。日本やオーストラリアなど競合国が韓国より有利な条件で東南アジア市場を攻略できるようになったのだ」

 

韓国は、TPPによってベトナムとマレーシアで不利を被るという。代わって、日本や豪州が関税で韓国よりも有利になると懸念している。

 

(3)「世界の通商の流れに取り残される懸念も大きい。ソウル大学国際大学院のアン・ドックン教授は『TPPは国同士の自由な電子情報移動を保障し、金融サービス、外国資本投資規制を緩和するなど新たな通商規範が相当数盛り込まれた。こうした規定は第4次産業革命技術発展を促進させるが、韓国だけ疎外されるのは大きな問題だ』と指摘した」

TPP加盟国は、第4次産業で有利になる。主としてデータが共同管理であるので、TPP加盟国には他国のデータを利用できるメリットがある。韓国は、その点で著しく不利となる。

 

(4)「韓国政府もこうした点を認知しているが、すぐにTPPに加入するには検討すべき事項が少なくないという立場だ。韓日市場開放にともなう損失への懸念がそのうちのひとつだ。TPP加入は事実上、日本とFTAを締結する効果がある。ところが日本は相当数の工業製品の関税がすでに0%のためTPP加入時に韓国だけ一方的に市場を開放する結果がもたらされる。特に自動車産業は現在8%である関税を下げれば日本車の韓国市場でのシェアが拡大する可能性がある

日本ではほとんどの工業製品が関税率0%である。韓国ではまだ関税を残している。特に自動車は8%である。韓国がTPPに参加すれば、前記の関税率を下げなければならず、韓国製造業への影響が大きく出る。自動車の場合、日本車に圧倒される懸念も出てくる。痛し痒しなのだ。

 

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