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文大統領は、過去に積み上げてきた日韓関係の枠組みをすべて破壊した。妄想の世界に生きている人間の仕業としか思えないやり方だ。その秘密を解くと、他人の意見を聞かないという決定的な欠陥がある。

 

文氏は、一人で食事をすることが多いという。他人と会って会話をしないという意味である。昨年、国内関係者との食事は朝食会1回、昼食会25回、夕食会2回だ。1年365日、1095回の食事のうち文大統領が国民との意思疎通のために割いた食事の回数は計28回だという。朝鮮日報のコラム(1月19日付)が嘆いている。

 

文氏もまた、「不通大統領」になってしまった。朴槿惠・前大統領もそうだったが、他人と食事しながら、ざっくばらんに話さない限り、実態を知ることはない。会議で聞く話と、本音を語る食事をしながらの会話では密度が異なる。こういう文氏の独りよがりな性格が、日韓関係を奈落の底へ突き落としているのであろう。

 

『レコードチャイナ』(1月17日付)は、「韓国教授が文政権の対日政策を批判、日韓関係を悪化させている」と題する記事を掲載した。

 

韓国『オーマイニュース』(1月17日付)によると、ソウル大のパク・チョルヒ教授が「文在寅(ムン・ジェイン)政権が日韓関係を悪化させている」と主張した。

(1)「16日に開かれた韓国最大野党・自由韓国党の研修会で講演したパク教授は、日本企業に元韓国人徴用工への損害賠償を命じた韓国裁判所の判決を問題視し、『(文政権が)裁判の判決を延期させた人たちを検察の捜査対象にすることでシグナルを送った』と指摘した。『強制徴用問題をめぐる政府間交渉は1965年の協定で終わった』とし、『韓国政府も補償できるが、今になって過去に2度も補償した日本に押し付けている状態』と主張した」

 
(2)「2015年末の日韓慰安婦合意については、『日韓関係改善を目指す朴槿惠(パク・クネ)前大統領のさまざまな働きかけが合意に導いた』と高く評価した。その上で『それを文政権が枠だけ残し、中身を全て抜いてしまった』と批判。日本からの拠出金により設立された元慰安婦財団の解散を決定したことについて、『日本の立場からすると、けんかを売られたようなもの』と指摘した」

(3)「昨年10月に済州島で開かれた国際観艦式での『旭日旗掲揚』問題について、『10年前も20年前も国際観艦式が開かれたが、その時は旭日旗を問題視しなかった。それが国際慣行だ』とし、『今回問題視したことで日韓の軍事協力にクエスチョンマークがついてしまった』と述べた。最近問題となっている『レーダー照射』問題については、『意思疎通と信頼があればここまで大きな問題にならなかったが、お互いに国内の政治問題に拡大させてしまった』との考えを示した」

(4)「最後にパク教授は、文政権の対日外交政策について『批判はうまいが、提案は全くできていない』と指摘。また、『文政権は市民運動と労働組合に捕らわれている』とし、『市民運動の論理に押されて(対日関係が)金・補償の話になり、問題の本質が変わってしまった』と批判した。さらに今の日韓関係を『酷寒期』と表現し、『日本は今、韓国と話そうともしない。自由韓国党が再び政権を握るまでに日韓関係が完全に破たんしないことを願う』と述べたという」

以上の記事について、改めてコメントを付けるまでもないが、(4)のパラグラフについて、触れておきたい。文政権が、市民運動と労働組合の論理だけで動いていることは明らかである。視野が狭いのだ。日韓外交にそれが顕著に表れている。文政権の間は、日韓外交が動かないのは決定的であろう。その間、韓国は経済も外交もすべて行き詰まるに違いない。